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バルブメタルの非水電解液中における 不働態化と表面欠陥
工学部 バルブメタルの非水電解液中における 不働態化と表面欠陥 (山大工*,山大院理工**,上海交通大学***)○立花和宏*,仁科辰夫**,遠藤孝志*,田中良樹**,木俣光正*,楊立***, 尾形健明* ヤン・リュウ 〒 山形県 米沢市 城南4-3-16 TEL&FAX: mailto:
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緒言~EDLC開発の歴史と課題~ <EDLCの課題> Table 1 EDLC開発の歴史 G.E..特許 SOHIO特許
年 1957 1969 1978 1990 開発 G.E..特許 SOHIO特許 NEC/Matsusita Matushita/Isuzu 構成 黒色タール塊-硫酸電解液 炭素ペースト-硫酸電解液 活性炭素織布-有機電解液 アルミ箔・活性炭-有機電解液 市場 低電圧キャパシタに市場無し メモリーバックアップ 超高電流キャパシタによる充放電 <EDLCの課題> EDLC開発の歴史と、これからのEDLCの課題。 テーブル1にEDLC開発の歴史的状況を簡潔に示しました。 1957年に米国のゼネラル・エレクトリック社が最初の特許を出した。 1969年米国のSOHIO(Standard Oil Company(Ohio))が特許を出す。 ・電気自動車用のハイブリッド出力システム ・ブレーキの回生エネルギーの回収 ・高容量安定器 ・負荷平準化設備 ・アクチュエーターやモーター駆動 ・低温、または高負荷スターター補助 ・ロボット工学のハイブリットシステム 二次電池に対して対しての優位性は ・何十万回ものサイクル寿命と いう優れたサイクル特性 ・はるかに大きなパワー密度 ・充放電中における充電状態の忠実な表示である。 ①二次電池に比べエネルギー密度が低い。 ②低温・高温域での充放電効率が低い。 ③等価直列抵抗が電解コンデンサの、約1000倍も高い。
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E=CV2/2 緒言~EDLCの問題解決策~ < これまで検討されてきた、EDLCの課題解決策> ①電解液を水溶液から有機電解液に変える。
・広い電位窓が得られる。 ②電解液を有機電解液からイオン性液体に変える。 ・比較的高いイオン導電性が得られる。 ・不揮発性である。 ・不燃、若しくは難燃性である。 ・比較的広い電位窓を有する。 ・極めて広い液体温度範囲を有する。 これまで検討されてきたEDLCの課題解決策 ①電解液を水溶液から有機電解液に変える。 ②電解液を有機電解液からイオン性液体に変える。 ③溶質塩の最適化を図る。 キャパシタの エネルギー ③溶質塩の最適化を図る。 ・セル容量の高容量化 ・内部抵抗の低減 E=CV2/2
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目的~課題の解決方法の問題点~ 目的 バルブメタルの非水電解液中での耐食性や不働態化、 表面欠陥と炭素との接触抵抗について明らかにする。
これまで、EDLCの性能の向上が、電解液の溶質や溶媒を変えることにより行われている。 しかし、電解液の溶質や溶媒と、集電体に使われるアルミニウムの耐食性や、不働態化、 炭素電極材料との接触抵抗については研究されていない。 EDLCのサイクル特性、寿命、内部抵抗は、集電体の 耐食性や、不働態化、炭素電極材料との接触抵抗に起因する。 課題解決の問題点(電解液の溶質や溶媒と集電体の組み合わせにも最適化が必要である。 ) これまで、EDLCの性能の向上が、電解液の溶質や溶媒を変えることにより行われてきた。 しかし、電解液の溶質や溶媒と、集電体に使われるアルミニウムの耐食性や、不働態化、 炭素電極材料との接触抵抗については研究されていない。 電解液の溶質や溶媒と集電体の組み合わせにも最適化が必要である。 なぜなら、 EDLCのサイクル特性、寿命、内部抵抗は、集電体の 耐食性や、不働態化、炭素電極材料との接触抵抗に起因するからである。 目的 バルブメタルの非水電解液中での耐食性や不働態化、 表面欠陥と炭素との接触抵抗について明らかにする。
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実験方法~実験の流れ~ ①イオン性液体中でのAlの耐食性、 不働態化を評価 ①、②EDLCモデルを作成 し接触抵抗を評価
大まかな実験の流れについて。 ①イオン性液体中でのAlの耐食性、不働態化を評価 ②EDLCモデルを作成し接触抵抗を水溶液中で評価 ③EDLCモデルを作成し接触抵抗を有機電解液中で評価 ①、②EDLCモデルを作成 し接触抵抗を評価
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実験方法~旗型電極の作成~ 旗型電極を Al箔(純度99.99%厚み0.1mm) Nb箔(純度: 99.9% , 厚み:0.05mm) Ta箔(純度: 99.9% , 厚み:0.05mm) より作成。 5mm 8mm 試験面 S=1cm2 7mm 5mm アルカリ脱脂 M NaOH(1分)→H2O (1分)→0.65M HNO3(1分) → H2O(超音波洗浄1分) 7mm 5mm 8mm 7mm マスキング 部分 旗型電極の詳細な作成方法について Al箔(純度99.99%厚み0.1mm) ニラコ製 Nb箔(純度: 99.9% , 厚み:0.05mm) NECトーキンより Ta箔(純度: 99.9% , 厚み:0.05mm) より作成。 NECトーキンより マスキング 柄の部分を50V(vs. Ag/AgCl)まで化成処理した. その後リード部分を切った。 リード 7mm
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実験方法~EDLCモデル電極の作成~ 化成 電解液 Al: 0.3M アジピン酸アンモニウム Nb、Ta:0.1Mリン酸 条件 ・対極:Pt
参照極 化成 電解液 Al: 0.3M アジピン酸アンモニウム Nb、Ta:0.1Mリン酸 条件 ・対極:Pt ・参照極:Ag/AgCl ・電流密度:1mA/cm² ・化成電位 10、20V ・エージング:Nb,Ta 10分 Al 30分 試料極 対極 電解セル 旗型電極からEDLCモデル電極を作る詳細な方法 ・化成電解液は二オブ、タンタルは0.1Mのリン酸水溶液 ・アルミニウムは0.3Mのアジピン酸アンモニウム水溶液 エージング時間は 二オブ、タンタルが10分で アルミニウムは30分 炭素分散液 炭素分散液に ディップコーティング 乾燥(160°C,30min) 旗型電極
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実験方法~イオン性液体中でのAlの耐食性、及び不働態化~
Table 2 Alの耐食性、及び不働態化を明らかにするために CV測定時に使用したイオン性液体の電解液 金属 カチオンⅠ アニオンⅠ カチオンⅡ (1M) アニオンⅡ Al EMI BF4 Li TFSI PMI BMI CV測定条件 ・掃引速度:0.5V/sec ・対極:Pt ・参照極:Pt ・-2.0V vs.Ptから掃引 イオン性液体中でのAlの耐食性、及び不働態化についての実験 使用した電解液の種類と測定条件 Table2 イオン性液体中での耐食性と不働態化を評価するためCV測定時に使用した電解液 CVは-2.0V vs.Ptから掃引している。 イオン性液体の呼び名と水分濃度 EMI(870ppm) 1エチル3メチルイミダゾリウム PMI(710ppm) 1プロピル3メチルイミダゾリウム BMI(410ppm) 1ブチル3メチルイミダゾリウム TFSI トリフルオロメチルサルフォニル
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実験方法~高電場機構によるシミュレーション~
実測値 漏れ抵抗が 一定 OK 一致 NG 漏れ抵抗が 皮膜厚に比例 皮膜 ECM 高電場機構によるシミュレーション イオン性液体でのアルミニウムのCVが高電場機構による皮膜生成電流なのか シミュレーションより解析しました。 NG 漏れ電流なし 漏れ抵抗は、 皮膜表面の集中抵抗
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実験方法~表面欠陥と炭素との接触抵抗~ CV測定条件 Al アジピン酸アンモニウム(0.05M)aq 109 Ω・cm
Table 3 表面欠陥と炭素との接触抵抗を求めるためにCV 測定時に使用した水溶液系電解液と有機系電解液 CV測定条件 金属 水溶液系 有機電解液系 Al アジピン酸アンモニウム(0.05M)aq 109 Ω・cm (C2H5)4NBF4/PC (1M) Nb リン酸(0.1M)aq 96.8Ω・cm LiClO4 /EC・DEC (1M) Ta ・掃引速度:0.5V/sec ・対極:Pt ・参照極:Ag/AgCl ・自然電位から掃引 水溶液系及び有機電解液系で表面欠陥と炭素との接触抵抗を求める実験 Table2 表面欠陥と炭素との接触抵抗を求めるためにCV測定時に使用した電解液
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実験方法~カーブフィッティングによる接触抵抗の算出~
容量線形項、ラプラシアン項あり、LiCoO2電池正極模型 理想的な コンデンサ R×10 R×10 ハイブリッド キャパシタ模型 容量線形項あり ELDC模型 カーブフィッティングによる接触抵抗の算出方法について
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実験結果~イオン性液体中でのAlのボルタモグラム~
①EMI-BF4 ②PMI-BF4 ③BMI-BF4 1サイクル 2サイクル ④EMI-BF4 +Li-TFSI ⑤PMI-BF4 ⑥BMI-BF4 1サイクル 2サイクル 電流 / mA 電流 / mA 電位 / V vs.Pt 電位 / V vs.Pt イオン性液体 カチオンⅠ アニオンⅠ カチオンⅡ (1M) アニオンⅡ ① EMI BF4 ② PMI ③ BMI ④ Li TFSI ⑤ ⑥ イオン性液体中でのAlのボルタモグラム カチオンの違いを見る。 黒がEMI 赤がPMI 青がBMI 実線が1サイクル目、点線が2サイクル目 次のスライドもイオン性液体の種類とと番号の割り振りは同じ。
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実験結果~Li-TFSIの添加効果~ ① ④ ② ⑤ ① EMI BF4 ② PMI ③ BMI ④ Li TFSI ⑤ ⑥
1サイクル 2サイクル ②PMI-BF4 ⑤PMI-BF4 +Li-TFSI 1サイクル 2サイクル ① ④ ② ⑤ 電流 / mA 電流 / mA 電位 / V vs.Pt 電位 / V vs.Pt ③BMI-BF4 ⑥BMI-BF4 +Li-TFSI 1サイクル 2サイクル イオン性液体 カチオンⅠ アニオンⅠ カチオンⅡ (1M) アニオンⅡ ① EMI BF4 ② PMI ③ BMI ④ Li TFSI ⑤ ⑥ イオン性液体中でのAlのボルタモグラム カチオンの違いにより3つの図に分けた。 それぞれのLiTFSIの添加効果を見る。 黒色が1サイクル目 赤色が2サイクル目 電流 / mA 電位 / V vs.Pt
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実験結果~Al,Nb,Ta(20V皮膜)のEDLCモデルのCV ~
カーブフィッティング による接触抵抗の算出 アルミニウム、二オブ、タンタルに20V皮膜をつけ、EDLCモデル電極を作成したCV。 青が二オブ、ピンクがタンタル、緑がアルミニウム。 タンタルはほぼ電流が流れなかったため静電容量及び接触抵抗は算出できなかった。 EDLCモデル 静電容量C [μF] 接触抵抗R [Ω] Al/Al2O3/AB 1700 210 Nb/Nb2O5/AB 1500 850 Ta/Ta2O5/AB ―
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実験結果~有機電解液中におけるAl,Nb,Taの接触抵抗~
線は最小二乗法による近似線
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実験結果~水溶液中におけるAl,Nb,Taの接触抵抗~
タンタルはまだデータ出ていない。
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結論 ●イオン性液体中でもフッ素系アニオンが含めれていれば、アルミニウムは不働態化することがわかった。よって、 EDLCの電解液としてイオン性液体を用いる場合、フッ素系アニオンが含まれているイオン性液体を使えばよい。 ●酸化皮膜の欠陥部は、バルブメタルの種類によらず、皮膜が厚くなると欠陥濃度が減ることが分かった。すなわち、集電体の表面処理は酸化皮膜の欠陥濃度に影響を与え、EDLCの内部抵抗に影響するので、最適な表面処理を行えばEDLCの内部抵抗は低減できる。
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実験方法~イオン性液体の種類~
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