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レーザー干渉計重力波検出器TAMA300の 観測状態解析 II
安東 正樹 東京大学 理学系研究科 新井宏二,高橋竜太郎,辰巳大輔,Peter Beyersdorf, 川村静児,三代木伸二,三尾典克,森脇成典,沼田健司, 神田展行,藤本眞克,坪野公夫,黒田和明, TAMA Collaboration 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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概要 干渉計型重力波検出器の状態解析 観測中の検出器の不安定性・雑音を特定 干渉計改良、重力波解析 検出器の安定動作 非定常成分
重力波検出器出力 = (定常・ガウス雑音) (非定常雑音) (重力波信号) 検出器の安定動作 非定常成分 検出器の安定性・得られたデータの質の評価、重力波解析 TAMA DT6 データを用いたバースト重力波解析 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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目次 はじめに バースト重力波解析と非定常雑音 非定常雑音の除去 非定常成分の評価 TAMA300データの評価 TAMA DT6と解析結果 まとめ 今後の課題 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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はじめに (1) - 重力波のサーチ - チャープ重力波解析 (連星合体) 波形が予測できる テンプレートとの相関 (マッチトフィルタリング) 波形から非定常雑音を除去 連続重力波解析 (回転中性子星) 比較的単純な波形 長時間積分、狭帯域化により非定常雑音を除去 バースト重力波解析 (超新星爆発) 波形が予測できない マッチトフィルタリング法は使えない ‘something unusual’ なものを探す 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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はじめに (2) - バースト重力波検出用フィルター -
はじめに (2) - バースト重力波検出用フィルター - バースト重力波検出用のフィルター 時間-周波数平面上でのパワーを解析 Excess power : Phys. Rev. D 63, (2001) Clusters of high-power pixels in the time-frequency plane : Phys. Rev. D 61, (2000) 波形を仮定し、相関を解析 Slope detector : Phys. Rev. D 63, (2001) Correlation with single pulse : Phys. Rev. D 59, (1999) 評価関数を決めて閾値と比較 → 大きなものを記録 定常的な雑音を仮定 → 検出効率を議論 共通の問題点 非定常雑音と重力波を区別できない 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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はじめに (3) - 非定常雑音の除去 - 実際の重力波検出器 多くの非定常雑音を含む 重力波信号が覆い隠されてしまう 例) Excess power解析 でのイベントレート 定常・ガウス雑音での シミュレーション結果 TAMA DT6の解析結果 非定常雑音の除去が不可欠 検出器の改良 データ解析上での除去 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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非定常雑音の除去 (1) ー 重力波信号波形 ー 非定常雑音の除去 波形の知識・仮定が必要 超新星爆発の数値シミュレーション 78通りの重力波予想波形 様々な波形 全ての条件は網羅していない テンプレートとしては不適 共通の特徴 : 十分短い 時間スケール < 100 msec T. Zwerger, E. Müller, Astronomy & Astrophysics, 320 (1997), 209. 干渉計型重力波検出器の非定常雑音 時間スケール > 1 sec (懸架装置の応答時間) 時間スケールによって信号と雑音を区別 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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非定常雑音の除去 (2) ー データの定常性・ガウス性 ー
時間スケールの評価量 一定時間のデータ毎で、2つの統計量 平均パワー (典型的なパワーで規格化) データの定常性を表す パワーの高次モーメント データのガウス性 定常・ガウス雑音 Pj は指数分布. 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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非定常雑音の除去 (3) ー C1-C2 相関図による雑音評価 ー
干渉計出力 定常・ガウス雑音 + 非定常成分 C1 と C2 の相関図 安定動作 短パルス ノイズレベルの悪化・ 多くのバースト雑音 非定常成分の 時間スケール 短 長 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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非定常雑音の除去 (4) ー 理論曲線とデータ評価 ー
「重力波らしさ」の定量的評価 データのモデル 定常・ガウス雑音 + 重力波信号 相関図上で平均値の理論曲線 (埋め込みシミュレーションで確認) 平均理論曲線までの距離 (D) ー 重力波信号らしさ 信号を落すことなく 非定常雑音を除去 理論曲線 C1 C2 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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TAMA300データの評価 (1) ー データ評価の概要 ー
バースト重力波解析 バースト波 – 短時間、広帯域 広周波数帯域での解析 → S/N比の向上 (c.f. 連続波 – 長時間積分、狭帯域) オンライン処理への対応 時間-周波数平面での パワー計算と非定常雑音の除去 FFTによるスペクトログラム計算 ある時間帯・周波数帯を取り出す 各周波数成分ごとに非定常雑音の評価 非定常雑音の割合の大きい時間帯は除去 その時間帯・周波数帯での合計パワーを計算 Raw data Spectrogram Evaluation Rejection, Total power 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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TAMA300データの評価 (2) ー 解析パラメータの設定 ー
時間幅、周波数幅の設定 時間幅 : 短い方が良い → S/N比の向上 周波数分解能が低下 (電源ライン雑音等の影響) 周波数幅 : 広い方が良い → S/N比の向上 検出器感度の悪い 周波数帯も使うことになる 閾値の設定 2つの閾値 : 理論曲線までの距離 Dth , 非定常雑音周波数帯の割合 Rth 除去効率 : 非定常雑音成分の特徴に依存 実際のデータに応じて最適化 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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TAMA300データの評価 (3) ー TAMA300雑音レベル ー
DT6時のTAMA300の典型的な雑音レベル 解析に用いる周波数を決定 → Δf=500 [Hz] 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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TAMA300データの評価 (3) ー Data Taking 6 ー
最後の一週間 (約170時間分) のデータを解析 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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TAMA300データの評価 (4) ー 時系列データ ー
Data Taking 6 時系列データ 非定常雑音の除去を確認 (特に昼間) 除去データ 20% (F.D. 1ppm 以下) 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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TAMA300データの評価 (5) ー 重力波イベントの上限値 ー
イベントレート : その振幅以上の雑音(信号)の割合・頻度 約3桁の低減 DT4 stable (10hours) 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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まとめ バースト重力波解析 非定常雑音の除去が不可欠 雑音パワー-ガウス性によるデータ評価法 非定常データの時間スケールにより、 重力波信号と雑音を区別 信号を落すことなく 非定常・非ガウス雑音を除去 TAMAデータの非定常雑音除去 雑音成分を,約1/1000に低減 (5x10-20 /Hz1/2以上の成分) hrms~ 3x10-17 以上のバースト波 (10msec) 上限値 10-2 events/hour 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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今後の課題 評価手法の研究 パラメータの最適化 解析する周波数帯域・時間 → 信号・雑音の周波数帯と時間スケールを考慮 閾値の設定 規格化に用いる平均感度の算出法 データの切れ目の処理 DT6全データ解析 処理されたデータの利用 波形解析 → 干渉計状態解析、雑音源特定 観測時のオンライン解析への対応 (計算速度は十分) データコンディショニング・他の波形での活用 (チャープ波解析) バースト重力波頻度の上限値、コインシデンス解析への応用 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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バースト重力波解析 - 提案されているフィルター -
Excess power : Phys. Rev. D 63, (2001) Excess power statistic for detection of burst sources of gravitational radiation Warren G. Anderson, Patrick R. Brady, Jolien D. E. Creighton, and Éanna É. Flanagan (University of Texas, University of Wisconsin-Milwaukee etc), Slope detector : Phys. Rev. D 63, (2001) Efficient filter for detecting gravitational wave bursts in interferometric detectors Thierry Pradier, Nicolas Arnaud, Marie-Anne Bizouard, Fabien Cavalier, Michel Davier, and Patrice Hello (LAL, Orsay), Clusters of high-power pixels in the time-frequency plane : Phys. Rev. D 61, (2000) Robust test for detecting nonstationarity in data from gravitational wave detectors Soumya D. Mohanty (Pennsylvania State University), Correlation with single pulse : Phys. Rev. D 59, (1999) Detection of gravitational wave bursts by interferometric detectors Nicolas Arnaud, Fabien Cavalier, Michel Davier, and Patrice Hello (LAL, Orsay), 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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非定常雑音の評価 ー 平均理論曲線からの距離 ー
干渉計出力 → 定常・ガウス雑音 + 非定常信号 理論計算 C1,C2、分散 (S1,S2)、共分散 (S12) 信号振幅 (α) の関数 ある信号振幅 (α)での C1, C2 → 二次元ガウス分布 平均値からの距離 (偏差) 距離 D を最小にするαを求める 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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非定常雑音の除去 ー 解析用計算機 ー 解析に用いた計算機 Beowolf型PCクラスタマシン Athlon MP CPU, 10 node Storage : 1TByte RAID 60GByte local HDDs/each node Memory : 2GByte Connection : Gigabit ethanet ソフトウェア OS : Red Hat Linux 7.2 ジョブ管理 : OpenPBS (Portable Batch-queuing System) 並列計算 : MPI コンパイラ : PGI C/C++ Workstation 解析ソフト : Matlab, Matlab compiler 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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非定常雑音の除去 ー 解析時間 ー 解析時間 : スペクトログラム計算部 : 9割程度の時間 1ファイル (約1分のデータ)あたり、 2560回のFFT計算 (N FFT = 212 ) 複数CPUによる分散計算 (並列計算ではない) 各CPUに処理ファイルを割り当てる 最小限の通信オーバーヘッド 容易なプログラミング、最適化 ベンチマークテスト 多CPU時に鈍化・劣化 HDDからのデータ読み出し node内のメモリバス幅 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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非定常雑音の除去 ー データの転送 ー TAMAデータ解析システム 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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TAMA300データの評価 ー モンテカルロ シミュレーション ー
解析の性能評価 データのモデル 定常・ガウス雑音 + 重力波信号 各重力波信号波形に対する応答の確認 重力波信号の誤除去率の評価 日本物理学会 2002年秋季大会 立教大学 (2002年09月15日 東京)
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