Exchange 2007/2010 トラブルシューティング Tips

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2 Exchange 2007/2010 トラブルシューティング Tips
セッション ID: T5-403 Exchange 2007/2010 トラブルシューティング Tips マイクロソフト株式会社 カスタマーサポートアンドサービス サポートエンジニア 西村春香

3 セッションの目的とゴール Session Objectives and Takeaways
一般的な初期トラブルシュート方法のご紹介 Exchange Server 2007/2010 の運用時に 問い合わせの多いトラブルについて、 回避策・解決策のご紹介 セッションのゴール 当セッションで取り上げたトラブルについて、 回避策・解決策を実施できるようになる。 障害発生時のログ確認など、基本的なトラブルシューティング方法を判断できるようになる。

4 アジェンダ Exchange お問い合わせ状況 初期トラブルシュート ～問題が発生したときまず何を見るか～ Exchange 2007/2010 事例紹介 ～こんな現象あります、ご注意を～

5 Exchange お問い合わせ状況

6 Exchange お問い合わせ状況 (1/2) お問い合わせの主流は Exchange 2007
Exchange 2010 は移行/HowTo が多い

7 Exchange お問い合わせ状況 (2/2) 問題が発生したとき 最初に何を確認すればよいのか...
事前に知っていればすぐに対処できたのに...

8 初期トラブルシュート方法 ～問題が発生したときまず何を見るか～ Transport Client Access
Information Store その他 サーバー役割 MBX : Mailbox Server CAS : Client Access Server HUB : Hub Transport Server

9 Transport

10 初期トラブルシュート方法 - Transport Transport
1 SMTP Receive Hub Transport Server Transport Service 2 　　Categorizer Submission Queue メールボックスから メッセージをピックアップ 2 3 3 5 Store Driver Delivery Queue Delivery Queue SMTP Send 4 4 5 1 RPC メールが発信された ことを HUB へ通知 Mailbox Server メール発信 Service

11 初期トラブルシュート方法 - Transport 確認事項
サービスの状態 Microsoft Exchange メール発信 (MBX) Microsoft Exchange Transport (HUB) イベント ログ MSExchang Submission MSExchangeTransport メッセージ追跡ログ キュー ビューアー

12 初期トラブルシュート方法 - Transport 確認事項–現象別
別サーバーとの送受信で問題 SMTP プロトコル ログ ネットワーク パケット メール送受信が遅延している パフォーマンス モニター Appendix (1/12) 参照

13 初期トラブルシュート方法 - Transport 確認事項–その他
配信不能通知 (NDR) Appendix (2/12) 参照 メール フロー トラブルシューティング ツール 他ソフトウェアからの影響の切り分け

14 Client Access

15 RPC Client Access Service RPC Client Access Service
Server Exchange 2007 Exchange 2010 Mailbox Server RPC Client Access Service Global Catalog RPC RPC Client Access Service RPC Address Book Service RPC @ LDAP RPC RPC

16 初期トラブルシュート方法 - Client Access 確認事項
サービスの状態 Microsoft Exchange RPC Client Access (CAS/MBX) Microsoft Exchange Address Book (CAS) Microsoft Exchange Information Store イベント ログ 名前解決 クライアント側のエラー内容

17 初期トラブルシュート方法 - Client Access 確認事項–現象別
OWA/Active Sync で接続できない IIS ログ (CAS) Appendix (2/12) 参照 Exchange リモート接続アナライザー

18 Information Store

19 初期トラブルシュート方法 - Information Store Exchange 2007
＊各データベースは MBX サーバー、Storage Group に紐づく Exchange 組織 (HUB/CAS 省略) Mailbox Server Information Store Service Storage Group 1 Storage Group 2 Transaction Log Database 1 Database 2 Database 3 Transaction Log

20 初期トラブルシュート方法 - Information Store Exchange 2010
Exchange 組織 (HUB/CAS 省略) Database Transaction Log Database 1 Database Transaction Log Database 2 DAG Mailbox Server 1 Mailbox Server 2 Information Store Service Information Store Service

21 初期トラブルシュート方法 - Information Store 確認事項
サービスの状態 Microsoft Exchange Information Store データベース マウントの状況 イベント ログ ESE MSExchangeIS - Err.exe Appendix (3/12) 参照

22 その他

23 初期トラブルシュート方法 - その他 共通の確認項目
ネットワーク疎通 名前解決 (DNS) DC/GC の正常稼動 Exchange が正常に稼動するためには、 上記 3 点が必須!

24 初期トラブルシュート方法 - その他 共通の確認項目
ネットワークの確認 Ping (IP、FQDN) - NSLookup Telnet システム ログ DC/GC の正常稼動 - アプリケーション ログ MSExchangeADAccess のエラー確認 DCDiag Appendix (3/12) 参照

25 Exchange 2007/2010 事例紹介 ～こんな現象あります、ご注意を～

26 Exchange 2007/2010 事例紹介 1. メール送受信ができない 2. グローバル アドレス帳が参照できない
3. データベースがディスマウントされた

27 Exchange 2007/2010 事例紹介 1. メール送受信ができない 2. グローバル アドレス帳が参照できない
3. データベースがディスマウントされた

28 Exchange 2007/2010 事例紹介 1 メール送受信ができない
ディスク領域が構成されている しきい値よりも少なくなった 現象 キューにメッセージが滞留している メールの送受信ができない 確認する情報 イベント ログ (HUB) 警告・エラー ソース: MSExchangeTransport ID: 1500x リソースは圧迫されています

29 Exchange 2007/2010 事例紹介 1 メール送受信ができない
原因 バック プレッシャー機能による HUB サーバーのメール送受信処理の抑制 バック プレッシャーとは Exchange Transport サーバーの システム リソース監視機能 リソース圧迫を検知 Appendix (3/12) 参照

30 Exchange 2007/2010 事例紹介 1 メール送受信ができない
監視されているリソース ディスクの空き容量 データベース格納先 トランザクション ログ格納先 メモリ使用量 EdgeTransport.exe 利用可能な物理メモリのサイズ バージョン バケット メモリ上のトランザクションの量 しきい値は Appendix (3/12) 参照

31 Exchange 2007/2010 事例紹介 1 メール送受信ができない
対処方法 ディスク: 空き容量の確保 メモリ: どのプロセスが使用しているか確認 (Task Manager、Performance Monitor) バージョン バケット 以下を確認 ・巨大メッセージのキューイング ・メッセージ流量 (キュー ビューアー、メッセージ追跡ログ)

32 Exchange 2007/2010 事例紹介 1 メール送受信ができない
バージョン バケット圧迫の対処 キューに巨大メッセージが滞留している → 削除を検討 大量のメッセージを受信している → 送信元を特定して対処

33 Exchange 2007/2010 事例紹介 1. メールが送受信できない 2. グローバル アドレス帳が参照できない
3. データベースがディスマウントされた

34 Exchange 2007/2010 事例紹介 2 グローバル アドレス帳が参照できない
現象 Outlook でグローバル アドレス帳 (GAL) が正常に表示されない

35 Exchange 2007/2010 事例紹介 2 グローバル アドレス帳が参照できない
発生条件 英語ロケールの Windows 2008 GC 日本語版 Outlook 2007 以降の オンライン モード 確認項目 クライアント側で切り分け HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Exchange\Exchange Provider 名前 : DisableGALPhonetic 値 : 1

36 Exchange 2007/2010 事例紹介 2 グローバル アドレス帳が参照できない
原因 日本語版 Outlook 2007 以降で GAL 参照 → 振り仮名インデックスを使用 参照 GC ディレクトリ サービスのロケール → ロケールが英語の場合、 振り仮名インデックス非対応

37 Exchange 2007/2010 事例紹介 2 グローバル アドレス帳が参照できない
ディレクトリ サービスのロケール OS インストール時に決定される

38 Exchange 2007/2010 事例紹介 2 グローバル アドレス帳が参照できない
対処方法 一時対処 Outlook 側で振り仮名インデックスを無効 → DisableGALPhonetic レジストリの設定 恒久対処 英語ロケールの GC を一旦降格、 ロケールを日本語に変更し、GC へ再昇格 詳細手順は Appendix (4/12) 参照

39 Exchange 2007/2010 事例紹介 1. メールが送受信できない 2. グローバル アドレス帳が参照できない
3. データベースがディスマウントされた

40 Exchange 2007/2010 事例紹介 3 データベースがディスマウントされた
現象 クライアントから接続できない → ストアがディスマウントされていた 確認する情報 イベント ログ ソース: ESE ID: 486 種類: エラー "-1811“ (JET_errFileNotFound) "指定されたファイルが見つかりません“

41 Exchange 2007/2010 事例紹介 3 データベースがディスマウントされた
原因 ・カレント ログの紛失 (Exx.log) 大部分の事例ではウイルス対策ソフトウェア 　によるログの隔離が根本原因

42 Exchange 2007/2010 事例紹介 3 データベースがディスマウントされた
対処方法 - バックアップからの復旧 データベース修復 (eseutil) Exchange 2007/2010 の新機能 Lost Log Resilience 機能による復旧!!

43 Exchange 2007/2010 事例紹介 3 データベースがディスマウントされた
Lost Log Resilience (LLR) 機能とは 直近のトランザクション ログ ファイルが 1 つ以上損失・破損した場合に データベースの整合性を回復する機能 Appendix (5/12) 参照

44 回復手順は Appendix (6/12・7/12) を参照
DEMO カレント ログ欠損によりディスマウントされた データベースの LLR 機能での復旧 回復手順は Appendix (6/12・7/12) を参照

45 Exchange 2007/2010 事例紹介 3 データベースがディスマウントされた
回避策 ウイルス対策ソフトウェアの スキャン除外設定を確実に!! Exchange 2007 でのファイル レベルのウイルス対策スキャン Exchange 2010 でのファイル レベルのウイルス対策スキャン

46 Exchange 2007/2010 事例紹介 1. メール送受信ができない 2. グローバル アドレス帳が参照できない
3. データベースがディスマウントされた

47 まとめ - 問題が発生した際には 影響範囲・状況の確認 Exchange の正常時の動作を考える → どの項目・情報を確認するべきか検討
情報解析・対処

48 Appendix (1/12) SMTP プロトコル ログ パフォーマンス モニター プロトコル ログ出力を構成する方法
<Exchange 2007> <Exchange 2010> パフォーマンス モニター パフォーマンスの問題 Performance and Scalability Counters and Thresholds

49 Appendix (2/12) 配信不能レポート IIS 状態コード 配信不能レポートについて
IIS 状態コード Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) 5.0 および 6.0 の状態コードについて IIS 7.0 の HTTP 状態コード

50 Appendix (3/12) Err.exe DCDiag バック プレッシャーについて
Microsoft Exchange Server Error Code Look-up DCDiag バック プレッシャーについて (Exchange 2007) (Exchange 2010)

51 Appendix (4/12) 事例紹介 3 “グローバル アドレス帳が参照できない” 恒久対処の手順詳細 : 英語ロケールの GC で実施
DC から一旦降格します。 [Control Panel]-[Regional and Language Options] を選択します。 [Formats] プロパティ ページの [Current format] にて "Japanese (Japan)" を選択します。 [Apply] をクリックし、設定を適用します。 [Administrative] タブから [Copy to reserved accounts] をクリックし、 System accounts を選択して [OK] をクリックします。 DC へ再度昇格し、GC にします。

52 Appendix (5/12) 消失ログの復元 (LLR) Exchange 2007 での消失ログの復元と トランザクション ログの処理
高可用性とサイトの復元について Eseutil /R 回復モード

53 Appendix (6/12) カレント ログ紛失の場合の回復手順 Exchange 2010 では必ず SP1 適用！
方法 1. Exchange 管理コンソール (EMC) の方法 EMC から問題のデータベースをマウントします。 以下のメッセージが表示されるので、”はい” を クリックします。 “コミットされたトランザクション ログ ファイルが少なくとも 1 つ見つかりません。このデータベースをマウントすると、 データが失われます。不足しているログ ファイルを見つける ことができる場合は、処理を続けないでください。” 3. Microsoft Exchange Information Store サービスを 再起動します。

54 Appendix (7/12) 方法 2: Eseutil の方法
コマンドプロンプトを起動し、 トランザクション ログの格納フォルダーまで 移動します。 以下のコマンドを実行し、”Operation completed successfully” と表示されることを確認します。 Eseutil /r “ログの最初 3 文字” /a 例) Eseutil /r E00 /a 3. データベースをマウントします。

55 Appendix (8/12) その他の事例紹介 長い件名が文字化けする POP 接続でアイテム参照不可
Exchange 管理コンソールで エラーが発生する Outlook アドレス帳参照時に リソース不足のエラーが表示される Outlook 2010 が異常終了する

56 Appendix (9/12) 1. 長い件名が文字化けする 2. POP 接続でアイテム参照不可
2. POP 接続でアイテム参照不可 発生条件 : Exchange 2003 から 2010 へ移動した メールボックスで発生 対処方法 : Exchange 2010 RU2 以降で修正 ID: The POP3 service crashes when a user connects to a mailbox that is migrated from an Exchange Server 2003 server to an Exchange Server 2010 server through the POP3 protocol

57 Appendix (10/12) ・Exchange 2007 SP2 組織へ Exchange 2010 を追加した環境
発生条件: ・Exchange 2007 SP2 組織へ Exchange 2010 を追加した環境 ・Exchange 2010 の EMC から CAS を選択するとエラー発生 対処方法: 方法 A:Exchange 2007 CAS の ローカル Administrators グループに Exchange Trusted Subsystem を追加 方法 B:Exchange 2007 CAS へ SP3 適用

58 Appendix (11/12) 4. Outlook アドレス帳参照時に リソース不足のエラーが表示される 発生条件:
・Windows 2008 GC が存在する環境 ・Outlook 2007 以降オンライン モードでアドレス帳を 参照し、スクロールすると “リソース不足” エラー 対処方法: Windows 2008 GC へ修正を適用 ID: Windows Server 2008 で NspiQueryRows メソッドは、 アプリケーションを実行すると"MAPI_E_NOT_ENOUGH_RESOURCES"の エラー コードを呼び出す

59 Appendix (12/12) 5. Outlook 2010 が異常終了する 発生条件: CAS サーバーに Microsoft .NET Framework 3.5 SP1 または Microsoft .NET Framework 2.0 SP2 が インストールされている 対処方法: CAS サーバーへ Microsoft .NET Framework の修正 (976814) を適用 ID: Outlook 2010 でユーザーの空き時間情報を 取得しようとすると、Exchange Server から 一部のデータが欠落した空き時間情報を受信して Outlook 2010 が異常終了する

60 関連セッション T1-301: Exchange Server 2010 と次世代 Exchange Online の共存

61 関連 Hands-on Lab H-301: Exchange Server 2010 SP1 のインストール、階層型アドレス帳 v2.0 の構成とグループ スケジュール H-302: Exchange Server 2010 SP1 メッセージ保護とコンプライアンス対策 H-303: Exchange Server 2010 高可用性対策 (DAG の構成) H-304: Exchange Server /2007 からの移行

62 リファレンス TechNet ライブラリ/Exchange Server Exchange Server 2010 自習書シリーズ Exchange Server 2010 ホワイトペーパー Exchange Server 2010 導入システム構成例 TechNet ライブラリ/Exchange Server

63 リファレンス Exchange ブログ JAPAN You Had Me At EHLO...
You Had Me At EHLO... 5 mins トラブルシューティング 5 分動画で解決

64 ご清聴ありがとうございました。 T5-403 アンケートにご協力ください。

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