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排便のメカニズム ―在宅緩和ケアの現場で役立つ話―
千葉大学医学部附属病院 地域医療連携部 藤田 伸輔
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排便のメカニズム ―医療の現場で役立つ話―
千葉大学医学部附属病院 地域医療連携部 藤田 伸輔
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基礎代謝 年齢 男性 女性 基礎代謝基準値 体重 基礎代謝量 2 61 11.9 726 59.7 11 657 5 54.8 16.7
915 52.2 16 835 7 44.3 23 1019 41.9 21.6 905 9 40.8 28 1142 38.3 27.2 1042 37.4 35.5 1328 34.8 35.7 1242 14 31 50 1550 29.6 45.6 1350 17 27 58.3 1574 25.3 1265 29 24 63.5 1524 23.6 1180 49 22.3 68 1516 21.7 52.7 1144 69 21.5 64 1376 20.7 53.2 1101 110 57.2 1230 49.7 1029 安静仰臥時1.0 座位1.3 座位での仕事1.5 立位1.9 立位の仕事2.0 家事・ゆっくり歩く2.9 日常歩行3.5
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本日の話 食べたものはどうして肛門から出るのか 便意ってなんだろう 排便のための仕組み 在宅医療における排便コントロール
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便はどうして肛門から出るの 飲み込んだ食べ物は、どのように肛門へと運 ばれるのか 腸が内容を送り出す仕組み
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食道の通過 食道は喉頭で狭く、胃への移行部でもう一 度狭くなります 寝転んでいても食事は胃に送られます 食道の蠕動波はあまり力強くありません
胸につかえると苦しいですね 主に飲み込んだ勢いで胃まで届けます 噴門(胃の入り口)の閉鎖機構は弱く、逆流 しやすい構造です
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胃の通過 胃は力強い蠕動波をもっています 肛門側の出口は幽門で、とてもせまく、広がりにくく なっています
口側の出口は噴門で、大彎から小彎に押しつける ように収縮するため、食道への逆流は起こりにくく なっています 胃に食事が入ると神経刺激によってモチリンやコレ シストキニンが小腸から分泌され、小腸の運動が 活発になり、胆汁分泌がおこります
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小腸の通過 胃の幽門を出て十二指腸に入ると食事は一気に 30分~約2時間で大腸まで送られます
小腸での輸送は絞り出しによる一方通行ではあ りません 収縮が協調して起こる圧力差によって輸送されま す つまりかき混ぜるような乱流がおこって流れてい き、消化・吸収が進みます 協調が崩れると容易に逆流します
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小腸の神経支配 小腸の収縮は長い神経線維と短い神経線維の2種類によってコ ントロールされています
短い線維は隣り合った平滑筋を順番に動かします 短い線維は両方向に伝わります 短い線維は長くても5cmぐらいの範囲しか連絡していません 長い線維は1mぐらいあり、離れたところを動かします 長い線維は方向性を決めます モチリンは運動を促進し、VIPは抑制します エリスロマイシンはモチリンと同様に作用します
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大腸の通過 大腸の入り口(回盲部)から下行結腸まで 徐々に送られ便になります どこで固形便になるかは人によって、体調 によって異なります
S状結腸に入ると排便準備が始まります (少し行きたい気分) 便が直腸に入ると大きな便意がおこります (とても行きたい気分)
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大腸の蠕動 小腸の蠕動は、大腸にはほとんど伝わりません 大腸の入り口の盲腸では不規則な動きで腸液をかき混 ぜます
上行結腸では内部の圧力増加によって反射的に広が り、やがて収縮します 収縮は周りに伝えられゆっくりと便を送ります 強い刺激が加わると上行結腸から直腸まで数分で便を 輸送します 大腸内の細菌叢が輸送速度を大きく変えます
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大腸に感覚はあるの? 突き刺す痛みの痛覚はありません 痙攣するとすごく痛みます 急激に圧が高まると痛みます 血流が途絶えるとひどく痛みます
粘膜がはげ落ちるとひどく痛みます ⇒クローン病 ⇒イレウス ⇒イレウス ⇒虚血性腸炎 ⇒潰瘍性大腸炎
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下痢でおなかが痛くなるのは 腸粘膜下層の神経刺激によるもの 大腸の痙攣によるもの 大腸の急性拡張によるもの 原因によって治療法は違う
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走ったときにおなかが痛くなるのは? 便(の赤ちゃん)の中にはたくさんのガスが溜まって います(発酵しています)
便がたまっている時、便の中のガスがゆすられると 便から出てきます(地震の時の地面の液状化現象と 同じです) 出てきたガスが上行結腸の上端、下行結腸の上 端、S状結腸などに集まって急激に大腸が引き延ば されていたくなります
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排便の仕組み1 直腸に便が入ると強い便意がおこります 排便OKと指令すると排便が始まります
肛門挙筋の収縮に連動して直腸が短縮し排 便が始まります 便 便 便 便 便 肛門挙筋
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排便の仕組み2 横から見ても直腸の短縮がおこり、排便が始 まります しゃがみ込むとより直線化します 骨盤 骨盤 便 便 便 骨盤底筋
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排便の仕組み3 排便の許可を脳が出さない場合、便は逆蠕動に よって直腸からS状結腸に戻されます
直腸は元の長さに戻り、折れ曲がることによって便 が直腸に侵入することを防ぎます 一度S状結腸に戻るとしばらく排便できません 食事をした時、運動した時、緊張した時などに神経 刺激でS状結腸が動き出します
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脳と腸 脳と腸はとても深い関係にある。 脳内伝達物質は腸にもある 腸内細菌と脳の発達に深い関係がある
サーカディアン・リズム(体内時計)の支配 脳の疾病と腸の動きに深い関係がある
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サーカディアン・リズム 全ての細胞はそれぞれの周期で動いています リズムを整える細胞(時計細胞)があります
20個以上の時計細胞の時刻合わせが必要です 時刻合わせの刺激 起床:光刺激・音刺激 運動:横紋筋刺激 食事:臭い刺激・嚥下・血糖値
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覚醒系:上行性網様体賦活系 臭い 音 光 運動 食事
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刺激系と抑制系 ドパミン アセチルコリン GABA セロトニン プロスタグランジン ヒスタミン アデノシン オレキシン GABA MCH
外側視床下部 腹側被蓋野 腹外側視索前核(VLPO) 前脳底部 背外側被蓋核 縫線核 脚橋核 隆起乳頭核 青斑核
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消化管の運動 促進 抑制 食道 Ach (ノルアドレナリン) ガストリン セクレチン 腸管グルカゴン コレシストキニン セロトニン 胃
胃からの排出 アミノ酸 グルコース オリーブ油 アルコール(中等量以上) 小腸・大腸 サブスタンスP VIP・ATP 十二指腸に入ると胃からの排出を抑制 収縮と弛緩を交互に行い蠕動を形成
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便秘でおこる疾病 直腸の短縮がおこらないまま腹圧をかけると 脱肛 内痔核 直腸潰瘍 直腸憩室 などがおこります 骨盤
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便秘をまねく習慣・疾病 不規則な生活 あわただしい朝 肉食中心の食事 お菓子の摂食 過量のアルコール 痔裂・痔ろう 大腸憩室症 肥満 糖尿病
がん
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便秘 弛緩性便秘 痙縮性便秘 直腸性便秘 大腸の筋収縮低下(拡張)により便秘になる。 太く粘り気のある便
高齢者、長期臥床、糖尿病、モルヒネ使用者 痙縮性便秘 大腸の平滑筋が過緊張になる 過敏性腸症候群や交代制便通異常 固くコロコロの便 直腸性便秘 便意を感じなくなる 我慢のしすぎ グリセリン浣腸の常用 脳脊髄疾患 直腸指診で便を触れる
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便通にかかわる疾患 鑑別疾患 便通異常 器質疾患 腫瘍 潰瘍・炎症 直腸潰瘍 痔核・痔ろう 肛門周囲炎 潰瘍性大腸炎 クローン病 感染症
神経疾患 吸収・代謝疾患 非器質疾患 生活習慣 食事・嗜好品 食べ方 運動 睡眠 腸内細菌 ストレス 薬理作用・体質
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過敏性腸症候群IBS 器質的疾患がないのに便通異常を繰り返す 一つの因子では解決しない 典型的には下痢と便秘 生活習慣 ストレス
薬理学的活性 解剖学的特徴 一つの因子では解決しない 精神的因子 生活因子 薬理学的因子
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在宅療養の基本 患者の苦痛を除くこと 患者と家族の不安を減らすこと 入院治療の適応は 在宅での治療手技は自信を持って行う
「現在よりも良い状態で再び在宅療養を送れる」 可能性が非常に高い時 患者や家族が入院を強く望む時 在宅での治療手技は自信を持って行う
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診療の基本 患者の苦痛を除くこと 患者と家族の不安を減らすこと 入院治療の適応は 治療手技は自信を持って行う
「現在よりも良い状態で再び在宅療養を送れる」 可能性が非常に高い時 患者や家族が入院を強く望む時 治療手技は自信を持って行う
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在宅療養中の便秘 中心静脈栄養(IVH)、経管栄養、摂食量が落ちている時などは便 量が少なくなります
おなかの張り、つかえた感じなどの不快感、ガスの増加などがな ければ、1週間出なくても便秘と思わないでください 成人男性が1日3食2000Calで200gの排便 200gで一回分 常食で半分しか食べないと2日に1回 口当たりを良くする ⇒食物繊維量が減る 糖質中心 ⇒ガスが増える 1週間に1回の排便でもおかしくない まず生活のチェックを行ってください
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療養中の便秘 中心静脈栄養(IVH)、経管栄養、摂食量が落ちている時などは便 量が少なくなります
おなかの張り、つかえた感じなどの不快感、ガスの増加などがな ければ、1週間出なくても便秘と思わないでください 成人男性が1日3食2000Calで200gの排便 200gで一回分 常食で半分しか食べないと2日に1回 口当たりを良くする ⇒食物繊維量が減る 糖質中心 ⇒ガスが増える 1週間に1回の排便でもおかしくない まず生活のチェックを行ってください
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長期臥床 サーカディアン・リズムの回復 朝決まった時間に太陽光を浴びせる 蛍光灯なら普通の光量の3倍以上 食事時間を決める
晴天時太陽光 10,000 lx 曇天時太陽光 3,200 lx 晴天日没1h前 1,000 lx 事務所 500lx 食事時間を決める 排便介助時間を合わせる
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下剤を選択する前に おなかを見ましょう おなかの音を聞きましょう おなかを触りましょう 全体にぼてーっとした感じ ⇒ 腹水かも
全体にぼてーっとした感じ ⇒ 腹水かも いびつなふくらみ ⇒ 医師に相談 血管が浮き出ている ⇒ 医師に相談 おなかの音を聞きましょう キーン ⇒ すぐ医師に相談 聞こえないが苦しい ⇒ すぐ医師に相談 おなかを触りましょう 押さえると痛い ⇒ 医師に相談 放すときにとても痛い ⇒ すぐ医師に相談
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下剤を選択する前に 腹部の視診 腹部の聴診 腹部の触診 全体にぼてーっとした感じ ⇒ 腹水かも いびつなふくらみ ⇒ がん・子宮の可能性
全体にぼてーっとした感じ ⇒ 腹水かも いびつなふくらみ ⇒ がん・子宮の可能性 血管が浮き出ている ⇒ 肝障害 腹部の聴診 キーン ⇒ 絞扼性イレウス 聞こえないが苦しい ⇒ まひ性イレウス 腹部の触診 押さえると痛い ⇒ 炎症(心筋梗塞・肺膿瘍) 放すときにとても痛い ⇒ 腹膜炎 熱感がある ⇒ その場所の炎症
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薬を使わない排便(動ける人) 排便時間を決めます 排便時間の30分前に水を、続いて食事します 食事の工夫 リラックスさせることが重要です
誤差は30分以内ぐらいが理想的です 週休2日の人は要注意です 排便時間の30分前に水を、続いて食事します 食後15分ぐらいで便意がおきます 便意は5分ぐらいで消失します 食事の工夫 ヨーグルトを加えると効果的です 食物繊維・牛乳も効果的です キシリトールやソルビトールは排便を促進します 唐辛子は便排泄を促進しますが、お勧めできません リラックスさせることが重要です 緊張しすぎると下痢、続いて痙縮性便秘を起こしやすくなります 運動 縄跳びやランニングなど、腸が上下にゆする運動が効果的です 和式トイレの方が出やすくなりますが、いきんではいけません
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薬を使わない排便(動けない人) 排便時間を決めます 排便時間の30分前に水を、続いて食事します 食事の工夫 リラックスさせることが重要です
誤差は30分以内ぐらいが理想的です 下剤を使う時間も一定にしましょう 排便時間の30分前に水を、続いて食事します 食後15分ぐらいで便意がおきます 食事の工夫 食事時間を一定にしましょう 経管栄養では少し早く入れると便が出やすくなります リラックスさせることが重要です 優しく、優しく 運動 両足の曲げ伸ばしが効果的です おむつを替えると便が出やすくなります 肛門の刺激も有効です おなかのマッサージも効果的ですが、ゆっくりと優しく押します おなかを温めるのも効果的です
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下剤のきき方 便の繊維量を増やす 便の水分量を増やす 大腸の動きの頻度を活発にする 大腸を刺激する 直腸を刺激する 神経を刺激する
野菜、ヨーグルト、バルコーゼ、ポリフル ヨーグルト、カマグ、モニラック、ポリフル、微温湯浣腸 トウガラシ、ラキソベロン、プルゼニド、ガナトン、グリセリン浣腸 プルゼニド・センナ、グリセリン浣腸 レシカルボン座薬(CO2)、浣腸 ネオスチグミン
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ダイオウ・プルゼニド(センノサイド) ダイオウ ビフィズス菌他 タンニン プルゼニド(センノサイド) レインアンスロン アウエルバッハ
神経叢 両方向性蠕動
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ダイオウ・プルゼニド(センノサイド) ダイオウはタデ科の植物 5000年以上も前から薬草として使われている (ゴビ砂漠から世界へ)
茎は料理にも使われる(ルバーブ) 腸内細菌により分解されてレインアンスロンと なって腸の収縮を起こす 消化内容が溜まっているところまで作用が出 ない 作用発現まで(分解されるまで)時間がかか る レインアンスロンは短時間で分解されて失活 する
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ポリフル 便の水分保持能力を高める 適度な硬さ 排便反射をおこりやすくする 軟便症例にも効果
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ワゴスチグミン(ネオスチグミン) コリンエステラーゼ阻害剤=アセチルコリンの作用増強 腸管蠕動運動の亢進 慎重投与
気管支喘息 甲状腺機能亢進症 冠動脈狭窄 徐脈 イレウス てんかん パーキンソン 高齢者、心機能低下者、腎機能低下者には慎重投与 在宅では使用を避けた方がよい
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酸化マグネシウム(カマグ) 日本特有の使い方 吸水性が高く、大腸内に水分をとどめて便量を増やす
マグネシウムが吸収されると高マグネシウム血症となる だるさ、吐き気、のどの渇き、血圧低下、除脈など ビタミンD(ワンアルファ・アルファロール・油の多い魚・卵黄)、腎不全、牛乳大量 摂取、高齢者で危険 抗生剤(ニューキノロン、セフェム、テトラサイクリン)、ジギタリス、ビス フォスフォネート(ゾメタ他)の作用減弱 脱水傾向では下剤としての作用が弱まり、副作用の発現(高マグネシ ウム血症)がおこりやすく、危険
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高マグネシウム血症 頻度 症状 機序 欧米:入院患者の10%近く 日本:透析患者以外はまれ 倦怠感・無関心・傾眠 筋力低下
除脈性不整脈・起立性低血圧 腱反射低下 悪心嘔吐 機序 Ca拮抗作用
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レシカルボン坐薬 直腸内で溶けてCO2を放出 急激に直腸壁が伸展される 便が直腸内に入ったと勘違いする 排便反射が起こる
生理的な反射機構を使った排便 おなかが痛くなりにくい S状結腸より上に便がある時は効かない 長期間の連用により直腸壁にワセリンが蓄積し、効果が悪 くなる
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ラキソベロン ピコスルファートナトリウム そのままではほとんど吸収されない
大腸細菌が作ったアリルスルファターゼによってジフェノールに分解される ⇒ 作用発現に時間がかかる ジフェノールは大腸で吸収されて 大腸粘膜の水分吸収を抑制 腸管蠕動の亢進 吸収されたジフェノールは肝臓で代謝(グルクロン酸抱合)されて胆汁中に排 泄(今度は吸収されずに便に出る) 腸内容の停滞があると小腸でもジフェノールに分解されることがある ⇒ イレウスでは危険 ⇒ ストマ患者でも使える
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モニラック(ラクツロース) 6員環と5員環を酸素でブリッジした合成糖 浸透圧によって腸管内に水を集める
腸内細菌によって分解され、腸内を酸性に保つ 酸性腸内ではアンモニア吸収が低下する 腸内が酸性では蠕動が亢進する 腸内アンモニアが増えるとさらに水を集める 腸内アンモニアが増えると蠕動が亢進する モニラックの排便促進作用は麻薬類にも有効 排便習慣が崩れた人にも有効 欧米でもっとも多用される緩下剤 αグルコシターゼ阻害薬(グルコバイ・ベースン)は糖類吸収を抑制しモニ ラックの作用が増強されすぎて下痢になる
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パーキンソンにおける便秘 パーキンソン病ではアセチルコリン優位の緊張性便 秘が多い
L-Dopaを服用すると悪心・嘔吐と弛緩性便秘を起こし やすい 生活リズムを用いた排便習慣と、神経系反射によら ない排便が必要 ガスの嚥下と、腸内発酵による腸管内ガスの増加は要注意 その他の多くの神経難病も治療方針は同様
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トウガラシ 主成分カプサイシンによる作用 中枢神経を介した末梢血管の拡張 副腎からのアドレナリン分泌亢進 胃血流の増加・胃蠕動の亢進
小腸・大腸の蠕動亢進・水分吸収抑制 ただし、カプサイシンの効果は動物実験レベルのみの データしかない
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ストマの方の便秘 回腸や上行結腸のストマの方 ストマになって3カ月以内ならイレウス 1年以上なら便秘になることもあります
ダイオウ、プルゼニド、ラキソベロンなど 洗腸は有効です レシカルボン・グリセリン浣腸は推薦できません
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在宅療養中の便秘 中心静脈栄養(IVH)、経管栄養、摂食量が落ちている時など は便量が少なくなります
おなかの張り、つかえた感じなどの不快感、ガスの増加など がなければ、1週間出なくても便秘と思わないでください 生活のチェックを行ってください 肛門から指を入れて便がついたら レシカルボン・グリセリン浣腸 つかなかったら プルゼニド・ラキソベロン ビオフェルミンを併用すると効果的
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まとめ 緊張をとってあげてください 肛門に痛みがあると便が出ません 毎日同じ時間に便を出しましょう
ただし、下剤が必要な場合はためらわずに正 しい下剤を出しましょう
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