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マヨラナのニュートリノ系での CPの破れの探求
高杉英一 1.マヨラナニュートリノ系でのCPの破れ(1980) 2.二重ベータ崩壊 (1980) 3.クオーク系とニュートリノ系でのCPの破れの統一的理解へ 4.一つの模型
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1.マヨラナ粒子系でのCPの破れ 状況 ・1980年3月 大阪大学へ 小谷恒之研究室 土井勝(大阪薬大) 西浦(D2)、奥田(M2)の指導
・1980年3月 大阪大学へ 小谷恒之研究室 土井勝(大阪薬大) 西浦(D2)、奥田(M2)の指導 ・5月中旬ルビモフの論文(ベータ崩壊:ニュートリノの質量が15eV ) ポンテコウボ(Phys.Rep.)を読み始める。 マヨラナ粒子としての性質に興味をもつ。 ・CPの破れ ・特徴的な現象(二重ベータ崩壊) を勉強することにする。 ・7月ヨーロッパへ 7月にドルトムントでCPの破れの論文を書いて、Phys.Lett.に投稿 ・8月の半ばごろに帰ってくる。 西浦君が、2ニュートリノモードでノーマリゼイションが2倍違う そこで、全面的な計算のやり直し。
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CP破れの論文 ・ヨーロッパのエディター(ガット)から、米国のエディター(カビアー)へ送った。 マヨラナ粒子には位相変換の自由度がない。
受付日は守ってと要求したが、9月受付になる ・レフェリーとのやりとり 一人はウォルフェンシュタインだった。(後でわかる。) 話は物理的でない。何を言っているのかわからない。 位相は物理的でないと言っているのかと思って、二重ベータ崩壊での 質量項を直接示し、マヨラナ位相が現れることを説明。 それでも何回もやりとり。 結局意見が合わず、エディターに掲載を要求。掲載。 日本に帰ってから、Bilenky,Petcovたちの論文を受け取る。同じ内容。 その後、Valleたちも同様な論文を書く。 Petcov:Valle達をreferしない、我々はreferする。 Vall:Petcov達をreferするが、我々をreferしない。 私:3者をreferする。 マヨラナ粒子には位相変換の自由度がない。 ディラック系では、2n-1を引いたが、引きすぎで マヨラナ系ではnを引くだけでよい。 n-1=2(3世代)の差(マヨラナ位相)
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間違 これはCP conserving case 質量はマイナス符号に対応 プラス: CP even マイナス: CP odd このことをWolfenstein は論文に書く Majorana粒子系では質量のサインは物理的 Ψをiψと置き換えると マイナスの質量はプラスに変わる
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後日談 論文が掲載されて、数ヵ月後Wolfensteinよりプレプリがきた。
・マヨラナ粒子にはCP保存のときに、CP evenとCP oddの状態がある。 ・これが彼の言っていた物理的でないとの意味。 (間違ってMaximal CP violationと呼んでしまった。) これが物理的に影響を与える。 ・Boris Kayserはmaryland 大学で、高杉は大きな魚を逃したといった。 私は、ニュートリノはマヨラナ粒子であると確信していた。 理由:・2つの質量の等しいマヨラナ粒子から1つのディラック粒子ができる 質量を縮退させる対称性は回転対称性で、これが ディラック粒子の位相変換の対称性となる。 ・荷電粒子では電荷保存則があり、位相変換の存在が必要で、 マヨラナ粒子系での質量の縮退を生む。 ・中性粒子では荷電保存則のような、絶対的な保存則はないので 縮退させる必然性はない。 ・理論的に無矛盾で実験的にも否定されない自由度は必ず実現 される信念を持っていた。
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2.二重ベータ崩壊 ニュートリノが質量の絶対値とマヨラナ粒子かどうかを決定する実験として提案 ・既存の論文 (Primakoff Rosen) old fashoned perturbation theory で計算。我々にはほとんど理解しがたい。 特にNormalization が不明。(原子核理論とのすりあわせ。) ニュートリノを伴わないモードは、右巻きの寄与を計算。 ・S-matrixの方法で計算を行う。途中からold fashoned perturbation theory に移行。正しくnormalizationを行う。 ニュートリノを伴うモードは2倍の違いがあった。 ニュートリノを伴うモードは質量の寄与を計算。
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・2νモード ・0νモード(質量が関係する場合) 混合がある場合の初めての形式化 マヨラナCP位相のある場合の形 原子核理論の方でも理解できる形での定式化 相対論的に不変な摂動論から Old fashoned perturbation theory 波動関数の規格化が原子核理論にあわせる Haxtonの話 T.Goldman に高杉は信用できるかと質問したところ、 信用できると言ったので信用した。
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3.統一的理解を求めて クオーク系とニュートリノ系でのCPの破れ
1998 ヒッグス:10次元2つ 128次元1つ
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繰り込みにマヨラナCP位相がどのように影響するのか
単純な形の質量行列や混合は高エネルギーで実現されるだろう。 ○バイマクシマル ・最初1-3の混合はないので、繰り込み群の影響で生ずる。 (小さな角がでてくる。) ・レプトンのフレーバーを破る崩壊への影響 しかし、クオークとレプトンの両系での混合やCPの破れを統一的に 説明できない。 質量のヒエラルキーを説明する魅力的な模型はないか? ・U(1)不変性を持った模型(Frogatt-Nielsen)は魅力的 ・将来の模型作りに役立つだろう 問題点 ・CPの破れは考察されていない ・レプトン系で混合とニュートリノの質量はクオーク系や荷電レプトン系と異なる
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動機:ほとんどの議論は位相を無視して、実行列で扱っている。質量のヒエラルキー
や混合角のヒエラルキーの説明に集中していた。位相を取り込まなければ 実際的な模型と成らないので、どのように取り入れるかを考察。 クオーク系: ・結合定数は実数とする(spontaneous CP violation) 簡単化、CPの破れを予言したいから。 ・CPを破るには、2つのヒッグスが必要 ・真空期待値の相対位相がCPを破る・・・複素位相は1つ このままだと模型として成立しない
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Z2対称性
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倍ぐらい GUT scale で比べるべき EW scale
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ニュートリノ系での混合 SU(5)とコンシステントな選び方(クオ―クとレプトン)
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特徴 1.クオーク系に比べてマイルドなヒエラルキー Meはヒエラルキカルだけど 2.Uνの2-3混合 ほぼπ/4 3.Ue の2-3混合 ほぼπ/4 4.位相の効果がなければ、ほぼキャンセル、で大きな(ほぼπ/4)の混合は 出てこない。 5.ヒエラルキカル模型では、実行列で議論するのは不可で位相を入れないと いけない。 インプット
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Daya Bay RENO(reactor experuneno for neutriono oscillation)
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クオーク ニュートリノ 同じRで実験値が再現されればよかったが。 でも大きな違いではないようだ。 湯川結合をともにデモクラティック(同じ大きさ)にしたので・・・ 含まれているパラメータは、質量の絶対値を除いて、 λ、|R|,Rの位相の3つ アウトプット ・小林・益川行列の3アングル、1ディラックCP位相、2つの質量の比 計6 ・MNS行列の3アングル、1ディラックCP位相、2マヨラナCP位相 2つの荷電レプトンの質量の比、2つのニュートリノの質量の比 計10 簡単な模型としては、おおよその実験結果を再現する。将来に使えないか。
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