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GPSを用いた地理空間情報の収集(その2)
GISを用いたマッピングと解析 2017/3/5 GPSを用いた地理空間情報の収集(その2) 【地方公共団体向け】 開発担当者 :首都大学東京 都市環境科学研究科 教授 若林芳樹 Copyright © 2009 Tokyo Metropolitan University, Prof. Yoshiki Wakabayashi
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スケジュール テーマ「会場周辺の防災マップの作成」 概要説明(15分) 地図作成準備(45分) 地図の表示と検索(30分)
概要説明(15分) 地図作成準備(45分) 基図の作成:既成の地理空間情報の取り込み:基盤地図情報(道路、建物、等高線、水崖線)→ 国交省のホームページからダウンロード オリジナルな地理空間情報のGISへの取り込み:GPSデータ、その他の施設データ 地図の表示と検索(30分) 主題図の作成と読み取り(30分) グループ討論:自治体業務への利用の仕方(30分)
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情報共有→ コミュニケーションのための地図
地方自治体でのGIS・地図の利用場面 管理的利用→ 記録としての地図 日常業務の効率化:ex.)台帳の住所情報のGIS化 基礎的情報を部門間で共有化→ 二重投資の防止 政策的利用→ 発見・意思決定ための地図 現状分析:地図化による問題発見 計画立案:データ解析による将来予測、代替案の評価 情報共有→ コミュニケーションのための地図 自治体内での情報共有 情報公開:主題図作成、Web-GISによる情報発信 参考:青木(2005;地理情報システム学会講演論文集)
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地理空間情報の政策的利用の事例:Snowのコレラ地図
1854年にロンドンで流行したコレラの感染源が井戸水であることを示し、井戸を閉鎖する対策をとるきっかけとなった地図(コレラ菌発見以前) 町医者のJohn Snowはコレラの発生源を地図で発見したわけではなく、説得(コミュニケーション)の手段として地図を作成した。その裏付けとして、彼は1日70人以上の患者家族に聞き取りをして問題の井戸が利用されていた事実をつきとめた(ジョンソン(2007)『感染地図』) 出典:Longley et al. (2005) 出典:スタンプ(1967)『生と死の地理学』
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Snowの空間的意思決定過程とGIS(1)
出典:中谷ほか( 2004) 土地勘(地元に居住) + 聞き取り調査 + 地図による確認・説得 ※ 患者の分布と街路やポンプの分布を重ね合わせることで地図の説得力を高めた
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Snowの空間的意思決定過程とGIS(2)
出典:中谷ほか( 2004) GISで再現したスノーの地図 水道ポンプの利用圏と患者数の分布 患者密度の分布図
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おもなGIS フリーソフトの紹介 Arc Explorer 9.3(ESRIジャパン(株)) MANDARA(埼玉大・谷謙二先生)
汎用GISであるArcGISのデータを閲覧するためのビューア。表示データの追加、地図表現の変更、拡大・縮小、パニング(移動)、属性確認、検索などGISの基本機能を備えるが、編集・解析機能はない。 MANDARA(埼玉大・谷謙二先生) 地域統計を地図化するのに適する。解析機能は少ないが、Shapeファイルや国土数値情報など既成のフリーのデータ利用に優れている。EXCELと連携した分析が容易で、市販の解説書もある。 カシミール3D リアルな3D景観の表示やCGの作成、フライトシミュレーションなどが可能。市販の数値地図や国土地理院の1/25000地形図、LANDSAT画像も表示できる。とくにGPSとの連携が強み。市販の解説書あり。 その他:Quantum GIS(OSGeo財団)、SuperMap Viewer 2008(日本スーパーマップ(株))、TNTlite((株)オープンGIS)など
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「地図太郎ver.6」の特徴【別冊(1)参照】
2017/3/5 「地図太郎ver.6」の特徴【別冊(1)参照】 GISの基本的機能を備えている: レイヤー機能(オーバーレイ)、主題図作成 属性検索、空間検索(バッファ)、距離・面積測定、図形オブジェクトの描画 図形オブジェクト、コメントなど空間データの新規作成・保存も可能 各種地理空間情報の読み込みが可能 Shapeファイル、航空写真画像、CSV形式の数値データ、写真・動画 インターネットで公開されている各種地理空間情報をダウンロードして使用するのが容易。GPSデータも取り込める。 その他 保存形式はすべてテキスト型:データを外部ソフトで編集可能 低価格(ライセンス版:3,500円) ※ 汎用GISソフトとインタフェースも類似しデータ交換可能な入門用ソフト Copyright © 2009 Tokyo Metropolitan University, Prof. Yoshiki Wakabayashi
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地図太郎と他のGISソフトの連携 地図太郎 GPSデータ (GPX形式) デジカメデータ 地図データ (EXIF形式) (KML形式)
カシミール3D Google Earth GPSデータ (GPX形式) デジカメデータ (EXIF形式) 地図データ (KML形式) 地図太郎 地図データ (Shape形式) 地図データ (Shape形式) 属性データ (CSV形式) MANDARA ArcGIS
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※ 地理空間情報の調達コスト削減にもつながる
地理空間情報の作成・取得方法 (1)既成の地理空間情報の利用 無償提供されている地理空間情報の取得 市販の地理空間情報の購入 (2)オリジナルな地理空間情報を作成 GPS測位 住所情報のアドレスマッチング 地図から緯度経度情報を取得 GIS上で新規に地理空間情報を追加 ※ 地理空間情報の調達コスト削減にもつながる
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(1)既成の地理空間情報 インターネットで入手可能な公的機関の地理空間情報 国土交通省 国土地理院 総務省 環境省
国土数値情報 国土地理院 基盤地図情報 地球地図 総務省 e-Stat(統計GIS) 環境省 自然環境情報GIS
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国土数値情報
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基盤地図情報 2500レベルのデータは整備中 (提供地域の範囲;右図)
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地球地図
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e-Stat (統計GIS) 小地域統計と境界データがダウンロード可能
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自然環境情報GIS
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(2)-②アドレスマッチングによる地理空間情報の作成
住所情報の収集(点データ) 店舗、POI:インターネットタウンページ、Yahoo!電話帳・・・ 保育施設:こども未来財団Webページ 公共施設:自治体のWebページ その他:自治体の各種台帳etc。・・・ 東大CSISのCSVアドレスマッチングサービスの利用 住所データをCSVファイルで保存 CSISのサーバに送信→ 緯度経度を付加したCSVファイルが返送される 緯度経度データをGISに取り込む ※ 翌日の演習で使用する。
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(2)-③地図から緯度経度情報を入手する 国土地理院「ウォッちず」を開いて地形図を表示
地図上で任意の地点をダブルクリックすると、緯度経度が表示される(GISでは十進経緯度を使用)
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(2)-④GIS上でデータを新規作成・追加する
【地図太郎の場合】「データの種類(点、線、面)」を選び、地図上でデータを作成して登録 属性も付加して汎用GISフォーマット(Shapeファイル)で保存可能 事例 (左)点データ (右)面データ
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作業の流れ 対象地域 ①背景地図の作成 会場周辺 地形図画像 使用するデータ 背景地図 ウォッちず地形図画像(国土地理院)
ユーザ(編集)レイヤ GPSで取得したフィールドワークの移動経路のデータ(GPX形式) 防災マップ情報の写真ファイル(緯度経度情報付きExif形式) コンビニと病院の位置 ※ 詳細は別冊(2)参照 ①背景地図の作成 地形図画像 ②ユーザ(編集)レイヤの作成 緯度経度データ ③地図の表示、検索 ④主題図の作成 グラフ表示,色分け表示 ⑤地図の出力と保存 ⑥Google Earthへの転送と表示
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使用するデータ
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①背景地図の作成 地形図画像を取り込んで、作成した背景地図 レイヤの透過度を調整して下のレイヤを重ねて見えるようにする
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②ユーザ(編集)レイヤの作成 GPSで測位した緯度経度付き写真(Exifファイル)を取り込んで、撮影地点をプロットし、各地点で撮影した写真を表示する 点検した地点の分布傾向を読み取る
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③地図の表示,検索 コンビニと病院のデータ(shapeファイル)を読み込む 任意の地点から500m以内にある病院(またはコンビニ)を検索する
→ 範囲検索を行い、検索結果をリスト表示する
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④主題図の作成 コンビニ,病院,自販機,災害危険箇所の分布図を作成する。 各施設,写真撮影地点の分布傾向を読み取り,災害時の対策を考える
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⑤地図の出力と保存 地図画像をjpegファイルで保存する。プリンタに出力できる場合は,地図画像をプリンタで印刷する(右図はスケールバー、図郭線、四隅経緯度を付加した画像を保存した例) 地図太郎のワークファイル,編集レイヤを保存する
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⑥Google Earthへの転送と表示 写真の撮影地点の点データと移動経路の線データをそれぞれKML形式で保存する。
保存した点データのKMLファイルのアイコンをクリックすると,GoogleEarthが起動して点のレイヤが表示される。 GoogleEarthのメニューバーで[ファイル]→[開く]を選び,移動経路の線データをレイヤに追加して表示。 移動経路と撮影地点のようすがリアルに理解できる
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【課題】GPSを用いたフィールドワークの用途を考える
背景地図とフィールドワークで得た情報をもとに、点検した場所の特徴を地図から読み取り、改善策を考える 自販機の分布にどのような傾向がみられるか?:多い地区,少ない地区の特徴 → それらを災害時に活用する方法を考える。 災害時の危険箇所の分布にどのような傾向がみられるか? → これをもとに防災対策として必要なことがらを考える。
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