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東海村議会原子力問題調査特別委員会 勉強案件「ニュートリノ実験施設」御説明資料

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1 東海村議会原子力問題調査特別委員会 勉強案件「ニュートリノ実験施設」御説明資料
J-PARCでのニュートリノ実験 “T2K” 長基線ニュートリノ振動実験 ~東海から神岡へ~ 2004年7月15日 日本原子力研究所 (JAERI) 高エネルギー加速器研究機構 (KEK)

2 T2K (東海to神岡)長基線ニュートリノ振動実験
スーパーカミオカンデ T2K実験(2009~) J-PARC @JAERI 250km 40m K2K (1999~2005?) J-PARCで生成したニュートリノを295km先の検出器 “スーパーカミオカンデ”で検出し、ニュートリノの性質を調べる。 K2K実験のおよそ100倍のビーム強度

3 J-PARC 大強度陽子加速器施設 J-PARC: Japan Proton Accelerator Research Complex
日本原子力研究所 (旧科学技術庁) と高エネルギー加速器研究機構 (旧文部省) の共同事業

4 ニュートリノとは? 物質を構成する基本粒子「素粒子」の仲間 なぜか3種類ある(??)(「世代」と呼ぶ) ほとんど何ともぶつからず通り抜ける。
電子ニュートリノ ミューニュートリノ タウニュートリノ ほとんど何ともぶつからず通り抜ける。 1930年、パウリが予言、発見は26年後 電気的に中性、質量は非常に小さい(?) 壊れることなく永久に光速で飛びつづける(?)

5 素粒子の仲間 同じような性質を持ち重さが違う3つの階層(世代)がある。 なぜかは分からない。 素粒子物理の大きな課題の一つ。

6 ニュートリノはなぜかとても軽い。 他の素粒子に比べ何桁も軽い。 本当にどれだけの重さが有るのか分かってない。 上限だけが分かっている。
対数 3g 1兆x1兆 他の素粒子に比べ何桁も軽い。 本当にどれだけの重さが有るのか分かってない。 上限だけが分かっている。 なぜ軽いのか分かってない。(素粒子物理学の大きな課題) 1010 108 ニュートリノ以外の素粒子 106 104 2g 1兆x1兆x1000億 102

7 ニュートリノは、この間にやっと1回反応する程度
ニュートリノは物質となかなか反応しない ・・・・・・・・・・・・・ 地球を50億個並べる(7光年の長さ) ニュートリノ ニュートリノは、この間にやっと1回反応する程度 太陽からのニュートリノの場合 地球 大気ニュートリノの場合は鉄約1億kmで1回。

8 身近なニュートリノの例 太陽から来るニュートリノ 大気ニュートリノ 宇宙初期から宇宙を満たすニュートリノ 毎秒1平方cmあたり約660億個。
(1秒あたり人体を約300兆個通過) 大気ニュートリノ 宇宙から来る放射線(主に陽子)が大気で反応を起こし生成されるニュートリノ 毎秒1平方cmあたり約1個。 宇宙初期から宇宙を満たすニュートリノ 2mx2mx2mの大きさに約30億個

9 J-PARCの世界最大強度ビームを用いて、 ニュートリノ振動現象を詳細に調べることにより、 ニュートリノの重さ、世代間の関係を明らかにし、
T2K実験の目的 J-PARCの世界最大強度ビームを用いて、 ニュートリノ振動現象を詳細に調べることにより、 ニュートリノの重さ、世代間の関係を明らかにし、 極微の世界をつかさどる究極の法則を探求すること。

10 nt nm ニュートリノ振動とは? ニュートリノが飛行中に別の世代のニュートリノへ変化する現象。 ニュートリノが重さを持つときに限り起こる。
変化の仕方は、飛行距離、ニュートリノの重さ、エネルギーによって決まる。 nt nm ミューニュートリノ タウニュートリノ

11 T2K実験での測定 ミューニュートリノ を作る。 (東海) 約1000分の1秒で神岡に到達
J-PARC 約1000分の1秒で神岡に到達 (東海) 電子ニュートリノの反応を探す。(未発見の振動。最重要課題) ミューニュートリノの減少を測る。性質の解明。

12 人工ニュートリノビームの作り方 陽子を光速の99.98%に加速し標的に当て、大量のπ中間子を生成。(3.6秒に1回300兆個の陽子)
π中間子を磁石で神岡方向に収束。 π中間子が崩壊パイプを飛行中に崩壊しミューニュートリノが生成される。 ニュートリノ以外の粒子をビームダンプ(ニュートリノフィルター)で止める。 生成直後のニュートリノの性質を「前置検出器」で測定。

13 地下構造 J-PARCニュートリノ実験施設 陽子輸送ビームライン 50GeVシンクロトロン (超伝導磁石) ニュートリノ 前置検出器
π中間子 陽子 ニュートリノ 神岡へ ビームダンプ (ニュートリノ以外の 粒子を止める) 標的と 収束装置 (電磁ホーン) 崩壊領域 (約3mx5mx110mの空洞) 地下構造

14 陽子ビームライントンネル遮蔽構造 クレーン部 一般部

15 ターゲットステーション構造 23m 33m 12m 40 ton クレーン 機械室 サービスピット 地表面 22m コンクリートブロック
最終収束部 鉄シールド 仕切り 崩壊領域 鉄構造体 He容器 ビーム窓 放射化物保管庫 コンクリート遮蔽 コリメータ 鉄遮蔽 標的&第1ホーン 第2ホーン 第3ホーン

16 崩壊領域とビームダンプ 粒子が通る空洞は吸収を減らすためHeが封入される。 He容器(鉄)は水冷される。
He容器の周りは厚さ約6mのコンクリートと、さらにその上の土で厳重に放射線遮蔽される。 ビームダンプはグラファイトと金属を組み合わせた遮蔽(予定) 3NBT (3GeV加速器から物質生命実験施設 へのビームライン) ターゲット ステーション ~15m 崩壊領域 ~110m ダンプ ~10m

17 ニュートリノ実験施設の放射線安全対策 ① 核燃料物質及び放射性同位元素の管理 本施設では、核燃料物質及び放射性同位元素は使用しない ② 放射線管理 管理区域を設定し、施設に応じたモニタリングを実施 ビームライントンネル及び実験室出入り口をインターロック設備等(扉スイッチ、非常停止ボタン、パーソナルキー等)で管理 ③ 被ばく管理 定期的な放射線サーベイにより線量、表面密度等を監視 ④ 周辺公衆の線量評価 東海研究所事業所境界における線量を放射線モニタで常時監視

18 J-PARCにおける放射性廃棄物の管理 ①気体廃棄物 運転中のビームライン室の空調は循環式であり、運転停止後排気設備において高性能フィルタ等を用いて濾過した後排気する。 ②液体廃棄物 廃液貯留槽に貯留した廃液は、放射能濃度が排水基準値以下と確認されたものは放流、基準値を越えるものは原研東海研廃棄物処理場にて処理。 ③固体廃棄物 不燃性固体廃棄物は、原研東海研究所固体廃棄物処理施設で保管、可燃性固体廃棄物は、焼却処理施設で処理。

19 J-PARCに係る遮蔽設計目標値

20 ニュートリノ検出器:スーパーカミオカンデ
反応標的:水50000トン(超純水) 水槽の内面に11146本の 光電子増倍管(photomultiplier tube:PMT) 外水槽のPMTで外来粒子を検出 スーパーカミオカンデ 40m 岐阜県 神岡町池の山 1000m 40m 東京大学宇宙線研究所

21 スーパーカミオカンデと光電子増倍管

22 スーパーカミオカンデでのニュートリノの検出
J-PARC ニュートリノが水を蹴飛ばした時にでるわずかな光 (チェレンコフ光)を1万1千本の光センサーで検出する。 東海からのニュートリノが1日におよそ2兆5千億個スーパーカミオカンデを通過する。 そのうち検出できるニュートリノの数は1日に数十個程度。(それでもK2Kより約100倍多い。)

23 敷地外検出器(2km) より高い精度の測定を可能にする。 予算が認められてないため当初は建設できない。 今後、予算獲得のための努力を続ける。

24 まとめ。予定。 T2K実験 5年間(2004年度~2008年度)かけて原研敷地内のニュートリノ生成装置を建設。 2009年実験開始の予定。
原研東海村のJ-PARCを用いて、これまでの約100倍強いニュートリノビームを生成。 295km先のスーパーカミオカンデで検出 ニュートリノ振動現象の精密測定を通して、物質の究極の世界を探る。 5年間(2004年度~2008年度)かけて原研敷地内のニュートリノ生成装置を建設。 2009年実験開始の予定。


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