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ジェンダーと文明 5 2016年度 南山大学 総合政策学部 浜名優美
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17,18世紀フランスの女性観 プーラン・ド・ラ・バールの対極にいる人々
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フェヌロン『娘の教育』1687 17世紀 神父 プーラン・ド・ラ・バールと同時代だが、影響力はフェヌロンの方が大きい
フェヌロン『娘の教育』1687 17世紀 神父 プーラン・ド・ラ・バールと同時代だが、影響力はフェヌロンの方が大きい 「何よりも懸念すべきことは、滑稽な女学者をつくることだ。一般に女性は男性よりもひ弱だが、好奇心が旺盛だ。したがって女性が夢中になりそうな学問研究に参加させることは言語道断である。
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フェヌロン(続き) 「女性は国家を統治することにも戦争を行なうことにも献身的な役職に就くことにも向かない。
「ほとんどの工芸にも不向きだ。女性は温和な実務に向いている。その反対に自然は女性に分け前として、家の中で静かに暮らすために清潔さと管理の能力を与えた。 →女性=家庭
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ジャン・トマ(1625-95) 「女性であるというだけの理由により、種々の契約と資格に関して、法的無能力者である。」
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モリエール(喜劇作家、1622-73) 1659「才女気取り」 1662「女房学校」 1672「女学者」
「タルチュフ」「人間嫌い」「守銭奴」「町人貴族」など ←数学など知的な遊びに熱中する女性を揶揄
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モリエールと女性 プレシオジテ(言葉や表現における気取り) 17世紀のサロン(言葉の純化など)、 18世紀のサロン(政治、宗教、学問)
身分違いの結婚 学問に熱中する女性を批判 絶対主義の時代:三位一体、神と精霊と子 女性は排除される
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18世紀 フランス サロンの時代 大貴族の女性、サロン、政治権力 タンサン夫人 デュ・デファン夫人 ポンパドゥール夫人(ルイ15世の愛人)
18世紀 フランス サロンの時代 大貴族の女性、サロン、政治権力 タンサン夫人 デュ・デファン夫人 ポンパドゥール夫人(ルイ15世の愛人) デュ・バリ夫人 ジョフラン夫人(百科全書派の保護者) マリー=アントワネット(ルイ16世の王妃) 中産階級 女性労働者、家庭と工場(資本制工場) 女性の5分の4は文盲
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18世紀 フランス 18世紀フランスの風俗、貴族における男と女の関係―――自由 性の解放であると同時に堕落
18世紀 フランス 18世紀フランスの風俗、貴族における男と女の関係―――自由 性の解放であると同時に堕落 ラクロ『危険な関係』(書簡体小説) 風俗の退廃 女性解放が背景にある
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拙論「母性本能の起源と解体」(現代思想)
私生児、捨て子、乳母、死亡率、など
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モンテスキュー(1689-1755)『法の精神』 男性上位の我々の帝国は、正真正銘の暴虐国家である。女性はわれわれ男性よりも柔軟なので、その結果、ずっと人間的で理性的であるためわれわれに暴虐を許しているに過ぎない。 もしわれわれ男性に分別があったら、これらの長所のおかげで女性は男性より優位な地位を与えられたかもしれない。
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モンテスキュー(続き) 『ペルシャ人の手紙」(1721)
「我々が女性に対して行なっている支配は、正真正銘の圧制である。・・・我々はあらゆる手段を用いて、女性の勇気をくじいているのだ。もし教育が同等に行なわれるならば、力も同等になるであろう。」
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「女性」---『百科全書』1766 女性を男性のできそこないとしてある種の方法で眺めるのは解剖学者だけではない。プラトン主義者も非常によく似た考え方を示している。 子宮は男性にはなく、女性にだけある器官だ。しかしギリシアの解剖医ガリエンは男性に子宮が欠けているとは考えなかった。彼は子宮がひっくり返って陰嚢を形成し、外側に見える睾丸を包含していると考えた。
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「女性」(続き) 自然は男性に支配権を授けたようだ。
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ディドロ(1713-84)の女性論 百科全書派 「女性」-「女性の証言は軽率で変わりやすい」と見なされるがゆえに、男性の証言よりも軽視される。 妻の姦通は刑罰の対象-19世紀ナポレオン民法典まで
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ディドロ(続き) 文明民族においては、いささかなりとも女性を虐待する男性は必ず罰せられるべきである。 →女性に対する理解ある態度を示す
文明民族においては、いささかなりとも女性を虐待する男性は必ず罰せられるべきである。 →女性に対する理解ある態度を示す 女性の教育-「若い娘たちを予備知識のある人間、危険を識別する能力を持ち、母親および市民としての義務をわきまえ、科学と育児学の広範な知識を備えた人間に育てるべきである。」
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ヴォルテールの女性観 シャトレ侯爵夫人との恋愛関係においては、男女の教育の平等を推進
「女性は、われわれ男性のなしていることすべてをなしうる能力がある。女性と我々の間にある唯一の相違点、それは女性のほうがより優しいということである。」 未婚の母を擁護(「未婚の母がひそかに出産できるような施設を作るべきだ。」) 寛容
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バダンテール『ふたりのエミリー』 学問に生きたシャトレ侯爵夫人(1706-49) ヴォルテールの恋人、ニュートンの翻訳者
子供の教育に熱心なエミリー(デピネー夫人)、ルソーの影響
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コンドルセ 本物のフェミニスト 男女平等の教育
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私生児 私生児、避妊、羊の腸、交接中断 医学知識はなし。 妊娠届け書(アンリ2世による王令以後)、未婚の母 医学、生理学のまなざし
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子どもの価値 愛情、平等、自由 家族 農業重視の政策、人口増加、人手、非常事態の場合には兵力 死亡率を低下させる予防医学、牛乳による栄養
参考文献 フィリップ・アリエス『子どもの誕生』(1960) 藤田苑子『フランソワとマルグリット』同文館 里子が多かったことから母性愛の欠如を言うバダンテールの議論は粗雑との藤田苑子による批判、なるほどその通り。
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以下、ルソーによる近代家族像の創出
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18世紀フランス ルソーの『エミール』 近代的女性像の確立
『エミール』の付録における女性の理想像(ソフィー)は18世紀後半から200年にわたる近代的家族のモデルとなるが、現代のフェミニズムから見れば、悪の根源 フロイトに引き継がれる女性像
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ジャン=ジャック・ルソー(1712-78) アンチ・フェミニスト 近代的家族像を提示、男は外、女は内 『エミール』の妻になるソフィー
フランス革命後の女性観に強い影響 ルソー、ヘーゲル、フロイトの系譜(男性中心主義)
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ルソー (続き) 科学、語学,神学、歴史は彼女にとって無用なだけではなく、有害である。 彼女が知るべきことは家事の技術と針仕事だけである。
ルソー (続き) 科学、語学,神学、歴史は彼女にとって無用なだけではなく、有害である。 彼女が知るべきことは家事の技術と針仕事だけである。 彼女には話し手を喜ばせる才気だけが必要だ。 男性は外、女性は内、これこそ自然の法則である。
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