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趙廷來著 「太白山脈」について 日本の植民地から開放された朝鮮
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作品紹介 太白山脈 第二次世界大戦終結後、日本の植民地支配から開放された朝鮮半島を舞台に、イデオロギー対立によって同じ民族・兄弟までが骨肉の争いをするに至った混乱期を描いたチョ・ジョンネ(趙廷來)の歴史大河小説『太白山脈』を映画化した長編大作。
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作品紹介 解放直後に発生した麗水順天反乱事件(1948年10月)から朝鮮戦争(1950~1953年)までを背景に、当時の右翼左翼のイデオロギー対立に巻き込まれた人々の苦悩を、左翼=ヨム・サンジン、右翼=サンジンの弟ヨム・サング、中道民族主義者=キム・ボムを中心に描く。
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監督紹介 イム・グォンテク監督 「韓国の溝口健二」とも評される韓国映画界を代表する巨匠。その存在は韓国映画界において人間国宝級と言っても差し支えないほどの人物である。
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監督紹介 2002年作の『酔画仙』は天才画家の破天荒な生涯を描いた作品で、第55回(2002)カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。
三大国際映画祭でグランプリまたは監督賞を受賞する。 イム監督は、カトリック大学から映画界初の名誉文学博士号を授与されたほか、金冠文化勲章、ユネスコのフェリーニ・メダルを、製作者のイ・テウォンは銀冠文化勲章を受賞した。
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監督紹介 「太白山脈」はイム監督の幼少時代の体験から制作されたもので、イム・グォンテク一族の多くは左翼的だったため大変な苦労をしたというエピソードがある。
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出演者 アン・ソンギ (金 範佑役) 韓国の「国民俳優」といえばこの人。ミスター韓国映画アン・ソンギ。その出演作は日本でも数多く紹介された。日本においても、そして世界において最も名前の通った韓国人男優。1998年現在映画俳優協会副会長を務め、俳優界の重鎮になりつつある 。「シルミド/SILMIDO 」や「阿羅漢-掌風大作戦」などに出演。
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出演者 キム・ミョンゴン (廉 相鎮役) 『風の丘を越えて~西便制』のパンソリ芸人ユボン役であまりにも有名な演劇俳優兼映画俳優。1986年に劇団「アリラン」を創設し、一時映画界から離れ演劇活動に専念。劇団「アリラン」主催者として伝統芸能を現代劇に生かす活動をし、韓国で最も注目される演劇人の一人となる。演劇「アリラン」や唱劇「春香伝」などの作品で知られている。
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出演者 シン・ヒョンジュン (鄭 河燮役) スポーツで鍛えた肉体と、一目見たら忘れられない特徴的な鋭い目と鷲鼻を持つ男優。燃えたぎるような熱い愛を語らせたら天下一品。映画『将軍の息子』シリーズでは、主役のキム・ドゥハンを演じるパク・サンミンの敵役、日本人のヤクザ親分「林」を演じ、シリーズのもう一つの顔となる。『将軍の息子2』の演技で第30回(1992)大鐘賞新人男優賞を獲得。『ガン&トークス』 や『アウトライブ -飛天舞-』 などに出演。
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出演者 キム・ガプス (廉 相九役) 演劇出身のベテラン俳優。1977年に劇団「現代劇場」1期研究生として俳優生活を始める。主な活動場所は演劇だったが、現在では映画の他、テレビ・ドラマやミュージカルでも活躍。2002年には日韓合作の『KT』に出演し、金大中を拉致する駐日韓国大使館員キム・チャウン(金車雲)を演じた。演劇ではオ・ヨンジン演劇賞、ヨンヒ演劇賞の他、1991年の『旅立つ家族』では東亜演劇賞とソウル演劇祭男子演技賞を、1994年の『あ、イ・サン』ではソウル演劇祭男子演技賞を受賞している。
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出演者 オ・ジョンヘ (素花役) 1992年5月にコンテストで「ミス・春香」に選ばれ、イム・グォンテク監督が偶然それをTVで見ていたのがきっかけとなり『風の丘を越えて~西便制』への出演が決定。この作品では見事なパンソリと演技力を披露。第31回(1993)大鐘賞新人女優賞、第14回(1993)青龍賞新人女優賞、第13回(1993)映画評論家協会賞新人賞、第1回(1993)上海国際映画祭最優秀女優賞などを受賞する。1999年に、全州ウソク大学芸体能学部国楽学科兼任教授に就任。
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済州4・3事件 南朝鮮単独選挙の反対して、1948年4月3日蜂起した済州島住民の武装闘争。
竹槍、手榴弾、旧式銃等わずかな武器で党内の警察署を襲撃し、次々にこれを占拠、政治犯を釈放、西北青年団など右翼テロ分子を粛清し一時はほとんど全島を人民の手に掌握した。 警察から奪取した武器、弾薬で人民が武装、南朝鮮労働党の指導の下に人民遊撃隊が組織され、5月10日の単独選挙を完全に阻止した(済州島のみ1949年5月10日に再選挙)
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済州4・3事件の感想 当時、済州島のみならず、韓国全体に民族統一の願いは広がっていた。 しかし、そんな中でアメリカとバックボーンとした李承晩政権は南だけの単独政権を推し進め、それに反対する者を共産主義とし弾圧したりみさかいのない虐待、迫実を行った。 自分たちの国が日本からやっと解放されたのにもかかわらず、ここでまた新たな国(ソ連とアメリカ)の統一下におかれ韓国、そして朝鮮半島の利益を搾取されたことは、民族にとって屈辱だったに違いない。
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済州4・3事件の感想 その中で民族の独立で農民たちが抵抗するのは、避けられないのも当然だと思う。歴史にもしもという言葉は 無いのだが、もし、ソ連やアメリカといった国がいなかったら、もし北朝鮮と韓国が、ひとつの民族として外国勢力を排除することに力を合わせていたら、このような事件も、そして今、現在の南北分断もなかったのかもしれないと思った。
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麗水順天反乱事件 反乱軍は人民裁判により、400人以上の警官やその家族などを殺害した。鎮圧軍は、順天町民5000人を順天北国民学校の校庭に集め、人民裁判に積極的に参加した者を一級、消極的に参加した者を二級、曖昧な者を三級とし、反乱軍と一級をその場で棍棒で殴り殺した。
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麗水順天反乱事件の感想 朝鮮半島を舞台とする反乱はこの事件から始まったといっても過言ではない。済州4・3事件で『南北統一』を胸に反乱という狼煙を上げた国軍の第14連隊は、南側の都市の制圧、そして反共主義に賛同する同志を求め、麗水・順天の順に進行した。 反乱の中で行われた虐殺に関しては人間の常識では考えられないような冷酷非情なことばかりであまり口に出して説明できないような手段で屍という山を築き上げていった。
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麗水順天反乱事件の感想 この事件に関する資料を調べるうちに、犠牲になった人々の血生臭い匂いがしてきたような気もした。アメリカは韓国に資本主義思想を押し付けてきたが、それがアジアの拠点の確保に過ぎなく、これはアメリカによる第二の支配といってもおかしくなかったはずだ。 この思想を強制したため、祖国防衛という愛国心に火がつきこのような悲劇を招いてしまった。
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麗水順天反乱事件の感想 (2) もしアメリカが無ければ、アメリカとソ連の関与が無かったら、日本の植民地とならなければ、このような事件は起こらなかったはずだ。最近でも北朝鮮・韓国ともにニュースまたは新聞で取り上げられているが、北と南の分裂の原因はあまり知られていない。 今後、隣国として接していく以上、自分もそして日本国民全員このような歴史背景があったことを理解する必要があると思った。
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国民保導連盟事件 1950年夏。韓国各地で、無抵抗で非武装の国民、合計30万人が虐殺。(殺されたのは国民保導連盟の人達)
国民補導連盟とは、「今まで厳罰一辺倒だった共産分子への対応を改め、自首期間中に、共産党の甘い言葉に騙された人は、自首して国民保導連盟に所属すれば罪は問われない」としたもの。しかし、人民解放戦争(朝鮮戦争)勃発と共に、韓国人によって全て虐殺された。
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国民防衛軍事件 死者数十万人。(詳細は、東亜日報にて連載された。)中国の人民解放軍が”義勇軍”として介入すると、米韓軍は南に退却した。
国民防衛軍事件 死者数十万人。(詳細は、東亜日報にて連載された。)中国の人民解放軍が”義勇軍”として介入すると、米韓軍は南に退却した。 このときに、北朝鮮の占領地域に青年達を残してゆくと、北朝鮮側に使われる事になる。敵を利してはならない。というので、これらの青年を狩り集めて、南に連れて帰った。
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国民防衛軍事件 この時の受け皿となったのが「国民防衛軍」であった。しかし、南に連れて帰るとはいっても、輸送手段も無く、宿泊施設も、食料も、衣類も、寝具も無い。酷寒の中を、ただひたすらに、南へ南へと進んだ。通称「死の行進」「死の南下」数十万人が死んだと言われている。(幹部が糧穀を着服)
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時代背景について 日帝時代、日本の庇護により財産を着実に増やしていった地主達。それと同時に資産家と無産者、小作人との貧富の差は増々開いていった。 小作人達は日々の食事を取ることもままならず、小作農として、代々引き継がれたこの苦しい生活は終わることなく続いていた。 そんな中、日本が第二次世界大戦で敗戦するという事件が起きた。それは朝鮮と韓国、すなわち朝鮮半島解放という意味を表していた。
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時代背景について 解放後、米国とソ連の間で交渉が行われ、南側は米国が担当、北側はソ連が担当することで一致した。そのため日本の植民地時代から脱した朝鮮半島は2つの大国をより再び、分断されるという運命になってしまった。 その後、ソ連の協力を得て、金日成が共産主義を進めていった。その一方で、韓国では米軍統治の下で資本主義を進めていき、親米派である李承晩が初代大統領として選出された。この李承晩は徹底した反共産主義者で韓国国内の共産主義運動を反共法を通じて、弾圧し進めた。
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時代背景について 日本の敗戦により日本人と手を組んだ地主は没落していくかに思えたが、その権力は依然として残り、小作人達を苦しめた。そのような中、ソ連と手を組み経済成長を遂げていく北朝鮮。北朝鮮が行う土地の無償分配というものは韓国の小作人達の心をつかみ、共産主義の思想を知らないもの達も廉相鎮ら指導者と共に、共産主義を謳うようになっていった。
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時代背景について 平等な世の中で皆が幸せに暮らせるよう理想を掲げる廉相鎮、そして自分達の暮らしと密接に関係があり、切実な小作人達達が一体となり、反共産主義である韓国政府との間で闘争は拡がっていくのだった。
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太白山脈についての感想 この太白山脈でもっとも印象に残ったことは思想に振り回される人々である政府側の廉相九の右翼的行動
そして全人民の平等な生活樹立を目指す廉相鎮の左翼的思想との間で翻弄された人民たち そしてその中で雄一、中立的な立場を守る金範佑
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太白山脈についての感想 それぞれの行動理念、すなわち信念を持ち、行動を起こしていった、この思想戦争とでも呼ぶべき事態は多くの人たちを巻き込み、被害を増やしていった。これだけ多くの被害が出る中でも農民たちは行動をやめなかった。 そこには、代々小作農という身分を引き継いで、貧しい小作人をした人々の多くは自分たちの代でそこに終止符をうとうとする必死な想いがあったのだと思う。
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太白山脈についての感想 もともと主義というのは何であろうか?
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太白山脈についての感想 主義というのは民族がひとつになった上で行う生活の手段だとキム・ポムは述べている点では私たち三人の考えが同じである。この思想の違いだけでひとつの民族が分裂し、お互い憎み合うと言うのは悲しすぎる。ひとつの思想全てとするのではなく、多種多様な考えの存在を認め、対照することで、より昇華されていくのではないだろうか。
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廉相鎮の特徴 冷静沈着で、知識も豊富な社会主義者 農民たちに支持を受け、農民の平等な社会を作ろうと共産主義思想に傾倒
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廉相九の特徴 猪突猛進型で、何事も本能で感じ生きていく 兄に対し、強い対抗心を持つ
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廉相鎮と廉相九の特徴と感想 この二人に共通するものは家族愛であると思う。
太白山脈の第十巻で兄が自決した後、町中に兄の首を見せしめられたとき、相九が青年団員を連れてきて見せしめをやめさせたり、相鎮の子供を祖母のところへ行かせたりといったことをした。そこには相鎮と相九が北と南に別れてたとしても彼等は一つの家族であり、そして例え北と南に別れたとしても彼等は一つの民族であると心の底では感じていたように思えた。そしてその二人の関係が、北朝鮮と大韓民国の関係を集約しているように思えた。
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金範佑の特徴と感想 (1) 金範佑の思想の特徴として民族主義が挙げられる
金範佑の特徴と感想 (1) 金範佑の思想の特徴として民族主義が挙げられる この民族主義というものは、親日派や民族反逆勢力を完全に排除した状態で、絶対多数の民衆中心に一切の政治性を排し、民族全ての下に政治理念を結束するというものである。 この考えは、廉相鎮達が平等な世界を作るという目的のために、その意見と相反する政府と意見の食い違う人間を殺害していったことと対立する。
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金範佑の特徴と感想 (2) これから国家というものを作り上げていこうとしている人々がお互いを憎しみあい、殺しあっている状況を見て憂慮していたに違いない。 民族の団結を最優先する金範佑は北と南に分かれて主義をお互いに掲げ、同じ民族同士争うのではなく、この北と南の分裂の根本的な原因であるソ連とアメリカの政治介入を民族の団結により追い出し、そこから新たな国、ひとつの国家を作り出すことが肝要なのだと考えていたのではないだろうか。
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河大治の特徴と感想 河大治の祖父は東学徒の乱に参加して、それに逃れて判石を産み、この判石はドルモル宅と結婚して、河大治を産む。
河大治の特徴と感想 河大治の祖父は東学徒の乱に参加して、それに逃れて判石を産み、この判石はドルモル宅と結婚して、河大治を産む。 この河大治は共産主義思想に強く影響されている その後、廉相鎮の元へと行き、河大治は廉相鎮の忠実な部下となり党内に入るが河大治は学識は持ち合わせては無い。
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河大治の特徴と感想 その場その場における難所に対し臨機応変に対処していくといった頭脳を持っており、廉相鎮にこの事が気にいられ、重要な任務を与えられるようになった。 河大治はそれに応じようとするが、この河大治は相鎮とは違い、現実として小作人というものを経験しているため社会主義の考えの中でも急進的な考えを持っているため行動が過激になってしまう部分がある。
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河大治の特徴と感想 しかし、この太白山脈で揺らぐこと無い確固たる自 分を持ち、行動しているのは河大治一人であると思 う。
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