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2.3 伝送制御 概要 (1)基本的な制御 ①回線制御(circuit control) DTE-DCE間

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1 2.3 伝送制御 2.3.1 概要 (1)基本的な制御 ①回線制御(circuit control) DTE-DCE間
2.3 伝送制御 2.3.1 概要 (1)基本的な制御 ①回線制御(circuit control) DTE-DCE間   端末,コンピュータからモデムやDSUを監視する。 ②同期制御(synchronization control) DTE-DTE間   ビット同期,SYN同期,フレーム同期等により,データ送受信のタイミングを合わせる。 ③誤り制御(error control) DTE-DTE間   伝送誤りやデータ欠落を検出して,再送等の手段により訂正する。 ④送信権制御(admission control)   どの端末に送信権を与えるかを決める。

2 (2)伝送制御の手順 通信開始 (電話とのアナロジー) Phase 1 回線接続 受話器を上げる 電話番号を指定して,
DCEとの物理的な回線の接続 電話番号を指定して, 相手が受話器を上げるのを待つ Phase 2 データリンク確立 論理的な通信路を設定 Phase 3 データ転送 話をする 送信権制御,同期制御,誤り制御 Phase 4 データリンク開放 別れの挨拶をする DTE間で送受信が完了したことを両者で確認する。 Phase 4 回線切断 受話器を置く DCEとの物理的な回線の切断 通信終了 電話機をDCE,話す人をDTEと喩える

3 2.3.2 インタフェース (1)DTE-DCEインタフェース ①Vシリーズインターフェース
最低限,「アナログ回線用にVシリーズという規格がある」ということは抑えておくこと。 規格の名称            概 要 V.21等 電話交換網や専用線で全二重通信を行うためのモデムや音響カプラのための変復調方式.この他,モデムに関する変復調方式を定めたV.22, V.22 bis, V.23, V.26, V.26 bis, V.27, V.29, V.32,V.32 bis, V.33, V34等がある.それぞれの規格ごとに変復調方式,通信速度,線の種類が異なる. V.24, V.28 モデムとパソコン等の端末間のインターフェース.V.24は,RS232Cとほぼ同一規格で若干違いがあるが,V.28では完全に互換性がとれている. V.35 WANに接続するルータや端末アダプタの高速シリアルインターフェース規格.104.8 kHz帯域,通信速度48 kbps. V.61, V70, 音声とデータを同時に伝送するためのモデムに関する規定. V.61では, V75, V.76 V.61では,音声信号をアナログ方式でデータと多重化する.V70では,デジタル方式で多重化する.デジタル方式をDSVD(Digital Simultaneous Voice and Data)とも呼ぶ.DSVDは,V75, V76でも勧告化されているので,V70/75/76をV70シリーズとも呼ぶ. V.110, V.120 Vシリーズインターフェースの端末をISDNに接続するための速度変換方式.この方式を用いた装置を,一般に「TA(Terminal Adapter)」と呼ぶ.日本とヨーロッパはV.110, 米国はV.120準拠である.

4 ②Xシリーズインターフェース 最低限,「デジタル回線用にXシリーズという規格がある」ということは抑えておくこと。 規格の名称 概 要
規格の名称            概 要 X.20 調歩式端末DTE/DCEインターフェースにおける物理的特性,呼処理,呼制御形式の規定. X.21 同期端末用DTE/DCEインターフェースを規定. X.24 公衆データ網におけるDTE/DCE間の相互接続回路の定義. X.25 パケット端末と公衆パケット交換網の間の網アクセスプロトコルを規定. X.75 公衆パケット交換網と他の網との相互接続のためのプロトコルを規定. X.96 公衆データ網のコールプログレス信号,すなわち接続状態の進捗状況について知らせる信号を規定. X.200シリーズ OSI参照モデルに関する一連のITU勧告を総称して「X.200シリーズ」と呼ぶ.X.200はOSI参照モデルの構造や各層の機能を規定.X.210番台では,各層のサービス,X.220番台では,各層のプロトコルを規定している. X.400シリーズ OSI参照モデルのアプリケーション層における電子メール機能を実現するための一連の勧告.ITU-T勧告では,電子メールシステムをMHS(Message Handling System)と呼ぶ.. X.500シリーズ 各種の通信サービスで共通して利用できる案内サービス(ディレクトリサービス)を対象とした一連の勧告.X.500でディレクトリの概念,モデル,サービスを規定.その後の番号で,抽象サービス定義,分散ディレクトリの運用,プロトコル,オブジェクト属性等について規定.

5 ■UNI(User-Network Interface) ユーザとネットワーク(網)間のインターフェース規定
(2)ユーザネットワークインターフェース ■UNI(User-Network Interface)   ユーザとネットワーク(網)間のインターフェース規定 ■NNI(Network-Network Interface)   ネットワーク(網)間のインターフェース規定 ISDN用 : I シリーズインターフェース ATM用 : ATMインターフェース [用語]ATM(Asynchronous Transfer Mode):非同期転送モード   広帯域ISDN(B-ISDN: Broad band aspect of ISDN)の基本的な方式である。旧来のISDNは,狭帯域ISDN(N-ISDN: Narrow band aspect of ISDN)として区別される。

6 ① Iシリーズインターフェース 狭帯域 ISDN (N-ISDN : Narrow-band aspect of ISDN)
  ① Iシリーズインターフェース サービス総合ディジタル網 (ISDN : Integrated Service Digital Network) 狭帯域 ISDN (N-ISDN : Narrow-band aspect of ISDN) ・ 基本速度インターフェースは,2つのBチャネル(64 kbps)と1つのDチャネル (16 kbps)を多重伝送する。Dチャネルはシグナル信号を伝送する。 ・ 「2B+D」とも呼ばれる。 ・ 1回線で8台までの電話機・端末機を接続できる。 ・ 一次群速度インターフェースでは, 2つのBチャネルに加えてH0 (384 kbps),H1 (1,536 kbps)チャネルを多重伝送するので更に高速化が可能である。

7 狭帯域ISDNのサービス ISDNのサービス(-はサービスなし) サービス名 チャネル 回線交換 パケット交換 制御信号
  狭帯域ISDNのサービス ISDNのサービス(-はサービスなし) サービス名 チャネル 回線交換 パケット交換 制御信号 INSネット64 B (64 kbps) サービスあり サービスあり   - D (16 kbps)   - サービスあり サービスあり INSネット1500 B (64 kbps) サービスあり サービスあり   - H0 (384 kbps) サービスあり   -   - H1 (1,536 kbps) サービスあり   -   - D (64 kbps)    - サービスあり サービスあり INSネット1500 では,1回線が電話23回線分に相当する。 他のINS(例えば64)を併用すれば, 64 kbps のDチャネルも回線として用いることができるので, 24 回線分として使用することができる。

8 BRI : Basic Rate Interface
  基本速度インターフェース 家庭向け 構成とサービス BRI : Basic Rate Interface 回線交換 パケット交換 信号 通信 モード チャネル タイプ (64 kbps) D (16 kbps) 加入者線路(一対)など (メタリックケーブル) Bch(64kbps) Dch(16kbps) バス配線形式 NTT メタリック ケーブル 2B+D DSU

9 一次群インターフェース 構成とサービス 企業向け (b) 一次群インターフェース(PRI:Primary Rate Interface)
  一次群インターフェース 構成とサービス 企業向け (b) 一次群インターフェース(PRI:Primary Rate Interface) 通信 モード 加入者線路など(光ファイバ) 回線交換 パケット交換 信号 ディジタルPBX 回線終端装置 Bch(64kbps) ×23 チャネル タイプ Dch(64kbps) (64 kbps) 加入者線路など(光ファイバ) H0 (384 kbps) ディジタルPBX 回線終端装置 Bch(64kbps) ×24 (注)H1 (1.5 Mbps) Dch D (16 kbps) 2B+Dまたは 23B+DのDch と 共用 (注)  H1には,1.536 kbps( H11)と 1.920 kbps( H12 )がある。 光ファイバ NTT ディジタル PBX DSU

10 1心伝送方式と2心伝送方式の例 2心伝送方式を使うと, 映像の多重度とインターネットの多重度を別々に扱うことができ,
それぞれ個別に設計することができる。 (a) 1心伝送方式 下り1.55μm(映像) 利用者宅 事業者 WDM WDM 上り1.31μm(データ) 下り1.49μm(データ) (b) 2心伝送方式 下り1.55μm(映像) 利用者宅 利用者宅 事業者 上り1.31μm(データ) 下り1.49μm(データ)

11 ② ATMインターフェース 広帯域 ISDN(B-ISDN : Broad-band aspect of ISDN)
  ② ATMインターフェース 広帯域 ISDN(B-ISDN : Broad-band aspect of ISDN) ・ ATM(Asynchronous Transfer Mode)技術を用いたISDN。 ・ ATMでは,固定長セルを使って非同期転送モードによる転送を行う。 ・ 100 Mbps 以上の高速通信に対応するため入回線/出回線の接続は ハードウェア動作による。 ネットワーク間のインタフェースは,N-ISDNと異なり,    NNI(Network Node Interface) という。(略称は同じだが,フルネームが異なることに注意) ATM UNIは,ATMフォーラムのUNI 3.1に規定される。

12 2.3.3 伝送制御手順 (1)代表的な伝送制御手順 最低限,手順の名称だけは抑えておくこと ①無手順(Non Procedure)
2.3.3 伝送制御手順 (1)代表的な伝送制御手順  最低限,手順の名称だけは抑えておくこと ①無手順(Non Procedure)  スタートビットとストップビットによるキャラクタの区切りだけで他の手順を持たない。 再送制御等は,ユーザの責任で行う。 ②BSC(Binary Synchronous Communications : 2値同期通信)手順 (IBM)  ASCII符号やEBCDIC符号からなるデータを伝送することを目的とした手順。  制御文字としてSYN符号をつけて転送するSYN同期(キャラクタ同期)を採用。  文字データの伝送向きで,バイナリデータの伝送には不適。 ③ベーシック手順(Basic Mode Transmission Control Procedure) (ISO)  基本形データ伝送制御手順とも呼ばれる。データをブロック単位に送達確認を行う。同期方式は  SYN同期。基本モード(半二重通信)と拡張モード(全二重通信) ④HDLC手順(High level Data Link Control Procedure) (ISO)  CRC方式の誤り制御を適用し,任意のビット列を転送できるように,ベーシック手順の欠点を改良  したもの。同期方式はフラグ同期である。

13 (2)無手順(non-procedure)
データリンクの確立・切断,誤り制御をデータ端末で行わず, オペレータにゆだねる方法。 当初,テレックス端末を入出力端末として利用するために 使われていた。 初期のパソコン通信でも利用されていた。

14 無手順の特徴 ① データの信頼性は低いが,プロトコルや端末側制御は単純である。 従って,端末側のソフトウェアは単純であり,安価なパソコン等を
① データの信頼性は低いが,プロトコルや端末側制御は単純である。 従って,端末側のソフトウェアは単純であり,安価なパソコン等を 利用することができる。 ② 電話回線を介して,パソコン等を入出力端末として使う際に使われている。 ③ 主に英数字,日本語等の文字データを転送。 ④ バイナリデータを転送する場合,伝送制御文字(0016~1F16)ならないよう, 6ビットずつに分離した後,先頭2ビットに01や10を付加して転送する。 ⑤ データリンクの確立・解放を行わない。 電話回線への接続は,オペレータが手動で行うか, パソコンの端末エミュレータの機能として用意されたソフトウェアで行う。 ⑥ 原則として,端末で誤り制御,転送制御を行わない。 データ再送,文字化け等に関する判断,専らオペレータの判断に委ねられる。

15 (3)ベーシック手順 プロトコル基本型データ伝送制御手順
(ベーシック手順:Basic Mode Transmission Control Procedure) ■ パリティやCRCチェック等の手段で誤りを検出する方式(IBM開発) ■ 米IBMが開発したBSC(Binary Synchronous Communications)を ベースに,ISOで制定したデータリンク層の古典的な手順 特徴 ① 無手順より信頼性は高いが,後述するHDLC手順より信頼性は低い。 ② HDLCより,単純なプロトコルであり,他の通信プロトコルの基本でもある。 1970年代に普及したが,現在ではあまり使われなくなっている。

16 用語 ■ データ端末装置( DTE:Data Terminal Equipment ) 相互に接続されたコンピュータなどの装置
■ データリンク(Data Link) 2つのデータ端末装置間で互いに相手を識別し, 接続相手との送受信のための準備を行うこと。

17 伝送制御の基本手順 フェーズ 通信動作 概 要 1 回線接続 交換網を利用する場合,相手をダイヤルで接続する。
フェーズ 通信動作           概  要   1 回線接続 交換網を利用する場合,相手をダイヤルで接続する。   2 データリンク確立 回線やDTEを正しい相手と接続し, データ送受信可能にする。   3 情報転送 正確な伝送を行うために, (データの送受信) 誤り制御を行いながら情報を転送する。   4 終結 互いに終了を確認しあい,データリンクを解く。 (データリンク解放)   5 回線切断 回線との接続を断つ.

18 基本手順 回線接続,データリンク確立,情報転送,終結,回線切断の手順で行う。 フェーズ1 フェーズ2 フェーズ3 フェーズ4 フェーズ5
終了状態への復帰 初期状態への復帰 回線接続 交換 ポーリング セレクティング 転送 切断 回線切断 特定回線のとき 制御局をもち, 制御局から 従属局にのみ 情報転送 制御局をもち, 従属局から 制御局へのみ 情報転送 特定回線のとき 電話 での 対応 ダイヤル をする (はじめの挨拶) もしもし,〇〇さんですか? はい,そうです. 用件の 伝達 (別れの挨拶) それでは さようなら. 受話器を 置く 特定回線のとき JIS X 5002の規定範囲 公衆回線のとき

19 ポーリングとセレクション ■ ポーリング(polling) 制御局が従属局にデータの送信を問い合わせる方法。
■ セレクション(selection) 制御局が従属局にデータの受信を勧誘する方法。

20 伝送制御符号 符号 名称 定 義 SOH start of heading ヘディング開始 情報メッセージのヘディング開始
符号          名称    定   義 SOH start of heading ヘディング開始 情報メッセージのヘディング開始 STX start of text テキスト開始 テキスト開始,ヘディング終了 EXT end of text テキスト終結 テキストの終り EOT end of transmission 伝送終了 全データブロックの伝送終了 ENQ enquiry 問合わせ 相手からの応答を要求する ACK acknowledge 肯定応答 受信側から送信側に肯定的応答として送信 NACK negative acknowledge 否定応答 受信側から送信側に否定的応答として送信 DLE data link escape 伝送制御拡張 後続する複数キャラクタの意味を変える。 SYN synchronous idle 同期信号 端末装置間の同期を維持するための信号 ETB end of transmission block 伝送ブロック終結 データ伝送ブロックの終り

21 フレームの例 水平パリティ(BCC:Block Check Character) 伝送する情報 S Y N S Y N S O H
ヘディング S T X テキスト E T X BCC S O H ヘディング E T B BCC S T X テキスト1 E T B BCC S T X テキスト2 E T X BCC

22 ベーシック手順の分割法 伝送する情報 Heading Text Heading Heading Text Heading フレーム (検査)
S Y N S Y N S O H Heading S T X E T X (検査) フレーム Text E T B C Heading S O H X Text E T B C Heading S O H X Text S O H T X E Heading Text B C S O H T X Heading Text E B C

23 監視フレームと情報メッセージフレーム ① 監視フレーム データリンク確立や解放,送受信再送等の 制御を行うためのフレーム。
② 情報メッセージフレーム 情報をやり取りするためのフレーム。

24 監視フレームについて データリンク確立や解放,送受信再送等の制御を行うためのフレーム。 制御局が従属局に送付する順方向監視フレームと,
従属局が制御局に送り返す逆方向監視フレームがある。 ① 制御局からの情報メッセージを正常に受け取った場合, 従属局は,肯定応答(ACK)を返す。 ② 情報メッセージに誤りが見つかったときは否定応答を返し, 制御局に再送を要求する等の制御が行われる。

25 監視フレームの種類 [順方向監視フレーム] ① ポーリング ② セレクティング(局選択,識別・状態問合わせ及び初期状態からの脱出)
③ 終結(正常終結,異常終結) ④ 回線切断 ⑤ 応答催促 ⑥ 放棄(ブロック放棄,局放棄) [逆方向監視フレーム] ① 肯定応答(セレクティング,情報メッセージ) ② 否定応答(ポーリング,セレクティング,情報メッセージ) ③ 回線切断 ④ 中断(ブロック中断,局中断)

26 番号制フレームと非番号制フレーム 監視フレームは,次のように分けることもできる。 ② 番号制フレーム(Sフレーム)
② 番号制フレーム(Sフレーム) ・1次局からのコマンドで受信順序番号が必要な場合 ・ 2次局からのレスポンスで受信順序番号が必要な場合 ③ 非番号性フレーム(Uフレーム) ・1次局からのコマンドで受信順序番号が不要な場合 ・ 2次局からのレスポンスで受信順序番号が不要な場合 コマンドとレスポンスは,同一の形式であるが, 1次局からの2次局に対する 送信許可,受信要求等に使用される場合はコマンド, コマンドに対する2次局からの 返信に使用される場合はレスポンスとなる。

27 (4)HDLC手順 ■ 符号を制約しないでデータを同期伝送するための手順
ハイレベルデータリンク制御手順 (HDLC : High level Data Link Control Procedure) ■ 符号を制約しないでデータを同期伝送するための手順 ■ 米IBM社のSDLC手順を基に,国際標準化機構(ISO)が制定した規格。 ① OSI参照モデルより前に規格化されたが, 現在,OSI参照モデルにおけるデータリンク層に分類されている. ② ISDNや PHS などの制御でも HDLC における用語,定義が採用されており, 基本ともいえる伝送制御である.

28 HDLCの特徴(その1) ① フレームの最初と最後にフラグコード011111102(7E16)を付加する フラグ同期である.
② 情報部が制御用のフィールドと独立している。 情報部の中に FAX などのための上位制御のための情報を入れることで, 階層構造を形成することができる. ③ ビットベースであり,完全な透過性を保証する. ④ データ転送の際,数フレームに対して1回の伝送確認で応答することができる. 全二重の場合,両方向同時にフレームを連続伝送することができる. ⑤ フラグシーケンスを除外した部分は32ビット以上である. 32ビット未満の場合,不正フレームとみなされる. ⑥ 誤り検出には,CRCチェックを用いる.

29 HDLCの特徴(その2) ⑦ 伝送途中で送信を打ち切る場合,1を連続送信する. 8個以上の連続した1を受信側で検出すると,
送信側の送信打切りを知る.この処理をアボート(Abort)と呼ぶ. ⑧ HDLC のフラグは, データブロック区切りを識別するために用いられるので, フラグをテキスト中に入れることはできない. 従って,5ビットの1が連続した場合,直後に0を挿入する. これをゼロインサートという. ⑨ゼロインサートによりデータ保証可能となるが, 実時間性を重視する音声データ等の場合, ビット挿入による送信遅れが生じ,到着時間のゆらぎ(ジッタ)が生じる. さらに,ビットを挿入することで, ユーザデータのキャラクタ構造をこわしてしまい, 8 ビットで文字を示す関係がなくなってしまう.

30 基本動作モード データリンク確立に先立って,動作設定コマンドにより,以下のモードを選択する。
① 正規応答モード (NRM : Normal Response Mode) 1次局が伝送制御権を完全に管理する. 1次局からの送信許可を受け取ったときだけ, 2次局は応答を送信することができる. ② 非同期応答モード (ARM : Asynchronous Response Mode) 1次局が伝送制御権を持っているが, 1 次局からの送信許可がなくても, 2次局は応答を返送できる. ③ 非同期平衡モード (ABM : Asynchronous Balanced Mode) 各局ともに対等な平衡モードである. 1次局,2次局の区別がないので,各局を複合局と呼ぶ. 複合局は,相手局の許可がなくても,応答やコマンドを送ることができる.

31 拡張モード 送受信番号は,基本的には3ビット (7までカウントしたら0に戻る巡回式)
衛星回線など,送達確認なしの伝送フレーム数を増やす場合, 送受信番号を7ビットに拡張する. これを拡張モードと呼ぶ. NRM, ARM, ABMのそれぞれに 拡張モードが用意されているので, 合計6種類のモードとなる.

32 モードのまとめ 手順クラス モード 内 容 正規応答モード 2次局は,1次局からのコマンドにより (NRM) すべて制御される
手順クラス モード 内  容 正規応答モード 2次局は,1次局からのコマンドにより (NRM) すべて制御される 非(不)平衡形 動 作 非同期応答モード 2次局は,1次局からのコマンド受信がなくて モ (ARM) もレスポンスの送信を始めることができる 平 衡 形 ド 非同期平衡モード 相手複合局の許可がなくてもコマンドまたは (ABM) レスポンスの送信を始めることができる. 非 初期モード データリンク制御機能を初期化するモード. 動 (IM) データリンク制御プログラムは, 1次局や 平衡径 作 複合相手局からの操作で初期化される. および モ 非(不)平衡形 | データリンクから論理的に切断されたモード. ド 切断モード 2次局または複合局がとりうるが, 1次局はとりえない.

33 受信応答の待ち時間 [相手からの受信応答を待ってから送信すると遅くなる] 相手のバッファに余裕があれば,前もって送信できる。 送受信時間
block 0 送信 Block 0 受信 block 1 送信 Block 1 受信 送受信時間 =ブロック数×伝送往復時間 block 2 送信 Block 2 受信 block 3 送信 Block 3 受信 block 4 送信 Block 4 受信 N(S) = 0 送信 N(S) = 0 受信,N(R) = 1 送信 N(S) = 1 送信 N(S) = 1 受信,N(R) = 2 送信 N(S) = 2 送信 N(S) = 2 受信,N(R) = 3 送信 N(S) = 3 送信 N(S) = 3 受信,N(R) = 4 送信 N(S) = 4 送信 ここだけが伝送往復に 関わる待ち時間 N(S) = 4 受信,N(R) = 5 送信 N(S) = 5 送信 N(S) = 5 受信,N(R) = 6 送信 N(S) = 6 送信 N(S) = 6 受信,N(R) = 7 送信 N(S) = 7 送信 N(S) = 7 受信,N(R) = 8 送信 N(S) = 8 送信 N(S) = 8 受信,N(R) = 9 送信 N(S) =9 送信 N(S) = 9 受信,N(R) = 10 送信

34 送信順序番号と受信順序番号 [情報転送の際の順序番号の使い方] ① 送信側から,送信順序番号N(S)を付けて送信する。
① 送信側から,送信順序番号N(S)を付けて送信する。 ② 受信側では,この番号を使ってブロック抜けをチェックする。 ③ 受信側では,次に期待する受信順序番号をN(R)を付けて返信。 ④ 送信側では,受信側が期待する受信順序番号N(R)以降を送信。 このことによって,送信側では受信側の応答を待つ時間を 少なくすることができる

35 フレームの形式 フラグ シーケンス アドレス部 制御部 情報部 誤り検査符号 CRC-16 フラグ シーケンス 01111110 8ビット
(任意長さ) 16ビット 誤り検査対象データ (生成多項式) X16 + X12 + X5 + 1

36 情報メッセージフレームと コマンド/レスポンスフレームの制御部の違い
種類 制御部のビット構成 b1 b2 b3 b4 b5 b6 b7 b8 情報フレーム 送信順序番号 P/F 受信順序番号 監視 コマンド/レスポンス 1 X X P/F 受信順序番号 非番号性 コマンド/レスポンス 1 1 X X P/F X X X [注] X : コマンドの種類をあらわすビット。監視コマンド/レスポンスの場合2ビットなので4種類。 P/F : コマンドの場合 P(poll)ビットを表し,応答を要求するとき1,そうでないとき0に設定する。 レスポンスの場合F(final)ビットを表し,最後の応答のとき1,まだレスポンスを続けるときは0に設定する。

37 NRM(正規応答モード)の手順 リンクの方法
(NRMとし受信可能かどうかを問い合わせる) 1次局 SNRMコマンド(アドレスは2次局) Pビット=1(応答要求) 2次局 RRレスポンス:N(R)=0 Fビット=1(レスポンス終了) (受信可能と返信) 送信開始 受信待ち (RNRが返却されたら送信開始に移行しない) ■ SNRM( Set Normal Response Mode ) 機 能 : 生起応答モード設定 制御部 : ( Pビット=1) 種 類 : Uフレーム ■ RNR( Receive Not Ready ) 機 能 : 受信フレーム受信不可能 制御部 : ( Fビット=1) 種 類 : Sフレーム ■ RR( Receive Ready ) 機 能 : 情報フレーム受信可能 制御部 : ( Fビット=1,N(R)=000) 種 類 : Sフレーム

38 NRMでのデータの送受信 送信側 受信側 初期状態にセット V(S)=0,V(R)=0 送信要求あり Y 情報フレーム送出
情報フレームの順序番号の設定 I(N(S),N(R)) N(S):ウィンドウサイズ N(S) ← V(S) N(R) ← V(R) 状態変数の更新 回復処理 V(S) ← V(S) + 1 状態変数の更新 V(R) ← V(R) + 1 送信要求あり 情報フレーム送出 情報フレームの順序番号の設定 I(N(S),N(R)) N(S) ← V(S) N(R) ← V(R) N(S):ウィンドウサイズ 状態変数の更新 回復処理 V(S) ← V(S) + 1 状態変数の更新 V(R) ← V(R) + 1

39 切断の方法 (送信を終わらせることを通知) DISCコマンド Pビット=1(応答要求) 1次局 2次局
UAレスポンス Fビット=1(レスポンス終了) (切断を承知したことを返信) 切断 切断 ■ DISC( Disconnect ) 機 能 : 動作モード終了,切断モード終了 制御部 : ( Pビット=1) 種 類 : Uフレーム ■ UA( Unnumbered Acknowledge ) 機 能 : 非番号制コマンドに対する応答 制御部 : ( Fビット=1) 種 類 : Uフレーム

40 監視コマンド/レスポンスの種類 ここでは,監視コマンド/レスポンス(Sフレーム)のみについて示す
非番号制コマンド/レスポンスのコードについては, 他のテキスト(例:データ通信テキスト 新Ⅱ版)を参照されたい。 コマンド 制御部 名   称 機   能 RR 1000 P/F N(R) Receive Ready 情報フレーム受信可能 情報フレームの受信通知 RNR 1010 P/F N(R) Receive Not Ready 情報フレームの受信不可能通知 REJ 1001 P/F N(R) Reject 指定した情報フレーム以降の再送通知 SREJ 1011 P/F N(R) Selective Reject 指定した情報フレームの再送通知

41 2.3.4 同期制御 (synchronization control) (a)分類
調歩同期方式 ブロック同期方式 キャラクタ同期方式 一定の長さのビット列 ごとに同期をとる フレーム同期方式ともいう フラグ同期方式 同期方式 スタッフ同期方式 ビット同期方式 網同期方式 ビットごとに同期をとる クロック同期方式ともいう

42 ブロック同期 ① 調歩同期 「非同期方式」,「スタートストップ方式」とも呼ばれる。 ②SYN同期 「キャラクタ同期」とも呼ばれる。
 最低限,同期制御の名称だけは抑えておくこと ① 調歩同期   「非同期方式」,「スタートストップ方式」とも呼ばれる。 ②SYN同期   「キャラクタ同期」とも呼ばれる。 ③フラグ同期   「フレーム同期」とも呼ばれる。

43 (1)調歩同期 ①送られる文字の先頭に「スタートビット(0)」を,文字の最後に「ストップビット(1)」を付け,あらかじめ決められたサンプリングパルスを発生させてビット列を検出する。 ②送受信でクロック源が異なるので,あまり通信速度を高くできない。 ③無手順で採用されている。

44 調歩同期方式の例 1文字(8ビット)データ 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 開始 1 2 3 4 5 6 7 8 終了
■スタートビット 0 とストップビット 1 を付加して8ビットずつ転送。 ■データ転送がない場合は 1 の状態に保たれる。 1文字(8ビット)データ 無通信状態 無通信状態 開始 終了

45 (2)SYN同期 ①データを構成するビット列を送信側でまとめ,最初と最後に2つ以上の「SYN」符号を付加し,データの開始位置と終了位置を認識する方式。 ②ビット同期が取れていることが前提。 ③調歩同期に比べ伝送効率が良い。 ④BSC手順やベーシック手順で使われている SYN符号のビット列: 

46 キャラクタ同期方式の例 送信データ 送信側 受信側 ■SYN(0110100または01101000)符号を同期キャラクタとして,
 2つ以上の符号を先頭に付けて送信する。  8ビット単位の文字情報の伝送を前提としている。  (SYN符号と同じ文字コードがないことに注意) ■受信側でSYNのビットパターンを監視することで同期をとる。 ■基本形データ伝送制御(ベーシック手順)で使われていた。 送信データ 送信側 受信側 SYN符号 SYN符号 SYN符号 ………… (送信データがないときはSYN符号を出さない)

47 (3)フラグ同期 ①データを構成するビット列を送信側でまとめ,最初と最後に2つ以上の特殊なフラグシーケンス( )を付加して,任意のビット列を送る方式。 ②ビット同期が取れていることが前提。 ③SYN同期より伝送効率が良く,バイナリデータを送付することができる。 ④HDLC手順で使われている。 ⑤送信すべき情報ビット列に,1が5個以上連続している場合,送信側で0挿入(Zero Insert) ,受信側で0削除(Zero Delete)を行う。

48 フラグ同期方式の例 送信データ 送信側 受信側 ■ データブロックの区切りとしてフラグパターン(01111110)を送信する。
■ 送信データがないときはフラグパターンを送信し続ける。 ■ 5ビットの「1」が連続するデータを送信するときは「0」を挿入する。   これをゼロインサート(ゼロ挿入)という。   このため,到着時間のずれが生じる場合がある。 送信データ 送信側 受信側 フラグ フラグ フラグ …………

49 (b)クロック同期(またはビット同期) ビット同期の2つの方法 ①スタッフ同期
ダミーのパルス(スタッフパルスという)を挿入することで同期化し, 受信側でそのパルスを除去する。 多重化する信号相互の周波数が一致しないので非同期多重とも呼ぶ。 ②網同期 全国各地にまったく同一の周波数を分配し, これに基づいて伝送装置,ディジタル交換機,ディジタル端末等に 必要なクロックを供給する。 スタッフ同期のStuffとは「詰める」という意味の英語。 Staff(職員)の意味ではないので気をつけたい。

50 ①スタッフ同期 スタッフ同期の原理 同期がとれていない 同期がとれている 入力信号1 出力信号1 読み出し クロック 出力信号2 入力信号2
スタッフビット

51 スタッフ同期多重 スタッフ同期多重の原理 スタッフ 挿入 回路 フレーム パルス 挿入回路 多重化 スタッフ 挿入 回路 スタッフ パルス
フレーム 同期信号 スタッフ 挿入 回路 スタッフ パルス 6’6 5’5 4’ ’3 2’2 1’1 同期が 取れていない 同期が 取れている フレーム パルス 挿入回路 多重化 多重出力信号 6’5’4’3’2’1’ 6’5’4’ 3’2’1’ スタッフ 挿入 回路 高速側 低速側

52 ②網同期 通信網内の各装置の基本周波数を一致させることで同期をとる方法。 [網同期の種類」(従属同期方式が最も用いられている)
■独立同期方式 それぞれの交換局に高精度の発振機を独立に設置して, 同一周波数で動作させるもので国際間の通信に用いられる. ■従属同期方式 特定の交換局に主発振機を置き, 分配器を通じて基本周波数(クロック)を分配する. 必然的に基本周波数が一致することになるので,容易に多重化することができる. ■相互同期方式 各交換局が制御発振機を設置し,接続される他局の発振機と相互に同期を取る方法.   それぞれの交換局に高精度の発振機を独立に設置して,同一周波数で動作させる.

53 同期多重 同期多重:網同期を用いて多重化すること。 [同期多重の種類] ①周波数同期多重
 [同期多重の種類] ①周波数同期多重 多重化しようとする信号のビット位置だけを合わせて多重化する。 ②位相同期多重方式 フレーム位相も正しく合わせる

54 スタッフ同期と網同期多重 同期方式 スタッフ同期多重 (非同期多重) フレームパルスの挿入 網同期多重 (同期多重)
スタッフ同期多重 (非同期多重) フレームパルスの挿入 網同期多重 (同期多重) ビット同期多重(位相のみを合わせる) (周波数同期多重) 位相同期多重 (フレーム位相までを合わせる)

55 2.3.5 送信権制御 (admission control)
 最低限,名称だけは抑えておくこと ①コンテンション(contention)方式   「早い者勝ち」方式とも呼ばれる。   ②ポーリング/セレクティング方式   複数の局に公平に送信権を与える方式。 contention 争い,口論,けんか→通信の競合 polling 投票させること→制御局が送信があるかを問い合わせること。 Selecting 選択すること。

56 (1)コンテンション方式 文字通り,送信権を奪い合う方式。 ①衝突回避の制御が必要。
②早く送信要求(ENQ)を出して相手局から肯定応答(ACK)を受信した局が送信権を得る。 ③CSMA/CDのように衝突するかしないかを各局が判定する方法もある。

57 (2)ポーリング/セレクティング方式 ①すべての送信権を制御する制御局(マスタ)と,制御局の指示で送信する複数の従属局(スレーブ)から構成される。 ②制御局は従属局に送信データがあるかどうかを問合せ,従属局は送信データがあればACKを,なければNACKを制御局に返す(ポーリング)。 ③制御局は,従属局に受信可能かどうかを問合せ,従属局は受信可能であれば「受信可能」を,不可能であれば「受信不可」を返す(セレクティング)。 ④ポーリングとセレクティングは必ずペアで使用される。  


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