Download presentation
Presentation is loading. Please wait.
1
水処理工学(1) 水中の物質変化、水の汚れと富栄養化
水処理工学(1) 水中の物質変化、水の汚れと富栄養化 May0527
2
水中での物質の化学変化 1 水… 水分子のみから構成されている純水ではない 様々な物質や物体が溶け込んだり、混ざったりした状態で存在
水分子のみから構成されている純水ではない 様々な物質や物体が溶け込んだり、混ざったりした状態で存在 大気中の成分が溶ける、岩石や土壌から成分が流出する 自然的なものだけではなく、人間活動によっても起こる →水中に溶けた成分は、化学的/生物学的に変化していく 物質の化学変化… 化学反応によってある物質が、別の物質に変化する なかでも酸化還元反応と化学平衡が重要である 酸化還元反応 狭義)酸素の結合と解離 酸素:電気陰性度が高い 酸素原子は、被酸化物質に結合すると、物質の原子核の周りを回っている電子が、酸素原子に引き寄せられる 被酸化物質から電子が奪われる ⇒だから、酸化反応は、「電子が奪われる反応」である
3
水中での物質の化学変化 2 K= 多くの化学反応は… 電子の授受を伴う酸化還元反応 例:水道水の消毒⇒塩素ガスによる殺菌
電子の授受を伴う酸化還元反応 例:水道水の消毒⇒塩素ガスによる殺菌 Cl2 + H2O → HOCl + HCl 塩素ガスは、水分子から電子を奪って次亜塩素酸や塩酸になる Cl2(酸化数:±0) HOCl(酸化数:+1) HCl(酸化数:-1) この時に、塩素ガスは水分子によって還元されている:酸化剤 水分子は塩素ガスによって酸化されている:還元剤 化学平衡… 化学反応は絶えず起こっているが、その反応のバランスがとれており(反応速度が同じ速さになっている)、見掛け上、反応が止まっているように見える状態 aA + bB ⇔ cC + dD この時に [C] [D] [A] [B] c d a b K= Kを平衡定数という 反応速度に関する指標
4
水中での物質の生物学的変化 1 水中には様々な生物がいる… 同化:摂取した物質を生物にとって有用な物質に作り替える
同化:摂取した物質を生物にとって有用な物質に作り替える 異化:物質を代謝し、化学的に複雑な物質をより簡単な物質に分解する 同化や異化を通して、物質変化を促す 生物はエネルギーが必要… 生物はエネルギーを用いて細胞外の炭素を取り込み、新しい細胞を合成 →生きるためにエネルギー源と炭素源が必要 細胞を合成するということは、細胞外にある物質を化学反応によって細胞構成物質に作り替える⇒酸化還元反応
5
水中での物質の生物学的変化 2 酸化還元反応 電子の授受ができる物質が必要 → 電子供与体(還元剤) 植物プランクトンの光化学反応…
→ 電子供与体(還元剤) 植物プランクトンの光化学反応… nCO2 + nH2O → (CH2O)n + nO2 H2O(O:酸化数-2) →O2(O:酸化数±0) 水が電子供与体になっている
6
水の汚れと富栄養化 1 自然水… どんなにきれいに見えても、純水ではない 水に不純物が混ざっている(水は、混合物である) 不純物量が増える
どんなにきれいに見えても、純水ではない 水に不純物が混ざっている(水は、混合物である) 不純物量が増える それを利用するプランクトンやバクテリアが増殖 増殖により水が汚濁する(プランクトン/バクテリアは、有機物) これを水質汚濁という(水質汚染とは言わない) 水質汚濁が進行すると… 好気性細菌(酸素がある状態で生息する)による好気分解が活発になる その結果、溶存酸素(DO)が低下する (ヒドイ場合は、ゼロ)
7
水の汚れと富栄養化 2 DOが低下すると、 嫌気性細菌(酸素がない環境で生息する) 通性嫌気性菌(酸素の有り無しに関わらず生息する) これらによる嫌気分解が進む メタンガスや硫化水素が発生 →水中で生物が生きられない環境 溶存酸素をある一定以上に維持することが、非常に重要である 指標:生物学的酸素要求量(BOD) 溶存酸素を消費する物質量(有機物量)を把握し、水質の維持管理に役立てている
8
水の汚れと富栄養化 3 富栄養化(水質汚濁と関連深い現象)… 窒素やリン等の栄養塩類濃度が高くなり、 生物生産量が増加すること
窒素やリン等の栄養塩類濃度が高くなり、 生物生産量が増加すること 結果、透明度減少&有機物量増加 有機物の好気分解→嫌気分解→水質悪化 ⇒ 水質汚濁と関連深い 水中の生物生産… 植物プランクトンが担っている 光合成で増加(増殖)する 増殖するための栄養塩類の比:レッドフィールド比
9
水の汚れと富栄養化 4 水中の生物生産… 増殖するための栄養塩類の比:レッドフィールド比 C:N:P = 106:16:1
増殖するための栄養塩類の比:レッドフィールド比 C:N:P = 106:16:1 炭素源:大気からのCO2溶解、 有機物の微生物分解により十分供給 窒素&リン:基本的に不足している状態が好ましい 過剰供給されると、植物プランクトンが爆発 的に増加 窒素&リン濃度で富栄養化のレベルを評価
10
アオコ 赤潮 青潮 1 アオコ… シアノバクテリア(ラン藻)が大増殖して、水表面付近に集積する現象 水面に青い粉を散らしたように見えるから
アオコ 赤潮 青潮 1 アオコ… シアノバクテリア(ラン藻)が大増殖して、水表面付近に集積する現象 水面に青い粉を散らしたように見えるから 原因藻類:Microcystis属、Anabaena属 ※一部のシアノバクテリア 2-メチルイソボルネオール、ジオスミン等の ガビ集物質を生産
11
アオコ 赤潮 青潮 2 赤潮… 増殖したプランクトンが水表面に集積し、赤褐色に変色する現象
アオコ 赤潮 青潮 2 赤潮… 増殖したプランクトンが水表面に集積し、赤褐色に変色する現象 海域:ラフィド藻(Chattonella属)、 渦鞭毛藻(Alexandrium属)、繊毛虫など 淡水域:渦鞭毛藻(Peridinium属)、 黄色鞭毛藻(Uroglenopis属) 赤潮が発生すると… 魚類の鰓にプランクトンが詰まり窒息死する 赤潮生物が浜辺に打ち上げられて腐敗臭がする
12
アオコ 赤潮 青潮 3 青潮… 水面が青白色に着色する現象(東京湾などで実際に確認) 水域の底質が嫌気化すると
アオコ 赤潮 青潮 3 青潮… 水面が青白色に着色する現象(東京湾などで実際に確認) 水域の底質が嫌気化すると 硫酸還元菌が働いて硫酸イオンが硫化水素に還元される 硫化水素を大量に含んだ水が水面まで上昇してくる 硫化水素と酸素が接触し、硫化水素が酸化されて硫黄に変化 硫黄は水に不溶性なので、微細な粒子となって水中を漂う 微細粒子が太陽光線の青色を反射する→青白く見える ※青潮は、プランクトンが原因ではない 底質の嫌気化は富栄養化の進展で起こる →青潮も富栄養化現象のひとつである
Similar presentations
© 2024 slidesplayer.net Inc.
All rights reserved.