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  第8章 インターネット  インターネットは全世界のネットワークを相互に接続した巨大なコンピュータネットワークである.インターネットは知識の宝庫であり,膨大な情報源をもち,行政や教育の分野はもちろん,ビジネスやショッピングなど日常の中にも浸透し,郵便・新聞・テレビなどを超え,新しいメディアとしての地位を築きつつある.インターネットは人類生活に欠かせない電気や水道のようにごく当たり前の存在となる.

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1   第8章 インターネット  インターネットは全世界のネットワークを相互に接続した巨大なコンピュータネットワークである.インターネットは知識の宝庫であり,膨大な情報源をもち,行政や教育の分野はもちろん,ビジネスやショッピングなど日常の中にも浸透し,郵便・新聞・テレビなどを超え,新しいメディアとしての地位を築きつつある.インターネットは人類生活に欠かせない電気や水道のようにごく当たり前の存在となる.   インターネットの大きな特徴は,国境を意識することなく情報の交換が行われ,世界中の出来事はさまざまなルートで,リアルタイムで世界中に飛び交っている.こうした新しい特徴は, 21世紀の生活や文化に大きな変化をもたらす.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

2 8.1 internet と Internet インターネット(internet またはInternet)とは何か?
 internet とは,inter (間・相互の意味) + net (ネットワーク)のことで,ネットワークやLAN を相互間に接続したもの,というイメージになる.即ち,ネットワークとネットワークをつないだネットワークである.   Internet は,米国で作られたARPAnetとして始まり, TCP/IPというプロトコルによるホームページや電子メールなどのサービスを提供し,今使われているいわゆるインターネットのことである.英語でthe Internet と書くべきである.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

3 インターネットの歴史  インターネットの起源は,1969年に米国国防総省の高等研究計画のARPAnetであるといわれている.1986年にARPAnetで培った技術により大学や研究所のサーバを相互に接続しながら徐々に,全米科学財団ネットワークNSFnetの運営が開始された.1990年代中頃から次第に商用利用されるようになり,現在のインターネットに至った.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

4 インターネットの歴史 ■1984年にインターネットが日本に上陸した.当時東京工業大学,東京大学,慶応義塾大学を中心にJUNETの運営が開始された. ■1988年にはJUNETの技術を利用して,専用線によるネットワークとして,WIDEが発足した.このWIDEは,日本で最初の広域インターネットとして位置づけられている. ■1990年から,インターネットの商用利用は本格化された. ■1991年にはJUNETから日本のインターネットに関する管理業務を引き継いだJNICが誕生した. ■1992年にはJPNICに組織が変更された.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

5 ●インターネットへの接続 ●サーバを所有している教育機関や団体,企業などに所属していれば,LAN経由で利用できる.
  ●インターネットへの接続 ●サーバを所有している教育機関や団体,企業などに所属していれば,LAN経由で利用できる. ●サーバを持たない企業や個人は,インターネットへの接続を提供するプロバイダと契約を結び,電話回線などを利用してインターネットに接続する.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

6 8.2 インターネットのプロトコル(TCP/IP)
 インターネットやイントラネットで標準的に使われるプロトコル(通信規約)はTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)である.  TCP/IPは,米国防総省が部分的に攻撃・破壊されても全体が停止することのないコンピュータネットワークを開発する過程で生まれ,現在世界で最も普及しているプロトコルである.   インターネットは世界規模でTCP/IPによって構築されている巨大なネットワークである.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

7 ●TCP/IPの体系 TCP/IPを使うことによって,異なるコンピュータ同士のデータのやりとりが容易になる.
 ●IPはOSI基本参照モデルの第3層に位置し,ネットワークに参加しているコンピュータ・機器のアドレスや,通信経路を選定をするための方法などが規格されている.  ●TCPはOSI参照モデルの第4層にあたり,ネットワーク層のIPと,セッション層以上のプロトコルの橋渡しをする.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

8 ●IPの役割 IPは,ネットワーク層の中心となるプロトコルである.
 送信側では,トランスポート層からパケットを受け取り,宛先を特定する番号(IPアドレスという)などを書き込んだIPヘッダ(IP header)をパケットにつけて,下位のデータリンク層に渡す.  受信側では,IPヘッダをみて,データにエラーがあるかどうか,自分宛かどうかなどを確認して,上位のトランスポートに渡す.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

9    ●IPヘッダ  IPヘッダの長さは32bit(4バイト)の倍数で,オプションのないとき,5×32bit(20バイト)であるので,ヘッダの長さは5である.  IPでは,次のことが行なわれる. ■パケットの転送を受け持つ.■IPアドレスを決定する.  ■IPアドレスで受信者の宛先の特定を行う.■伝送経路を設定してパケットを転送する.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

10    ● IPアドレスの表示  IPアドレスは,ネットワーク内の各コンピュータに割り当て,通信相手を識別・特定するための基本的な項目であり,手紙の宛先のようなもので,これがないと通信することはできない.  IPv4(Internet Protocol version 4)では,IPアドレスは4バイトからなる32bitの数値であり,どのネットワーク上のどのコンピュータを識別するためのものである.  32bitのIPアドレスは識別できるコンピュータの最大数は42億9496万7296台(232)である.  32ビットのIPv4は,IPアドレスの不足が予測されているので,128ビットのアドレス空間をもつIPv6が研究・開発されている.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

11 オクテット表記  IPアドレスでは,8bit(ここでオクテットという)単位に区切り,各オクテットの値を10進数で表記する.即ち,32bitの数値を第1オクテット,第2オクテット,第3オクテットと第4オクテットに分けられ,各オクテットの値を10進表記にし,各オクテット間にドット「.」で区切る.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

12 ●IPアドレスの構成 IPアドレスは2進数の数値であるから,コンピュータにとって系統的に管理しやすい.
 IPアドレスは送受信者の「場所」と「誰」を表すものである.つまり,IPアドレスは,「ネットワーク番号」と「ホスト番号」という2つの部分から構成される.ホスト(host)とは,ネットワークに接続しているサーバで,いろいろなサービスを提供するコンピュータのことである.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

13   ●IPアドレスのクラス分類  実際にはIPアドレス中のどの部分がネットワーク番号か,どの部分がホスト番号かは,ネットワークの構成によって変わる.一般に次のように,オクテット単位でクラスA,B,C,DとEに分類され,IPアドレスクラスという.  後述のCIDRなどが使われるようになってから,IPアドレスクラスの重要性が薄れてきているが,IPに関する重要な概念である.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

14 ●IPアドレスクラスの認識 IPアドレスに示されているネットワークのクラスは,第1オクテットの1~4bitの異なるパターンで識別できる.
 例えば,IPアドレス ( )の第1オクテット前3ビットが110となっているから,クラスCのネットワークと認識でき,そのネットワーク番号は ( )であり,ホスト番号は (146)である.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

15   ●IPアドレスとネットワークの大きさ  ■クラスAのIPアドレスは,すべてのIPアドレス空間(約42億個)のうち,半分に相当する.クラスAのネットワークでは接続可能のホスト数が最も多く,最も大きなネットワークである.  ■クラスBのIPアドレスにおいて,すべてのIPアドレス空間のうち,4分の1に相当する.  ■クラスCのIPアドレスにおいて,すべてのIPアドレス空間のうち,8分の1に占める.  ■残りの8分の1のIPアドレス空間はクラスDとEに配分される.ただし,クラスDとEは実験と研究用に設けられ,実用に使われていない.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

16   ●各クラスのネットワーク数とホスト数  クラスAのネットワークの個数は27=128となり(識別番号の1ビットを除いて,28-1となる),各ネットワークに接続可能最大ホスト数は224=16,777,216となる.実際には,各クラスにおいて接続可能最大ホスト数は,上の数値から2を引く必要がある.ホスト番号がオール0のアドレスはネットワークそのものを表す.また,ホスト番号がオール1のアドレスは,ブロードキャストアドレスといい,ネットワークに接続しているすべてのホストを表す. よって,クラスAに接続可能最大ホスト数は16,777,214となる.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

17 ●サブネットワーク サブネットワークの構成
  ●サブネットワーク サブネットワークの構成 世界範囲で考えると,32bitのIPアドレス空間で表せる端末数は約42億しかないので不足を予想できる.有限なIPアドレス空間を有効に利用するために,サブネットワーク技術が用いられている.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

18 ●サブネットワークの実現 サブネットワークを実現するために,管理者がIPアドレスのホスト番号部をさらに分割し,サブネット番号と定義する.
  ●サブネットワークの実現  サブネットワークを実現するために,管理者がIPアドレスのホスト番号部をさらに分割し,サブネット番号と定義する. ネットワーク部番号  IPアドレスにおいて,どこまでがネットワークを表すか,最初の1~4bitの識別番号で分かる.しかし,サブネットワークを使用した場合,サブネットワーク番号はどこまで分からない.それを識別するために,サブネットマスクが用いられる.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

19 ●サブネットマスクとは 例えば,IPアドレスとサブネットマスク
  ●サブネットマスクとは  サブネットマスクとは,IPアドレスのうち,何ビットがネットワーク部番号か,を表す32ビットの数値である.IPアドレスとサブネットマスクを同時に使って,ネットワーク部番号が取得できる.すなわち,サブネットマスク値の1に対応する部分がネットワーク部番号で,0に対応する部分がホスト番号となる.   例えば,IPアドレスとサブネットマスク ( ) が同時に使われるなら,IPアドレスの上位20ビットがネットワーク部番号,下位12ビットがホスト番号となる.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

20 ●サブネットマスクの例 例:IPアドレス172.16.18.22とサブネットマスク255.255.240.0が与えられた場合,
  ●サブネットマスクの例  例:IPアドレス とサブネットマスク が与えられた場合, サブネットマスク ネットワーク部 とホスト部           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

21    ●CIDRについて  サブネットを使うことによりネットワーク構成の柔軟性が増えたが,クラスA,BとCは,どの組織にも接続ホスト数が足りなかったり,余ったりしてぴったりにはならない.  どの組織にも適切なサイズのネットワークを提供できるように,CIDR(Classless Inter-Domain Routing)が利用されている.CIDRはクラスA,B,Cという概念によらず,オクテット単位ではなく,ビット単位で自由にネットワークを分ける.   例えば,1000台のホストが必要な組織に,クラスBを与える必要がある.しかし,1000台だけを接続するから,もったいない(クラスBでは約65,000台接続可能).CIDRは,適切なネットワークのサイズを選ぶことができるので,IPアドレス空間の有効利用に役立つ.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

22    ●CIDRの表現  CIDRは2つの数値MとNからなり,M/Nと表される.Mは与えられたネットワークのIPアドレスで,Nは最上位の方からNビットをネットワーク番号に使っていることを示すものである. ネットワークのIPアドレスは で,        接続可能ホストのIPアドレスは ~ の126個となる.  例えば,CIDRは /25とすると,指定されたネットワークのIPアドレスは上位から25ビットの数で表し,残りの7ビットはホスト番号となる.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

23    ●プライベートアドレス  プライベートアドレスは,ローカルアドレスともいい,インターネットに接続しない組織のためのIPアドレスである. NICに申請を行わなくても組織内で自由に割り当てることができる.インターネット上でIPアドレスの一意性を保証するため,そのままではインターネット上で使うことが絶対許されない.これに対し,インターネット上で使用するIPアドレスをグローバルアドレスと呼ぶ.  プライベートアドレスしか持たないコンピュータがインターネットアクセスするとき,NATでグローバルアドレスを割り当てもらえる. IPアドレスのA,B,Cクラスとは別物であるので,要注意.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

24    ●NATとは  NAT(Network Address Translation)とは,プライベートアドレスとグローバルドレスを1対1で対応させて変換することである.1つのグローバルアドレスは複数のコンピュータに対応できるから,最近不足がちなグローバルアドレスを効率よく利用できる.NAT等の技術が普及したことにより,企業や大学内ではほとんど,プライベートアドレスを使用している.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

25 ●NATの仕組み 送信元はプライベートアドレスを使っている。 NATでグローバルアドレスに変換してくれる
引用:           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

26    ●DHCPについて  TCP/IP を使ったネットワークでは,各コンピュータは一意の IP アドレスをもつ必要がある.インターネット上で移動性のあるコンピュータ,また一時的に接続するコンピュータに,自動的にIPアドレスを割り当てる方法があり,現在主流な方式がDHCPである.  DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)とは,ホストのIP 構成を動的に管理するプロトコルのことである.この DHCP サービスを使うと,IP アドレスを自動的に割り当てることができる.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

27 ●DHCPの特徴 クライアントが起動するとき,DHCPサーバは動的にクライアントにIPアドレスを割り当て,終了時にIPアドレスを回収する.
 サーバはIPアドレスを幾つか用意して,要求してきたクライアントに対して,用意したIPアドレス範囲で一意にIPアドレスを与える.管理者はIPアドレス範囲とリース期限だけ決めておけば,あとは自動的に割り振ってくれる.リース期限を設けるのはクライアントに一時的に与える意味で,クライアント側は継続して使うならば,使用期間の延長を申請する形になる. 貸し出しの日 貸し出しの期限           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

28    ●ドメイン名  インターネット上のホストを識別するためにIPアドレスが使われている.しかし,オクテット表記で表示されているIPアドレスは,コンピュータにとって系統的に管理しやすいが,人間にとって識別するには極めて難しい.そこで,人間が覚えやすいように,  例えば,IPアドレス「 」を「mail. aa.bb.co.jp」といった文字列に振り替える.このような文字列をドメイン名(domain name)と呼ぶ.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

29 「ホスト名.サブネットワーク名.ネットワーク名.組織名.国名」
   ●ドメイン名の構成  ドメイン名の構成は下図のように,右側からトップレベルドメインが配置され,左へ順に第2レベルドメイン,第3レベルドメイン……と呼ぶ.各レベルのドメイン名は63文字以下で,ドメイン名の全体の長さは255文字以下と制限されている. ドメイン名は一般に 「ホスト名.サブネットワーク名.ネットワーク名.組織名.国名」 という形で名前が付けられる.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

30 トップレベルと第レベルドメイン名  トップレベルドメイン名(TLD: top level domain)は,国名と特別種類の分野を示しており,一般に国名は2つの文字で表し,特別分野は3文字または4文字で表す. 第2レベルドメイン名はインターネットの組織名を表す.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

31 ドメイン名の構造  DNSは,右図の階層構造をもち,データを階層的に分散管理する.一番上のルート(root)と呼ばれる頂点から下の階層へ広がっていく.ルートの下にはトップレベルドメインが配置され,そのさらに下に第2レベルドメイン,第3レベルドメイン……と続く.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

32 ●ドメイン名からIPアドレスの取得 引用:http://www5e.biglobe.ne.jp/~aji/3min/46.html
          コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

33    ●TCPの役割  トランスポート層のプロトコルにはTCPとUDPがある.TCPは,データ転送などの信頼性を求めるときに使われ,転送速度が低い.送りっぱなしでよい場合にはUDPが使われる.UDPの転送速度は高いが,信頼性が低い.TCPでは,データが途中で破損したり,何らかの事情により相手に届かなかったりするとき,再送信する機能がある.UDPでは,相手にどんどんデータをすばやく送り,安全に届いたかどうかを確認しない.リアルタイム性を重視するIP電話,テレビ電話と画像の中継配信で利用される.これらのサービスでは,音声や映像が乱れたからといっても,再度送信する必要もないからである. ★ここでは,TCPの役割のみ説明する.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

34    ●TCPによる送信   データを確実に届くために,受信側と送信側は1対1で通信を行う.また,データを決められた大きさで幾つかのセグメントに順番をつけて分割する.さらに各セグメントに下図に示すTCPヘッダがつけられて,パケットとなる.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

35 TCP送信の3つのステップ ■送信側のコンピュータAが受信側のコンピュータBに通信開始の要求(SYN=1)を送る.
■SYN=1のパケットを受信したBは,受信確認の応答(ACK=1)をAに送信する.通信が確立され,AからBへシーケンス順番にパケットを確認しながら送信する.Bが受信したら,Aに必ず確認応答とを送る.なお,送信の途中でパケットが破損してしまった場合,Bはそのパケットを破棄し,確認応答を送らない.一定回数以上再送しても確認応答が返ってこない場合,Aが強制的に通信(RST=1)を切断する. ■正常に全てのパケットを送り終わったら,AはBに通信終了の要求(FIN=1)を送り,Bは確認応答(ACK=1)して,通信が終了する.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

36 TCP通信の確立と切断 通信の確立 通信の切断           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

37    ●TCPによる受信  受信側では,アプリケーション層には,数多くのサービスのプロトコルが存在する.例えば,HTTP(WWWサービス,ブラウザを使う),SMTP(電子メールサービス、メーラを使う)などがある.サービスの出入り口をポートといい,各ポートにポート番号が振られている.受信したデータはどのポートに送るかを判断するのは,TCPの仕事である.  TCPヘッダに書き込まれたポート番号を調べて,指定されたアプリケーションのポートにデータを渡す.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

38    8.3 クライアントとサーバ  サーバ(server)とは,情報やコンピュータ資源を提供するコンピュータのことである.搭載しているソフトによってWebサーバ(ホームページのサービスを提供する),メールサーバ(電子メールのサービスを提供する)やFTPサーバ(ファイル伝送のサービスを提供する)などがある.  クライアント(client)とは,情報またはサービスを受ける側のコンピュータのことである.  狭義では,クライアントとサーバはネットワークを利用して,サービスを要求と提供するプログラムである.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

39    ●クライアントとサーバの形式  インターネットでは,全てのサービスが,例えば,電子メール, ホームページ,ファイル伝送,ドメイン名システムなど,クライアントとサーバの形式で実現されている.  例えば, あるコンピュータ(クライアント)でYahooのホームページを見たい場合,ブラウザから (YahooのWWW サーバ),「このホームページを見たいので内容を送ってくれ」というリクエストを送る.WWWサーバは要求されたホームページのデータを送り返す.送ってきたデータをHTTPというプロトコルを介して,自分のコンピュータでYahooのホームページが見られる.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

40    8.4 インターネットの利用  インターネットは,巨大な情報源として,さまざまなサービスを提供してくれるので,社会の隅々まで浸透し人類の生活・文化の大きな支えとなる.  一般ユーザでも接続できるようになってから,インターネットが大きく発展した.新しい技術がどんどん導入され,特に,検索エンジンの出現により,インターネットの真価が発揮され始めた.ホームページによる情報の収集と発信,掲示板,ネットニュースなどのサービスが提供された.最近,マルチメディアの普及に,メールも文字情報に加えて画像などが添付できるようになり,インターネット電話,音楽配信などの利用も急速に増加している.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

41 ●インターネットにできること インターネットサービスのベースは次のようになる.
  ●インターネットにできること  インターネットサービスのベースは次のようになる. ■Webページ:WWWにより提供されたホームページなどのサービスである.HTMLという言語で作ったハイパーテキスに,他のWebページのアドレスを埋め込むことができ,このアドレスの部分をリンクすると,アクセスできる.よって,インターネット上で相互につながる形となる. ■電子メール:インターネット上で送受信される文字だけでなく画像や音声,プログラムなどを含むメッセージのことである.インターネットにつなぐことさえできれば,世界中のどこにいてもメールの送受信ができる.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

42   ●インターネットにできること  ■ネットニュース:ネットニュースは不特定多数と情報交換や議論をする場となり,いわば「電子会議室」,「電子掲示板」である.  ■ファイル転送(ftp):ftpはインターネット上でコンピュータ相互間において,ファイルを伝送するサービスである.インターネットにおいてWebページから音楽や,プログラムや,ファイルなどを自分コンピュータに転送することをダウンロード(download)といい,自分のコンピュータからデータをサーバに転送することをアップロード(upload)という.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

43   ●インターネットにできること  ■遠隔操作(telnet) :遠隔地からインターネット経由で特定のホスト・コンピュータを操作するためのサービスである.  ■チャット(chat):チャットとは,文字または音声,画像を使って,インターネット上で他のユーザと会話することである.リアルタイムで登録したユーザ同士と無料で会話ができる.よく利用されているのはMSN Messengerである.  ■インターネット電話:インターネット電話は,IP(Internet Protocol)電話ともいう.インターネットを利用して,相手の距離,所在国などに関係なく廉価または無料電話サービスである.           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

44 第8章のまとめ 1.インターネットの発展と歴史 2.インターネットへの接続 ●LANを経由 ●プロバイダを経由
  第8章のまとめ 1.インターネットの発展と歴史   2.インターネットへの接続  ●LANを経由  ●プロバイダを経由 3.インターネットのプロトコルTCP/IP  ●IP(IPヘッダ,IPアドレスの表示,IPアドレスクラス,    サブネットマスク,CIDR,プライベートアドレス,DHCP)  ●ドメイン名(ドメイン名の構成,DNS機能)  ●TCP(TCPヘッダ,TCPの役割)           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       

45 第8章のまとめ 4.クライアントとサーバ ●クライアント(サービスを要求・受ける側のコンピュータまたはソフト)
  第8章のまとめ 4.クライアントとサーバ  ●クライアント(サービスを要求・受ける側のコンピュータまたはソフト)  ●サーバ(サービスを提供する側のコンピュータまたはソフト)  ●インターネット上で多くのサービスはクライアントとサーバモデルで実現される. 5.インターネットの利用 ●ホームページ(WWWサービス) ●電子メール( ) ●ネットニュース ●ファイル伝送(ftp) ●遠隔操作(telnet) ●チャット ●インターネット電話           コンピュータとネットワーク概論                  第8章 インターネット       


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