Download presentation
Presentation is loading. Please wait.
1
IEEE 802.11eにおける無線伝送速度の 変化に応じた最適なEDCAパラメータの設定
早稲田大学理工学部 コンピュータ・ネットワーク工学科 後藤研究室 学部4年 1G06R156-6 野間敬太 2010/2/1 卒業論文発表
2
研究の背景・目的 2010/2/1 卒業論文発表 ワイヤレス・ブロードバンド時代の進展 モバイル端末による音声・動画通信の利用
サービスに適したQoS (Quality of Service) ⇔Best Effort IEEE e 通信の優先制御によってQoSを保証 しかし、IEEE eを実装した無線LANアクセスポイントの多くが使用環境に関係なくデフォルトパラメータを用いている 無線伝送速度が変化した場合、通信品質が保たれるのか? 無線伝送速度の変化に対応したパラメータを検証 2010/2/1 卒業論文発表
3
IEEE 802.11e 既存の無線LAN規格をベースにMAC層にQoS機能を追加する規格 優先度によるQoS制御方式 (2種類)
EDCA (Enhanced Distriuted Access) 自立分散制御に基づいた優先制御 HCCA (Hybrid Coordinator Function Controlled Channel Access) アクセスポイントによるポーリングを用いた集中制御 2010/2/1 卒業論文発表
4
EDCA CSMA/CA方式を拡張したアクセス制御方式 優先度の異なる4種類のAC (Access Category)
送信を行う際に優先度に基づき優先制御 優先度の異なる4種類のAC (Access Category) アクセスカテゴリ 用途 AC_VO 音声通信 AC_VI 映像通信 AC_BE Best Effort AC_BK Background Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance 2010/2/1 卒業論文発表
5
EDCA (2) 優先度ごとに設定される3種類のパラメータ
AIFS (Arbitration IFS) フレームの送信間隔を表すパラメータ。値が小さいほど優先度は高い。 CW (Contention Window) 送信待ち時間を決定するための乱数用のパラメータ。 待ち時間=乱数値×一定時間 乱数値は0~CWで生成される。 TXOP (Transmission Opportunity) アクセス権を取得後、チャネルを排他的に使用できる時間を表す。 IFS (Interframe Space), SIFS (Short Interframe Space), DIFS (Distributed Interframe Space) CW:初回の乱数発生時にはCW=CWminに設定され再送回数が増えるにつれて、2倍に増加、CWmaxに達するとCW=CWmax固定 混みあうにつれてバックオフ時間を増やし、衝突を防ぐ仕組み。 2010/2/1 卒業論文発表
6
R値 VoIP (Voice over Internet Protocol) の 通信品質の評価指標 音声品質クラス クラス R値 遅延
クラスA 80超 100ms未満 クラスB 70超 150ms未満 クラスC 50超 400ms未満 2010/2/1 卒業論文発表
7
実験 シミュレーション開始後15秒で一つの端末(STA1)の無線伝送速度を11Mbps→2Mpbsに変更。
このときのSTA1のR値を観測対象とする。 実験1・・・AIFSの変更 実験2・・・CWの変更 実験3・・・TXOPの変更 実験4・・・最適なパラメータの検討、検証 2010/2/1 卒業論文発表
8
シミュレーション環境 ・・・ ・・・ STA1 有線端末6台 (音声) 有線端末1台 (映像) + 音声 64Kbps/本 映像
11Mbps 2Mbps 11Mbps 11Mbps 無線伝送速度 11Mbps ・・・ STA1 通信への 影響は? 無線端末1台 (映像) 無線端末6台(音声) 2010/2/1 卒業論文発表
9
評価方法 「0秒~15秒での平均R値」 「15秒~30秒での平均R値」を評価の指標とする
2010/2/1 卒業論文発表
10
実験1 : AIFSの変更 ⇒ AIFSの値を“1”に設定することでR値の向上が見られる。 15秒以降のR値の低下が大きい
2010/2/1 卒業論文発表
11
実験2 : CWの変更(上りトラヒック) CWmax=63 以上でR値最大 2010/2/1 卒業論文発表
12
実験2 : CWの変更(下りトラヒック) CWmax=63 以上でR値最大 2010/2/1 卒業論文発表
13
実験3 : TXOPの変更 TXOPに設定する値
1632, 3264(default), 6528, 13056, 26112, 52224 STA1の変更 APの変更 TXOP 15秒までの 平均R値 15秒以降の 平均R値 1632 3264 6528 13056 26112 52224 TXOP 15秒までの 平均R値 15秒以降の 平均R値 1632 3264 6528 13056 26112 52224 2010/2/1 卒業論文発表
14
実験4 : 最適なEDCAパラメータの検討 各EDCAパラメータを組み合わせ、最もR値が向上するパラメータの組み合わせを検討する。
最も良かったパラメータの組み合わせ これを提案パラメータとする。 AIFS CWmin CWmax TXOP STA1 1 63 6528 AP 2010/2/1 卒業論文発表
15
提案パラメータの検証 改善 上りトラヒック 0-15秒の平均 15-30秒の平均 デフォルト 82.93154 63.59654 提案
改善 下りトラヒック 0-15秒の平均 15-30秒の平均 デフォルト 提案 2010/2/1 卒業論文発表
16
まとめ&課題 障害物等で無線伝送速度が変化する環境である場合、提案したパラメータが有効である。 課題
無線伝送速度を一つの端末のみ変更したが、複数の端末の無線伝送速度が変化することが考えられる。その際に、同じパラメータを適応していいのか否か検討すべきである。 最適なパラメータを見つけるためには、網羅的にパラメータを組み合わせる必要がある。 トラヒックのアクセスカテゴリが限られた環境で実験を行ったが、様々なアクセスカテゴリが流れる環境を想定すべきである。 2010/2/1 卒業論文発表
17
ご清聴ありがとうございました。 2010/2/1 卒業論文発表
18
HCCAの動作概要図 2010/2/1 卒業論文発表 QoS CF-Pollで指定されたTXOP QoS CF-Pollで許可された送信期間
SIFS ACK ACK ACK SIFS SIFS QoS データ QoS データ QoS データ 2010/2/1 卒業論文発表
19
(補足)CSMA/CA Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance
無線LANにおける、基本的な通信手順 Carrier Sense 通信を開始する前に、現在通信をしているホストが他にあるかどうか確認する。 Multiple Access 複数のクライアントは同じ回線を共用し、他者が通信をしていなければ自分の通信を開始する。 Collision Avoidance 他のホストの送信終了を検知した場合は自分が送信を開始する前にランダムな長さの待ち時間をとる。 2010/2/1 卒業論文発表
20
(補足)EDCAシミュレータ DESMO-Jライブラリを利用し、IEEE 802.11e環境を実装したシミュレータ
IEEE b上に802.11eを実装。 2010/2/1 卒業論文発表
21
EDCAシミュレータ シミュレーションモデル
PC + シナリオ PC + シナリオ 無線LAN アクセス・ポイント ステーション (無線LAN カード) PC + シナリオ 無線空間 ステーション (無線LAN カード) PC + シナリオ 2010/2/1 卒業論文発表
22
(補足)EDCA default parameter
アクセスカテゴリ AIFS CWmin CWmax TXOP AC_BK 7 15 1023 AC_BE 3 AC_VI 2 6016 AC_VO 3264 EDCAデフォルトパラメータ(参照、板倉さん修論itak.pdf) 2010/2/1 卒業論文発表
23
(補足)EDCAを選んだ理由 EDCA 2010/2/1 卒業論文発表 音声トラヒックの優先度を上げることで品質向上を目指す
アクセスカテゴリごとに優先度を変更することが可能 EDCA 2010/2/1 卒業論文発表
24
(補足)R値の計算式 R値= R0 – Is – Id – Ie + A R0 : 回線雑音、送受話室内雑音による劣化
2010/2/1 卒業論文発表
25
R値を選んだ理由 利点 主観評価指標であるMOS値と相関関係がある。 IPネットワーク内で発生するパケットの遅延を評価に反映出来る。
R値とMOS値を対応させたグラフがG.107に掲載 IPネットワーク内で発生するパケットの遅延を評価に反映出来る。 同じ客観評価である、PSQM、PESQは遅延を考慮していない 2010/2/1 卒業論文発表
26
音声通信の品質指標 MOS (Mean Opinion Score)
主観的手法。評価者に5段階で評価させる。 PSQM (perceptual Speech Quality Measure) 客観的手法。音声データの符号化、復号化の際に生じる歪みの影響を、人間の感覚に合わせて数値化する。 PAMS (Perceptual Analysis Measurement System) MOS評価手法を機械化した手法。 PESQ (Perceptual Evaluation of Speech Quality) PSQM+PAMS R値 2010/2/1 卒業論文発表
27
ネットワーク構成 ・・・ ・・・ 有線 IEEE 802.11e 無線LAN アクセスポイント 無線 STA1 2010/2/1
Voice 6台 Video 1台 ・・・ 有線 IEEE e 無線LAN アクセスポイント 無線 STA1 ・・・ Voice 6台 Video 1台 2010/2/1 卒業論文発表
28
(補足)実験1 : AIFSの変更 STA1=UP, AP=DOWN 2010/2/1 卒業論文発表
29
(補足)実験1 ~AIFS=1(UP・DOWN)とした際の周囲への影響~
STA2~STA6(音声)の平均R値 UP側 DOWN側 STA7(映像)の最大Delay UP側 (ms) DOWN側 (ms) クラス R値 遅延 A 80以上 100ms未満 B 70以上 150ms未満 C 50以上 400ms未満 映像品質 遅延 双方向通信 (16-384kbit/s) 150ms以下推奨 ・400ms以下 一方向通信 10s以下 ※ITU-T G.1010 勧告 2010/2/1 卒業論文発表
30
補足) CWの効果 CWの変更 CWの設定値による効果 CWは送信待ち時間を決定する乱数用のパラメータ
優先度の高い通信に対してCWmaxを低く設定 送信待ち時間が少なくなり、送信機会が増える 2010/2/1 卒業論文発表
31
(補足)実験2 考察 R値が良かったパラメータは、他の端末のパラメータ (Default:CWmin=3, CWmax= 7)の範囲外を設定している。 CWは待ち時間を決める乱数であるから、小さい方が優先的にアクセス権を取れるが、競合しないことで結果的にR値の低下を抑えることが出来る。 2010/2/1 卒業論文発表
32
(補足) 実験4 : パラメータの組み合わせ ○ : 実験1~3で得られたR値が最も高くなったパラメータ
UP : AIFS=1, CWmin=0, CWmax=63, TXOP=6528 DOWN : AIFS=1, CWmin=0, CWmax=63, TXOP=6528 × : 実験1~3で得られたR値が最も低くなったパラメータ UP : AIFS=2, CWmin=1, CWmax=1, TXOP=3264 DOWN : AIFS=2, CWmin=0, CWmax=3, TXOP=1632 D: デフォルトパラメータ UP : AIFS=2, CWmin=3, CWmax=7, TXOP=3264 DOWN : AIFS=2, CWmin=3, CWmax=7, TXOP=3264 2010/2/1 卒業論文発表
33
組み合わせパターン パターン AIFS CW TXOP 1 ○ × 2 3 4 5 6 7 8 D 9 10 11 12 13
2010/2/1 卒業論文発表
34
提案パラメータを用いた場合の他の端末への影響
シミュレーション全体での平均R値 Down up sta2 88.357 82.168 sta3 91.02 88.256 sta4 88.337 85.217 sta5 88.331 88.253 sta6 87.579 81.448 2010/2/1 卒業論文発表
Similar presentations
© 2024 slidesplayer.net Inc.
All rights reserved.