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環境保全工学 熱帯雨林の減少と砂漠化 June03
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熱帯雨林 地球上の森林面積… 約40.3億ヘクタール(1ヘクタール=10,000m2)
地球の陸地は130億ヘクタールだから、30%が森林である そのうちの熱帯雨林は約20億ヘクタール(森林の半分が、熱帯雨林) 熱帯雨林 熱帯地方の森林植物群(赤道から南北27度27分) ①常緑広葉高木の熱帯雨林→雨が多くて湿っている ②常緑、落葉、半落葉、広葉の熱帯雨林→季節によっては少し乾燥 ③低木疎林の熱帯サバンナ林→乾いた土地、まとまった森林ない ①+②=約11ヘクタール(陸地面積の7%) アフリカ、南アメリカ、東南アジアに分布
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熱帯雨林の役割(物質循環、エネルギー循環)
炭素の固定… 森林→陸上植物現存量の90%が存在 光合成で二酸化炭素を吸収して、有機物と酸素を生成 2.2兆トン:地球上の植物と土壌が固定している炭素量 大気中に存在している炭素量の3倍 森林破壊→固定されている炭素が空気中に放出 年間17~20億トンの炭素が放出されている 化石燃料燃焼に換算すると30%にあたる 木材の生産機能… 木材は、森林から生産される 建築材料、家具の素材、紙、板紙の原料など、用途は様々 アフリカや東南アジア→貴重な輸出源 インドネシアは、全輸出額の15%を木材輸出で賄っている 日本は各国から輸出された熱帯広葉樹丸太総量のうち、約50%分を輸入 製材についても、10%を輸入
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熱帯雨林破壊の現状 世界の森林面積の推移… 1974年の森林面積を100とすると、 北欧や西欧などの先進諸国は一定
1974年の森林面積を100とすると、 北欧や西欧などの先進諸国は一定 アフリカ、中南米、中近東、極東などの途上国では直線的に減少 FAO(国連食糧農業機関)の調査… 森林資源評価「1990年プロジェクト中間報告」 (熱帯雨林保有国対象調査報告) 1981年から1990年の十年間:毎年1700万ヘクタール減少 1990年から2000年の十年間:毎年1420万ヘクタール減少 西アフリカ、中央アメリカ・メキシコ、アジアの順で減少
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熱帯雨林破壊の原因 熱帯雨林の急激な減少の原因… ①焼畑耕作 熱帯アフリカ、熱帯アジアなどで頻繁に行われていた ②商業木材伐採
①焼畑耕作 熱帯アフリカ、熱帯アジアなどで頻繁に行われていた ②商業木材伐採 商業用価値のある樹木の伐採→周りに樹木を減少させる ③薪炭材の過剰摂取 昔:途上国は化石燃料より薪や炭を使っていた ④放牧地への転換 牛などの家畜の放牧地への転換
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森林減少の影響 1 動物種の減少… 熱帯雨林には、300万~900万種の動植物が生息 しかし、これまで分かっているのは60万種程度
熱帯雨林には、300万~900万種の動植物が生息 しかし、これまで分かっているのは60万種程度 熱帯雨林の減少 →その種の存在が消える(遺伝子が消滅する) これまでに、50万~100万の種が絶滅したとされている ※世界資源研究所の調査報告 1990年から2020年の間に、全世界の5~15%の生物種が絶滅と予測 これは、1年間に1万~5万種が絶滅 二酸化炭素の固定作用の減少… 森林1ヘクタール当たりのCO2吸収量:70~90トン/年(C換算) 1700万ヘクタールの森林減少:約14億トンのCO2が吸収されない 森林減少→土壌中炭素が酸化されて、CO2として放出される(上乗せ) 最新データ:森林減少で、年間16億トンの炭素がCO2として放出
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森林減少の影響 2 木材資源の枯渇… 伐採する代わりに植林を行っている 植林面積は、伐採面積の1/10程度
伐採する代わりに植林を行っている 植林面積は、伐採面積の1/10程度 木材を輸出している国→木材の輸出ができなくなる 自国の木材需要を満たせられない? タイ:1985年森林面積 国土の30% 3年後 国土の20%まで減少 → 商業伐採を禁止 木材輸出国 ⇒ 木材輸入国 土砂崩れ、洪水の発生… タイ、インド、バングラデッシュで土砂崩れ、洪水 森林伐採による影響(伐採による土壌の弱体化⇒保水率低下)
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熱帯雨林の保護 地球全体の問題… 原生林が激減→先住民の協力による保護 インドネシア カリマンタン島 ダクヤ人
原生林が激減→先住民の協力による保護 インドネシア カリマンタン島 ダクヤ人 先祖代々伝わる「森林再生サイクル」(6段階構成) 焼畑で農業を営む 農耕をやめると1~2年のうちに若い「かん木林」になる 2~3年後、その「かん木林」が成長する 3~8年たつと、若い「二次林」に生育 10年で成熟する ⇒もとの形態に近い原生林に戻るには、100年以上 ※土地が悪いと、180年以上かかる 世界各国で森林を守る動きが活発に… 会議、条約、運動などが盛んに(詳細は省略)
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砂漠化の定義と原因 1 砂漠化とは… 豊かな土壌の流出、水分蒸発で塩分が固化して植物が生育しない等
豊かな土壌の流出、水分蒸発で塩分が固化して植物が生育しない等 土地の劣化現象のことである:1997年 国連砂漠化防止会議 もっと詳しく定義を… 1992年 アジェンダ21(環境と開発に関する国連会議) 「乾燥地域、半乾燥地域、乾燥半湿潤地域における気候上の変動や人間活動を含む様々な要因に起因する土地の劣化をさす」 ⇒ひとつまたは複数のプロセスによって生じる土地資源の潜在力の減少 砂漠化の原因… 砂漠化の原因は複雑(種々の要因が複合している) 大きく分けると、自然的要因と人為的要因がある 自然的要因 下降気流の発生、降雨量の減少 → 乾燥地が移動 ※気候の変動 今は人為的要因で気候が変動している
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自然的要因による砂漠化 << 人為的要因による砂漠化
砂漠化の定義と原因 2 砂漠化の原因(続)… 人為的要因 ①草地の再生能力を超えた放牧 ②焼畑農業による耕作と休耕期間の短縮による地力低下 ③かんがい農地の塩化 ④薪炭材の過剰な採取のための樹木の伐採 過放牧や地力低下耕作地では、 地面が裸地状態になる 乾期:風食 雨期:水による浸食 → 土壌が流出して砂漠化 過剰な「かんがい」 地下水位上昇、塩類濃度の高い地下水による不適切な「かんがい」 土地が荒廃し劣化して砂漠化 背景:アフリカ、アジアの人口増加に伴う限度を超えた食糧&燃料確保 自然的要因による砂漠化 << 人為的要因による砂漠化
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砂漠化の影響 食糧不足 1973年以来、穀物生産量は減少(土地の荒廃、砂漠化) 途上国の食糧不足人口5億1000万人(1985年)
1973年以来、穀物生産量は減少(土地の荒廃、砂漠化) 途上国の食糧不足人口5億1000万人(1985年) うち、アジア&アフリカが占める割合は85% 年々増加 木材の不足 土地の荒廃とともに、燃料用木材の不足に陥っている 10億3000万人(1980年:60ケ国)→15億人(2000年:75ケ国) アジア&アフリカでは、家庭の調理用燃料の不足 都市部の人口増加 砂漠化した土地を手放して、農民が都市に移住し、都市部の人口増加 都市部で食糧不足と疫病が助長される 1985年 アフリカ21諸国で3000万人が干ばつによる影響など 今も続いている
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砂漠化の現状/国際的な取組 1984年のデータですが… 世界全体で約45億haが砂漠(全陸地面積の30%)
世界の人口の約1/5の生活基盤 そして、9億haが、過度な乾燥地域→生産不可能地域 1974年 「砂漠化防止のための国際協力」 1977年 「国連砂漠化防止会議」→「砂漠化防止計画」が採択 砂漠化防止計画活動センター設立、具体的な活動が始まる 1990年 「砂漠化の評価・現状の報告」 1992年 「アジェンダ21」干ばつ・砂漠化防止を目的とした砂漠化防止条約を将来策定することに合意、1996年12月に発効 ※日本 「グリーンアース計画」植林計画の一環 高機能保水吸水性の材料をつかった
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