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学級づくりリーダー研修会Ⅱ 学級経営の実践に生かすQ-Uの分析 H25.6 高知県心の教育センター
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今日の予定 ① 1回目Q-Uの分析に基づいた学級経営 ② RV-PDCAシートの活用 ③ 不登校の早期発見、早期対応について
① 1回目Q-Uの分析に基づいた学級経営 ② RV-PDCAシートの活用 ③ 不登校の早期発見、早期対応について 本日は、学級経営の実践に生かすQ-Uの分析と言うことで、 まず私の方から、1回目Q-Uの分析に基づいた学級経営ということで、基本的なQ-Uのみ方や、分析についてお話しさせて頂きたいと思います。 そのあと、大城の方から、RV-PDCAシートの活用と言うことで、演習を行いたいと思います。 約3時間の長い時間になりますが、有意義な会となるようスタッフ一同、頑張りますので、どうぞご協力、よろしくお願いいたします。 前半のお話は、後半のRV-PDCAシートのR、リサーチって言うところで、調査・アセスメント日本語で言うと、 「児童生徒理解」のところになります。 では、はじめたいと思います。皆さんには、ご存じのことも多いかと思いますが、 ご自分が研修をするなら、こういう、こんなに進めるなど、お考え頂きながらお聞き頂ければありがたいです。
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1回目 Q-Uの分析に基づいた 学級経営 学級づくりリーダー研修会 高知県心の教育センター
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心理的な質問紙としてのQ-U 1 Q-U 学級のルールづくりから人間関係づくりへ 承認の欲求 安心・安全の欲求 生理的欲求 学習・進路
マズローの欲求階層説 生理的欲求 安心・安全の欲求 所属と愛情の欲求 承認の欲求 自己実現 学習・進路 リレーション Q-U ルールづくり 親密な 人間関係 この図は見たことがありますか? はいマズローの欲求階層説とか、5つの欲求とかいわれているものですね。 下の欲求が部分的でも、満たされてはじめて、上の欲求が発生するというものです。 逆に言えば、下の欲求が満たされないと、上の欲求は、あとやその次に追いやられてしまうっていうものです。 Q-Uでは、その結果や行動観察をもとに、まずは、「安心・安全」の欲求に答えるために、ルールづくり、マズローさんは、「安全で秩序だった予想できる法則性のある組織、子どもで言うと危険なことは起こらず、危害から守られる」組織を作る。 その上で、同時進行にもなることもあるのですが、「所属と愛情」「承認」の欲求に答えるリレーション、親密な人間関係づくり、 ふれあいづくりに努めます。 それができないと、学習や進路にはなかなか取り組めませんよね。例えば、授業中に何か発言したり間違ったりしたときに、「お前ばかやにゃあ~、そんなんもわからんがか」というような発言のある学級では、授業中に安心して発言したり、何か意見をいおうという気分にはなりませんよね。 このルールとリレーションのバランスが大切ですね。先生は忙しいので、このルールづくりと、リレーションづくりを効率的に進めるために構成的グループエンカウンターやソーシャルスキルトレーニングを、使い勝手もいいので活用している先生が多いですね。 ただ、これをやれば魔法のように学級が良くなるわけではないので、学級・個人の状態やQ-Uの結果などを見ながら、有効なエクササイズなどを選んでいくことが大切だと思います。 学級のルールづくりから人間関係づくりへ
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Q-U を実施するねらい 2 1.児童生徒理解のため 学級集団の理解と児童生徒個々の理解 2.校内連携を促進するため
学級・児童生徒支援についての校内連携 Q-Uを実施することのねらいは、次の3点にあります。 一つ目は、児童生徒理解を進めるためです。 ★Q-Uを用いることによって、生徒個々の理解が深まるだけでなく、学級集団への理解を進めることができるところに Q-Uの特徴があります。 ただ、学級担任だけがその結果を活用すると、その効果は非常に限定的なものになります。 Q-Uの活用のしかたがわかってきたら、 ★次は、Q-Uの結果を学年団や学級の教科担当者の間で共有することが求められます。 Q-Uの理解を共有することで、校内連携を促進することができます。 ★Q-Uを用いることによって年間を通した支援のサイクルと支援体制をつくっていくことができます。 このように、Q-Uは、児童生徒理解のためだけに用いるのではなく、校内連携の促進や支援体制づくりに向けた 道具なのです。★ 3.校内支援体制づくりのため 年間を通した支援サイクルと支援体制づくり
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3 Q-Uによるアセスメントのポイント 1 Q-U結果分析のポイント (1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答
(1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答 (3)満足度尺度と意欲尺度の対照 2 日ごろの観察との対照 3 同僚間での情報交換・共通理解 これは、Q-U活用の全体像です。 まずは、「1 Q-U結果分析のポイント」として、プロット図と意欲プロフィールについて説明をしていきます。★
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4 プロット図の見方① 構成 満足 不満 侵害行為認知群 学級生活 満足群 安心 不安 不満足群 非承認群 要支援群 満足だが 不安だ。
プロット図の見方① 構成 満足 不満 侵害行為認知群 満足だが 不安だ。 満足で 安心 学級生活 満足群 安心 不安 不満足群 不満で 不安 安心だが 不満だ。 非承認群 ここは復習になりますが、右に行くほど安心感があり、左に行くほど不安が高いと言うことになります。 上は満足承認感が高い、下に行くほど不満が高く、認められ感が弱いとなっています。 この部分にプロット、プロットって言うのは、点が打たれている子どもさんは、「満足で安心」している子どもさんですね。 この部分にプロットされている子どもさんは、「安心感はあるけど、認められていないと感じている」子どもさんが多いですね。 ここは、侵害行為認知群といわれる部分で、「満足感はあるけど、不安感が強い」子どもさんが多いです。 この部分は、不満足群や要支援群といわれている部分で、「不満で不安」な生徒さんが多く、緊急に対応が必要と思われる生徒さんですね。 要支援群
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5 プロット図の見方② 子ども像 適応、高い満足度、意欲的・積極的態度 希薄な 他者意識 一部に自己中心的な子ども 目立たない ことが多い
プロット図の見方② 子ども像 適応、高い満足度、意欲的・積極的態度 被害者意識 自主性・自己中心性、トラブル、 希薄な 他者意識 一部に自己中心的な子ども 目立たない ことが多い 承認感の弱さ 自主性・積極性の弱さ 強い孤立感 疎外感 不登校・いじめ ではその4群には、どのような傾向の生徒さんがいるのでしょうか。みんながみんなこうだというわけではありませんが、 「満足群」の部分の子どもさんの傾向は、学校に適応していて、意欲的・積極的な生徒が多いですね。 だけど、こんな生徒はいた経験がありませんか…「自己満足群」の子どもさんもいますよね。 被承認群は、承認感の弱い生徒や、自主性、積極性の弱い生徒がいます。そりゃそうですよね。自分たちも認められないと、やる気なくなりますよね。それと、すねる子どもなんかもいます。 侵害行為認知群には、自己中心的な子どもやトラブルを起こす子どもがいることがありますね。自分のクラスにはいたんですが、片方の友達のところに行って「あの人がこう言いよったで…」と言っておいて、もう一方の方へ言っては、「ああいいよったで…」って言って、トラブルを引き起こすような… あと適当に答えたり、反転問題になっているので、4とか5ばっかり答えていると、この位置に来るんですよね。 不満足群や要支援群の子どもさんは、孤立感が強かったり、ね。一部の満足う~ん。自己満足群の子どもさんの何気ない一言で傷ついていたりするお子さんもこのあたりにいますよね。そして、いじめや不登校の可能性が高い子どもさんが子の位置にプロットされています。 それと高知県は、保育園、幼稚園、小学校、中学校と1校1クラスの学校が多いですので、もうあの子は勉強ができる子、スポーツができる子などと、位置が決まってず~っと変わらないこともありますよね。 すねる(裏見) 試し行動 周囲からの 先入観
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6 プロット図の見方③ 学級像 集まった 右上に 状態
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6 プロット図の見方③ 学級像 縦に伸びた状態 縦よせ SGE・心の冒険教育(感情の教育) リレーション
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6 プロット図の見方③ 学級像 横に伸びた状態 ルールづくり SST(行動の教育) 人付き合いのコツ 横よせ
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6 プロット図の見方③ 学級像 縦に伸びた状態 横に伸びた状態 斜めに伸びた状態
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6 プロット図の見方③ 学級像 集まった 左下に 状態
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満足 不安 安心 不満 どんなことが読みとれるでしょうか まずは、自己紹介! 少し隣同士で、話し合ってみてください 少しワーク①
どんなことが読みとれるでしょうか 満足 不満 まずは、自己紹介! 安心 不安 少し隣同士で、話し合ってみてください いごこちの質問を集計すると、こんなグラフになります。この点一つ一つが、子どもの状態を表していますよね。(クリック)このグラフからどんなことが読み取れるでしょうか? まず、 (クリック)縦軸は、その子どもさんが、満足しているか、不満かを表しています。上にいるほど本人の満足感は高いと感じていることになります。 (クリック)横軸は、右にいるほど安心感が高く、左ほど不安が高いことを表しています。 例えば、E子さんやL男くんは、不安で、不満と感じている子どもさんなので、不登校などになる可能性が高いので、面接や声をかけるなど早急な対応が必要なお子さんだということになります。いごこちのアンケートの19番、「学校に行きたくないことがある」という質問に高い得点をつけた子どもさんは、このあたりにいることが多いです。
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タテ型のプロット図の学級像 クラス内ルールの強さ 学習・活動の個人格差 教師の強い影響力 しらけがちな傾向 親和性不足、意欲の弱さ
タテ型のプロット図の学級像 上下に長く伸びている場合は、学級内で生徒の満足度に格差が生じている。 多様な評価の観点 周囲からの承認場面 本音と本音の交流 教師自身の自己開示 クラス内ルールの強さ 学習・活動の個人格差 教師の強い影響力 しらけがちな傾向 親和性不足、意欲の弱さ
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満足 不安 安心 不満 どんなことが読みとれるでしょうか 少し隣同士で、話し合ってみてください 少しワーク②
どんなことが読みとれるでしょうか 満足 不満 安心 不安 少し隣同士で、話し合ってみてください いごこちの質問を集計すると、こんなグラフになります。この点一つ一つが、子どもの状態を表していますよね。(クリック)このグラフからどんなことが読み取れるでしょうか? まず、 (クリック)縦軸は、その子どもさんが、満足しているか、不満かを表しています。上にいるほど本人の満足感は高いと感じていることになります。 (クリック)横軸は、右にいるほど安心感が高く、左ほど不安が高いことを表しています。 例えば、E子さんやL男くんは、不安で、不満と感じている子どもさんなので、不登校などになる可能性が高いので、面接や声をかけるなど早急な対応が必要なお子さんだということになります。いごこちのアンケートの19番、「学校に行きたくないことがある」という質問に高い得点をつけた子どもさんは、このあたりにいることが多いです。 またこんなことも、可能性として考えられるます。(クリック) 今青で囲んだ、A、B、Lのお子さんは、いつも一緒にいる仲良しです。さてこの3人の人間関係の裏に、どんなことが考えられるでしょう? Aくんは、満足で安心感も高い。Bくんは、安心やけどあまり満足はしていない、どちらかといえばふまんかな。そして、Cくんは、不安が強く、不満感も高い。どんな人間関係が隠されているでしょう。 可能性ですが、この3人の人間関係では、Lくんが、AくんやBくんにいじめられたり、使いっ走りにされたりしていることが考えられます。そういうことを読み取ることと、観察で対応や手立てを考え取り組みます。
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7 意欲プロフィールを見るポイント① 左寄りのグラフ ↓ 意欲の低い学級 正規分布グラフ ↓ 平均的な学級 ふたコブグラフ ↓
意欲プロフィールを見るポイント① 左寄りのグラフ ↓ 意欲の低い学級 正規分布グラフ ↓ 平均的な学級 ふたコブグラフ ↓ 2極化した学級 右寄りのグラフ ↓ 意欲の高い学級 これは、学校生活意欲尺度の総合得点の分布を棒グラフにしたものです。 ★まず、基本はこのような正規分布のグラフであり、平均的な学級のタイプです。 しかし、まったくの正規分布のグラフはまれで、通常はこのようにどちらかに偏る場合が多くあります。 ★右寄りに偏ったグラフは、意欲の高い学級と考えます。 ★逆に、左寄りに偏ったグラフは、意欲の低い学級といえます。 ★心配なのがこのようにふたこぶラクダのように2極化した学級です。こうした学級ではクラスのまとまりが弱く、生徒の意識に大きな格差が見られます。★
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8 意欲プロフィールを見るポイント① 学級雰囲気が低く 友達関係が高い → 小グループ化 の可能性 三角形が広がる →高意欲児童群 狭くなる
意欲プロフィールを見るポイント① 学級雰囲気が低く 友達関係が高い → 小グループ化 の可能性 三角形が広がる →高意欲児童群 狭くなる →低意欲児童群 友達関係 意欲が低い領域の支援をどう考えるか 「学級の雰囲気」の中に教師との関係への意欲が含まれる。 学習意欲 学級雰囲気 次は、やる気の意欲プロフィールを見てみましょう。 これは小学校の意欲プロフィールですが、ます、この三角形の大きさと形が大切です。大きいほど意欲が高いのですが、この三角形が極端に小さい子どもさんや、形が、いびつな子どもさんは注意が必要です。このお子さんは、意欲が低いので、他の意欲も下がってくる可能性があります。 中学校にあって、小学校にない項目がありますが、お気づきですか?中学校の先生… そうですね。 先生との関係と、進路意欲ですね。進路は別として、先生との関係は、小学校では、「学級の雰囲気」の中に含まれています。この部分が低い場合には、学級の中での関係だけを注意するのではなく、先生との関係についても、振り返ってみる必要があると思います。 また、学級の雰囲気が低くて、友人関係が高い子どもさんもいます。そのような子どもさんの場合には、特定の友達に偏った人間関係や、人間関係の希薄さを示しています。それと学級が全体的に、その傾向だと、学級の中が小グループ化していることも考えられますね。小グループ化が進むと、お互いのグループで安全を守るために、違うグループを攻撃したり、他のグループと仲良くしているメンバーを攻撃したりと言うことが出てきたりして、居心地がよくない学級になっていきます。 意欲の低い領域への支援が、一つの支援のヒントになると思います。 3つの意欲のバランスをどう考えるか
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9 意欲プロフィールを見るポイント② 学級関係が低く 友人関係が高い場合は小グループ化の可能性 進路意欲が低下している生徒は予防的支援の
意欲プロフィールを見るポイント② 学級関係が低く 友人関係が高い場合は小グループ化の可能性 進路意欲が低下している生徒は予防的支援の 対象 教師との関係についての意欲をどう考えるか? 学習意欲と進路意欲との関連に注意する 友人との関係 学習意欲 教師との関係 学級との関係 進路意欲 さて次は中学校ですね。この折れ線グラフの、形が、極端なMやWなど上下が激しい生徒さんは、要注意ですね。 小学校の場合と同じことも言えるのですが、(クリック)(クリック)進路意欲が低下している子どもと学習意欲の関係ですが、進路意欲が低い子どもさんは、今仮に学習意欲が高くても、だんだんその学習意欲が下がってくることが予想されます。中学校、小学校でも同じですが、学習意欲を支える一つとして、進路意欲を高めることが必要と思われます。例えば、職場体験学習に向けて取り組んだり、小学校だと、係活動について話し合ったりすることも、小学校のキャリア教育になりますので、進路意欲を高めるのに、役立つと思います。 また、小学校でも申しましたが、学級との関係の意欲が低くて、友人関係の意欲が高い場合には、人間関係が特定の友人に偏っていて、学級の場合だと小グループ化が考えられます。そして、教師との関係も、生徒支援の資源となりますし、関係が良好な先生から、関係を広げていくことも考えられますね。 5つの意欲のバランスをどう考えるか
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3 Q-Uによるアセスメントのポイント 1 Q-U結果分析のポイント (1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答
(1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答 (3)満足度尺度と意欲尺度の対照 2 日ごろの観察との対照 3 同僚間での情報交換・共通理解 次は、個々の質問項目への回答です。
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質問紙法の限界をつかむ 10 質問項目への回答のしかたを必ずチェック! 自分の内面をあまり省みたことがないために的確にとらえられない。
質問紙法の限界をつかむ 自分の内面をあまり省みたことがないために的確にとらえられない。 「こうありたい」という自分の願望と現実の自分を混同してしまう。 自分をよく見せようとして,社会的に望ましい方向へ回答しようとする。 実施者に対する抵抗から、正直に答えない。 Q-Uというと、いごこちのプロット図や意欲プロフィールを思い浮かべる方が多いのですが、 質問項目への回答状況を見ておかないと、生徒の実態とのズレが大きくなります。 このように、質問紙法には限界があります。 まず、「自分の内面をあまり省みたことがないために的確にとらえられない」ということもありますし、 「こうありたい」という自分の願望と現実の自分を混同してしまう。」こともあります。また、「 自分をよく見せようとして,社会的に望ましい方向へ回答しようとする」気持ちはだれでも持っています。特に、小学校4年生くらいからあらわれてくるのが「実施者に対する抵抗から、正直に答えない」ということです。 先生方の学級において、質問項目への回答の仕方はどうでしょうか。 「2,2,2,2,2,2、……」といった回答の仕方はないでしょうか。 もちろん、こうした回答は一部であって、ほとんどの生徒はそこそこまじめに答えていると思われます。 ただ、質問への回答と先生方の見方にはズレがあることが前提です。ずれがあるからやる必要がないということではなく、 ズレも生徒からのメッセージと考えて下さい。 ★その点、質問項目への回答の仕方を必ずチェックしていくことが必要です。★ 質問項目への回答のしかたを必ずチェック!
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ヘルプシグナルのチェック 11 中学校における 小学校における ヘルプシグナル ヘルプシグナル タテで見る→質問項目ごとのクラスの特徴
ヘルプシグナルのチェック 中学校における ヘルプシグナル 小学校における ヘルプシグナル タテで見る→質問項目ごとのクラスの特徴 11.クラスの人から無視されることがある 8.クラスの人に暴力をふるわれるなどしてつらい思いをすることがある 12.クラスや部活でからかわれたりばかにされる 9.クラスの人にばかにされるなどしてクラスにいたくないと思うことがある 14.クラスの人から悪ふざけをされることがある ヨコで見る→個人の特徴 12.クラスの人たちからムシされることがある 19.学校に行きたくないと思うことがある
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? 満足群にいるのに学校に行きたくない・・・
5が否定的な回答 1が肯定的な回答 少しワーク③ どんなことが読みとれるでしょうか ? 満足群にいるのに学校に行きたくない・・・ 回答一覧表からもいろんなことを読み取ることができます。ネガティブチェックやポジティブチェックについては後ほど提案させていただきますが、そのほかにもこんな見方もできるよということで、少し…。これは、いごこちのアンケートの被侵害得点のみを切り取ったデータです。横にその子がどの群にプロットされているかについても記してあります。 さて、このデータからあれ?と思われるところを見つけてみてください。まず、ご自分で1分ほどご覧になってください。 では、次にお隣の方と共有し合ってみてください。1分です。 何かあれ?変だぞ?と気付いた点がありますでしょうか? そうですね。私のお示ししたかったことは、18番の男子についてです。この子は、満足群にプロットされているのに、学校に行きたくないことがとてもあると答えています。これは何かありますよね。もう少し見ていくと、不安感が高いといったこともわかってくるのですが、「そうか、君はクラスの子から嫌がらせは受けてないんだ。よかったよかった。休み時間はどうかな?」語りかけるように一覧表を見ながら、「あれ?」を見つけていってほしいんです。それが、一人一人の支援への入り口にもなっていきます。
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ワーク補足 意欲回答一覧 見るポイント 中学校のデータの見方は小学校にも応用できるので、中学校ばっかりで見てきましたが、小学校のデータでも一つ見方を提案させていただきます。やる気のあるクラスを作るアンケートの学習意欲のみを切り取ってお示ししてます。当然点数が高い子が意欲が高いということになります。 さて、ABC3人のうち、どの子が気になりますか?いかがでしょう? そうですね。Cの子が低いので、気になりますね。 では、こうみるとどうでしょう。どの子が気になりますか? そうですね。Cの子も気になるのですが、どうして他の学習意欲は高いのに発表だけそんなに嫌なんだろうと、Bの子が気になってしまいますね。プロフィールだけでパパッと済ましてしまわずに、先ほども申しましたが、「難しい問題がんばってるんやね。えらいぞー。でも発表苦手なんや。どうしたのかな?何か傷ついたことがあったのかな?」と語りかけるように読み解いていくと、見えてくることがあり、援助資源が見えてくることがあります。
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3 Q-Uによるアセスメントのポイント 1 Q-U結果分析のポイント (1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答
(1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答 (3)満足度尺度と意欲尺度の対照 2 日ごろの観察との対照 3 同僚間での情報交換・共通理解 満足度尺度と意欲尺度を対照してみるという視点も必要です。
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12 満足度尺度と意欲尺度の対照 やる気 いごこち これをプロット図と意欲プロフィールで比較してみます。
満足度尺度と意欲尺度の対照 やる気 いごこち これをプロット図と意欲プロフィールで比較してみます。 ★12番の生徒は要支援群の下に位置付けられていますが、★意欲プロフィールを見てみると、教師関係と学級関係の意欲は低いものの、友人関係と進路については高い意欲も持っていることがうかがえます。このあたりが支援の入口になります。 ★また、27番の生徒については、★それほど意欲が低いわけではなく、教師関係への意欲も一定以上あると考えられます。教師からの支援がある程度入りやすい状況にあると思われます。 このように、いごこちとやる気の二つの視点を重ねて、学級や生徒個人を見ていくことが全体的な理解につながるといえます。★
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3 Q-Uによるアセスメントのポイント 1 Q-U結果分析のポイント (1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答
(1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答 (3)満足度尺度と意欲尺度の対照 2 日ごろの観察との対照 3 同僚間での情報交換・共通理解 これまでは、Q-U結果分析のポイントについて説明してきました。 次は、Q-Uを通した理解をどのように日常化していくかということについてお話します。★
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プロットと観察のズレをどうみるか 13 ①学級の特徴 ②学級経営方針 ③公的リーダー ④影響力のある生徒 ⑤気になる生徒 ⑥疑問に感じる子
⑦小グループ ⑧4群の特徴 これは、Q-Uを用いた支援会のための報告シートです。
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13 プロットと観察のズレをどうみるか ここでは、⑥「疑問に感じる子」について考えてみたいと思います。 ⑥疑問に感じる子
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13 学級生活 侵害行為 満足群 認知群 不満足群 要支援群 非承認群 プロットと観察のズレをどう見るか 不安が強い 認められ感が弱い
どんなことが考えられるでしょう? 非承認群 学級生活 満足群 侵害行為 認知群 不満足群 要支援群 不安が強い 日頃の観察から考えられるプロット位置 認められ感が弱い 不安 無理をしている ズレ 認められ感弱 小学校の時から、明るく積極的で、中学校に入ってもみんなから選ばれて、代表委員とか、代議員、ひょっとして級長さんて言ったりしますか?に選ばれたAくん、そんな子どもさんなので、日ごろの行動観察からは、(クリック)この辺の位置かなと思っていました。 しかし、実際にQ-Uアンケートをしてみて、集計すると(クリック)この位置にいました。これが、ズレですね。では、このズレからどんなことが可能性として考えられるでしょうね?ちょっと隣やグループで話し合ってみてください。どうぞ。 どうですか。そうですね。私たちが思っているよりも左の位置にいますよね。それって、私たちが考えているよりも不安が強いって言うことですね。そして、下の位置にいますので、認められ感が弱いことになりますね。そうすると、私たちが思っているよりも、無理をしている可能性や、ひょっとしたら、代表委員さんの仕事が、やらされ仕事になっているのかも知れません。 代表委員さんがこの位置にいるクラスは、結構しんどい正しいことが通らなくなっている可能性のあるクラスが多いように思います。 実際のプロット位置 ズレは支援の入口
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3 Q-Uによるアセスメントのポイント 1 Q-U結果分析のポイント (1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答
(1) プロット図・意欲プロフィール (2)個々の質問項目への回答 (3)満足度尺度と意欲尺度の対照 2 日ごろの観察との対照 3 同僚間での情報交換・共通理解 そして、担任、その他の先生、質問紙とそれぞれの見立て(アセスメント)情報交換しつつ、「ズレ」等も確認しながら、共通理解を図っていくことが、学級の子どもたちに対する支援につながっていくと思います。
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ご協力ありがとうございました
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意欲プロフィールを見るポイント③ 少しワーク この個人意欲プロフィールを見てあれ?と思うことはありませんか?
意欲プロフィールを見るポイント③ この個人意欲プロフィールを見てあれ?と思うことはありませんか? これについても個人で30秒程度考えてみてください。 では、お隣の方と共有してみましょう。30秒です。 はい、では、全体共有してみましょう。「あれ?」と思うことはないでしょうか。 ありがとうございます。お示ししたかったことは、友人関係については意欲が高いのに、学級の意欲が低いですよね。 このことから考えられるのは、小グループの中にいる子で、そのグループが比較的学級になじんでない可能性があるということですね。こういった丁寧な見方もできるわけです。
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