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PKI (Public Key Infrastructure) とクラウド
情報ネットワーク特論 講義資料
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インターネット上の認証 各種 Webサービス 計算機利用サービス 求められるセキュリティの要件
買い物、銀行口座、 ホテル予約、講義登録、etc. 計算機利用サービス 計算機センター、クラウド、グリッド、etc. 求められるセキュリティの要件 本人であること 内容が不正に書き換えられていないこと 内容が他人に盗み見られないこと
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例) クラウド インターネット上のサービスを、 今すぐ、 必要な量だけ、 利用するための環境を提供する
例) クラウド インターネット上のサービスを、 今すぐ、 必要な量だけ、 利用するための環境を提供する PaaS (Platform as a Service) プラットフォーム(計算機そのもの)として提供 SaaS (Software as a Service) ソフトウェアとして提供 クラウドの実用事例: 「エコポイント申請窓口サイトを1カ月で構築」
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Amazon EC2 PaaSの代表的なサービスのひとつ http://aws.amazon.com/jp/ec2/
計算機、ハードディスク装置、 ネットワーク回線について、 必要な利用量と利用期間を指定して利用 提供された計算機の管理者として利用可能: ソフトウェアのインストール、ユーザ登録、 等 利用した資源の量に応じた料金
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Amazon EC2のアカウント申請 メールアドレス、 パスワードの登録 住所等の 個人情報入力 本人確認
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本人確認 電話番号を入力 電話がかかってくるので、 画面に表示される数字を入力
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Amazon EC2の計算機利用 Webサイトにログイン 使う計算機の種類、量を指定 "Key Pair" の作成 Key Pair?
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PKI (Public Key Infrastructure)
Key Pair (鍵の対) による暗号化技術 「公開鍵暗号方式(Public Key Cryptosystem)」 を用いたセキュリティ基盤技術 Key Pair: 公開鍵 + 秘密鍵 PKI の目的: 通信内容の暗号化 = のぞき見への対策 通信内容の保証 = 改ざんへの対策
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従来の暗号化技術:共通鍵暗号 (Symmetric Key Cryptosystem)
暗号化 (encrypt) と復号 (decrypt) に 同じ鍵を利用 例) シーザー暗号 (Caesar cipher) 実際は、もっと複雑で実用的なものを利用 DES, AES 安全に鍵の情報を教える手段が必要 My name is James Bond. encrypt decrypt Oa pcog ku Lcogu Dqpf.
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公開鍵暗号方式の概要 2個の鍵 (key1, key2) の片方を使って暗号化、 もう片方を使って復号
POINT: 暗号化に使った鍵では復号できない confidential confidential encrypt (key1) decrypt (key2) confidential confidential encrypt (key2) decrypt (key1)
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公開鍵 (Public Key) と 秘密鍵 (Private Key)
Key Pair の片方を「公開鍵」として、 送信相手に渡す 公開鍵が盗み見られても問題ない もう片方は「秘密鍵」として、誰にも見せない
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例1) 通信内容の暗号化 user A から user Bに送信するメールを暗号化 user B の秘密鍵が無ければ覗き見できない
例1) 通信内容の暗号化 user A から user Bに送信するメールを暗号化 user A: user B の公開鍵を使って暗号化 user B: user B の秘密鍵を使って復号 user B の秘密鍵が無ければ覗き見できない user A user B confidential confidential encrypt (user B's public key) decrypt (user B's private key) intercept need user B's private key to decrypt
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例2) 通信内容の保証 user A の送信した内容が改ざんされていない ことを保証する 秘密鍵で暗号化したものを、本文と一緒に送付
例2) 通信内容の保証 user A の送信した内容が改ざんされていない ことを保証する 秘密鍵で暗号化したものを、本文と一緒に送付 user A user B compare encrypt (user A's private key) decrypt (user A's public key)
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両方式の比較 共通鍵暗号方式: 公開鍵暗号方式: 両方式の併用 共通鍵を渡す方法が問題
鍵の暗号化に要する時間が問題 (共通鍵暗号方式の数百倍~数千倍) = 大メッセージの暗号化には不適 両方式の併用 公開鍵暗号方式で、共通鍵を送付 共通鍵暗号方式で、本文を送付
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公開鍵暗号方式のもう一つの問題: 本当に本人の公開鍵か?
公開鍵暗号方式のもう一つの問題: 本当に本人の公開鍵か? 他人による「なりすまし」(impersonation)の 防止 公開鍵と本人の関係を保証する仕組みが必要 ⇒ 証明書 (Certificate)
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一般的な証明書の例: パスポート 国 (外務省) が本人であることを保証 発行時に、本人であることを十分確認
一般的な証明書の例: パスポート 国 (外務省) が本人であることを保証 発行時に、本人であることを十分確認 写真付きの証明書(運転免許等) 1点 もしくは、写真の無いもの 2点以上 保険証、印鑑登録等 社員証や学生証は、写真付きでも別途
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X.509 証明書 PKI で定められたフォーマットによる証明書 発行機関: CA (Certification Authority)
「秘密鍵の所有者」と 「その秘密鍵に対応する公開鍵」 の関係を保証する。 発行機関: CA (Certification Authority) 本人確認機関: RA(Registration Authority) インターネット上で利用できる電子情報で発行
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CA (Certification Authority)
証明書の発行機関 private key の所有者と public key の関係を保証. 電子署名(digital signature) を添付. どの CA を信用するかは、計算機毎に設定可能 certificate server A CA1, CA2 を信用 発行機関: CA1 server B CA2 を信用
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RA (Registration Authority)
PKIにおいて,本人確認を行う機関. 通常,利用者に近い場所に設置 本人確認の手段: 身分証明書(運転免許,パスポート等) + 対面 遠い場合は電子メール等 確認できたら,発行機関に証明書発行依頼 本人確認は時間がかかるので 大きな組織では発行機関と別に用意 必要に応じて複数 例) 各学部にRAを設置し,大学事務局で認証書発行 小さな組織では発行機関が RA を兼務
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X.509 証明書の例 CA 有効期間 public key CAの電子署名 Distinguished Name (識別名)
Certificate: Data: Version: 3 (0x2) Serial Number: c1:73:39:44:df Signature Algorithm: sha1WithRSAEncryption Issuer: C=US, O=Amazon.com, OU=AWS, CN=AWS Limited-Assurance CA Validity Not Before: Oct 28 02:14: GMT Not After : Oct 28 02:14: GMT Subject: C=US, O=Amazon.com, OU=AWS-Developers, CN=1mpq368escdn Subject Public Key Info: Public Key Algorithm: rsaEncryption RSA Public Key: (1024 bit) Modulus (1024 bit): 00:97:98:59:69:08:56:5c:48:4f:e6:fd:9f:ff:c7: ... 90:f8:78:c9:1e:0b:a7:40:96:54:62:4f:37:b7:2e:7c:fb:2c: CA 有効期間 Distinguished Name (識別名) public key CAの電子署名
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識別名 (Distinguished Name)
PKI 上で個人(や特定の計算機など)を 識別するための名前 通常, いくつかの情報の組み合わせで構成 country locality organization section common name(固有名詞) アドレス 一つのCA内で重複しない. 証明書は、この個人と公開鍵の関係を保証する
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電子署名 (Digital Signature)
証明書の要約 (digest)をCAの秘密鍵で暗号化した もの 証明書に添付して、証明書の内容を保証 CA user server User's public key + DN certificate certificate digest ...... 秘 秘 秘 compare digest deliver send decrypt encrypt ...... ...... CA's private key CA's public key
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要約 (digest) 長いメッセージから固定バイト長(20byte程度)の digest を作成. 悪質な書き換えの防止
公開鍵暗号化の時間を短縮 悪質な書き換えの防止 同じ digest が生成されるようにメッセージを書き換 えることが出来ると電子署名としての信頼性が維持 できない 特殊な関数を利用: MD5, SHA1, etc. digest から元の文への復元は不可能 元の文が 1bit でも違うと digest が大きく変化
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証明書発行の流れ user RA CA key pair 作成 証明書発行申請 本人確認 証明書発行依頼 重複確認 電子署名作成 証明書発行
private key public key 証明書発行申請 本人確認 public key OK distinguished name 証明書発行依頼 public key 重複確認 JP, Kyushu Univ., Takeshi Nanri distinguished name OK 電子署名作成 証明書発行 CA, validity public key 証明書取得 distinguished name digital signature
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サーバーによる利用者の認証 証明書の公開鍵を用いて認証 user server encrypt decrypt random message
...... ...... encrypt user's private key compare decrypt ...... user's public key
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利用者によるサーバの認証 サーバの「成りすまし」(impersonation)防止 user server encrypt decrypt
random message ...... ...... encrypt server's private key compare decrypt ...... server's public key
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秘密鍵の暗号化 PKIでは、秘密鍵が他人に見られないことが重要 秘密鍵を、さらに暗号化可能 パソコンが盗まれる
サーバの管理者が悪意で秘密鍵を見る 秘密鍵を、さらに暗号化可能 パスフレーズ(=パスワード)による暗号化 秘密鍵を参照するたびにパスフレーズ入力
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SSO(Single Sign-On) 技術
一度の認証で、以降の認証を自動化 秘密鍵のパスフレーズ入力を省略 複数のサーバによるサービスの利用に有効 どうやって?
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代理人 (Proxy) による SSO 一時的に利用可能な公開鍵と秘密鍵を持った 代 理人を作成.
一般に短時間(12時間程度)有効. 利用者の電子署名で,代理人であることを保証. 有効時間が比較的短いため, 秘密鍵を暗号化する必要なし. → 認証の度にパスフレーズを入力しなくて良い
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Proxyの作成 短期間利用可能な Key Pair を作成. それらを元に証明書を作成.
証明書に自分の秘密鍵で電子署名. ⇒ 一度だけパスワードの入力が必要. certificate 一時的に作成 名前 発行機関 etc. private key public key public key 電子署名 digest, 利用者の秘密鍵で暗号化
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Proxy証明書の例 CA = user validity = 12h proxy's DN temporal public key
Certificate: Data: ... Issuer: O=Grid, O=Globus, OU=cc.kyushu-u.ac.jp, CN=Takeshi Nanri Validity Not Before: Dec 1 04:42: GMT Not After : Dec 1 16:47: GMT Subject: O=Grid, O=Globus, OU=cc.kyushu-u.ac.jp, CN=Takeshi Nanri, CN=proxy Subject Public Key Info: Public Key Algorithm: rsaEncryption RSA Public Key: (512 bit) Modulus (512 bit): 00:ac:f1:8f:81:98:04:ef:da:6a:a1:53:4e:53:ea: 4e:1b:4b:7f:e7 Exponent: (0x10001) Signature Algorithm: md5WithRSAEncryption 18:7a:a4:9c:7c:50:89:9f:97:e5:55:8b:aa:2a:a2:ae:f7:a3: b4:23 CA = user validity = 12h proxy's DN temporal public key user's digital signature
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Proxyによる認証 2つの証明書を利用 proxy が正規の代理人であることを確認 利用者の証明書 proxyの証明書
CA の公開鍵でユーザの証明書の電子署名を確 認 ユーザの証明書に含まれる本人の公開鍵で proxy の証明書の電子署名を確認
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まとめ インターネット上の認証技術 公開鍵暗号方式 X.509証明書 電子署名 Proxy
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実習: 公開鍵を使ってアカウント作成 実習の流れ 1.公開鍵を友人と交換 2.サーバの用意 3.新規アカウント作成 4.公開鍵登録 5.接続確認
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公開鍵の交換 メールを利用して、友人に公開鍵を送付 注意!! 秘密鍵を送らない 友人から公開鍵を受け取り、名前を付けて保 存
メールを利用して、友人に公開鍵を送付 注意!! 秘密鍵を送らない 友人から公開鍵を受け取り、名前を付けて保 存 友人に、希望のアカウント名を聞いておく
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サーバの用意 前回の講義資料を参照 開発用クラウドでホストを 1台取得 ホスト名、IPアドレス、パスワードを記録 ログイン
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新規アカウント作成 su コマンドで管理者 root になる 新規アカウント作成 記録したパスワードを使用 su
新規アカウント作成 su /usr/sbin/useradd -m 新アカウント名
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公開鍵の登録 ファイル転送で、友人の公開鍵をサーバにアッ プロード 公開鍵の内容を登録 管理者では無く自分のホームディレクトリ
cd /home/新アカウント名 mkdir .ssh chmod ssh cp /home/自分のアカウント名/友人の公開鍵ファイル名 .ssh/authorized_keys chmod ssh/authorized_keys chown -R .ssh
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接続確認 友人のサーバの準備が出来たら、 IPアドレスを聞いて、そちらにログインする
友人に教えたアカウント名を使用 公開可能な情報だけを使って、 安全に新しいアカウントを用意できた。
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