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4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

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1 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価
4.1 エラー事例の技術的な分析

2 土質・地質調査のエラー内容別の事例数 コード エラーの内容 事例数 A 計画段階エラー 5 B 調査実施段階エラー 14 C
(調査の計画段階のエラー) 5 B 調査実施段階エラー (調査実施中のエラー) 14 C 技術的判断エラー (調査結果を解釈する段階のエラー  設計に用いる段階を含む) 21 D その他 (エラーが発生した段階が明確でな  いエラーや改善策が明確にできな  いエラーなど) 3 合 計 43

3 土質・地質調査の構造物別の事例数 対象構造物等 事例数 道路盛土 5 道路切土 トンネル 4 橋梁基礎(土質) 10 12
橋梁基礎(土質) 10 12 橋梁基礎(岩盤)  2 上下水道 3 河川・港湾・砂防 その他 合 計 43 注)その他は「盛土造成」「土留め」「配合試験」「単位系」に関するエラー事例である

4 調査不足に関する事項

5 「D:その他」の事例の想像図 盛土 地表面 中間支持層 過圧密粘土 支持層 過圧密粘土は、橋の増加荷重を考慮しても過圧密領域にある
橋台 橋脚 中間支持層 過圧密粘土 支持層 過圧密粘土は、橋の増加荷重を考慮しても過圧密領域にある 上図のような構造で施工した結果、橋台で1.7cm、橋脚で1.4cm の沈下が発生した 深度50m付近 深度40m付近 深度20m付近

6 4.2 エラー事例とその改善策 4.2.1 調査計画段階のエラー -詳細地盤調査位置の選定エラ-

7 【業務の概要】 【エラーの内容】 橋梁基礎設計で影響度の高い、液状化強度設定するための詳細な地盤調査業務
 橋梁基礎設計で影響度の高い、液状化強度設定するための詳細な地盤調査業務 (凍結サンプリング~室内液状化強度試験) 【エラーの内容】 ・既往地盤調査結果のみから調査位置を選定した。 ・しかし、調査目的である沖積砂質土の大半が埋 土であることが、調査のほぼ終了時点に判明し たという、調査地点の選定エラ-。

8 調査地点の地層構成  ;実際は埋立て土であった部分 液状化対象層(沖積砂質土層) Ac As Dg Ds Dc B

9 液状化強度試験の整理 沖積地盤用 埋立土用 当初データ追加を 想定した範囲

10 基礎への影響検討結果 0 0 2/3 1/3 11.4m×8.4m×3.5m 14.4m×8.4m×3.5m
0                0 2/3             1/3 11.4m×8.4m×3.5m  14.4m×8.4m×3.5m 4列×3列 計12本    5列×3列(千鳥配置)                   計14本

11 【エラーの原因分析と改善策】 ・調査位置が臨海部であり、地形の変遷の可能性 が十分にあり得ることに気づかなかった
・調査位置が臨海部であり、地形の変遷の可能性 が十分にあり得ることに気づかなかった ・その確認調査のための情報収集方法を知らなかっ た、知っていたが情報収集を怠った →問題認識や情報入手方法やその活用に対する知 識の無さ ・古地形図は全国レベルで整備されている(入手 も簡単) ・地形図、地質図、防災情報は序々にデジタル化 されつつある(情報公開との絡みもある) 

12 H.11発行 S.47発行 T.12発行 S.23発行 ;既存調査位置 今回調査位置 貯木場 調査位置の地形の変遷

13 地形・地盤図の例(微地形分類図) 国土地理院発行「土地利用図」より抜粋および加筆 

14  防災情報の例(活断層、地震履歴) ※1活断層データは、活断層研究会:「新編日本の活断層」、東京大学出版会(1991)((有)ジオデータサプライによる数値データ)による。 ※2地震データは、日本気象協会:「気象庁震源データ」(1996)による。

15  防災情報の例(液状化履歴)  ※ 液状化履歴データは、若松加寿江:「日本の地盤液状化履歴図」、     東海大学出版会(1991)による。

16 4.2.2 調査実施段階エラー (1) 道路盛土計画時の 湧水対策の不足
4.2.2 調査実施段階エラー (1) 道路盛土計画時の         湧水対策の不足

17 この事例の概要とエラーの内容 【概 要】 ・ トンネルとトンネルの間の谷を埋めた盛土 ・ 谷は盛土計画部付近でボトルネック状を呈する
【概 要】  ・ トンネルとトンネルの間の谷を埋めた盛土  ・ 谷は盛土計画部付近でボトルネック状を呈する  ・ 谷上方は集水地形で谷底に湧水が見られる  ・ 盛土材料はトンネル掘削ズリ(花崗岩類のマサ土)を流用  ・ 豪雨時の水の影響で、表層崩壊と地すべり性の変位が発生 【エラーの内容】  ・ 豪雨時の湧水の盛土に与える影響についての想定の甘さ    → 豪雨時に盛土内の水位が上昇し崩壊に至る  ・ 盛土材(マサ土)の材料特性に関する認識不足    → 盛土内の浸透水により細粒分が流失し、パイピングが      発生して崩壊に至る

18 対象箇所の地形的特徴 ・ 盛土計画箇所はボトルネック状の谷 ・ 谷の上方は凹状の集水地形
 対象箇所の地形的特徴 ・ 盛土計画箇所はボトルネック状の谷 ・ 谷の上方は凹状の集水地形 > 水が集まりやすい トンネル 盛土

19 崩壊・変状箇所想定模式断面図 変状としては、表層崩壊的なものと地すべり性の挙動とが確認された。 表層崩壊線 地すべり性変位線 Bs dt
Gdm wGd 地すべり性変位線 表層崩壊線 記号 地層名 盛土層 崖錐堆積物 花崗岩 強風化部 風化部 Bs dt Gdm wGd

20 エラーの原因分析 ・ 盛土地点のみで地盤を評価し、周囲が集水地形であることを見落とした。また、谷底の湧水について気にとめなかった。
 エラーの原因分析  ・ 盛土地点のみで地盤を評価し、周囲が集水地形であることを見落とした。また、谷底の湧水について気にとめなかった。    → 豪雨時の盛土内の水位の上昇が崩壊の最大要因  ・ マサ土の材料特性について認識せず、盛土内の排水層を設けなかった    → 盛土内の浸透水により細粒分が流失し、盛土全体に      緩みが生じて表層崩壊を起こした  ・ 盛土地盤の表層に軟弱な粘性土が分布するが、盛土の   底面に排水施設を設けなかった    → 粘性土に関する認識も甘く、盛土と旧地盤との境界で      地すべりが発生   

21 エラーに対する改善策 ・ 周辺地形に対する認識と対応 ・ 盛土地盤の湧水対策 ・ 盛土材料の特性の把握と対応
 ・ 周辺地形に対する認識と対応     盛土の計画段階では、地形地質踏査によって周辺の地形     状況・水の問題等を的確に把握する。     調査手法 : 地形地質踏査  ・ 盛土地盤の湧水対策     盛土の不安定化の大きな要因の一つは「水」。     盛土計画段階では、この水の分布状況や降雨時の水位     変動を把握する必要がある。     調査手法 : 調査ボーリング・地下水検層・電気探査など  ・ 盛土材料の特性の把握と対応     盛土に用いる材料の特性を的確把握する。     調査手法 : 室内土質試験(物理試験・材料試験)

22 盛土排水の分類(参考)

23 対策工の実施状況模式断面図 ・ 表面付近の水の処理 : 排水路工・地下排水工  ・ 盛土内部の水の処理 : 水抜きボーリング ・ 盛土のり面侵食防止 : ふとん籠工 Bs dt Gdm wGd 地下排水工 小段排水路工 ふとん籠工 水抜ボーリング

24 (2)山岳トンネル坑口部の 地すべり崩壊に対する調査不足
4.2.2 調査実施段階エラー (2)山岳トンネル坑口部の   地すべり崩壊に対する調査不足 Point  ・トンネル坑口斜面における不安定要因の見落とし  ・トンネル掘進によるゆるみ域の進展を想定した評価の欠如

25 【概 要】 片押しで施工されてきた山岳トンネル。 出口側坑口の貫通間際に、坑口部上部斜面において大規模な地すべり崩壊が発生した。
【概 要】 片押しで施工されてきた山岳トンネル。 出口側坑口の貫通間際に、坑口部上部斜面において大規模な地すべり崩壊が発生した。 原因は、トンネル掘進によるゆるみ域の進展が潜在的なすべり面における強度低下を誘発したこと。

26 【エラーの内容】 トンネル施工に先立つ事前の地質調査において、地すべり・斜面崩壊を前提とした調査が行われていなかった。
事前の調査では、トンネル本体の地山区分(地質・岩質)および地下水状況(トンネル湧水)を中心に調査が計画・実施されていた。

27 【エラー発生原因の分析】 原因1. 坑口斜面における不安定要因の見落とし [斜面上の不安定要因]
原因1. 坑口斜面における不安定要因の見落とし [斜面上の不安定要因] 坑口斜面上部には複数の段差地形(旧滑落崖)が馬蹄形を呈し、崖錐堆積物が分布する。 斜面下部は河川侵食を受けている。 [事前の地質調査] 地すべり・斜面崩壊を前提とした地質調査を実施しなかった。

28 地すべりの地形的特長 表-1 地すべり型による地形図および写真判読のポイント
表-1 地すべり型による地形図および写真判読のポイント (『道路土工-のり面工・斜面安定工指針』,(社)日本道路協会 p.112 より)

29 (a) トンネル施工前 (b) トンネル施工後
【エラー発生原因の分析】 原因2. トンネル施工を想定した評価の欠如  トンネル坑口では、事前の地質調査の段階でさほど不安定性が認められないような斜面においても、斜面下部の坑口部の施工(切土)およびトンネル掘削による地中のゆるみ域の進展などによって不安定化する。 比較的安定した斜面 不安定化した斜面 トンネル掘削による ゆるみ域 (a) トンネル施工前            (b) トンネル施工後 図-2 トンネル掘削による斜面の不安定化

30 類似したエラー事例 山岳トンネル坑口上部の地すべり面の評価エラー 坑口斜面において地すべり対策工(アンカー工)を施工。
アンカー工が効果を発揮しなかったため、追加施工を実施。 ※当初施工したアンカー定着部はトンネル掘削によるゆるみ域に含まれてしまった。 ※トンネル掘削後の再調査によって、想定すべり面を再設定。

31 【改善策・対応策】 [計画段階]:問題点の回避 計画段階の調査 現地踏査(概査) 地形判読(空中写真判読) 資料調査
 計画地点に予想される地形・地質学的問題点を抽出し、ルート選定に反映させる。 参考資料 『道路事業における地質・土質調査計画の立て方(案)』,平成13年12月,(社)建設コンサルタンツ協会 エラー防止およびコスト縮減につながる

32 【改善策・対応策】 [詳細調査段階]:問題点への対応 トンネル坑口部における地すべり・斜面崩壊の評価方法
周辺地域および類似した地形・地質・岩質における事例の収集 円弧すべり・FEM解析などの数値解析手法による検討(トンネル掘削によるゆるみ域の影響を評価する)

33 4.2.3 技術的判断エラー (1) 橋梁基礎設計における沖積粘性土層の   設計用地盤定数(強度・変形特性)の 設定エラー

34 【概要】 【エラーの内容】 橋梁基礎の設計、特に保有水平耐力法で重要となる、 地盤の強度・変形特性の設計用定数値を合理的に設定すること
・沖積粘性土の一般的な土質工学的特性が考慮されて いない。 ・サンプリングに伴う試料の乱れや試験方法の精度など に着目した、試験結果の吟味・評価が不十分で ある。 ・単に、設計上安全側であるとの判断から定数が設定さ れている。

35 物理特性の整理結果 ;設定値 ;除外データ 砂分多い

36 強度・変形特性の整理(初期設定) 砂分多い 砂分 多い ‐25 ‐20 ‐15 ‐10 ‐5 20 40 60 80 100
20 40 60 80 100 細粒分含有率FC(%) 標高(T.P.m) 10 30 50 E50,Em(kgf/cm2) 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 C(kgf/cm2) 〈埋土〉 〈砂〉 〈粘土〉 ;孔内水平載荷 ;一軸 E50 ;三軸 ;直接せん断 ;一軸qu/2

37 【エラーの原因分析と改善策】 ・沖積粘性土の土質工学的性質とは →一般的には正規圧密であり、力学特性は深度方向 に増加する
 →一般的には正規圧密であり、力学特性は深度方向    に増加する ・試料の乱れの程度は採取深度や試験方法で異なる。 ①サンプリングも乱れの程度は深度によらず一定か      → 深いほど乱れやすいのが一般 ②その影響程度は一軸試験と三軸試験で同一か       → 一軸の方が大きく表れやすいのが一般 ③それは何を見れば確認できるか       → 応力~ひずみ関係

38 採取試料の乱れが与える影響 ■一軸圧縮試験での応力-ひずみ曲線 サンプリングに伴う乱れの影響なし →明確なピークの出現 破壊ひずみεf小
圧縮応力σ(kgf/cm2) εf 圧縮ひずみε(%) ■一軸圧縮試験での応力-ひずみ曲線 サンプリングに伴う乱れの影響なし →明確なピークの出現 破壊ひずみεf小 (TP-15m以浅) サンプリングに伴う乱れの影響あり →明確なピークが現れない 破壊ひずみεf大 (TP-15m以深)

39 強度・変形特性の整理(最終設定) 砂分多い 砂分 多い ‐25 ‐20 ‐15 ‐10 ‐5 20 40 60 80 100
20 40 60 80 100 細粒分含有率FC(%) 標高(T.P.m) 10 30 50 E50,Em(kgf/cm2) 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 C(kgf/cm2) 〈埋土〉 〈砂〉 〈粘土〉 試料の 乱れ ;孔内水平載荷 ;一軸 E50 ;三軸 ;直接せん断 ;一軸qu/2 ;設定値 ;除外データ 暫定設定 本設定

40 4.2.3 技術的判断エラー (2) 河川掘削・築堤における 地盤評価エラー
4.2.3 技術的判断エラー (2) 河川掘削・築堤における         地盤評価エラー

41 [工事実施前のモデル] 地下水位 砂層が挟在する 工事の概要 ・新規河道を掘削する ・掘削土を安定化処理し築堤する

42 [工事実施後のモデル] ①掘削盤で盤ぶくれが発生した ②盛土施工中に斜面崩壊が生じた

43 [エラー発生原因の分析] 軟弱な粘性土の掘削時の異常事例 ① 盤ぶくれ(ボイリング)の誘発 適切な地下水の評価エラー
①   盤ぶくれ(ボイリング)の誘発    適切な地下水の評価エラー 調査不足又は、土質分布の判断エラー ②  掘削後の応力開放による強度低下   を評価しなかったこと。 設計定数の評価エラー ※ 河川土工マニュアル(掘削時の留意点)参照

44 [改善策] 土質分布の判断エラー 設計定数の評価エラー
地層判断の不確実性(連続性、層厚の評価など)を踏まえた上で適切な地盤モデルを設定する。 設計定数の評価エラー ①施工条件(施工時期、施工スピード等)を勘案し、 適切な条件での正確な土質試験を実施する。 ②土質試験(調査)と設計定数(設計)の相互関係 地盤材料の特性は、試験方法や時間的な経過によっても異なる。 構造物の重要度等含め総合的な判断により設計値を評価する。

45 砂層が連続する場合の盤ぶくれの検討 As ここに Ta :最小掘削残し厚さ(m) α :α=1.0とする ρw :地下水の密度(t/m3)
     α  :α=1.0とする     ρw :地下水の密度(t/m3)      ρs :土の密度(t/m3)      h  :被圧水頭(m)       

46 粘性土地盤掘削時のせん断強度低下 ※ 掘削土の長期安定問題              

47 4.2.3 技術的判断エラー (3) 砂防ダム基礎(断層破砕帯部) の地盤条件判断エラー
4.2.3 技術的判断エラー (3) 砂防ダム基礎(断層破砕帯部) の地盤条件判断エラー

48 【業務の概要】 【エラーの内容】 小規模(堤高7m)な砂防ダムの調査・設計業務
・基礎的な地質情報の収集を実施せず大規模な断層破砕帯を見逃す ・調査結果による地盤強度を基に通常の重力式砂防ダムを計画し、基礎の施工中に掘削のり面に地すべりが発生 ・地すべりが発生した結果、計画した砂防ダム形式では施工が困難となり、計画をまったく別形式に変更。

49 砂防ダム計画地点の平面図 大規模な地質構造は地形図や地質調査所発行の地質図等の調査により把握可能
多少熟練した技術者が付近の平面図を見るだけでも図に示すような断層破砕帯の存在を推定可能な場合あり

50 砂防ダム計画地点の拡大図 エラー発生後の調査で砂防ダム基礎のほぼ全面に渡って断層破砕部が分布 崩壊土砂は、下流の民家や県道にまで及ぶ恐れあり

51 地すべり発生個所の地質断面 エラー発生前は図の左端のボーリングのみ実施
地すべり発生時点でそれ以上の掘削が不可能となり、押え盛土の機能を持ったダム形式に変更して施工

52 【エラー原因の分析】 ・ボーリング調査のみを実施、他の手法の提案や実施を怠たる
・基礎的な地質情報の収集を怠る ・ボーリング調査のみを実施、他の手法の提案や実施を怠たる ・特殊な地質状況であるのに、近傍の調査結果を流用し正確な地質状況を把握していない ・断層による破砕部を、崖錐堆積層や風化により劣化した岩盤と判断。その結果著しく劣化が速い岩石であること見逃す 

53 【改善策】 ・構造物の大小に関わらず,基礎的な地盤に関する情報収集が重要
・調査実施段階では、構造物の計画地点のみでなく、周辺の状況を把握する ・設計施工者に岩石の性質についての留意事項を、正確に伝達する ・地質調査の限界点を示し、疑問や問題点がある場合には、追加調査の必要性を明示する ・施工時に調査担当者や設計担当者が基礎地盤のチェックを行なう

54 4.3 エラーの特徴と留意点

55 土質・地質に関するエラー事例の分析 調査不足により建設を行った結果、 不具合が工事中に発覚したもの 土質・地質の評価が不十分で容易な
判断(調査等も不十分)により設計を 進めた結果、最終段階の設計や工事 中に不具合が生じたもの ・単純ミス(岩盤評価、単位系) ・調査~設計間での情報伝達不足によるもの 事例数 5 14 21 3 43 エラーの内容 計画段階エラー 調査実施段階 エラー 技術的判断 その他 合計 コード A B C D 地形・地質に関する認識・評価の 不足によるもの 内容の詳細

56 土質・地質に関するエラ-の特徴 建設コスト増大に大きく影響する
・調査不足や調査時点の判断ミスが設計中の不具合や工事中の事故として現れて、初めてエラ-として発覚することが多い。 ・逆にエラ-として認識されず、結果として過大設計となっている事例もある(これも本当はエラ-である)。  建設コスト増大に大きく影響する

57 エラー低減・防止のために ・設計技術者は、土質・地質に関する認識・知識を 高める。
・土質・地質技術者は、構造物設計の目的・内容 (地盤調査の精度)や地盤評価の設計への感度を 十分認識する。 ・設計技術者、土質・地質技術者、発注者の三者 の連携・協動(コミュニケーション) 。

58 道路事業の 基本的な流れ 【道路計画・設計・施工・維持管理】 整備計画段階 【土質・地質調査の流れ】 基本計画段階 事業計画段階
道路基本計画 ①概略調査 路線選定のための広範囲で大局的な調査 基本計画段階 道路概略設計 ルート決定・事業化 道路事業設計 ②予備調査 構造形式、施工法検討のための全般的な調査 事業計画段階 ・各構造物予備設計 ・道路中心線決定 ③詳細調査 細部構造検討および施工法決定のための密度の濃い調査 各構造物詳細設計 工事設計・積算 ④補足調査 道路事業の 基本的な流れ 工事施工 ⑤施工段階調査 施工・維持管理段階 供用 維持管理 ⑥維持管理調査

59 河川事業の 基本的な流れ 【河川計画・設計・施工・維持管理】 【土質・地質調査の流れ】 整備計画段階 基本計画段階 事業計画段階
河川事業の 基本的な流れ 【河川計画・設計・施工・維持管理】 【土質・地質調査の流れ】 整備計画 ①予備調査 整備計画段階 予備設計 最適案の抽出 〈事業決定〉 設計条件・設計方針 基本計画段階 ②本調査 概略設計(or基本設計) 〈用地決定〉 事業計画段階 ③追加調査 詳細設計 〈詳細図面〉 積算 施工・維持管理段階 工事施工 ④施工管理調査 供用 維持管理 ⑤維持管理調査

60 詳細地盤調査の計画立案の例 約250m A1 A2 盛土 盛土 基盤面 掘進用(l=28m),PS検層 サンプリング用(l=17m)

61 詳細地盤調査実施の方針 基礎補強設計において問題 精度良く設定のための調査・試験を実施 表層から基盤面までの動的変形特性(S波速度)が必要
① 対象橋梁:5本の既往調査Borが存在         しかし、建設前で詳細な地盤物性が不明 ② 橋台背面は盛土   →橋台部周辺地盤はその影響により地盤物性が変化していると考えられる ③ 表層20mまでは、極めて軟弱な腐植土と砂(礫も混入)の互層からなる沖積層   →盛土による圧密沈下や地震時の液状化とそれに伴う側方流動発生の程度 基礎補強設計において問題 ④ 基礎設計では...   震度法    :基礎上部(表層から10m程度)の地盤の変形特性(E)  保有水平耐力法:変形特性に加え、強度特性(c、φ)     重要な 地盤定数 精度良く設定のための調査・試験を実施 ⑤ 橋梁の耐震設計では…   橋梁全体系の動的挙動把握が重要   :上・下部~基礎~地盤を一体としたモデルによる動的解析を実施 表層から基盤面までの動的変形特性(S波速度)が必要

62 想定柱状図と試験深度 GL-17mまでは別孔にて採取


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