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断熱消磁冷凍機向け ヒートスイッチの開発 宇宙物理実験研究室 高岡 朗
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本研究の目的 断熱消磁冷凍機(Adiabatic Demagnetization Refrigeration=ADR)にて
・目標到達温度:50mK ・目標保持時間:24時間 の達成 ↓ ヒートスイッチに着目し、ON/OFF時の 熱流入の改善を図る
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ヒートスイッチ(Heat Switch=HS)について
試料の温度をコントロールするため、試料と熱浴とを 熱伝導(ON)、熱絶縁(OFF)させる装置 HSの種類: ①機械式・・・・ 機構的に部品を動作させ 接触/非接触にてON/OFFを行う スイッチング部
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ヒートスイッチ(Heat Switch=HS)について
試料の温度をコントロールするため、試料と熱浴とを 熱伝導(ON)、熱絶縁(OFF)させる装置 HSの種類: ①機械式・・・・ 機構的に部品を動作させ 接触/非接触にてON/OFFを行う
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ヒートスイッチ(Heat Switch=HS)について
②超伝導式・・・ 超伝導体に対して、 磁場を印加してON/OFFを行う ③ガスギャップ(Gas Gap=GG)式・・ 試料・熱浴間に幅の狭いギャップを 設定し、ギャップ部への熱交換ガス の出し入れによりON/OFFを行う 超伝導体 マグネット ギャップ 画像引用:「第25回 宇宙ステーション利用計画ワークショップ」独立行政法人物質・材料研究機構 沼澤氏講演資料より抜粋
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首都大ADRの構造 液体He注入口 ヒートスイッチ 超伝導コイル ソルトピル Detector Stage He タ ン ク
首都大ADR概観 473mm 超伝導コイル ソルトピル Detector Stage φ385mm
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首都大ADR用HSの課題と目標性能 現状機械式HSの課題 ON/OFF動作にケブラーワイヤーを使用 →動作の安定性、熱流入に難あり
製作するガスギャップヒートスイッチ(GGHS)の目標性能 6 mW/K以上 (現状 <2 mW/K) 0.7 mW以下 (現状 1 mW) 首都大ADRに設置可能な大きさ(全長~120 mm)
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GGHSの構造検討 ON時熱伝導度の決定因子: ・ギャップ幅 ・ギャップに面する部分の面積 ・ガス(4He)の熱伝導率
OFF時流入熱量の決定因子: ・長さ シリンダーの ・断面積 ・熱伝導率 →従来構造ではON/OFFの熱伝導度を 独立に決められない →シリンダーとギャップを構造的に切り離す 熱浴側 ガス 吸着材 シリンダー ギャップ 試料側 従来構造 新規構造
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GGHSの熱設計 ON時熱伝導度: OFF時流入熱量: ON時熱計算数値一覧 t L a OFF時熱計算数値一覧 g b 温度 T[K] 2
熱交換部直径 b[mm] 20 ギャップ g[mm] 0.5 熱伝導率 k[mW/K/cm] 0.033xT0.67 熱伝導度 GON[mW/K] 6.6(>6,OK) t L OFF時流入熱量: a OFF時熱計算数値一覧 仕様1 SUS 仕様2 Vespel-SP1 SUSフォイル total 温度 T[K] 2-0.05 ← シリンダー 長さL[mm] 100 直径 a[mm] 9.55 9.5 板厚 t[mm] 0.08 0.45 0.008 熱伝導率 k[mW/K/cm] 0.74xT 1.8x10-2T1.2 流入熱量 QOFF[mW] 3.6(>0.7,NG) 0.5 0.2 0.7(=0.7,OK) g b
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GGHSの構造設計 構造設計のポイント ギャップの精度を確保がポイント ・溶接後に確認可能な構造 ・寸法を管理できる構造
→インジウムシールで閉じる構造採用 Cu 熱浴側 ● ● ● ● ● ● ● ● SUS 活性炭ヒーター 123mm Vespel or SUS インジウムシール ●:溶接箇所 Cu ここの隙で ギャップ寸法を管理 ● ● ギャップ Cu 試料側
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まとめ 今後の予定 ガスギャップヒートスイッチの新構造を提案 目標性能を満たす構造設計を行なった SUSシリンダーを用いた試作品製作
仕様1(SUSシリンダー)でON時熱伝導度を確認 仕様2(Vespelシリンダー)の組み立て およびOFF時流入熱の確認 Vespel、SUS試料の単品熱伝導率測定 活性炭の吸着量測定 仕様1完成品
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お終い
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各HSの熱的な得失 温度帯 熱伝導からの設計自由度 作動時の熱発生 機械式 ○ △ × 超伝導式 ガス式 2K~50mK
より低い温度帯で有効 ON/OFFコンダクタンスを決定する 構造要素が重複し、両立しない
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ハンドル デュワー蓋 ケブラーワイヤー スイッチング部 ソルトピル
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Vespel: デュポン社が開発したプラスチック(全芳香族ポリイミド樹脂) で、特に耐熱性に優れ、用途により熱・電気絶縁特性、耐摩耗・低摩擦が優れたものを選べる。熱収縮などの機械特性が金属に近い。
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これまでの最低到達温度は?→昨年250mK その保持時間は? Heタンクでの保持時間は?→26h 今回の改良でどれだけ、最低温度が下がり、保持時間が延びるのか?→ON改善で最低温度、OFF改善で保持時間 なぜPGGHSではなくAGGHSなのか? 超伝導HSでOFFに必要な磁場の大きさは?→7,8T L=100mm,a=10のvespelで6mW/Kを達成するギャップは2mm OFFコンダクタンスを成立させつつ1K-0.05Kだとするとφ40でよくなるので従来構造でOK
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