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住宅耐震化スピードアップのための今後の取組みの基本的考え方(案)

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Presentation on theme: "住宅耐震化スピードアップのための今後の取組みの基本的考え方(案)"— Presentation transcript:

1 住宅耐震化スピードアップのための今後の取組みの基本的考え方(案)
資料4 Ⅰ 現在の取組みの評価と問題・課題 1.府民意識の向上(危険を知る) ~耐震化へのきっかけ~ (1)補助制度の認知度はまだまだ低い。(H21PRイベント時の府民アンケートより:N=4,115人)       診断補助がある事を知っている 約54%(良く知っている 14%、なんとなく知っている 40%)  (2)イベント型PRでは、耐震化へのきっかけには不十分だが、府・市の広報誌・パンフレットによる啓発は一定の効果がある。   「診断に興味を持ったきっかけ」 (H21補助金受給者アンケートより)   ①テレビ・ラジオ等での地震情報 71%、②府・市の広報誌・パンフ・防災マップ等 48%、③地震の体験 36%、   ④知人等から地震の怖さを聞いた 30%、⑤知人等から改修の情報を聞いた 24%、⑧市町村の防災イベント 7%  (3)地域での説明会・申請受付会(河内長野方式)は効果が現れている。    河内長野市での地域での説明会・申請受付会での効果(説明者総数317人⇒耐震診断申請者数90人) (4)地元への個別訪問(ローラー作戦)は効果が高い。(静岡県・愛知県での実績)   「診断のきっかけ」(H19静岡県診断実施者へのアンケートより)    ①県・市の広報誌 25% ②個別訪問、DM 21% ③ちらし 8% 2.安心して耐震化ができる環境整備(事業者・工法・価格等の信頼性) (1)耐震改修を検討する際の問題点(H21補助金受給者アンケート)   ①お金がかかる。 90%、②施工業者の選定 60%、③工事内容や価格が適正か判断できない 38%、   ④施工業者に良いイメージがない 20% (2)事業者の選定方法(H21補助金受給者アンケートより)   診断:①行政の紹介 65%、②行政の相談窓口・アドバイザーの紹介 26%、③知人等の紹介 13%、      ④行政のセミナーの説明業者 12%   改修:①診断実施者 60%、②診断実施者の紹介 21%、③行政の紹介 ③展示会やパンフ等 共に14% (3)事業者の技術力向上・業界の信頼性の向上が必要(H22事業者アンケートより)   「どのような状況であれば耐震化を進めやすいか」   ①内容・費用の標準化 26%、②事業者の技術力向上 18%、③業界の信頼性向上 15%、⑤事業者の評価・認定 10% (4)診断⇒設計⇒改修にスムーズに流れるように手続きの簡素化・迅速化が必要(H22事業者ヒアリングより)   申請手続きの簡素化・迅速化。診断後の設計補助の創設。(診断と設計のパッケージ化)

2 3.経済的負担の軽減(補助制度・工事価格等)
Ⅰ 現在の取組みの評価と問題・課題 3.経済的負担の軽減(補助制度・工事価格等) 【診断補助】 (1)補助申請による煩わしさの解消が必要。(診断士派遣事業の導入)   全国的に他府県では診断士派遣事業を実施。申請者の手続き負担を軽減。(派遣事業では簡単な申込で可) 【設計補助】 (2)設計補助による改修への誘導効果は大きい。(府民は、改修工事の価格・内容を知ることができる。)   大阪市:H21設計補助216件中、改修補助を活用した件数 100件(H21:57件、H22:43件)   静岡と愛知では、設計補助がある静岡の方が改修実績は多い。 【改修補助】 (3)補助率・補助額が十分とは言えない。 (改修実績の多い静岡や愛知と比べると補助額は低い。) (4)実際にかかっている工事費が高く、また補助金による負担軽減効果が低い。 (5)大阪市・堺市の上乗せ補助の効果が現れている。     大阪市 実績H20:39件⇒H21:109件(2.8倍) 堺市 実績H20:13件⇒H21:38件(2.9倍) (6)改修が必要な木造住宅の居住世帯(高齢者)にマッチした制度となっていない。    S56年以前の木造戸建てに居住する世帯は高齢者がほとんど(参考資料H参照) (7)一部屋だけの改修など手軽で安価な改修への対応も求められている。                          (H22事業者アンケート、ヒアリングでの声) (8)制度未実施の市町村があること、補助要件や必要となる申請書類等  も府内で統一化されておらず、事業者にとって使いにくい。 (9)申請手続きに時間がかかり、改修の熱が冷めてしまう施主もいる。                          (H22事業者ヒアリングでの声) H21:改修  静岡1,582戸、愛知 772戸     診断  静岡3,516戸、愛知6,538戸 静岡県 30万円~60万円の定額補助(県30万円+市町村上乗せ(0~30万円)、高齢者には20万円加算) 愛知県 補助率1/2 限度額60万円(市町村による高齢者への上乗せ補助あり) 大阪府 補助率15.2% 限度額60万円   平均工事費 補助金額 県民実質負担 静岡県 約185万円(屋根改修少ない) 平均45万円(高齢者は65万円) 140万円(高齢者は120万円) 愛知県 約230万円 60万円(高齢者加算は別途) 170万円(高齢者はこれより低い負担額) 大阪府 約245万円(屋根改修多い) 37万円(低所得者は56万円) 218万円(低所得者は189万円) 事業者から見た「補助制度の改善点」        (H22事業者アンケートより)  ①申請手続きの簡素化 49%  ②補助限度額を上げる  38%  ③補助要件の府内統一 26%  ④補助率を上げる     22%  ⑤給付時期を早くする  17%  ⑥補助対象を拡充    15%  ⑦事業者へ補助する   11%

3 3.民間レベルの取組み ~静岡・愛知の事例~
Ⅱ 新たな視点からの問題・課題 1.リフォームからの誘導 (1)耐震改修を実施している府民はリフォームと同時に実施しているケースが多い。 (2)府内で、過去5年間(H16~H20)に増改築した件数は約18万件(年3.6万件)あり、耐震化に繋がる潜在的  ボリュームは多く存在。 「貴事業所で施主が改修を行った経緯」(H22事業者アンケート)   ①リフォームと一緒に実施 46%、②施主からの依頼 33%、③行政の紹介 13% 「耐震改修を実施したきっかけ(上位3つまで複数選択)」(H21受給者アンケート)  ①地震による倒壊の恐怖(耐震性が低いと分かって)54%、②補助金・税金控除のお得感35%  ③家屋の老朽化等の改修にあわせて 29%、④住宅耐震技術への興味 14%、  ⑤間取り変更・水周りなどの改修にあわせて 10%、⑥バリアフーや省エネ改修に併せて 7%、 ⑥外観の改修にあわあせて 7% 2.木造密集市街地での減災対策 (1)大阪府には、密集市街地が未だ多く存在し、地震等による被害の軽減が急務。(東京2,339ha、大阪2,295ha)   ・住宅の不燃化と併せた耐震化(建替え・除却・改修)の推進   ・緊急時の避難ルートとなる生活道路の閉塞確率の低下 3.民間レベルの取組み ~静岡・愛知の事例~ 4.市町村による取組みが不可欠 (1)耐震化が盛んな地域は、事業者の取組みによる支えがある。  ①民間で組織する協議会での普及啓発や技術力向上等の各種   事業を展開。  ・技術者向け耐震補強マニュアルの作成や研修会の実施  ・出前講座の実施  ・「耐震改修済み」表示シール、「耐震補強工事中」表示シートの作成や配布  ・行政と連携した県民への個別訪問(ローラー作戦)の実施(ボランティア)  ②地域レベルでの協議会も自主的に発足し、地域に密着した   普及活動を独自に実施。 (1)耐震化の促進は、府・市町村が連携した取  組みが必要。 (2)特に、住民に最も近い市町村の積極的な  取組みが不可欠であるが、財源不足、人員  不足、施策の優先順位の低さ等により、消  極的な市町村が多いのが実情。 (3)結果、府が取り組みを強化しても、実際の  耐震化には結びつき難い状況が発生。

4 1.耐震化の普及啓発の取組み・補助制度等の耐震化支援メニューの見直し・強化・充実
Ⅲ 耐震化のスピードアップのための今後の取組み方針(素案) 1.耐震化の普及啓発の取組み・補助制度等の耐震化支援メニューの見直し・強化・充実 次の方針により、府民の耐震化の意欲のさらなる向上を目指す。 (1)府民の耐震化へのきっかけづくりの強化 (2)府民・事業者が使いやすい補助制度へ (3)府民にとってお得感のある補助制度へ (4)診断から改修まで切れ目のない支援 2.行政(府・市)と民間が連携した取組み体制の構築 耐震化をより加速させるためには民間による取組み促進が不可欠。 (1)連携のベースとなる民間団体の組織化を促進 (2)各施策に応じた民間連携の実施による耐震化の加速 (3)意欲のある市町村・民間団体への支援強化 3.施策対象者や地域の特性に応じた施策の展開 効果的な施策を実施するため、対象となる特性に対応した取組みを実施。 (1)耐震化の対象住戸が多い地域等でのきっかけづくりの強化等 (2)地域の特性に応じた施策の推進

5 (1)府民の耐震化へのきっかけづくりの強化 (2)府民・事業者が使いやすく、診断から改修まで切れ目のない支援・お得感のある補助制度へ
 Ⅳ 今後の具体的な取組みイメージ(素案) 1.耐震化の普及啓発の取組み・補助制度等の耐震化支援メニューの見直し・強化・充実 (1)府民の耐震化へのきっかけづくりの強化 ①市町村と連携した地域に根ざした「草の根」啓発活動の強化  ・自治会活動等でのPRを継続。  ・河内長野方式(自治会での説明会+申請受付会)を広げる。  ・対象住宅が多い地域でのローラー作戦による個別訪問の   実施促進。等 ②市町村広報誌等の広報媒体によるPRの強化 ③耐震改修奨励金制度の検討  ・従来の補助制度と異なった手法による   耐震化のきっかけインセンティブに。  ・住宅版エコポイントの耐震版のイメージ  ・工事完了後の申請(工事内容は建築士   等が証明) (2)府民・事業者が使いやすく、診断から改修まで切れ目のない支援・お得感のある補助制度へ ①【診断】 「診断士派遣事業の導入」          ・府民による診断技術者の選定手間・補助申請手間を軽減(簡易な申込みのみで診断を実施)         ・診断結果の報告とあわせて改修補助制度のPRを実施。 ②【設計】 「耐震設計補助の創設」による改修への誘導         ・府民が最も知りたい「工事価格・内容」を提示、診断後すぐに設計が行えるように手続きを簡素化。 ③【改修】 「定額補助化の導入」 「高齢者加算の導入」         ・従来の補助制度を一新し、限られた財源でお得感を。         ・工事費を下げる効果も期待(安価な工事には手厚い)。         ・対象住戸の居住世帯の大半を占める高齢者への優遇措置。        「申請手続きの簡素化・迅速化・統一化」         ・手続きの長期化・複雑化による、診断を行った府民の改修への意欲低下を防ぐ。         ・可能な限り申請書類を簡素化し府民・事業者の手間を軽減。行政審査を可能な限り迅速に対応。        「補助要件の緩和・対象の拡充」         ・評点0.7~1.0にする工事を全市町村で補助の対象に。         ・1階のみ評点1.0以上にする工事の補助対象化。         ・少しでも改修が進むように、一部屋だけの部分改修の補助対象化の検討

6 (1)対象住戸が多い地域等でのきっかけづくりの強化 (2)地域の特性に応じた施策の推進
2.行政(府・市)と民間が連携した取組み体制の構築 (1)連携のベースとなる民間団体の組織化 ①民間団体による耐震化普及のための協議会の設立  ・府内で活動するNPO等の事業者団体で組織。(リフォームマイスター制度推進協議会、府震災対策推進協議会の発展等)  ・行政と連携した各種活動を実施。(行政によるバックアップが必要)    例)技術者のレベル向上の取り組み(現場での補強方法の講習会等)、行政と連携した府民への啓発活動(自治会説明会、地域      でのローラー作戦への参加等)、啓発活動のための各ツール作成(耐震表示シール、補強中工事シート) 等 (2)各施策に応じた民間連携の実施 (3)意欲のある市町村・   民間団体への支援強化 ①リフォームから耐震改修への誘導  ・事業者は、リフォームを実施する府民に、耐震診断・改修の必要性  等のPRを実施。  ・行政は、リフォームの流れを止めずにスムーズに診断・改修へ進め  るよう、補助申請等の手続きを簡素化。 ②技術者のレベル向上  ・耐震診断法講習会の内容充実。補強方法講習会の開催。(実務に  繋がるレビュー方式や現場講習の導入)(再掲)   ・耐震診断士登録制度の創設の検討。(講習の受講・資格・実務経験等  を求める。更新制の導入等。) ③特に改修工事が難しい長屋住宅における耐震化の促進 等  ・長屋特有の問題(複数の権利者・入居者の存在、適切な改修工法の  選定等)を調整する診断・改修アドバイザーのプロフェッショナルの育成。 ①モデル地区での民間主導による啓発  から耐震化までの取組み ・意欲のある市町村による対象地区の  選定(対象住戸が多く立地する地区等) ・対象地区での耐震化の啓発等の手法  を、民間団体を対象に提案公募し、選定  団体が啓発から耐震化までを実施 ・行政による地区住民への事前周知、  予算等(普及啓発費・診断・設計・改  修補助等)のバックアップ ・地域単位での耐震化が進むような取組  みも検討 3.施策対象者や地域の特性に応じた施策の展開 (1)対象住戸が多い地域等でのきっかけづくりの強化 (2)地域の特性に応じた施策の推進 ①市町村と連携した「草の根」啓発活動の強化(再掲)   ②モデル地区での民間主導による耐震化の取組み(再掲) ③木造密集市街地での減災対策の推進 ・不燃化と併せた耐震化(建替え・除却等)、避難路の閉塞確立の低下               (密集市街地整備のあり方検討会を設置し、今後の取組みの方向性を議論し、今年度中にとりまとめる予定。)


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