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講義の概要 本講義は、以下の項目を追って、地方自治体において部門間にわたり共通して利活用を行う地理空間情報の調達手法について理解を深める。

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0 地理空間情報の調達 【G空間事業者向け】 開発担当者 :東京都北区 和田陽一 2017/3/12
開発担当者 :東京都北区 和田陽一 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

1 講義の概要 本講義は、以下の項目を追って、地方自治体において部門間にわたり共通して利活用を行う地理空間情報の調達手法について理解を深める。
2017/3/12 講義の概要 本講義は、以下の項目を追って、地方自治体において部門間にわたり共通して利活用を行う地理空間情報の調達手法について理解を深める。 地理空間情報の調達とは何か 調達の目的、調達の課題、共用空間データ、一般的物品調達等との比較、G空間事業者の関与段階 地理空間情報の共通化 地理空間情報の標準化、地理空間情報プロファイル(JPGIS) 共用空間データの調達 調達の考え方、調達手順、段階的整備、コスト削減、広域調達 地理空間情報の運用 データの運用と更新、情報セキュリティ 調達実例の紹介 実例解説とワーク 本講義は、以下の内容を追うことにより、地方自治体において部門間にわたり共通して利活用を行う基盤情報の調達手法について理解を深めるものである。 ・地理空間情報の共通化、標準化に準拠した仕様による調達の重要性。 >地理空間情報の標準化について >JPGIS >製品仕様書・調達仕様書 ・共用空間データ整備・運用・管理手法 >実情にあったもの、高効率化、一括整備と段階整備 >広域調達や相互利用など >外部調達 >データの運用や更新 ・実例(庁内調達を主として) >庁内調達のボトルネック >仕様書や設計書 >コスト、体制 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

2 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部 和田陽一
【1】 地理空間情報の調達とは何か Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一

3 地理空間情報の調達とは(地理空間情報とは)
2017/3/12 地理空間情報の調達とは(地理空間情報とは) 地理空間情報とは何かのおさらい。 自治体では、様々な部門で意識せずに多様な地理空間情報が扱われている。 これらは、特定の業務目的を果たすために、台帳類、統計、地図など様々な形式で作成・保存されてきた。 地理空間情報は、情報管理部門だけでなく、様々な部門に関係する。 最初に、地理空間情報の調達とは何かを整理する。 すでに、自治体では、様々な部門で様々な情報が扱われている。 これらは、特定の業務目的を果たすために、台帳類のほか様々な形式で作成・保存されてきた。 その多くは、場所や空間の位置にひも付けされたものや、場所や空間そのものの位置や形状を現したものである。 (図-台帳類) 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

4 地理空間情報の調達とは(調達の目的) 地理空間情報を持ち、利活用する目的
2017/3/12 地理空間情報の調達とは(調達の目的) 地理空間情報を持ち、利活用する目的 情報を多方面で電子化し、利用しやすいよう整える。 精度や縮尺の異なる多様な地図や情報を組み合わせて事象を理解する。 既存情報をより事務・サービスの向上、効率化に資する。 低利用情報活用のため、新たな情報を取得・付加する。 行政能力向上のため、電子化情報としての特色を生かした、地理空間情報を用意する。      >調達する。 地理空間情報の利活用は、これらの情報を行政事務・サービスの向上、効率化に資するようにするには、電子化情報として整えること、またはそれらの有効活用のために新たな情報を取得することが必要である。 この、電子化情報として整えること、またはそれらの有効活用のために新たな情報を取得することを「地理空間情報の調達」とする。 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

5 本講義での調達イメージ(講義:GISによる業務改革とPMより)
2017/3/12 本講義での調達イメージ(講義:GISによる業務改革とPMより) 既存事業による情報蓄積や 各分野個別GISによる 立上げ 計画 実行 コントロール 終結 統合 スコープ タイム コスト 品質 人的資源 コミュニケーション リスク 調達 調達計画 引合計画 発注先選定 契約管理 契約完了 市町村 財政 部門 情報 部門 法定地図 関連部門 その他の 業務部門 共用空間データベース 地理空間情報の 整備・提供・共用 本講義での調達のイメージは、 GISによる業務改革とPMの講義で掲示された、 各部門情報と各部門から発信される共通利用可能な情報を基盤情報として取りまとめたものを構築するもの。 GISアプリケーションを導入し、全庁に地図配信をしたいという単純目的を意味していない。 PMにより、地理空間情報の調達を単なる「背景地図」の準備ととらえず、全庁の業務情報流通の改善と位置づけての調達。 : ) : ) : ) : ) : ) : ) ・各課に共通して必要となるデータのみを適宜統合・共用(オフラインでの共用を含む) PMにより、地理空間情報の調達を単なる「背景地図」の準備ととらえず、 全庁の業務情報流通の改善と位置づけての調達 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

6 GIS活用推進の役割分担例(講義:GISによる業務改革とPMより)
2017/3/12 GIS活用推進の役割分担例(講義:GISによる業務改革とPMより) 実施事項 庁内担当組織 GIS 事業者 備考 情報 政策課 都市 計画課 税務課 他事業 各課 契約課 全庁GIS活用推進会議 事務局 GIS調達 仕様原案作成 ソフトウェア 調達  基本仕様書 作成 OS、ハード要件等 特記仕様書 作成 業務機能、帳票様式等 データ 調達 データ形式、検査方法等 精度、属性データ項目等 地形図 調達 必要に応じて都市計画課から他課にデータ提供 地番図 調達 税務課以外は原則として閲覧不可 航空写真 調達 各課で撮影時期・頻度や精度が異なる ハードウェア調達・保守・運用 システム間連携の調整 必要に応じて随時調整 多目的利用が可能・共用空間データ として、どのように調達するか。 これも、 GISによる業務改革とPM講義より。 データ調達については、それぞれの情報が集まる各組織により、仕様書によりデータ調達が行われる。 これは、一元・一括ということを意味しているのではない。 新たな業務を発生させて調達するのではなく、実務の流れ・進捗にあわせた、 部分的・段階的な調達もある。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

7 地理空間情報調達の課題 (1) 自治体内部の各部門に存在する、地理空間情報を紐解くと。
2017/3/12 地理空間情報調達の課題 (1) 自治体内部の各部門に存在する、地理空間情報を紐解くと。 特定の業務目的を果たすための情報だけでなく、より多目的・共通利用可能な情報が潜在する 。 個別整備に任せれば、情報重複化の温床。 内部において多目的・共通利用可能情報の、共用化が必要。 部門別に扱われる空間情報の内容と重複例 (背景図はほぼ共通、家屋形状の位置づけが異なる) 部署 主業務 背景図 データ 市税課 家屋形状 注記 路線価 家屋物件番号 道路線 標準宅地 標準住宅 道路路線図 土地台帳 植生 地番図 河川 表札 字界 住居表示 地形地物 商工課 商工 商業地 工業団地 企業名簿 商業名簿 自治体内部の様々な部門に存在する、様々な情報を紐解いてみると、全てが特定の業務目的を果たすための情報だけでなく、より多目的に利用可能な情報が存在する。 (表-情報分類の例 高陽技研:岩見沢) Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

8 地理空間情報調達の課題 (2) 特定の業務目的を果たすための情報 他部門へ配信、共通利用
2017/3/12 地理空間情報調達の課題 (2) 特定の業務目的を果たすための情報 部門・部署内の業務ルーチンの中から取得 部門内利用で完結する情報 他部門で利活用可能な情報 他部門へ配信、共通利用      (他部門から見れば庁内調達) 庁内からの調達が困難・段階整備が必要な場合の暫定利用として外部調達を検討 部門別に扱われる空間情報の内容と重複例 (家屋形状は建築申請により取得できる) 部署 主業務 背景図 データ 環境衛生課 ごみ収集所 注記 町内会 道路線 収集日 表札 道路路線図 住居表示 植生 回収ルート 河川 字界 地形地物 家屋形状 建築課 確認申請データ 家屋物件番号 道路位置指定 建築規制 建築種別 セットバック 都市計画 官民境界 (表-情報分類の例 岩見沢) 特定の目的のための情報は部門・部署内の業務ルーチンの中から調達し、その部門で完結する。 一方で、多目的に利用可能な情報は、 その部門を元に他部門で利用する事により効率的な業務の実施や新たな価値が発生するもの、 他部門でも同様の情報が作成されているものもある。 それらは、情報の相互利用を促すため、横断的に調達するべきものである。 また、外部から情報を調達することにより、利便性や広域性など、より効率的な運用を図ることができる場合がある。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

9 地理空間情報の調達の鍵は 地理空間情報は、その位置情報をキーにして異なるデータを重ね合わせることで、理解性の向上や分析等への活用がなされる。
2017/3/12 地理空間情報の調達の鍵は 地理空間情報は、その位置情報をキーにして異なるデータを重ね合わせることで、理解性の向上や分析等への活用がなされる。 地理空間情報の共用化において、様々な主体によって整備された情報間で位置情報の整合がとれている必要がある。 各情報間で位置情報の整合をとるには、位置の基準となる情報が特に重要である。 位置の基準となる情報は、様々な業務で共通して利用可能な地形・地物を中心とした地図情報を用いることが一般的。 地理空間情報は、その位置情報をキーにして異なるデータを重ね合わせることで、理解性の向上や分析等への活用がなされる。 この実現には、様々な主体によって整備された地理空間情報間で位置情報の整合がとれている必要があるが、この基準となる情報が特に重要である。 現在、この基盤情報については、地理空間情報のうち様々な業務で共通して利用可能な 地形・地物を中心とした地図情報を用いることが一般的であり、この情報整備・更新・提供が、GIS運用を継続して実施する鍵である。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

10 共用空間データの調達が講義の中心(1) GISによる地理空間情報利活用では、 共通的に利用可能な「地図情報」がGIS運用の鍵を握る。
2017/3/12 共用空間データの調達が講義の中心(1) GISによる地理空間情報利活用では、 共通的に利用可能な「地図情報」がGIS運用の鍵を握る。 基盤情報・ベースマップと呼ばれる。 自治体により様々な試行錯誤が行われてきた。 出典:総務省「統合型GIS推進指針」 特に、現在最も効果的な地理空間情報の利活用手法である統合型GISを考えた場合、共通的に利用できる「地図情報」がGIS運用の鍵を握るといわれている。 (図-統合型GISのイメージ) この「地図としての情報」は、基盤情報・ベースマップと呼ばれており、自治体がGISの運用を計画・実施するにあたり様々な試行錯誤が行われてきた。 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

11 共用空間データの調達が講義の中心 (2) 試行錯誤されてきた共用空間データの調達 将来性を見据え最新の動向にあわせた調達を選択。
2017/3/12 共用空間データの調達が講義の中心 (2) 試行錯誤されてきた共用空間データの調達 部門内の個別情報の調達、運用は容易である。 単部門による個別GISでは、手間のかかる基盤情報の調達を避け、より安易な地図情報が採用されてきた。 手間のかかる基盤情報の調達について、政府による標準化、共通仕様化が進められている。 将来性を見据え最新の動向にあわせた調達を選択。 共用DMと レベル500現況 レベル250街区地籍 また、国が進める地理空間情報の整備に関する様々な取り組みの中では、この基盤となる情報の標準化、共通仕様化が進められており、自治体においてもこのような仕様に基づき情報の調達を実施すべきである。 一方で、部門・部署内の個別情報は、業務ルーチンの中に存在し、その部門で完結するため、調達は比較的容易である。 そこで、本講義では、地理空間情報のうち、共通利用する基盤情報の調達について中心に進めたい。 共用DMによる索引図 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

12 一般的な調達(物品調達) GISでは身近な機器「大判プリンタ」を例に。 地理空間情報にも、「調達」の概念が求められる。 機器導入の意思決定
2017/3/12 一般的な調達(物品調達) GISでは身近な機器「大判プリンタ」を例に。 機器導入の意思決定 必要性、有効性、業務改善の度合い、予算確保 要求性能の検討と、要求仕様書の作成 スペック(印刷用紙の最大サイズ、印刷速度、環境性能) 調達発注、契約 仕様書と予算に基づく発注 納品検査 仕様との合致、品質確認 運用開始 メンテナンス、消耗品の調達 地理空間情報にも、「調達」の概念が求められる。 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

13 一般的な調達(広義:道路工事) 「道路工事」を例に。 道路工事竣工図書は、共通利用可能な地理空間情報になりうる。
2017/3/12 一般的な調達(広義:道路工事) 「道路工事」を例に。 道路設計 構造基準に基づく設計・積算 工事仕様書の作成 環境、期間、使用材料、従事 工事発注、契約 設計、仕様書、予算に基づく発注 現場竣工、竣工図書の納品 現地及び書類の完成 完了検査 現地・書類ともに設計、仕様書との合致、品質確認 供用開始 維持補修、清掃 道路工事竣工図書は、共通利用可能な地理空間情報になりうる。 利活用を踏まえた適切な成果指示をしなければ、地理空間情報として調達されない。 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

14 調達の課題を理解する ベースマップ、共用・基盤データと呼ばれる地理空間情報の課題 調達の正しい手順、手法を実施することで、課題解決が可能
2017/3/12 調達の課題を理解する ベースマップ、共用・基盤データと呼ばれる地理空間情報の課題 GIS整備において最もコストや手間のかかる部分といわれている。 アプリケーションにこだわり、肝心の地理空間情報に意識が回らない。 庁内の横断連携づくりが億劫。 特殊な知識や技能が必要と思われている。 適正な調達方法や維持管理がとられていない場合が少なくない。 情報調達が期待できる業務において、調達チャンスを逃している。 多様な地図や空間情報を部品として組み合わせられるという概念が浸透していない。 調達の正しい手順、手法を実施することで、課題解決が可能 一般的にはベースマップ、共用・基盤データと呼ばれるこの情報は、GIS整備において最もコストや手間のかかる部分といわれている反面、適正な調達方法や維持管理がとられていない場合が少なくないことが課題となっている。 現在では、このような課題を解決する取り組みが基本法のもと政府主導で進められており、その中での自治体の役割を認識し、地理空間情報の調達に努めてもらいたい。 ・地理空間情報の共通化、標準化に準拠した仕様による調達の重要性。 >地理空間情報の標準化について >JPGIS ・共用空間データ整備・運用・管理手法 >実情にあったもの、高効率化、一括整備と段階整備 >広域調達や相互利用など >外部調達 >データの運用や更新 ・実例(庁内調達を主として) >庁内調達のボトルネック >仕様書や設計書 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

15 到達点 調達の課題解決 地理空間情報の課題解決に取り組む
2017/3/12 到達点  調達の課題解決 地理空間情報の課題解決に取り組む 標準化、共通仕様といった、課題解決への取り組みが地理空間活用推進基本法のもと進められている。 地理情報の標準化、地理情報標準プロファイル、製品仕様書、共用基盤データ、基盤地図情報 様々な部門、調達の段階の関与者が、自治体の進める地理空間情報の目指す方向を共通認識する場(連絡協議会)。 庁内協議会、広域連携協議会(府県域) 自治体の役割を認識し、地理空間情報の調達を実施。 一般的にはベースマップ、共用・基盤データと呼ばれるこの情報は、GIS整備において最もコストや手間のかかる部分といわれている反面、適正な調達方法や維持管理がとられていない場合が少なくないことが課題となっている。 現在では、このような課題を解決する取り組みが基本法のもと政府主導で進められており、その中での自治体の役割を認識し、地理空間情報の調達に努めてもらいたい。 ・地理空間情報の共通化、標準化に準拠した仕様による調達の重要性。 >地理空間情報の標準化について >JPGIS ・共用空間データ整備・運用・管理手法 >実情にあったもの、高効率化、一括整備と段階整備 >広域調達や相互利用など >外部調達 >データの運用や更新 ・実例(庁内調達を主として) >庁内調達のボトルネック >仕様書や設計書 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

16 様々な調達段階の関与者が、それぞれの役割分担と位置を理解し、地理空間情報利活用を図る流れの一員であることを自覚する。
2017/3/12 地理空間情報利活用に取り組む一員として 様々な調達段階の関与者が、それぞれの役割分担と位置を理解し、地理空間情報利活用を図る流れの一員であることを自覚する。 運用・維持管理      ⇒ 地理空間情報の 納品・検査 調達発注 データ設計・ 調達仕様書の作成 調達する 地理空間情報の設計 既存業務における 情報利用状況調査 地理空間情報利活用・ GIS導入の意思決定 地理空間情報調達の流れ 本講義により、地理空間情報の様々な調達ステージに関与するものが、それぞれの役割分担と位置を理解し、トータルでの地理空間情報利活用を図る流れの一員であることを理解してもらいたい。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

17 地理空間情報利活用に関与するG空間事業者
2017/3/12  地理空間情報利活用に関与するG空間事業者 地理空間情報の調達に関与する様々なG空間事業者 (A)業務分析により、既存業務における地理空間情報蓄積状況の明確化 業務分析を受託するG空間事業者 (B)地理空間情報の設計・調達仕様書の作成 GIS導入を支援するG空間事業者 (C)調達仕様書に適合する地理空間情報の調達 地理空間情報を作成するG空間事業者 仕様に適合した地理空間情報を販売するG空間事業者 (D)地理空間情報の鮮度・精度・確かさの更新・管理・維持 GIS運用を支援するG空間事業者 (1)GIS導入の意思決定 (2)既存業務における           情報利用状況調査 ↓(A) (3)調達する地理空間情報の設計 ↓(B) (4)データ設計・調達仕様書の作成 (5)地理空間情報の調達発注 ↓(C) (6)地理空間情報の納品・検査 ↓   (7)運用・維持管理  (D) 地理空間情報の調達ステージは、自治体が地理空間情報の利活用について意思決定を行った時点ですでに開始されている。 また、地理空間情報の調達には、自治体だけでなく、様々な企業などが関与する。 調達する地理空間情報とその手法を決定。 >GIS導入を支援する、G空間事業者の関与 地理空間情報の調達仕様書の作成 調達仕様書に適合する地理空間情報の取得 >GIS導入を支援、地理空間情報を作成、仕様に適合した地理空間情報を販売する、G空間事業者の関与 地理空間情報の鮮度・精度・確かさの更新・管理・維持   (図-地理空間情報利活用=GIS整備のながれ) Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

18 地理空間情報の調達とは何か(まとめ) 地理空間情報を利活用した結果、得られるもの。>真の目的
2017/3/12 地理空間情報の調達とは何か(まとめ) 地理空間情報を利活用した結果、得られるもの。>真の目的 自治体としてすべきこと。 -使命- 住民の福祉の増進 環境の保全 地域における行政を自主的かつ総合的に実施 最少の経費で最大の効果を挙げる  自治体として行いたいこと。 -方針- 業務の効率化 財政の改善 住民満足・納得度の向上 政策立案・判断の迅速化 共用空間データを適切な手法で調達し、利活用することにより、複数の目的が達成可能である。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

19 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部 和田陽一
【2】 地理空間情報の共通化 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一

20 地理情報の標準化とは (1) 地理情報の標準化 地理空間情報の相互利用や拡張を図る際の問題点は、
2017/3/12 地理情報の標準化とは (1) 地理空間情報の相互利用や拡張を図る際の問題点は、 情報それぞれの「ものさし」に大きく差があった。 相互利用の際、再度の情報構築のやり直しやすり合わせが発生し、手間や経費が必要。 庁内、自治体間など広域になるにつれ相互利用は困難。 地理空間情報の標準ルール化を図ることが必要である 標準ルールに準拠させることで、多様な情報が相互利用できる環境が整備される。   地理情報の標準化 過去には、行政の各目的のために様々に独自の基準により地理空間情報の調達、蓄積が行われてきた。 しかし、それらの地理空間情報の相互利用や拡張を図る場合、情報それぞれの「ものさし」に大きく差があったために、再度の情報構築のやり直しや、すり合わせなどに大きな手間や経費が必要となるケースも少なくなかった。 庁内のみならず自治体間や国との連携を図ろうとすれば、さらに調整は困難である。 このため、データ作成等の際に守るべきルールを決め、そのルールに準拠することで、様々なデータを相互に利活用しやすい環境整備が行われた。 これが、地理情報の標準化である。 標準ルールに準拠させることで、多様な情報が相互利用できる環境が整備される。  出典:国土地理院ホームページ Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

21 地理情報の標準化とは (2) 統一化された考え方や基準のもとで、利用目的に応じたデータ仕様を決めることができる(製品仕様書)
2017/3/12 地理情報の標準化とは (2) 統一化された考え方や基準のもとで、利用目的に応じたデータ仕様を決めることができる(製品仕様書) データの利用者に対し、地理情報の品質をわかりやすく説明することができる(品質表示) 相互運用性が確保されたデータを、さまざまなGISソフトで使うことができる(データの標準化) 出典:国土地理院ホームページ Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

22 2017/3/12 標準化の国内ルール 「地理情報標準」 地理空間情報を、異なるシステム間で相互利用する際の互換性の確保を主な目的に、データ設計、品質、記述方法、仕様作成等のルールを定めたもの。 国際標準化機構の地理情報に関する専門委員会ISO/TC211により検討されている国際標準(案)を基に、地理空間情報の整備・調達等必要な基本項目について国内ルール化したもの。 基になった国際標準案が国際標準確定後、順次日本工業規格JIS化を行っている。 特定のシステムに依存しない、皆が共通認識可能な製品仕様書やデータを作成することが可能。 GIS関係省庁連絡会議では政府の標準と位置づけ、率先して使用し、普及をはかる。 ISO19100シリーズ JIS X71** シリーズ 地理情報標準は、GISの基盤となる空間データを、異なるシステム間で相互利用する際の互換性の確保を主な目的に、データ設計、品質、記述方法、仕様作成等のルールを定めたものである。 地理情報標準は、国際標準化機構の地理情報に関する専門委員会ISO/TC211において検討されている国際標準(案)項目のうち、 地理空間情報の整備・調達等に必要な基本項目について国内ルール化したもの。 そして、基になった国際標準案が国際標準確定後、順次日本工業規格JIS化を行っている。 これにより、特定のシステムに依存しない、皆が共通認識可能な製品仕様書やデータを作成することが可能となる。 政府のGIS関係省庁連絡会議では政府の標準と位置づけ、率先して使用し、その普及をはかることとしている。 出典:国土地理院ホームページより Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

23 地理情報標準プロファイル(JPGIS) とは(1)
2017/3/12 地理情報標準プロファイル(JPGIS) とは(1) 地理情報標準の規格文書から、実利用に際し最低限守るべきルールを必要最小限抽出したもの。 日本国内における地理空間情報の実用標準 実利用に必要な内容を取り出し体系化 当然、ISO/TC211国際標準、JIS化された地理情報標準に対応 地理情報標準に準拠したデータや調達仕様書を簡単に作成が可能 「Japan Profile for Geographic Information Standards」 プロファイル=横顔、側面、輪郭 「地理情報標準プロファイル(Japan Profile for Geographic Information Standards)」 プロファイルは、横顔、側面、輪郭、といった意味がある。 これは、地理情報標準をより利用しやすくするため、 最新のISO/TC211国際標準、JIS化された地理情報標準という地理情報の分野における標準規格から、 日本における実利用に必要な内容を取り出し、 データの作成や、使用の際に最低限守るべきルールを整理し体系化したもので、現在はJPGIS2.1が制定されている。 政府のGIS計画「GISアクションプログラム2010」では、データを整備する際には原則としてJPGISに準拠する製品仕様書を作成し、それに準拠しデータ整備することを掲げている。 出典:国土地理院ホームページより Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

24 地理情報標準プロファイル(JPGIS) とは(2)
2017/3/12 地理情報標準プロファイル(JPGIS) とは(2) JPGIS=「様々な機関が作成する地理空間情報を標準化し、誰もが使えるようにすること」を目指してつくられた実用標準 JPGISに従い作成されたデータは、 一定のルールの基づいており、広く相互利用が可能である。 データの品質が一定以上である。 地理空間情報の調達では、JPGISに基づくことにより、データの内容と品質が明確な、広く利活用が可能な情報の取得が担保される。 JPGISは、「さまざまな機関が作成する地理情報(データ)を標準化し、誰もがつかえるようにすること」を目指してつくられた実用標準である。 JPGISに従い作成されたデータならば、広く相互利用が可能なデータであり、データの品質が一定以上であるということがいえる。 地理空間情報の調達では、JPGISに基づくことにより、データの内容と品質が明確な、広く利活用が可能な情報の取得が担保される。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

25 JPGISのポイント(1) 品質の確保 データの標準化=データを共通利用する環境を整備。
2017/3/12 JPGISのポイント(1) 品質の確保 データの標準化=データを共通利用する環境を整備。 共通利用する上で、このデータがどんなものであるのか、どんな品質を持っているのかという情報が求められる。 JPGISでは、データを説明するための「メタデータ」と、データの品質をチェックするためのルールを定めている。 品質チェックの結果は、メタデータに記述される。 出典:国土交通省土地・水資源局 「H13地籍調査GISマニュアル調査報告書」 データの標準化により、誰もがデータを利用する環境が整った。次にこのデータがどんなものであるのか、どんな品質を持っているのかという情報を持つことが必要である。 JPGISでは、データを説明するための「メタデータ」と、データの品質をチェックするためのルールを定めています。JPGISで定められた品質チェックの方法にしたがって、データの品質がチェックされ、データは「製品」として流通する。 品質チェックの結果報告は、「メタデータ」という、データを説明するためのデータによって記述される。 出典:国土地理院ホームページ Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

26 JPGISのポイント(2) データの設計図(製品仕様書)
2017/3/12 JPGISのポイント(2) データの設計図(製品仕様書) データの設計図として、利用目的に応じた要求事項を記述する。 データの内容と構造 データの交換標準形式 データの品質保証 出典:国土地理院ホームページ JPGISでは、「データの内容と構造」「データの交換標準形式」「データの品質保証」といったような、データを流通させたり作ったりするために必要な事項を「製品仕様書」という文書で記述することを推奨している。 製品仕様書は、いわばデータの設計図であり、データの利用目的に応じた要求事項を記述する。 出典:東京都北区「道路竣工データ製品仕様書(案)」 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

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【3】 共用空間データの調達 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一

28 共用空間データ調達の考え方(1) 共用空間データ調達と運用のイメージ 地理空間情報を利活用する上でのGIS構築
2017/3/12 共用空間データ調達の考え方(1) 地理空間情報を利活用する上でのGIS構築 全庁的に構築を進めていく統合型GISは、 重複調達を避け、様々な行政分野で利用ができるよう、共用化を積極的に進めることが重要。 部門の専門的業務を対象とした個別向けシステムは、 庁内の複数部署がGIS構築を進めている場合が多い現在、共用化を前提に整備を進める。 共用空間データ調達と運用のイメージ 地理空間情報を利活用する上でのGIS構築の形の中で、全庁的に構築を進めていく統合型GIS の地理空間情報整備では、重複調達を避け、様々な行政分野で利用ができるよう、共用化を積極的に進めることが重要とされている。 一方で、個別システムであっても、庁内の複数部署がGIS構築を進めている場合が多い現在、共用するデータを「共用空間データ」と位置付け、共用を前提に整備を進めるという考え方はもはや一般的である。 出典:総務省「統合型GIS共用空間データベース及び 広域活用のあり方に関する調査研究委員会」資料 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

29 共用空間データ調達の考え方(2) 地理空間情報を利活用する上でのGIS構築 全庁的に構築を進めていく統合型GISは、
2017/3/12 共用空間データ調達の考え方(2) 地理空間情報を利活用する上でのGIS構築 全庁的に構築を進めていく統合型GISは、 重複調達を避け、様々な行政分野で利用ができるよう、共用化を積極的に進めることが重要。 部門の専門的業務を対象とした個別向けシステムは、 庁内の複数部署がGIS構築を進めている場合が多い現在、共用化を前提に整備を進める。 地理空間情報を利活用する上でのGIS構築の形の中で、全庁的に構築を進めていく統合型GIS の地理空間情報整備では、重複調達を避け、様々な行政分野で利用ができるよう、共用化を積極的に進めることが重要とされている。 一方で、個別システムであっても、庁内の複数部署がGIS構築を進めている場合が多い現在、共用するデータを「共用空間データ」と位置付け、共用を前提に整備を進めるという考え方はもはや一般的である。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

30 2017/3/12 共用空間データ調達の考え方(3) 都市計画部局、固定資産税部局、道路部局、上下水道部局、農林部局等の各部局では、法定図書や業務利用のために様々な地図を整備している。 道路、建物、筆などは重複整備している可能性が高い 共用性の高い項目については、各部門が基礎的な資料・成果を持ち寄り、その中から共通した基盤として利用ができるものを抽出し、それを共用する。 データ作成費用の削減 地理空間情報利活用や、行政情報の正しい管理運用の意識向上を図る 共用空間データは、各部局で既に整備・利用している地理空間情報から共用性の高い項目を共用するのが基本で、必ずしも新規調達する必要はない。 自治体では、都市計画部局、固定資産税部局、道路部局、上下水道部局、農林部局等の各部局で、法定図書や業務利用のために様々な地図を整備している。 その場合、道路、建物、筆(土地)などの空間データを各地図で重複して整備している可能性が高い。 したがって、このように共用性の高い項目については、各部局がそれぞれ整備するのではなく、各部門の基礎的な資料・成果を持ち寄り、その中から共通した基盤として利用ができるものを抽出し、それを共用することで、データ作成費用の削減はもとより、庁内における地理空間情報利活用や、行政情報の正しい管理運用の意識向上を図ることができる。 「共用空間データは、各部局で既に整備・利用している地理空間情報から共用性の高い項目を共用するのが基本であり、必ずしも「統合型GIS で利用するための空間データ」用に新しいデータを新規調達する必要はない。」 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

31 共用空間データ調達手順(1) 基本仕様書 「統合型GIS 共用空間データ基本仕様書(基本仕様書)」:総務省
2017/3/12 共用空間データ調達手順(1) 基本仕様書 「統合型GIS 共用空間データ基本仕様書(基本仕様書)」:総務省 データの定義(16 の地物項目と要求品質を定義) 行政区域・筆・境界杭・基準点・街区・道路中心線・道路・車歩道境界線 建物・軌道・河川水涯線・湖池・海岸線・水部構造物・標高・画像 品質評価方法の例示(元資料別の品質評価方法を例示) 品質評価結果記録表の例示(品質評価結果を表示する際の書式の例示) メタデータへの記載(メタデータ記載方法の説明) 行政界、基準点、街区、道路、建物、軌道、河川水涯線、湖池、海岸線、標高については、国土交通省基盤地図情報として定義されている項目とおおむね一致。(利活用が可能) 総務省では、共用空間データ整備の仕様書として、「地理情報標準」に準拠した「統合型GIS 共用空間データ基本仕様書(基本仕様書)」を提示している。 そこには、自治体の共用空間データとして整備することが望まれる16 の地物項目とその品質を記している。 地理空間情報の調達においては、このような仕様書をもとに進めることが重要であ 基本仕様書が示す内容は以下のとおりである。 ・データの定義(次の16 の取得項目と要求品質を定義) 行政区域・筆・境界杭・基準点・街区・道路中心線・道路・車歩道境界線・ 建物・軌道・河川水涯線・湖池・海岸線・水部構造物・標高・画像 ・品質評価方法の例示(元資料別の品質評価方法を例示) ・品質評価結果記録表の例示(品質評価結果を表示する際の書式の例示) ・メタデータへの記載(メタデータ記載方法の説明) なお、共用空間データとして整備することが望まれる16 の地物項目のうち、 行政界、基準点、街区、道路、建物、軌道、河川水涯線、湖池、海岸線、標高については、「地理空間情報活用推進基本法第二条第三項の基盤地図情報に係る項目及び基盤地図情報が満たすべき基準に関する国土交通省令」により基盤地図情報として定義されている項目と概ね一致している。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

32 2017/3/12 共用空間データ調達手順(2) 調達仕様書 「共用空間データ」は、地理空間情報として最も他分野・多目的に利活用される核となるデータであり、一定の品質が確保される必要がある。 自治体が共用空間データを調達するには、最終成果品に要求される仕様により調達仕様書を作成し、調達先に提示する。 共用空間データの調達では、「データ作成の手法・工程」ではなく、「成果品の内容や要求品質といった仕様」を提示して、それに適合したものを調達する方法にすべき。 物品調達の流れ (1)機器導入の意思決定 (必要性、有効性、業務改善の度合い、予算確保) (2)要求性能の検討と、要求仕様書の作成 (印刷用紙の最大サイズ、印刷速度、環境性能など) (3)調達発注、契約 (仕様書と予算に基づく発注) (4)納品検査 (仕様との合致、品質確認) (5)運用開始 (メンテナンス、消耗品の調達) 道路工事の流れ (1)道路設計 (構造基準に基づく設計・積算) (2)工事仕様書の作成 (環境、期間、使用材料、従事) (3)工事発注、契約 (設計、仕様書、予算に基づく発注) (4)現場竣工、竣工図書の納品 (現地及び書類の完成) (5)完了検査 (現地・書類ともに設計、仕様書との合致、品質確認) (6)供用開始 (維持補修、清掃) 自治体が共用空間データを調達するには、最終成果品に要求される仕様により調達仕様書を作成し、調達先に提示する。 「共用空間データ」は、地理空間情報として最も他分野・多目的に利活用される核となるデータであり、一定の品質が確保される必要がある。 共用空間データの調達では、「データ作成の手法・工程」ではなく、「成果品の内容や要求品質といった仕様」を提示して、それに適合したものを調達する方法にすべきである。 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

33 共用空間データ調達手順(3) 調達仕様による品質確保
2017/3/12 共用空間データ調達手順(3) 調達仕様による品質確保 要求品質を明示し、共用空間データの品質評価手順を充実させる 測量手法だけでなく、他分野の情報や外部調達した情報との組み合わせなど多様な情報取得手段が選択できる 要求使用を満たしていれば、複数の縮尺・精度の情報の組み合わせも可能 安価で高品質なデータ作成の可能性 出典:総務省「統合型GIS推進指針」 背景が白図画像 都市計画DMと レベル500現況 レベル250地籍 要求品質を明示し、共用空間データの品質評価手順を充実させることにより、従来の測量手法だけでなく、他分野の情報や外部調達した情報との組み合わせなど多様な情報取得手段が選択できる。 そして、複数の縮尺・精度の情報の組み合わせも可能である。 この調達方法も地理情報標準の考え方に準拠している。 都市計画DMと 1/500道路台帳画像 レベル250道路台帳 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

34 一括整備と段階的整備 効率的調達が可能な一括整備 優先順位による段階的整備 予算的にも、庁内調整においても、現実的な手法。
2017/3/12 一括整備と段階的整備 効率的調達が可能な一括整備 データ整備のスケールメリットや、重複整備の初期解消による調達費用の削減効果が大きい。 調達窓口が一括化するので、発注が容易。 初期費用が大きく予算確保が困難。 空間データを保有し維持管理を実施している部局との間で、データ仕様や費用負担等の調整が困難。 優先順位による段階的整備 予算的にも、庁内調整においても、現実的な手法。 業務・システムの追加ができるよう共通インタフェースを用意する。 システム運用中にデータ更新だけでなく新規調達が行われるため混乱が生じやすい。 データ作成の優先順位、費用や役割の分担、作成手順を定めておく。 共用空間データの整備は、自治体の実情に合わせて進める必要がある。 そこでは、必ずしも最初から、すべての業務で利用される可能性のある、様々なデータを共用空間データとして整備する必要はない。 ア 効率的なデータ整備が可能な一括整備 庁内の各部署で共通利用される共用空間データの整備について、すべてのデータを一括で整備することは、データ整備のスケールメリットや、重複整備の解消によるデータ整備費用の削減効果が大きいという点では優れている。データ調達の窓口が統一され、発注が容易になる。 しかしながら、一括整備は初期費用が大きくなるため、必要な予算を確保できない可能性や、庁内で既に空間データを保有し維持管理を実施している部局との間で、データ仕様や費用負担等の調整が難航する場合が多い。 したがって、共用空間データの整備は、庁内において地理空間情報を蓄積管理している既存業務・部門を的確に把握し、既存部門の業務に合わせた共用空間データや共用空間データから既存部門へのフィードバックなど、事情に応じて柔軟な判断を行う必要がある。そのことが、整備後に安定した継続運営につながる。 イ 優先順位をつけた段階的整備 地方公共団体の実情に合わせて、優先順位をつけて、共用空間データを段階的に整備することは現実的な方法である。 この場合、業務・システムの追加ができるよう共通インタフェースを用意しておくことが必要である。段階的に整備をする場合は、整備計画において、データ作成の優先順位、費用や役割の分担、作成手順を定めておくことが望ましい。費用対効果、導入費用、共用空間データに対する貢献度等を考慮して、スケジュールを定める。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

35 調達コストの削減(1) 自治体の実情に合わせた段階的整備として考えられる、暫定的な地理空間情報の調達
2017/3/12 調達コストの削減(1) 自治体の実情に合わせた段階的整備として考えられる、暫定的な地理空間情報の調達 既存台帳類から画像化した地図をタイル状に張付けて利用。 市販地図を調達する。 共用性が高い内容であること、将来の情報更新が容易であることが必要な旨、仕様書に記述する。 JPGISに基づく「共用空間データ」は、一定の品質が確保される空間データであり、法定図書としても利用可能であることに留意。 背景が白図画像 都市計画DMと レベル500現況 レベル250地籍 自治体の実情に合わせた段階的整備としては、暫定的な地理空間情報の調達として、 既存台帳類から画像化した地図をタイル状に張付けての利用や、市販地図を調達する手法が考えられる。 この調達においても、共用性が高い内容であること、将来の情報更新が容易であることが必要な旨、仕様書に記述する。 特に、JPGISに基づく「共用空間データ」は、一定の品質が確保される空間データであり、法定図書としても利用可能であることに留意する。 市販地図を ベースマップとした事例 (道路路線図) 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

36 調達コストの削減(2) 画像データの活用 既存GIS データの活用 民間・国による流通データ 台帳データの活用
2017/3/12 調達コストの削減(2) 画像データの活用 段階的整備の初期では、背景となる画像データを組み合わせる方法が効率的。 画像データの活用範囲は比較的広い。 他のデータ整備レベルが必ずしも十分でなくても効果があり、安価に調達が可能。 既存GIS データの活用 庁内他部門で既にGIS導入がされていれば、情報共有を図るべき。 データのフォーマット変換、構造変換等が必要な場合がある。 再調達・維持管理コストの分担や共通インタフェースの活用が望める。 民間・国による流通データ 流通されたデータの活用は、多方面への提供を目的としているため、データ整備による調達と比較し低価格である。 著作権やライセンス、二次加工、更新に関する権利の確認、調達仕様との合致を精査する必要がある。 更新対応など情報の時系列に関する鮮度や確かさの確保に留意する。 台帳データの活用 自治体に備付される各種「台帳」は、共用空間データとして利用可能な情報が比較的多い。 すでに個別GISを立ち上げて情報化を進めている部門である場合も多い。 住所・郵便番号は、機械的に位置情報を追記し、地理空間情報として共用可能。 (地理識別子) また、自治体の実情に合わせた段階的整備としては、暫定的な地理空間情報の調達として、 既存台帳類から画像化した地図をタイル状に張付けての利用や、市販地図を調達する手法が考えられる。 この調達においても、共用性が高い内容であること、将来の情報更新が容易であることが必要な旨、仕様書に記述する。 特に、JPGISに基づく「共用空間データ」は、一定の品質が確保される空間データであり、法定図書としても利用可能であることに留意する。 ア 画像データの活用 共用空間データの段階的整備の初期では、背景となる画像データを組み合わせる方法が効率的である。画像データは、共用空間データを背景として利用する業務に広く活用することが可能であり、他のデータ整備レベルが必ずしも十分でなくても、安価で効果的に統合型GIS を開始することができる。 イ 庁内の既存のGIS データの活用 庁内に既に導入している GIS がある場合、共通インタフェースの活用や、そのデータのフォーマット変換、構造変換等を行い、既存のGIS データを統合型GIS においても有効に活用する。 ウ 既に流通している民間や国のデータの活用 民間事業者の有するデータや市販のデータ、国の提供するデータなど、既に流通しているデータを活用することにより、データ整備の際の費用を抑えることが可能である。 流通しているデータを利用する際は、著作権、使用ライセンス、二次加工、公開といった権利に関する検討が必要である。国の提供するデータの中には、無償・二次利用可能なデータも存在し、住民サービス等公開用のデータとして利用が可能である。 一方で、庁内調達によるものと比較し、契約内容などにより、道路の開通や建物の建設、施設名の変更などについての更新に柔軟に対応ができないなど情報の時系列に関する鮮度や確かさの確保に留意が必要である。 エ 台帳データの活用 地方公共団体では、様々な情報が「台帳」として整備されているが、この中には、市販地図に塗色やメモ記述をしているものや、住所や地区名などが記述されているものがある。このように台帳データに位置情報を追記したデータは、共用空間データとして利用が可能である。 また、このような地理空間情報を作成・維持管理している部門は個別GISを立ち上げて情報化を進めている場合も多く、先進的な場合はJPGISに対応している場合もある。 他には、施設や地点に関する情報は、アドレスマッチングにより機械的に位置情報を追記する方法により、地理空間情報として共用することができる。 このように、住所や郵便番号等は、「地理識別子」と呼ばれ、座標との対応関係を示した「地名辞典」を整備することで、地図と容易に関連付けることができる。地理識別子及び地名辞典については、「地理識別子による空間参照(JIS X 7112)」という地理情報のJIS 規格がある。 【参考:個別空間データの例】 町内会、自治会 小・中学校区 ボーリング調査 集会所 避難場所 消火栓、防火水槽 広報板設置場所 給水場所 バリアフリー 下水道整備計画 自転車撤去場所 地価公示 市道認定路線 投票所、投票区、 公園 道路区域 ポスター掲示板、選挙事務所 道路工事 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

37 広域調達の可能性 広域調達の対象 市町村等の参加による連絡調整組織等の設置 都道府県と市町村とが協力して行う分野
2017/3/12 広域調達の可能性 広域調達の対象 都道府県と市町村とが協力して行う分野 隣接する市町村が協力して行う分野 河川流域など行政区域を越えて協力する分野 市町村等の参加による連絡調整組織等の設置 情報の整合性の確保 円滑な情報交換、連絡調整 地域の実情に応じて柔軟に対応 成功に導くには、都道府県が、都道府県内部の地理空間情報の共用化を継続できるよう事務局を持ち、普及啓発、教育・人材育成、技術的基準、ガイドラインの提示を担うことが期待される。 地理空間情報の調達にあたっては、広域で整備することで、さらに大きな効果を期待できる場合がある。 都道府県と市町村とが協力して行う業務、隣接する市町村が協力して行う業務の他、市町村の行政区域を越えて協力する分野(例えば流域等)においても地理空間情報の共有化を図ることが考えられる。 広域整備を行う場合には、整合性を図るため、地域の実情に応じて都道府県、市町村等の参加による連絡調整組織等の設置が有効であり、当該連絡組織等においては、広域におけるデータ品質、項目の統一、隣接市町村間における整合性の確保、各機関の役割分担、実現のシナリオ等を検討する。 広域的な推進では、都道府県には、都道府県内部の地理空間情報の共用化実現の主体であるとともに、情報の利活用とGIS 運用の普及啓発、教育・人材育成、技術的基準、ガイドラインの提示、連絡調整組織の設置、段階的な共用空間データ整備の方策の提示等の役割を果たすことが期待される。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

38 広域調達は、単独調達より大きなコスト軽減効果が見込まれる。
2017/3/12 広域調達の進め方  広域調達は、単独調達より大きなコスト軽減効果が見込まれる。 市町村は都市計画区域内の共用空間データを 都市計画区域外については都道府県が農地や森林に関する情報を基に調達。 市道、県道、国道では、それぞれの管理主体の情報をルールを定めて持ち寄り共通利用を図るなどの役割分担を行い、調達コストを軽減。 広域的な地理空間情報の利活用に当たっては、都道府県や市町村など関係する地方公共団体間で、データ整備に関する調整が必要となる。そのため、関係する地方公共団体の参加による連絡調整組織を設置することが有効である。連絡調整組織においては、地域の実情及び整備範囲に応じて、手法及び運用方法を検討することが必要である。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

39 【4】 地理空間情報の運用 データの運用と更新、再調達、情報セキュリティ、利用促進、普及活動 2017/3/12
地理空間情報の運用  データの運用と更新、再調達、情報セキュリティ、利用促進、普及活動 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

40 システム構築段階において地理空間情報の調達が完了、GISなどにより利活用手法が整うと運用への移行となる。
2017/3/12 地理空間情報の運用への移行 システム構築段階において地理空間情報の調達が完了、GISなどにより利活用手法が整うと運用への移行となる。 運用段階での課題は、 地理空間情報を継続的に利用していくために定期的・逐次的なメンテナンスや情報更新が必要 様々な部門で共通利用を図り、更新を行うため、運用や更新ルールを策定する 地理空間情報が調達されると、運用段階へ移行する。 運用では、GIS を用いて地理空間情報を継続的に利用していくために定期的・逐次的なメンテナンスや情報更新が必要となる。 また、様々な部門で共通利用を図り、更新を行うため、運用や更新ルールを策定する必要がある。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

41 部門・部署毎の運用形態(1) 地理空間情報の運用の実際 調達・整備された地理空間情報を各部門毎の業務にあわせて運用。
2017/3/12 部門・部署毎の運用形態(1) 地理空間情報の運用の実際 調達・整備された地理空間情報を各部門毎の業務にあわせて運用。 共用空間データに、部門ごとで業務情報を付加して 地理空間情報を利活用 各部門での運用は、共用空間データに、部門ごとで業務情報を付加して空間情報を利活用している。 出典:国土交通省土地・水資源局 地籍活用GISホームページ Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

42 部門・部署毎の運用形態(2) 部門毎のGISでは 部門ごとのGIS構造 共用空間データを基盤情報として
2017/3/12 部門・部署毎の運用形態(2) 部門毎のGISでは 共用空間データを基盤情報として 部門・部署業務の空間情報をレイヤとして重ね合わせて運用 部門ごとのGIS構造 その、利用構造は、共用空間データや、数部門相互で利活用可能なデータ、 また、部門内でのみ利用するデータが、レイヤとして複層利用されている。 また、その中には、様々な縮尺・精度の情報が存在しており、それぞれの使い勝手から、情報の重ねあわせが判断されている。 出典:国土交通省土地・水資源局 地籍活用GISホームページ Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

43 部門・部署毎の運用形態(3) ゆるやかな統合化を目指す場合
2017/3/12 部門・部署毎の運用形態(3) ゆるやかな統合化を目指す場合 共用利用・相互利用できる情報は多様でありそれにより、保存先(サーバ)も分散環境の場合がある。 利用目的別 公開の度合い 個別(相互利用) 地理空間情報だけでなく、トータルな行政情報共有としての考え方が求められる。 ゆるやかな統合化を目指す場合 共用利用・相互利用できる情報は多様でありそれにより、保存先(サーバ)も分散環境の場合がある。 利用目的別 公開の度合い 個別(相互利用) 地理空間情報だけでなく、トータルな行政情報共有としての考え方が求められる。 出典:国土交通省土地・水資源局 地籍活用GISホームページ Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

44 住民サービスの向上や庁内の業務効率化・高度化、地域の課題解決に資するよう、継続して運用・更新を行うために留意する事項
2017/3/12 地理空間情報運用の留意点 住民サービスの向上や庁内の業務効率化・高度化、地域の課題解決に資するよう、継続して運用・更新を行うために留意する事項 共用空間データのみならず、個別空間データ等についても、確実に、かつ効率的に更新されること。 地方公共団体の職員が、日常利用するソフトウェアとして統合型GIS を十分に使いこなせるよう、研修やサポートを行うこと。 段階的な地理空間情報の調達を実施した場合は、目的を達せられるよう、地理空間情報の追加調達を継続して行うこと。 住民サービスの向上や庁内の業務効率化・高度化、地域の課題解決に資するよう、継続して運用・更新を行う。 そのために重要な点は、以下のとおりである。 ① 共用空間データのみならず、個別空間データ等についても、確実に、かつ効率的に更新されることが重要である。 ② 地方公共団体の職員が、日常利用するソフトウェアとして統合型GIS を十分に使いこなせるよう、研修やサポートを行うことが重要である。 また、段階的な地理空間情報の調達を実施した場合は、目的を達せられるよう、地理空間情報の追加調達を継続して行うことが大切である Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

45 地理空間情報の運用ルール 運用ルール策定の目的 運用ルール策定の留意事項 データ利用部署の業務に必要な鮮度や確かさを常に確保する。
2017/3/12 地理空間情報の運用ルール 運用ルール策定の目的 データ利用部署の業務に必要な鮮度や確かさを常に確保する。 データ更新の業務量・経費等を把握し、適切な時期に適切な方法で実施できること。 継続的な運用と効率的な維持更新が実施できること。 運用ルール策定の留意事項 庁内各課の役割分担:それぞれのデータ管理部門とその内容の確定 データ更新時の地物データ及びメタデータの追加、登録ルール:登録権限と登録タイミング、品質管理ルール データの削除ルール:削除権限と削除タイミング バックアップルール:管理部署、世代交代の方法 運用ルールは、データ利用部署の業務に必要な鮮度や確かさ、データ更新の業務量・経費等を考慮して、継続的な運用と効率的な維持更新が実施できることを目的とする。 運用ルール策定の留意事項は以下のとおり。 (ア)庁内各課の役割分担:それぞれのデータ管理部門とその内容の確定 (イ)データ更新時の地物データ及びメタデータの追加、登録ルール:登録権限と登録タイミング、品質管理ルール (ウ)データの削除ルール:削除権限と削除タイミング (エ)バックアップルール:管理部署、世代交代の方法 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

46 地理空間情報の更新 (1) 地理空間情報の運用は継続した更新作業が重要 しかし、更新の頻度は、それぞれの空間情報それぞれで条件が異なる。
2017/3/12 地理空間情報の更新 (1) 地理空間情報の運用は継続した更新作業が重要 しかし、更新の頻度は、それぞれの空間情報それぞれで条件が異なる。 それぞれのデータは「レイヤ」ごとに管理されている。 個別業務データ いくつかの部署と相互利用可能なデータ 共用空間基盤データ レイヤごとに更新管理 地理空間情報の運用は継続した更新作業が重要である。 しかし、更新の頻度は、それぞれの空間情報それぞれで条件が異なる。 前述のとおり、それぞれのデータは主として「レイヤ」ごとに管理されている。 また、それぞれの縮尺・精度や利用目的、 蓄積手段やタイミングも様々である。 出典:国土交通省土地・水資源局 地籍活用GISホームページ Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

47 地理空間情報の更新(2) 更新の機会 業務ごとで蓄積される空間情報
2017/3/12 地理空間情報の更新(2) 更新の機会 業務ごとで蓄積される空間情報 相互利活用・共用空間データとなりうる個別データでも、データの変化が発生する期間・機会は様々。 この、期間・機会に合わせて情報更新・再調達を実施。 動きの少ない情報は相互利用・共用空間データとして活用可能な情報を比較的持っている。 これらは「一括更新」を実施し相互利用・共用空間データ化を図る。 動きの頻繁な情報は、「日常更新」。 業務情報毎の地理空間情報の動き(変化) の頻度 動きの少ない情報 動きの頻繁な情報 地籍情報(進捗・登記) 公有地管理情報 (整備時) 固定資産税情報 (基準時) 森林管理情報 (整備時、伐木時) 農地管理情報(整備時) 都市計画情報(計画時) 道路台帳 (整備時) 防災情報 (計画時) 環境情報  (観測時) 地域コンテンツ(逐次) 公有施設情報 (イベント開催時など) 道路等工事情報 (工事発生頻度) 建築確認情報 (申請時) 人口統計(集計時) 画像・写真(逐次) 更新作業は、「日常更新」と「一括更新」に分類される。 「日常更新」は、日常業務で発生する変化を登録し更新する。 「一括更新」は、地理空間情報の再調達や差分情報を総括し、一括して更新する。 動きの少ない情報は一括更新、動きの頻繁な情報は、逐次更新に向いている。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

48 地理空間情報の更新 (3) 役割分担 日常更新の場合。 一括更新の場合。 各部門の業務ルーチン内で発生。
2017/3/12 地理空間情報の更新 (3) 役割分担 日常更新の場合。 各部門の業務ルーチン内で発生。 空間データ作成(発生)部門での更新が有利。 一括更新の場合。 「日常更新」されたデータが一定量蓄積され、その中から共用空間データ基盤に再構築する場合に向いている。 情報管理部門での更新が有利。 では、更新の役割分担として、各部門と、情報管理部門とは。 日常更新の場合。 各部門の業務ルーチン内で発生。 空間データ作成(発生)部門での更新が有利。 一括更新の場合。 「日常更新」されたデータが一定量蓄積され、その中から共用空間データ基盤に再構築する場合に向いている。 情報管理部門での更新が有利。 出典:総務省「統合型GIS推進指針」 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

49 バックアップとセキュリティ バックアップの実施 バックアップのルール 通常運用時のセキュリティ
2017/3/12 バックアップとセキュリティ バックアップの実施 バックアップデータは、一括的に行うことが効率的。 セキュリティレベルが高い箇所への保管、リスク分散化も考慮する。 バックアップのルール バックアップの周期 バックアップの対象 バックアップしたデータの保管期間 バックアップデータの管理方法 通常運用時のセキュリティ 通常の運用の中でも、個人情報や部外秘として取り扱われる情報については、個人認証や部門・職層によるセキュリティ認証を実施し、不用意なアクセスが無いよう留意する。 バックアップルールについては、バックアップの周期、バックアップの対象、バックアップしたデータの保管期間、バックアップデータの管理方法を定める バックアップデータは、一括的に行うことが効率的と考えられる。 また、セキュリティレベルが高い箇所への保管、本庁舎以外の庁舎への保管等、リスクの分散化も考慮することが重要である。 一方で、通常の運用の中でも、個人情報や部外秘として取り扱われる情報については、個人認証や部門・職層によるセキュリティ認証を実施し、不用意なアクセスが無い様留意する。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

50 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部 和田陽一
【5】 実例紹介およびワーク   Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一

51 道路建設部門からの庁内調達事例 「道路工事」のながれ。(再掲) 道路工事竣工図書は、共通利用可能な地理空間情報になりうる。
2017/3/12 道路建設部門からの庁内調達事例 「道路工事」のながれ。(再掲) 道路設計 構造基準に基づく設計・積算 工事仕様書の作成 環境、期間、使用材料、従事 工事発注、契約 設計、仕様書、予算に基づく発注 現場竣工、竣工図書の納品 現地及び書類の完成 完了検査 現地・書類ともに設計、仕様書との合致、品質確認 供用開始 維持補修、清掃 道路工事竣工図書は、共通利用可能な地理空間情報になりうる。 では、標準化による調達を試みるとしてどのように進めるか。 一般的な調達との比較として、「道路工事の流れ」を前出した。 道路工事は、現地、リアル空間で現状に変更が行われ、それは、地理空間情報として特に重要な情報となる。 道路が新設されれば、そのことにより、経路探索など空間移動に関する解析や通知に影響が発生する。 道路工事による道路の変化については、一般的に変化のあった部分を更新する「差分」という手法がとられる。 では、この道路工事の流れと空間情報の取得を見てみることとする。 提供:東京都北区まちづくり部 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

52 道路建設部門による地理空間情報蓄積の流れ
2017/3/12 道路建設部門による地理空間情報蓄積の流れ 地理空間情報が調達できる機会が3回存在する。 道路事業の流れ: 竣工図書の引継 設計 施工 維持管理 ■ 道路台帳 地理空間情報③ 出来形計測 ・道路台帳平面図 データ作成 追加データ 加工・ 処理 など 道路竣工データ 測量 データ作成者 道路竣工データ ・道路台帳調書 例:道路台帳の項目を集計して出力(一部) 設計図書 本製品仕様書に 基づきデータを作成 地理空間情報② ・・・ 竣工時点までの情報 データ作成 ■ システム >道路事業の流れの基本的部分を解説。設計をして、施工をして、現地が完成するとともに完成図や調書が竣工図として作成される。 >施工は、空間情報である設計図書と同じになるように工事する。管理は、空間情報である道路台帳の状態が、現地で保たれるように維持する。 >施工から、管理の間に「竣工図書」という設計どおりに道路が出来上がったことを表す空間情報が存在する。 管理には、過去の経緯や道路を使ったインフラなど、直接工事した結果以外の情報も必要なことも多い。 でも、竣工は、もっとシンプル >台帳整備は、完成後まとめて発注、内容を付加>少し間ができてしまう。出来立てほやほやの状態ですでにある竣工図書は機動力がある。 例:橋梁台帳システムの項目をインポート (一部) 地理空間情報① その他竣工図書 ■ その他・・・ 竣工段階でのデータ作成 維持管理での利活用 出典:東京都北区「道路竣工データ製品仕様書(案)」 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

53 + = 道路部門の地理空間情報の価値 他事業・他部門による相互利用可能な情報 道路建設部門による地理空間情報は、「地図」として有用な情報。
2017/3/12 道路部門の地理空間情報の価値 道路建設部門による地理空間情報は、「地図」として有用な情報。 道路台帳などは、面的に整備されている場合がある。 道路整備などによる情報更新が業務に直結している。 情報整備の進捗に差がある。 「工事」は、部分的な情報更新 すべて揃っている訳ではない。     >段階的整備    画像情報の場合もある。 ただし、1つの事業、部門ですべてが調達できるとは限らない。 庁内で相互利用可能な情報として仕上    げる場合、他事業・他部門の情報と組み合わせる。>レイヤ等 補完・補足の必要性はある。 定型的に継続更新が可能である。      >運用における再調達に有効> 道路建設部門による地理空間情報 他事業・他部門による相互利用可能な情報 >この道路建設部門の情報(特に竣工図書)の価値 >すべ手が揃っているのではない。 >地物1つというわけではなく、ある範囲については、現実の変更結果がまとめて逐次更新。 >他の部門や事業で逐次更新された情報や、すでにある情報と組み合わせて、相互利用性の高い情報に。 >複数の工事竣工成果や他部門情報を情報管理部門で一括更新(再調達) 庁内相互利用・共用基盤 出典:東京都北区「竣工成果の作成および引継ぎに関する手引(案)」 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

54 道路部門の業務効率向上と利活用への発展 ・共用基盤への利用 道路DB 【納品】 竣工成果から、迅速に基盤情報へ反映が可能。
2017/3/12 道路部門の業務効率向上と利活用への発展 ・共用基盤への利用 竣工成果から、迅速に基盤情報へ反映が可能。 【納品】 【データの利活用】 道路竣工成果 を納品 【データの管理】 【道路竣工データ作成】 道路データを一元管理 工事の結果に合わせて道路竣工成果を作成・修正 【施工】 道路DB 発注図にもとづいて施工 >「GIS」を導入することが目的ではなく、地理空間情報の利活用>行政情報の有効利用・高効率化 >道路部門で、空間情報蓄積の流れを良くして、業務高効率化を図ることが出来る。 >地理空間情報の利活用は、どこの情報の利活用? 本来の意味ではないか。 >これが庁内調達。 【発注】 既存の道路データがある場合は貸与 出典:東京都北区「竣工成果の作成および引継ぎに関する手引(案)」 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一 Copyright © 2008 ********University ********  Prof.*******

55 では、実際の調達・製品仕様書をみてみましょう。
ワーク では、実際の調達・製品仕様書をみてみましょう。 Copyright © 2009 東京都北区 まちづくり部  和田陽一


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