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Published byあつとし しろみず Modified 約 7 年前
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小林盾(シカゴ大学) 大浦宏邦(帝京大学) 谷口尚子(帝京大学,ミシガン大学) 2004年11月21日 日本社会学会 熊本大学
職場におけるフリーライダー と転職 小林盾(シカゴ大学) 大浦宏邦(帝京大学) 谷口尚子(帝京大学,ミシガン大学) 2004年11月21日 日本社会学会 熊本大学
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アウトライン 職場のフリーライダーと転職 質問紙調査 全国,男性,常勤,雇用ホワイトカラー 転職経験,転職希望について
フリーライダーと協力者を比較
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問題 転職へのフリーライディングの影響??? 「フリーライダー」=組織貢献が不十分 「協力者」 =組織貢献が十分
「協力者」 =組織貢献が十分 仕事が「モニター困難」で「境界が曖昧」 ホワイトカラー労働者に顕著
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これまで 日本的経営では,相互協調・相互監視 その結果,フリーライダーは想定外 しかし,「ぶら下がり」「2・6・2」 「2・8」
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先行研究 職場のフリーライダーの実証研究(’92-) ただし,「転職」変数なし 高橋伸夫 『日本企業の意思決定原理』
モチベーションが高い→定着 協力者→定着??? この予測に挑戦 協力者 フリーライダー
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協力者は,より転職する H1 H2 協力者は,転職希望が強い 仮説 自営なら,フリーライダーを「排除」可能
しかし,雇用労働者は「退出」で対処 H1 協力者は,より転職する H2 協力者は,転職希望が強い
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問題 データと変数 結果
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転職に関する意識調査 2004年3月 自計式,質問紙,74問,5点尺度 30-40代,男性 常勤,雇用,ホワイトカラー労働者 全国,全産業
N=810(回収率51%)
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サンプリング 調査専門会社,インターネット上 モニターのうち,条件を満たす48,850人 →1,600人をランダムサンプリング
→最初に答えた815人→810人 謝礼として250円 平均38.9歳,大卒67.3%,既婚70.9% 年収メディアン=5-700万,管理職27.4% 大企業32.3%
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職業 この調査 就業構造基本調査02 専門 管理 事務 販売 サービス その他 26.0 23.4 27.4 10.0 18.4 27.2
12.5 28.0 サービス 9.1 その他 15.4 2.4
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産業 (就業構造基本調査02) 農林水産鉱 .1 .3 建設 7.5 6.0 製造 28.1 14.4 運輸・通信 9.8 卸・小売・飲食
8.0 27.6 金融・保険 5.2 4.4 不動産 1.9 2.3 サービス 19.9 15.0 公務員 11.2 5.8 その他 10.5 14.5 (就業構造基本調査02)
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ウェブページで公開
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従属変数 転職経験:2値(経験あり=1,なし=0) 転職希望:「機会があれば転職したい」 5値(そう思う=5,そう思わない=1) 回帰分析
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独立変数 5点尺度の平均値 協力性 (α=.42) 給料をもらいすぎている(逆転) 後輩の面倒をよく見る 同僚が熱心なら,手を抜く(逆転)
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統制変数1 モチベーション (α=.68) コミットメント (α=.66) 仕事を常に改善 自分は他の組織でも通用 長期的展望で仕事
組織に高い忠誠心 同僚に強い連帯感
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統制変数2 年齢,大卒以上,年収,既婚,管理職 組織規模,職業,産業 職場満足,心理傾向
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問題 データと変数 結果
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転職経験,転職希望 N=810 (就業構造基本調査02)48.4%,12.0% 61.5% 41.1%
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転職者の年収変化,職場満足 (連合調査99)やや減少,3.13点 平均17.16万円 標準偏差174万円 3.16点 1.14点
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仮説 H1 協力者はより転職する H2 協力者は転職希望が強い
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†p<.10, *p<.05, **p<.01, ***p<.001
y = 転職経験 二項ロジスティック回帰分析 (N=810) †p<.10, *p<.05, **p<.01, ***p<.001 大卒以上ダミー -.666*** 過去年収(-.3K, .5, .7, 1, 1.5, 1.5-) -.340*** 協力性 .569*** モチベーション .719*** コミットメント -.185† 過去の職場満足(能力・実績への評価) .406*** 過去の職場満足(給与・賞与) .164* 過去の職場満足(会社の業績・将来性) -.505*** 過去の職場満足(上司との関係) -.275** 過去の職場満足(通勤時間) -.146* Cox/Snell R2,判別率 .188, 69.9%
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y = 転職希望 回帰分析 (N=810),非標準化係数 転職経験ダミー .147† 勤続年数 -.024*** 協力性
-.039 (p=.475) モチベーション .309*** コミットメント -.215*** 現在の職場満足(会社の業績・将来性) -.091** 現在の職場満足(研修機会) -.127*** 現在の職場満足(昇進の見込み) -.140*** 心理傾向(「目には目を」には一理) .114** 心理傾向(面倒なことも進んでやる) .105** 心理傾向(個人利益より集団利益を重視) -.072* R2 .312
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検証の結果 H1 協力者は転職する 支持(有意) H2 協力者は転職希望が強い 支持されず, 否定もされず
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結論 協力的な労働者ほど,転職する フリーライダーは,組織内でぶら下がる 属性,心理傾向はほぼ無関係 転職希望に,協力性の影響なし
高モチベーション,低コミットメントほど転職を希望
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議論 流動化で,退出者とぶら下がりに分化? パネル調査で因果関係? インターネット調査の代表性?
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年収の上昇 協力性のメディアンで分割 転職経験者 定着者(5年前と比較) 年収の上昇 N 協力者 28.9万円 189 フリーライダー
.4万円 132 > 協力者 28.4万円 196 フリーライダー 27.3万円 262 >
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現在の職場の満足度 † 転職経験者 定着者(5年前と比較) 満足 (5点尺度) N 協力者 3.21 194 フリーライダー 3.15
139 > 協力者 2.97 204 フリーライダー 2.78 273 > †
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