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証券市場論 securities markets 後期9回目

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Presentation on theme: "証券市場論 securities markets 後期9回目"— Presentation transcript:

1 証券市場論 securities markets 後期9回目
金融の自由化 高利回り債券1)低格付け債 2)劣後債 など 低利回り債券 1)外貨建てCBのゼロクーポン 2)国債におけるマイナス金利  ライフサイクル 企業の再建 証券化(階層化) PFI インフラファンド SWF 株式絡み債券 CB 下方修正条項 増資インサイダーと引受業務 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

2 補足 金融の自由化について financial Liberalization
第二次大戦後の日本の金融制度の特徴 市場の分断(Segmentation)直接金融と間接金融 長期金融と短期金融の分離 護送船団行政Convoy System 規制金利   → 国債の大量発行 1975 金融の自由化で崩れる 金利規制の緩和 1979     預金金利の自由化 1994  財政投融資制度(FILP Financial Investment Loan Program) 高度成長期(high growth period)の金融を政府系金融機関(旧開銀 旧輸出入銀行 中小企業金 融公庫 住宅金融公庫など)からの融資を通じて支える。→ 財投改革 2001 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

3 注目される高利回り債券 低格付け債券 劣後債 ハイブリッド債 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

4 ハイブリッド債 償還まで60年 劣後債 高格付けのわりに高金利 メリット ROEは改善 負債上昇 格付けは改善 資本上昇 希薄化回避
     格付けは改善 資本上昇      希薄化回避  Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

5 ゼロクーポン 外貨建て転換社債で生じてい る。 もともと転換社債は転換権が甘味剤となり低 クーポン なお国債ではマイナス金利が生じている。
反対に低利回り債券 ゼロクーポン 外貨建て転換社債で生じてい る。 もともと転換社債は転換権が甘味剤となり低 クーポン なお国債ではマイナス金利が生じている。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

6 Zero coupon convertible BONDS
意外だったが転換社債のゼロクーポン化はアメリカで先例があった。しか も昔からある(emerged as a popular instrument many years ago).別の名前を liquid yield option note or LYON Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

7 Zero coupon bonds 利付きでなく割引(償還価格に比べ発行価格が低い)方式で発行される 「割引債」のこと
日本では外貨建て転換社債でゼロクーポンのものが発行されているが、 これは日本が低金利でクーポンがもともと低かったという特殊な条件の もとで生じた現象。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

8 外貨建て債 といったときは外貨建てで出される本邦の企業などの債券を意味している
サムライ債 円建て外債 円建て債券 発行者は外国の企業 政府 国際機関など 外貨建て債 外貨建て債 といったときは外貨建てで出される本邦の企業などの債券を意味している 外貨債 外貨債といったときは海外の発行者が外貨で出している債券を意味している 二重通貨建て債 デュアルカレンシー債 利払いを外貨 償還を円 利払いを円 償還を外貨 など  Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

9 転換社債 CB 転換社債 社債として発行 株式への転換権が甘味剤となって低い利回りで発行できる。その後、株価が転換価格より上がると転換が進み、株式に置き換われば償還の必要もなくなる。 発行方式は公募 第3者割当など。 公募増資の代替として、CBを第3者あるいは私募で引き受けてゆっくり転換する手法もある。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

10 転換社債 CB 転換社債型新株予約権付き社債 convertible bonds CB straight bonds SB と対比してSBそしてCBと書かれる。 CBは公募増資できない企業がエクイティファイナンスをする手段ともいえる 株式と債券の両面の性格を持つが近年のハイブリッドファイナンスとは区別される。 債券と比べて株価の値上がり局面で価格があがり、株式と比べて株式の値下がり局面で値下がりしにくい。などの特徴がある。 株式との違いは、潜在的希薄化。株式の場合は発行と同時に希薄化。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

11 おおきな違い:HYBにはならない。むしろ低 利回りに特徴がある。
転換社債 おおきな違い:HYBにはならない。むしろ低 利回りに特徴がある。 というのも株式への転換権が甘味財となって、 低利になることがこの商品の特性だから。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

12 転換社債の理論価格 転換社債の理論価格 理論価格parity=100×(時価/転換価格)
債券の価格は償還価格100円という形で表記され る。 転換社債は   普通社債+コールオプション とも理解できる ヘッジファンドは転換社債を購入して、CBを普通 社債とコールオプション部分(新株予約権)に分解 して、裁定取引で、高収益を確保。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

13 転換社債で調達した資金を自社株買いにまわす もの。 自己資本を圧縮、自己資本利益率向上
リキャップCB 転換社債で調達した資金を自社株買いにまわす もの。 自己資本を圧縮、自己資本利益率向上 他方で転換社債自身は株に代わってゆ く。・・・ということは Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

14 あやしい私募 第三者 発行会社の支配権がすでに第三者の場合も 証券会社が関与(結託)するケースもある 問題は引き受ける時の価格
その価格の操作可能性 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

15 転換社債 株価低迷への対策 転換価格 下方修正条項付き 転換価格を見直すもの。その頻度や時期が問題。
転換価格 下方修正条項付き 転換価格を見直すもの。その頻度や時期が問題。 繰り上げ償還条項付き 投資家が繰り上げ償還を請求できるもの 転換社債は転換が次第に進んで、償還時に株式に転換が終わっていること(償還の必要がないこと)を想定している。 ところが株価の低迷で、償還の必要が出てくると企業は、想定外の資金調達に苦しむことになった。他方、投資家としても長期間、低利の債券に資金を寝かせることになる。そこででてきたのが下方修正条項。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

16 下方修正条項の悪用 下方修正条項 当初予想以上の普通株に転換可能 CB引き受ける ↓ 株価操作 株価引下げ 下方修正 大量取得
下方修正条項 当初予想以上の普通株に転換可能 CB引き受ける    ↓ 株価操作 株価引下げ  下方修正 大量取得 低い値段で普通株を大量取得      → その後 値を上げて儲ける      → 該当企業を支配する Or 割安なcall optionの取得      → その後 プレミアムの上昇で儲ける      → 空売りの返済にあてる  Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

17 転換社債 私募での不正 株式が第三者割り当てで発行される場合。その価格は時価で行う必要が あり、衆人環視のもとで時価は決定されるので一応の歯止めがある。 しかし転換社債が私募で発行される時間をかけて、不正が仕組まれる と、市場のチェックはかかりにくくなる。海外のファンドなどが取得す るケースも多い。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

18 極端にはゼロクーポンを出せる。借入資金の返 済。返済資金の不要化というマジックも可能。
転換社債による低利資金調達 極端にはゼロクーポンを出せる。借入資金の返 済。返済資金の不要化というマジックも可能。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

19 転換社債の転換価格を5000円で設定したとする と、転換社債転換後の株数は800万株。 負債 400億増加 株数200万株減少 EPS上昇
リキャップの設例 現在の株価は4000円 転換社債で400億円調達。 400億円で株を買うと1000万株 転換社債の転換価格を5000円で設定したとする と、転換社債転換後の株数は800万株。 負債 400億増加 株数200万株減少 EPS上昇 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

20 海外私募CB 実態不明のファンドによる取得多い
海外私募CB  実態不明のファンドによる取得多い 実態不明のファンドが取得することが多い。 転換価格が低く(前日終値と同額など) 下方修正条項 前日の9割などで設定された    → 必ず1割儲かる 国内ファンドが金融庁の届け出や監督の対象になるの に海外のファンドは規制の対象外。国内で資金集める ものであっても籍がタックスヘイブンにあるファンド も規制をかけにくい。反社会的勢力のお金がこうした ファンドに流れているという指摘もある。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

21 ワラント債 warrants 新株予約権(ワラント)が付いた社債
転換社債型とは違い、予約権を行使について社債部分を払い込むことは できない。したがって、予約権を行使しても社債部分は残る。予約権と 社債部分とは分離できるということでもある。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

22 他社株転換可能債 EB exchangeable bonds EB
発行条件:償還時に株価が一定価格未満なら株式で償還。そのリスクの見返りに高い利回り設定。 利回り:価格変動が大きな株式と連動する債券ほど利回りを高く設定。 リスクを考慮して、売買単位は100万円以上。1口1000万以上の場合も。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

23 covered warrants e-warrants
楽天証券 SBI証券などネット証券で取り扱い。 商品 株式 為替などの売買する権利(option)を証券化した商品。権利売買であるため少額取引できる。 問題は値動き激しい元本がしばしば失われること。たとえばコール型なら原資産の価格が権利行使価格より下がれば元本はゼロになる。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

24 リターン追求の果てに レバレッジドローン:信用度の低い企業向け融資が増加 低格付け債投資も活況に ハイリターンの追求の活発化
  高レバレッジ 高リスク   投資の短期化   キャリートレード Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

25 注目されるhigh yield bonds 低格付け社債 投資適格のBBBより下 信用力の低い社債 劣後債
 劣後債 不動産系債券  など非伝統的投資領域(不動産 商品 非公開株 ヘッジファンド) メザニン債 証券化などのスキームで登場 エクイティ そして デット。デットをシニア メザニン に分解。ハイブリッドボンドとも 途上国の国債 アメリカのHYBは市場が大きく人気がある  Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

26 S&P 平均累積デフォルト確率 世界全体 1981—2005 %
S&P 平均累積デフォルト確率 世界全体 1981—2005 % 1年後 2年後 3年後 4年後 AAA 0.00 0.03 0.10 0.44 AA 0.01 0.09 0.29 0.81 0.04 0.23 0.59 1.83 BBB 0.27 1.32 2.83 5.82 BB 1.12 5.96 10.65 18.29 5.38 17.14 24.16 32.38 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

27 デフォルトの定義 債務不履行行為より デフォルトdefaultの定義は広い 利払い停止など債務不履行 だけでなく
利払い停止など債務不履行 だけでなく 会社更生法 民事再生法の適用申請などの法的な破たん 債務放棄や債務株式化などの債務リストラの実施 などを含む 持ち手によって変わる選択的債務不履行SD も入れる  2012年2月27日のギリシャの場合 各国中央銀行保有分に対しては利払い償還 を続ける選択的不履行Selective Defaultだった。国債ではSDが一般的。償還期間 が長く価値が低い国債との交換を求める場合は制限的デフォルトRestrictive Defaultと呼ばれる。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

28 債券と株式の中間領域の拡大 Hybrid or Mezzanine Financing 劣後債 転換社債 など
  転換社債 など  法的性格は債務 だが資本性が認められるものが多い    優先株  法的性格は株式 だが債務性がある  Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

29 Life Stage of Company Start-up Expansion High Growth Mature Decline
External High: Owners: Bank debt High: VC Common Stock IPO Moderate: Convertible: Add equity Decline: Debt Low: Retire Debt Stock Buybacks Business Risk high Financial Risk low Medium Risk Dividend High Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

30 Mezzanine financing 長所 短所 一時的財務の悪化の救済、自己資本の補充に役立つ バランスシートの改善に役立ち信用力を補完
株式を希薄化することなく自己資本力を強化 利払いとしての節税効果はあり 伝統的手段に比べて割高 純粋な自己資本に比べて自己資本としては限界 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

31 自己資本強化目的で 優先株式の発行 劣後債、劣後ローンの発行 公的資金(政府)による救済(公的資金による救済) 銀行の自己資本強化などでも
HBF(MF)が使われた Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

32 DES,DDS Debt equity swap Debt debt swapなどが典型だが 自己 資本の強化に優先株式あるいは劣後債を使う
直接 普通株式を発行しないのは普通株を発行するこ とで普通株の希薄化つまり権利が薄まる現象を避ける ことや、投資家が普通株のリスクを好まないなどの理 由からである。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

33 証券化と メザニンファイナンス PFI これらの方式で出てくる債券
証券化と メザニンファイナンス PFI  これらの方式で出てくる債券 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

34 証券化方式 特定の資産からのキャッシュフローに担保を限定。 投資家にはリスクを階層化して提供。優先―劣後方式。 事業の証券化 不動産の証券化
PFI private finance initiativeも応用事例と考えられる。公共事業での民間活用。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

35 証券化securitization 投資先の選別 分散投資 信用補完credit enhancement 内部internal補完
投資先の選別 分散投資 信用補完credit enhancement 内部internal補完  超過担保over  collateralization      spread account  優先劣後構造 階層化     senior subordinated structure tranche 外部external補完  保証 保険 など Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

36 優先劣後構造 階層化 senior subordinated structure tranche ここでメザニンが登場 債券の構造の階層化 Debt/Mezzanine/Equity
Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

37 Mezzanine finance 階層化によって seniorより劣後する部分 こうした部分への投資の問題 をmezzanine financeという。 Senior debtとEquityとの間を問題にしている点でhybrid financeと重なる面 がある。しかしHybrid financeではequityとdebtの性格が重なったもの 混 交したものを問題にしており、hybrid financeに入るものはかなり限定され る。両者の積集合(intersection, cap)の部分をかなりの限定をつけて問 題にしている。 mezzanineとhybridとは区別できるのでは。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

38 参考 証券化:現在は縮小したままにみえる問題
参考 証券化:現在は縮小したままにみえる問題 歴史の浅さhistorical dataの蓄積が不十分 もともとデータは将来のことを語らない。 資産間でデフォルトの連鎖 流動性の喪失があること が十分想定されていなかった。 証券化を仕組む側と格付けする側との間で十分な牽制 が働かなかった。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

39 商業用不動産ローンの証券化(CMLO) 商業用不動産ローン(ビル 倉庫 商業用施設などを担保とするローン 優良不動産を選別) ↓ 購入(多数購入で分散投資効果) 証券化のための会社 ↓ 証券化組成して販売 機関投資家 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

40 証券化:進んだ理由 現在進まない理由 資産売却タイプの証券化が進んだときは 取得資金で新規出店(融資以外の資金の確保)
証券化:進んだ理由     現在進まない理由 資産売却タイプの証券化が進んだときは   取得資金で新規出店(融資以外の資金の確保) 現在が同タイプの証券化が進まない理由    賃料(あるいはリース料)負担が負担になる   柔軟な改装投資ができない   購入資金の手当ては低利で可能 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

41 投資としての不動産ファンド 銀行・証券会社など ↓ 出資 運用・専門の会社 ↓ ファンド 年金など投資家から資金 外部から借入
   ↓ 出資 運用・専門の会社    ↓ ファンド 年金など投資家から資金 外部から借入 リスクを抑えるため借入は抑制する傾向 都心のオフィスビルなどに投資 国内ファンドの多くは1000億円未満(09) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

42 背景としての PFI インフラファンド SWF
Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

43 PFI 公共施設(空港 港湾 上下水道)の建設・運営に民間の資本・ノ ウハウをいかすことで プロジェクトファイナンス プロジェクトボンド
公共施設(空港 港湾 上下水道)の建設・運営に民間の資本・ノ ウハウをいかすことで プロジェクトファイナンス プロジェクトボンド 財政負担軽減しつつサービスも改善 事業運営権の売却(コンセッション)は収入になる ノウハウを持つのは大企業 中小企業排除の側面から施設新設のP FIは嫌われ コンセッション(2011年に制度化)が人気 債権保 全のための運営権への抵当権設定認める 委託には自治体側の事務能力にも関係(保有資産 実績の作成 長 期試算の作成 また制度的に独立採算でないと委託しにくい)効果 に不透明さ Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

44 インフラ投資の大波 欧州はじめ先進国国内 老朽インフラ更新 道路港湾上下水道(放置す ると 陥没 老朽管の破裂)
欧州はじめ先進国国内 老朽インフラ更新 道路港湾上下水道(放置す ると 陥没 老朽管の破裂) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

45 インフラファンド 2015年に東証に市場を設ける 40年程度 非解約期間が10年程度と長い 換 金性に乏しい反面安定した利回り 2010年の非上場インフラファンドの規模 は273億ドル 政府系ファンド(中国投資公司CICやテマセク)の投資先として注目 インフラ投資ファンド 長期投資・長期保有 中国のアジアインフラ銀行 後発国 高速鉄道 高速道路 鉄道インフラ(車両のほか 信号 電気設備 など安全技術 設備保守 運行管理ノウハウなど)原子力発電 地下鉄 病 院など生活インフラ 日本向け マッコーリ ゴルドマンサックス フォートレスインベストメン トGなどが2013年に組成 まず太陽光発電 今後は物流施設 空港・道路な どへ(従来は商業用不動産) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

46 政府系ファンドSWFの登場と 拡大 5-10年の長期投資が多い インフラ 不動産 PE(未公開株式)などに運用対象拡大
インフラ 不動産 PE(未公開株式)などに運用対象拡大 ヘッジファンドのように過度の運用リスクはとらない。ノル ウェー政府年金基金 世界最大級 87兆円 資産の6割超を世界 の株式で運用(兵器 たばこの除外 環境への配慮)毎年末開示 シンガポールのGIC テマセク アブダビ投資庁 サウジアラビア通貨庁 中国投資公司の設立 2007年9月 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

47 SWF 2012年9月末 億ドル 資料 米ソブリンウェルスファンド研究所
SWF 2012年9月末 億ドル 資料 米ソブリンウェルスファンド研究所 運用残高 ノルウェイ 政府年金基金 6562億ドル アラブ首長国連邦 アブダビ投資庁 6270 中国 中国国家外貨管理局 5679 サウジアラビア サイジアラビア通貨庁 5328 中国投資 4820 クエート クエート投資庁 2920 香港 香港通貨庁 2933 シンガポール シンガポール政府公社 2475 テマセクHD 1575 ロシア 国富ファンド 1497 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

48 架空増資 金融ブローカーが投資ファンドを相手に第三者割当増資を実施させる  名目18億円。しかし増資直前ニファンド側は資金不足を主張。実際の払 い込みは3億円 15億円は元社長の自己資金の還流。 増資直前の株価11円。増資発表で株価は15円に上昇。 投資ファンドは1億5000万株の新株を入手。ファンド側はこれを市場で売 却したとみられる。 売却益は暴力団に流れたと見られている。 ・・・・・・・井上工業架空増資事件。井上工業は東証2部上場の老舗建 設会社。この事件(2008年9月24日第三者割当増資を発表 同日付けで資 本金を変更登記)直後 2008年10月破産申請 上場廃止。  Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

49 優先株 普通株への強制転換条項 転換社債型優先株 下方修条項付き
  下方修条項付き ここでも株価を下げることが儲けることにつながる したがってここで も問題がある。 優先株や転換社債における下方修正条項は、株価を下げることを利益と する人々の強欲につながったのではないか。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

50 エクイテイファイナンス をめぐるさまざまな闇
増資 転換社債 ワラント債 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

51 株式 増資で株価が増えた株式数以上に下がるのはなぜか
第三者割当(既存株式の25%以上の新株発行は株主総会決議or第三者の適性意見つけること  2009東証)    第三者割当を受ける    第三者割当増資で財務内容改善との情報流す        ↓    虚偽情報もとに株価を上げて利益を出す    (払い込んだ資金は流出させる) 公募増資     新株を大量に引き受ける    空売りを組み合わせて短期で手放し株価下落で利益    を出す    Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

52 増資インサイダー事件(1) 証券界はきれいな世界ではない
増資にからむ空売り インサイダー取引はかねて指摘されていた。2012年3月 以降、課徴金処分の勧告が証券取引等監視委員会により出され始めた。 空売りで株価を引き下げる(自分自身か顧客か いずれにせよ空売りそのも のは合法) 増資を引き受ける約束をする(自分自身か顧客か 証券会社は誰が引き受け たか知っている) 空売りの結果 発行価格下がる 空売りしたものは安値で引き受けた新株を 空売りした株の返済にあてる。 2011年12月 金融庁は事前に空売りした投資家に新株の配分を禁止し た。また 増資の公表日から一定期間 増資で引き受ける新株を絡めた空売 りを禁止した。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

53 増資インサイダー(2) 証券取引等監視委員会では2012年3月以降 相次いで課徴金処分を勧告し た。これは2010年の国際石油開発 みずほFG 東京電力 日本板硝子 の増資にからんで行われた 増資前の空売りに関して 証券会社などか ら情報が漏れたとされた事件。 2012年6月29日に野村HDが、インサイダー取引への社員の関与を認めた ほか、大和G本社、SMBC日興証券もそれぞれ情報の漏えいを認め た。 なお、各社で役職員の処分がおこなわれた。この件では、米金融機関、 米ファンドにまで課徴金納付命令が金融庁からだされた。いよいよ本命 に切り込んだことが注目された。 たしかに米ファンドが空売りした。しかしそこに情報を流した証券会社 の倫理感のなさも、批判を受けて当然だ。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

54 増資インサイダー なにがいけないか? 証券会社は一方で増資を引き受けている。その立場は、高い価格で増資 を成立させることが目的のはず。
しかし増資は市場では供給要因なので値下がり要因。 悪い証券会社はこの増資情報を利用して、わざ情報を流しと値下がりで 儲ける。これは増資引き受け行為との間で矛盾した行為(利益相反とい います)。 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

55 引受underwrite 証券の発行時の証券会社の業務。 証券会社は引受手数料を求める。
総額引受(買取引受) 証券会社側は買取全額の資金必要で全額について引 受リスク 残額引受 証券会社側の資金負担は残額分にとどまり引受リスクも残額分に とどまる 引受リスクに対して資本規制を受ける 反面 業務は証券会社だけが行える 証券会社の業務:1)委託売買(ブローカー) 2)自己売買(デイラー)  3)引受(アンダーライター) 4)募集・売り出し(セリング) Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

56 証券会社の業務 1)委託売買 顧客の注文を市場につなぐこと 仲介手数料が発生する
1)委託売買 顧客の注文を市場につなぐこと 仲介手数料が発生する 2)自己売買 自身の勘定で市場で売買すること 売買の損益を受ける 3)引受 売れ残りが生ずる 引受手数料を取得する 引き受けた値段 より下がるなどのリスクがあるが他面で利得が発生する可能性もある。 4)募集・売り出し 募集とは新規証券の依頼による売却 売り出しと は依頼による既発行証券の売却 それぞれ手数料を取得する 信用取引では売買手数料に加えて利息 FX取引では売買手数料が発生 する このほかM&Aに伴う手数料など  Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

57 ライツイッシュー コミットメント型 株主が権利行使をしないとき証券会社が権利と買い 取るもの 証券会社には売れ残りリスク 残額引受に類似
コミットメント型 株主が権利行使をしないとき証券会社が権利と買い 取るもの 証券会社には売れ残りリスク 残額引受に類似 コミットメントフィーの取得 2011年の金融証券取引法改正で残額引受と同等の行為(証券会社の行 為)であることが明確になった(資本規制の反面 行為について他業態 の排除)。 ノンコミットメント型 証券会社が買い取らないもの 人気がなさそう な中小会社では起こりがち Copyright: Hiroshi FUKUMITSU


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