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人類を変えた望遠鏡
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望遠鏡は世界を変えた 肉眼でしか「宇宙」を見る ことができなかった時代、 それは神が支配する時代だった。
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「宇宙」は神の鎮座する神聖な場所であり、天体の形も
完全無欠な「球」であり、その軌道も完全な「円」でなければならなかった。それらは神の完全性からくる性質だった。
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ところが、初めて「宇宙」に向けられた望遠鏡が映し出したものは、完全完璧な「球」 ではなく、地上と同じ穴ぼこだらけの月面だった。これが、世界が一変した瞬間だったのだ。
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1608年 望遠鏡の発明 約400年前、オランダの眼鏡屋ハンス・リッペルスハイはたまたま二枚のレンズを組み合わせると遠くにあるものが近くに引き寄せられて見えることに気付き「ガリレオ式」と呼ばれる望遠鏡を発明しました。 Hans Lippershey ( ) ハンス・リッペルスハイ 眼鏡職人 オランダ人 望遠鏡を発明した一人
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1609年 ガリレオ・ガリレイ 望遠鏡を宇宙に向ける
1609年 ガリレオ・ガリレイ 望遠鏡を宇宙に向ける ガリレオ・ガリレイは、1609年に倍率3倍の望遠鏡を作りその筒先を宇宙に向けました。 ガリレオはその望遠鏡で月のクレーター、木星をまわる4つの星を発見し、太陽系の縮図というものをを見いだしました。 人間の宇宙観を地球中心の天動説から地動説へと大転換する原動力となったのは、こうした初期の望遠鏡による星の観測だったのです。 Galileo Galilei ( ) ガリレオ・ガリレイ 職業天文学者 イタリア人 彼の発見した木星の 衛星は4つまとめて 「ガリレオ衛星」と 呼ばれている。
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ガリレオによる月面のスケッチ ガリレオが発見した木星の4大衛星の動き。彼自身のスケッチ。 土星には、耳を発見した。 その頃の性能の悪い望遠鏡では、輪を認識する事が困難であった。 また、金星の満ち欠けのスケッチも残している。
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1611年 現在の屈折式望遠鏡の直系祖先の誕生 1611年ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーは、現在の屈折式望遠鏡の直系祖先となる「ケプラー式望遠鏡」を発明します。 ガリレオ式に比べて天体の観測に向いた特性により、以後の主流はこのケプラー式となります。 このころ望遠鏡は対物レンズがホイヘンスにより20cmのものも作られるようになりましたが、色ずれを抑えるため焦点距離も長くなり60mにもなりました。 ホイヘンス、カッシーニ ヘベリウス等の天文学者 によって作られた。 長大な空気望遠鏡。
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Christiaan Huygens(1629 - 1695)
オランダの天文学者であるホイヘンスは、2枚の平凸レンズを配したハイゲンス式接眼レンズを1703年に発明し、長大な空気望遠鏡で土星の衛星「タイタン」を発見したり、火星の黒い模様や極冠と呼ばれる白い模様を発見した。 肖像画の下のスケッチは、彼が残した人類史上初の「火星」のスケッチ。これは、入門用小型望遠鏡でも見える「大シュルチス」と呼ばれる模様である。
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万有引力の発見者であるイギリスのニュートンは1670年頃に現在の反射式望遠鏡の直系子孫であるニュートン式の反射望遠鏡を発明します。
ニュートン式反射望遠鏡 万有引力の発見者であるイギリスのニュートンは1670年頃に現在の反射式望遠鏡の直系子孫であるニュートン式の反射望遠鏡を発明します。 ニュートンの発明したこの反射望遠鏡は、口径15cmでしたが焦点距離は1.5m程で、筒の長さはせいぜい1m強だったと思われます。 こうして反射望遠鏡の出現により、20cmほどの口径で止まっていた望遠鏡の口径は一気に大口径化していきます。
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1730年頃 屈折望遠鏡の技術革新 チェスター・ムーア・ホールは、本業は法廷弁護士、光学は趣味だったそうです。彼のアクロマートレンズの発明により焦点距離を短くしても色収差が少なく口径比が15から30程度で十分にシャープな像が得られるようになったことから、次々と口径の大きな屈折望遠鏡が作られるようになりました。 フランフォエール9.5インチ屈折 赤道儀
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1700年代後半から 望遠鏡が巨大化 1789年にはイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルにより対物鏡の直径が122cmもある反射望遠鏡が作られ、ハーシェルはこの望遠鏡で天王星を発見しました。1845年にはイギリスのロスにより口径184cmの大反射望遠鏡が作られます。対する屈折望遠鏡も、巨大化の一途を辿ります。1897年には、アメリカのヤーキース天文台に対物レンズの口径が1mもある巨大な屈折式望遠鏡が誕生するまでになります。
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技術的な行き詰まり 反射望遠鏡は、先に述べたように1845年には直径184cmにも達しましたが、反射鏡は大変な重さとなり、また反射率は20%程度で、せっかく大きな反射鏡を作っても大変非効率的であったと思われます。 また屈折望遠鏡もヤーキース天文台の1mを最後にそれより巨大なものは今に至るまで作られていません。
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反射望遠鏡の技術的ブレークスルー 1850年~1860年頃に反射鏡は金属鏡からガラスの表面に銀メッキを施したガラス鏡の時代を迎えます。同じ口径でもより軽量な大口径の反射鏡を作成できるようになり、1918年にウィルソン山の254cmが作られるまでに巨大化しました。 1908年 ウイルソン山154cm望遠鏡 1917年 ウイルソン山 口径254 cm望遠鏡 1897年 ヤーキース天文台 101 cm屈折式望遠鏡
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1948年 パロマ山口径508cm望遠鏡 米国で1948年にパロマー山に主鏡の直径が5mもある反射式望遠鏡が作られるまでになります。その後1978年に旧ソ連で主鏡が6mの望遠鏡が作られるまで(失敗作と言われています)、30年もの長きに渡り米国パロマー山の5mの反射式望遠鏡は世界最大の望遠鏡として君臨しました。パロマー山天文台の口径5mの反射望遠鏡は、建設以来約60年が経過しましたが、新型の観測装置が取り付けられて今でも天文学の研究の第一線で活躍する大望遠鏡の一つとなっています。
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赤道儀から経緯台へ、マルチミラー化、能動支持による超薄型高精度ミラーの登場
パロマー天文台に設置された5mの望遠鏡を追い抜くべく計画されて1978年にソ連で建設された6mの望遠鏡は、望遠鏡を支える架台に経緯台を採用しました。それまでの天文台の望遠鏡はすべて赤道儀でしたが、回転軸の一つを地球の地軸と平行にしなければならず構造的に不安定でした。1948年にパロマ山の口径5mの望遠鏡が作られて以来30年間それを超える大きさの望遠鏡が作られることはありませんでした。 経緯台は構造的に巨大な望遠鏡を支えるには好都合でしたが、観測する天体を正確に追い続けるための両軸のモーター制御は、高性能な電算機なしでは非常に難しく、写真を撮影する場合もそのままでは視野が回転してしまうため、カメラ装置側をそれに合わせて回転させる必要がありました。せっかく作られたソ連の6mの巨大望遠鏡ですが、電算機のトラブルや鏡面の支持方法などに問題があったらしく失敗作と言われています。 その望遠鏡を超える世界最大の望遠鏡が完成するまで更に20年の歳月が必要でした。1998年12月24日、日本の国立天文台が建設した8.2mの巨大な反射望遠鏡「愛称:すばる望遠鏡」がファーストライト(初めて天体の光を望遠鏡に入れること)を迎えたのです。構想に20年近く、計画が正式にスタートをしてから9年の歳月と総予算400億円(自衛隊が200機導入したF15戦闘機の、一機110億円に比べれば安いものです)を投じて建設したすばる望遠鏡は、様々な新技術の開発と最新のテクノロジーを導入し世界一の巨大望遠鏡として君臨、めざましい成果を上げています。(左側囲み記事参照)。 シングルミラー(一枚鏡)の望遠鏡はこの大きさが限界と言われており、マルチミラーテレスコープ(左側囲み記事参照)と呼ばれる望遠鏡や、ヨーロッパ南天文台のVLTnoの様に、8.1mの望遠鏡を4台建設し干渉計とすることで更に大きな望遠鏡と同等の能力を得る天文台が建設されています。また計画中の巨大な望遠鏡は、口径100メートルのものも有りますが、口径が2倍になると建設費が6倍になってしまうので、こうなると一国のみでは建設が無理になってきます。今後の巨大望遠鏡の建設、ひいては天文学の発展には、国際的な強力が欠かせないと言えます。
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なぜ望遠鏡は、どんどん大きくなってきたのでしょうか。
天体望遠鏡は400年前に発明され、その大きさはどんどん大きくなってきました。最初は肉眼での観測でしたが、写真術によりフィルムを利用した写真観測が1800年代後半には主流になり、ずーっとフィルムが観測に使われて来ました。ここ20年は、フィルムに感光させる方法よりも数十倍も感度の高いCCDの開発が進み天体観測はCCD全盛の時代を迎えています。 なぜ大きな望遠鏡が必要なのでしょうか。大きな口径の望遠鏡で有るほど、より暗い天体を観測出来るわけですがそれが意味するところは、地球からより遠い距離にある天体を観測できると言うことなのです。より遠い距離にある天体を観測出来るという事は、今現在より過去の宇宙を観測する事に他なりません。地球の属する我々の銀河系から一番近い銀河は、210万光年の距離があります。光が届くのに210万年もかかる訳です。今、日本が世界に誇るすばる望遠鏡は、120億光年も離れた銀河の観測ができるまでになっています。これは宇宙の120億年前の姿です。そうです!望遠鏡とは、一種のタイムマシンの様な物なのです。そして望遠鏡で観測した120億年前の宇宙と、今の宇宙を比べる事により、我々の宇宙がどのようにして産まれ、われわれの宇宙がこれからどうなって行くのかを探求するのが、天文学なのです。さらに遠くの宇宙(過去の宇宙)を詳しく調べる為に巨大な望遠鏡の建設が今も続けられている訳です。 また最近、巨大な望遠鏡では、他の恒星の周りを回る、我々の太陽系以外の太陽系捜しにも使われています。今はまだ、我々の太陽系の木星の様な巨大なガス惑星しか見つかっていませんが、恒星のまわりを回る惑星は、多くの恒星で見つかり始めていて、太陽の様に周りに惑星を従える恒星は、珍しくなくむしろ一般的で有ることが分かりつつあります。さらに大きい望遠鏡が建設され、分解能(より細かいところまで見る能力)があがれば、我々の太陽系の様に、木星軌道の内側にある小さな岩石惑星を直接観測できるようになり、スペクトル観測で酸素が存在する事が分かれば、大量の酸素の存在は光合成をしている植物が存在する事になりますから、生命の存在を直接的な証拠として捉える事ができるようになるかも知れません。
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ハッブル宇宙望遠鏡
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ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた宇宙の姿
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