大量free airにて 消化管穿孔を疑い緊急開腹術を施行 高気圧酸素療法が著効した 腸管嚢状気腫症の１例

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1 大量free airにて 消化管穿孔を疑い緊急開腹術を施行 高気圧酸素療法が著効した 腸管嚢状気腫症の１例
医療法人社団松弘会　三愛病院　 佐藤　政弥 聖母病院　外科　　松延　修一郎 医療法人社団松弘会　ﾄﾜｰﾑ小江戸病院 済陽　輝久

2 症 例 症 例；７２歳男性 既往歴；脳梗塞，狭心症，高血圧症，認知症
症　　例 症 例；７２歳男性　　　　　　　　　　　　　　　　　　 既往歴；脳梗塞，狭心症，高血圧症，認知症 現病歴；認知症にて前医長期入院中，１週間前から食欲　　　　　　低下あり，腹部膨満を認めた．痰が多く，誤嚥性　　　　　　肺炎の既往もあり，胸部ﾚﾝﾄｹﾞﾝ・CT検査を受け，　　　　　　腹部の異常なガス貯留認め，腹部CT検査施行．　　　　　　大量free airを認め，消化管穿孔が疑われ，精査　　　　　　加療目的に当院紹介．

3 転院時所見 Labo. data 腹部 Vital sign 膨満，圧痛， WBC；23130 CRP；0.47 GOT；22
血圧；112/72mmHg 脈拍；90/min 体温；34.0℃ SpO2；100% (33%O2 2ℓ) Labo. data WBC；23130 CRP；0.47 GOT；22 GPT；10 LDH；225 γGTP；10 BUN；21 Cr；1.43

4 術前腹部ﾚﾝﾄｹﾞﾝ Free air

5 術前腹部CT

6 術中所見（写真）

7 術中胃カメラ

8 治 療 手術加療 保存的治療 腸管壊死や消化管穿孔を伴う場合 本症例は術中に胃カメラを施行したが，消化管穿孔の所見はなく保存的治療とした
治　療 手術加療 腸管壊死や消化管穿孔を伴う場合 本症例は術中に胃カメラを施行したが，消化管穿孔の所見はなく保存的治療とした 保存的治療 高濃度酸素療法 高気圧酸素療法（５日間施行）

9 高気圧酸素療法後 術直後 1 POD 3 POD

10 術後CT 4 POD 術前

11 考 察 ① 病因 ； 機械説 細菌説 消化管穿孔，潰瘍，炎症性腸疾患，閉塞， 膠原病（ステロイドの影響） 縦隔洞説：COPD
考　察　① 病因 ； 機械説 消化管穿孔，潰瘍，炎症性腸疾患，閉塞， 膠原病（ステロイドの影響） 縦隔洞説：COPD 外傷，ｸﾘｯﾋﾟﾝｸﾞ 細菌説 新生物説 栄養化学説 化学説

12 考 察 ② 治療法 保存的治療 手術加療 高濃度酸素治療 高気圧酸素療法 が著効した！
考　察　② 治療法 保存的治療 高濃度酸素治療 高気圧酸素療法　が著効した！ 小腸ほぼ全長に渡る腫脹（漿膜下の気腫）と腸間膜の嚢状気腫が３日でほぼ消失した 手術加療

13 まとめ 大量のfree airにより消化管穿孔を疑い，緊急開腹術を施行した，腸管嚢状気腫症を経験した． 原因として，腸閉塞が考えられた．
高気圧酸素療法が著効した．