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主催者広告と個人広告について (財)日本セーリング連盟 レース委員会 2007.1.14
(財)日本セーリング連盟 レース委員会 2007.1.14 この資料は、ISAF広告規定により定められた個人広告と主催者広告について、選手向けに作成した資料です。 オリンピックをはじめとし、スポーツとマスメディアは密接な関係にあり、マスメディアに視覚的にアピールするためには、広告制度の適切な運用が必要となっています。 そのためには、まずセーラーが正しい知識を持つことが求められます。 特に大切な点は、広告規定は帆走指示書やレース公示で変更できない規則に該当することです。
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主催者広告と個人広告について 1. 470級の個人広告例 2. 広告規定は何処にあるの? 3. 広告の定義は? 4. 個人広告とは?
5. 掲示するスペースは? 6. 自分のクラスのカテゴリーは? 7. JSAFへの手続きは? 8. カテゴリーAの広告とは? 9. 装備が準備される場合の特別規定 10.制限されることは? 説明資料は、 1 470級の個人広告例をまず紹介します。 2 次に、広告規定はどこで見ることができるかを紹介します。 3 次に、ISAF広告規定で定義された 広告とは何かを説明します。 4 そして、個人広告とはどのような物を指すのか、また、制限等はあるのかを説明します。 5 次に、個人広告を掲示できるスペースはどこなのかを説明します。 6 また、広告規定とクラスルールについて説明します。 7 広告規定とJSAFへの手続きについて説明します。 8 次に、カテゴリーAの広告について説明します。 9 マッチレースやチームレースなど、装備が主催者側で準備される場合には特別規定があり、セール等へも広告が可能です。 10 まれなケースですが、広告に対する制限について説明します。
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1. 470級の個人広告例 この映像は、アテネでメダリストとなった関選手の協力により、広告規定の説明用に写真の使用を承諾してもらったものです。 艇体、メインセール、スピネーカーに広告が掲示されています。 また、艇体の前部には、主催者が要求した広告も掲示されています。 まずは、広告規定をどうやって手に入れたらよいかを次に説明します。
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JSAFホームページ 2. 広告規定は何処にあるの? ISAF広告規定 ルール委員会公示
皆さんが持っている現行のRRSには、広告規定は掲載されていません。(2000年まではRRSに掲示されていました。) これは、広告規定は頻繁に変更されることがあること、インターネットの普及から常時ISAFホームページで、タイムリーに情報を得られるようになったことに起因しています。 ISAF規定20が広告に関する規定ですが、日本ではJSAFホームページ上で、ルール委員会が参考和訳をアップしています。 URLは画面に示したとおりです。 ただし、常時変更の可能性があるためISAFのホームページに注意してください。 また、JSAFレース委員会でも参考資料を整理していますから、必要な方はレースマネージメント小委員会へ要求して下さい。
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3. 広告の定義は? この規定では,広告とは,団体,個人,製品, サービス,ブランド又はアイデアに対して,
ISAF広告規定 20.1 この規定では,広告とは,団体,個人,製品, サービス,ブランド又はアイデアに対して, 関心を誘ったり,個人や団体に購買,賛同, 支持を働きかけるような名称,ロゴ,標語, 記述,描写,それらの変化あるいは変形な ど,その他一切の伝達形態をいう。 先ず最初に、広告とは如何なるものを示すのか、ISAF広告規定を参照してください」。 スライドにあるように、商業的なものかスポンサー料等の金銭の結果かは一切関係ありません。 個人であれ、企業であれ、地域であれ、スローガンであれ、一切の伝達形態をいうと定義されています。 当然に、艇の所有者名や学校名等についても、広告規定では広告に該当することを理解してください。
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カテゴリ-Aに加えて,個々の艇が選定した広 告を,艇体,スパ-及びセ-ルには,付則G により識別のために確保されたスペ-ス,並
4. 個人広告とは何? ISAF広告規定 (b) カテゴリ-C カテゴリ-Aに加えて,個々の艇が選定した広 告を,艇体,スパ-及びセ-ルには,付則G により識別のために確保されたスペ-ス,並 びに20.3(b), 20.3(c)及び20.3(d)に基づくスペ -スを除き,制限なしに広告が許される。 では、先ず選手にとって興味深いカテゴリーCの個人広告について説明します。 カテゴリーCがクラスルール等で選択されたクラスでは、常時適用されるカテゴリーAの広告に加えて、追加で艇(艇のオーナー)が選定した広告を掲示することが、艇の権利として認められています。 そして、カテゴリーCの個人広告の掲示スペースは、ISAF広告規定とそれに基づくクラスルールで定められています。 付則Gではクラス記章、国籍記号、セールナンバーの範囲や大きさを規定しています。 20.3(b)と(c)では、セールメーカーのロゴやスパー等の製造メーカーのロゴを規定しています。 また、20.3(d)では、主催者広告を規定しています。
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5. 広告を掲示するスペースは? Free 主催者広告 6.5m以下の艇:75% のみ掲示 6.5mを超える艇:80%
この映像は、470級でカテゴリーCに基づく個人広告とカテゴリーAに基づく主催者広告の両方を掲示した関選手の艇です。 先に説明した広告規定20.3.1(b)に規定されているように、一般的に、個人広告は、艇体については前部25%以外の部分、メインやジブ、スピネーカーについては、付則Gで指定されたクラス記章や国籍記号及びセールナンバーを侵さない範囲には掲示可能です。 ただし、クラスによっては、クラスルールで個人広告の数や場所を制限している場合がありますから、クラスルールにも留意してください。 では、次に主要なクラスの広告規定について整理したものをご覧ください。
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6. 自分のクラスのカテゴリーは? Olympic Europe A Keel Boat 470 無制限 のC Fireball ※C
J24 49er F Dutchman C Melges Finn F Junior Soling Laser Laser Radial Doragon Star Laser 4.7 Multi Hull Tornado Laser Ⅱ Hobie 16 Yngling Mirror Hobie Tig. RS:X Moth Windsurfing Centreboard Boat OK Dinghy Formula Wind. 29er Optimist Mistral 420 Snipe 国内クラス 505 Tasar JSAFクラス 14Foot Topper ハンディキャップ 近年、多くのISAFクラスがカテゴリーC(個人広告)を選択しており、今後もカテゴリーCへのシフトが進むものと推測されます。 日本で馴染みの深いスナイプ級も、SCIRAは2003年に永年続いたカテゴリーAからカテゴリーCに変更することとし、ISAFの承認により決定しました。 このように、広告規定では国際クラス協会へ選択肢を委ねていますが、カテゴリーCと決定する場合には、ISAFの承認が必要となっています。 特に、オリンピック艇種に選定されたクラスは、無制限となっていることに注意してください。要するに、オリンピック艇種については、艇が選択した広告をクラス規則においても何ら制限できないということです。 時として、オリンピック艇種を含むにも関わらず広告をAに制限すると規定する不適切なレース公示を見受けますが、広告規定を無視した明らかな過ちです。 ※C は,制限つきのカテゴリーCを表す
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JSAFは個人広告制度を適用しないと決定
7. JSAFへの手続きは? JSAFは個人広告制度を適用しないと決定 【2004年7月理事会決定】 何らの手続きも不要で,承認料も必要ない カテゴリーCが選択されたクラスについては、各国協会(日本ではJSAF)に承認制度や承認料を徴収することの選択をISAF規定で認めています。 それを受け、JSAFは2004年の理事会で個人広告制度を適用しないことを議決しました。 よって現在では、カテゴリーCが選択されたクラスの艇は、何らJSAFへの手続きを必要とせず、自由に個人広告を規定の範囲に掲示することができます。 (MNAであるJSAFと各クラス協会の関係を考慮するときには、個人広告規定を適用しないと決定したことには、少なからず疑問がある方もいると考えます。)
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8. カテゴリーAの広告とは? クラス記章は,RRS付則Gに従いセールに表示 しなければならない。
ISAF広告規定 20.3(a) クラス記章は,RRS付則Gに従いセールに表示 しなければならない。 ISAF広告規定 20.3(b) 【セールメーカー名などの表示方法とその大きさ】 マークは,150×150mm以内 ISAF広告規定 20.3(c) 【建造者や設計者などの表示方法とその大きさ】 艇のマークは,150×150mm以内 次に、常時適用されるカテゴリーAの広告についての説明です。 まず、ここに掲げられている3項目については、カテゴリーに関係なく常時表示することが義務付けられたもの、一定の範囲で認められるものがあります。 最初に(a)がクラス記章ですが、大きさや色等はクラス規則で規定され、表示することは絶対要件(義務)となっています。 次に(b)がセールメーカーのマークやロゴで、一定の範囲で認められています。 最後に(c)が艇やマストなどの艤装品についてで、製造メーカーのマーク等は常時認められています。
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8. カテゴリーAの広告とは? 大会に参加する全艇の艇体の各舷前部には,バウ ・ナンバーを除いて,次の範囲に大会主催者が選
ISAF広告規定 20.3(d)(ⅰ) 艇 大会に参加する全艇の艇体の各舷前部には,バウ ・ナンバーを除いて,次の範囲に大会主催者が選 定,要求した広告を表示しなければならない。 6.5m以下の艇では,艇体の長さの25% 6.5mを超える艇では,艇体の長さの20% このような広告を要求する場合には,レース公示に その旨記載しなければならない。広告が酒類又は たばこである場合には,「表示しなければならない」 を「表示してもよい」と読み替える。 次に大会において、カテゴリーAで常時認められているものの特例として、一定の範囲に掲示することを、主催者により要求される主催者広告があります。 この場合には、 ①艇体の前部の一定範囲にのみ掲示することが要求できます。 ②そのことは、レース公示に記載されていなければなりません。 JSAF環境キャンペーン広告についても同様です。 また、バウナンバーは主催者広告には含まれないこと。 表示する範囲は、艇長により異なる点に注意してください。 主催者広告を採用することで、大会スポンサーに気兼ねすることなく資金援助を要請できます。
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8. カテゴリーAの広告とは? セールボードには,大会主催者が確保する艇体の スペースはない。 スポンサー付きの大会の主催団体は,セール番号
ISAF広告規定 20.3(d)(ⅱ)セールボード セールボードには,大会主催者が確保する艇体の スペースはない。 スポンサー付きの大会の主催団体は,セール番号 とウイッシュボーン(ブーム)の間のセールの両面, フット・メディアンより後方のセールの両面及び 競技者が着用しているゼッケンに大会の広告の 表示を許可又は要求することができる。 ISAF広告規定 20.3(e) 競技者は,衣類及び個人用装備に,制限なしに 広告を表示してよい。 次に、セールボードについては、ディンギーのように艇体のハルに該当する部分がありませんから、セールボードの大会の主催者広告は特別にセールに要求することができます。 そして、セールボードであれディンギーであれ、競技者の衣類等には、カテゴリーAであっても制限なしに競技者の広告が表示できます。
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9.主催者が装備を準備する場合の特別規定 ISAF広告規定 装備が大会主催団体により提供される場合提供された装備へのカテゴリーCの広告は、大会主催団体が利用できる。 ゼッケンまたはそれと同等品が提供される場合、個々の競技者の完全な判断で着用することができる。 ゼッケンまたは同等のものが大会で提供される場合、着用することは個々の選手の全く自由な裁量である。 次に広告カテゴリーに関する特別規定として、カテゴリーCの個人広告スペースも主催者が利用できる場合があります。 マッチレースやチームレースなどのように、主催者が艇やセールなどの装備を提供する場合に限って認められるもので、本来は個人が選択した広告のためのスペースも、主催者が広告を掲示することを認めたものです。 このようなレース形式の場合、主催者は装備の準備のために経費を当てなければならないため、その経費の一部を賄えるようにしたものと 思われますので、複数年で装備に係った経費を償却するように大会を企画するなど、やり方次第では非常に効果的です。 特に、勝敗が判りやすく一般向けするマッチレースやチームレースでは、マスコミ等を通じて情報発信する場合は、特に効果的なものとなるでしょう。
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10. 制限されることは? ①オリンピック・クラスは制限できない ② ①以外はJSAFの承認が必要
ISAF広告規定 20.4 カテゴリーAかカテゴリーCかを選ぶ権利は,全てのISAF クラスに適用される。但し,オリンピック・クラスは制限の ないカテゴリーCとする。 ② ①以外はJSAFの承認が必要 ISAF広告規定 クラブの大会又は招待大会では,主催団体は,主催クラブ の所属する各国協会の承認を得て,広告をカテゴリーAに 制限することができる。その大会が次のオリンピック競技 会の装備として選ばれているクラスを含む場合,規定20.4 .3の制限は,その特定のオリンピック・クラスには適用され ない。但し,ISAF執行委員会により承認された場合は,除く。 最後に、どのような場合に制限されるのかを説明します。 ①にあるように、ISAFクラスのカテゴリー選択権はクラス協会にあり、その中でも470級などのオリンピック・クラスは、広告規定20.4の規定により無制限のカテゴリーCです。 ②では、カテゴリーCのクラスを、Aに制限する場合の要件と手続きを定めていますが、国内大会でカテゴリーCのクラスをAに制限できる場合は、非常に希であるといっても過言ではないでしょう。 条文の中で「クラブの大会」とありますが、これはRRS88の規定に基づくクラブとしての主催の場合には、クラブメンバー以外からの参加を制限することが可能なため、広告に関して例外的にJSAFの承認があればカテゴリーAに制限できるとしたようで、その大会のスポンサー広告(主催者広告)を目立たせたい場合が想定されます。 しかしこれとても、後段においてオリンピッククラスには原則的に適用しないとあるように、ISAFの広告に関する意向はカテゴリーCにシフトしているという姿勢が伺えます。 また、国内の全日本選手権では、基本的にクラス協会が主催する大会なのでクラブには該当せず、当然にカテゴリーをAに制限できないということになります。
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主催者広告と個人広告について 終わり (財)日本セーリング連盟 レース委員会
(財)日本セーリング連盟 レース委員会 選手自身も、主催者も、今一度クラスルールともに広告規定の適切な運用について確認していただきたいものです。 基本的に、広告規定を適切に運用するということは、選手の活動を支援し、一方では主催者の活動も支援することが目的にあると考えます。 最後に、広告規定はRRS86の規定により、各国協会規定やレース公示、帆走指示書で変更できない規則ですから、くれぐれも注意してください。
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