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競技者の広告と大会広告について (財)日本セーリング連盟 レース委員会 2010.7.1
(財)日本セーリング連盟 レース委員会 オリンピックをはじめとし、スポーツとマスメディアは密接な関係にあり、マスメディアに視覚的にアピールするためには、広告制度の適切な運用が必要となっています。 そのためには、まずセーラーが正しい知識を持つことが求められます。 特に大切な点は、広告規定はRRS86に規定されているように帆走指示書やレース公示で変更できない規則に該当することです。 この資料は、ISAF広告規定により定められた責任者の広告(旧個人広告)と大会広告について、選手向けに作成した資料です。 RRSは2009年に改訂され、AまたはCといった広告のカテゴリーはなくなりました。 2008年までのカテゴリーCの競技者の個人広告は、新たな広告規定では競技者と責任者に区分されています。 しかし、一般的には競技者の方が分かりやすいので、このスライドでは競技者の選定した広告と表現しています。 付則K(レース公示ガイド)などの一部の表示は、古い表現となっているものがあります。 2009年の広告規定では、そのことを意識しており20.5.6に移行規定が設けられています。
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競技者の広告と大会広告について 1. 470級の競技者の広告例 2. 広告規定は何処にあるの? 3. 広告の定義は?
4. 競技者の広告とは? 5. 掲示するスペースは? 6. 各クラスの競技者の広告掲示は? 7. JSAFへの手続きは? 8. 常時許される広告とは? 9. 装備が準備される場合の特別規定 10.制限されることは? 説明資料は、 1 470級での競技者の広告例(旧カテゴリーCの個人広告)をまず紹介します。 2 次に、広告規定はどこで見ることができるかを紹介します。 3 次に、ISAF広告規定で定義された 広告とは何かを説明します。 4 そして、競技者の広告(旧個人広告)とはどのような物を指すのか、また、クラス規則による制限等はあるのかを説明します。 5 次に、競技者の広告(旧個人広告)を掲示できるスペースはどこなのかを説明します。 6 また、広告規定とクラスルールについて説明します。 7 広告規定とJSAFへの手続きについて説明します。 8 次に、常時表示可能な広告について説明します。 9 マッチレースやチームレースなど、装備が主催者側で準備される場合には特別規定があり、セール等へも大会広告が可能です。 10 まれなケースですが、広告に対する制限について説明します。
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1. 470級の競技者の広告(旧個人広告)例 競技者の広告 競技者の広告 大会広告とバウナンバー 8m以下の艇:25%
この映像は、2004年にアテネオリンピックでメダリストとなった関選手の協力により、広告規定の説明用に写真の使用を承諾してもらったものです。 艇体、メインセール、スピネーカーに競技者の広告が掲示されています。 RRS77や付則G(セール上の識別)で確保されたスペース及び20.5(クラス規則)と20.9(製造業者とセールメーカー)に基づくスペースを除き、艇体、スパー、セールに制限なしに表示できます。 なお、大会広告が主催者により要求されている時は、大会期間中は、艇体の前部(1.2m)に大会広告の掲示が義務付けられます。 まずは、広告規定をどうやって手に入れたらよいかを次に説明します。 大会広告とバウナンバー 8m以下の艇:25% または1.2mの大きいほう 競技者の広告
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JSAFホームページ ISAF広告規定 ルール委員会公示 2. ISAF広告規程はどこにあるの?
皆さんが持っている現行のRRSには、広告規定は掲載されていません。 これは、広告規定は頻繁に変更されることがあること、インターネットの普及から常時ISAFホームページで、タイムリーに情報を得られるようになったことに起因しています。 ISAF規定20が広告に関する規定ですが、日本ではJSAFホームページ上で、ルール委員会が参考和訳をアップしています。 URLは画面に示したとおりです。 ただし、常時変更の可能性があるためISAFのホームページに注意してください。 特に、2009年と2010年は変更される可能性が高いので注意してください。
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3. 広告の定義は? 個人,団体, 製品,サービス,ブランドまたは アイデアに対して,関心を誘ったり,個人や
ISAF広告規定 20.1 定義 個人,団体, 製品,サービス,ブランドまたは アイデアに対して,関心を誘ったり,個人や 団体に購買,賛同,支持を働きかけるような 名称,ロゴ,標語,記述,描写,それらの変化 あるいは変形など,その他一切の伝達形 態をいう。 先ず最初に、広告とは如何なるものを示すのか、ISAF広告規定の定義を参照してください。 スライドにあるように、商業的なものかスポンサー料等の金銭を伴うものかは一切関係ありません。 個人であれ、企業であれ、地域であれ、スローガンであれ、一切の伝達形態をいうと定義されています。 当然に、艇の所有者名や学校名等についても、広告規定では広告に該当することを理解してください。
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「責任者」の選定した広告は,「競技規則」付則 Gによる識別のために確保されたスペ-ス, 及び『規定』20.5と20.9に基づくスペ-スを除
4. 競技者の選定した広告とは何? ISAF広告規定 競技者と艇 「責任者」の選定した広告は,「競技規則」付則 Gによる識別のために確保されたスペ-ス, 及び『規定』20.5と20.9に基づくスペ-スを除 き,艇体、スパーおよびセールに制限なしに 表示してよい。 では、先ず選手にとって興味深い競技者の選定した広告(旧個人広告)について説明します。 広告規定に従うことを条件に、クラスルールで広告が禁止または制限されていないクラスは、責任者(RRS46)が選定した広告を掲示することは、権利として認められています。 そして、競技者が選定した広告(旧個人広告)の掲示スペースは、ISAF広告規定とそれに基づくクラスルールで定められています。 付則Gではクラス記章、国籍記号、セールナンバーの範囲や大きさを規定しています。 20.5では、ISAFクラスの広告の制限を、20.9では、常時許可されているセールメーカーのロゴやスパー等の製造メーカーのロゴを規定しています。
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5. 競技者の広告を掲示するスペースは? Free Free この映像は、470級で競技者の広告(旧個人広告)のスペースを表したものです。
先に説明した広告規定20.3.1.2に規定されているように、競技者の広告(旧個人広告)は、付則Gで指定されたクラス記章や国籍記号及びセールナンバーを侵さなければ、艇体、スパー及びメインやジブ、スピネーカーについては、制限されません。 なお、艇の前部に表示する大会広告については別途の規定ですから、レース公示で要求があれば大会期間中に限って掲示することになります。 また、420級やJ24など一部のクラスは、クラスルールで競技者の広告(旧個人広告)の数や場所を制限していますから、必ずクラスルールを確認することをお勧めします。 では、次に主要なクラスの広告規定について整理したものをご覧ください。 Free
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※印 は,クラスルールで制限付きで一定範囲に許される競技者の広告
6. 各クラスの競技者の広告掲示は? Olympic Europe 掲示可 Keel Boat 470 (無制限) F Dutchman ※ J24 49er Fireball Melges Finn F Junior Soling Laser Laser Radial Doragon 不可 Star Laser 4.7 Multi Hull Tornado Laser Ⅱ Hobie 16 Yngling Mirror Hobie Tig. RS:X Moth Windsurfing Centreboard Boat OK Dinghy Formula Wind. 29er Optimist Mistral 420 Snipe 国内クラス 505 Tasar JSAFクラス 14Foot Topper ハンディキャップ 近年、多くのISAFクラスが競技者の広告(旧カテゴリーCの個人広告)を制限しないとしており、今後も広告採用へのシフトが進むものと推測されます。 日本で馴染みの深いスナイプ級も、2003年までは競技者の広告を認めていませんでした。 現在の広告規定では、禁止するか制限するかをISAFクラス協会の選択に委ねており、クラス協会が禁止または制限する場合には、その旨をクラスルールに明示することとなっています。 要はクラスルールで禁止されていなければ、数や大きさなどが制限されることはあっても、競技者の広告は掲示可能ということです. 特に、オリンピック艇種に選定されたクラスは、無制限となっていることに注意してください。要するに、オリンピック艇種については、艇が選択した広告をクラス規則においても何ら制限できないということです。 時として、オリンピック艇種を含むにも関わらず広告を制限するとした不適切なレース公示を見受けますが、広告規定を無視した明らかな過ちです。 2010年3月時点で、ドラゴン級はクラスルールで旧広告カテゴリーAと記載されていますので、 の移行規定により広告が制限されています。 ※印 は,クラスルールで制限付きで一定範囲に許される競技者の広告
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JSAFは競技者の広告(旧個人広告)制度を
7. JSAFへの手続きは? JSAFは競技者の広告(旧個人広告)制度を 適用しないと決定 【2004年7月理事会決定】 何らの手続きも不要で,承認料も必要ない 競技者の広告については、各国協会(日本ではJSAF)は納付金を納めることを要求できるとISAF規定(20.8.2)で認めています。 しかし、JSAFは2004年の理事会で競技者の広告(旧個人広告)制度を適用しないことを議決しました。 よって現在では、競技者は何らJSAFへの手続きを必要とせず、自由に競技者の広告(旧個人広告)を規定の範囲に掲示することができます。
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8. 常時許可される広告(クラス記章やマーク)
ISAF広告規定 クラスを示す印は,RRS77とRRS付則Gに求められているとお りに、セールとセールボードに表示しなければならない。 ISAF広告規定 (a) 【セールメーカー名などの表示方法とその大きさ】 マークは,150×150mm以内 ISAF広告規定 (b) 【艇建造者や装備製造者の表示方法とその大きさ】 艇のマークは,500×150mm以内 次に、常時適用される広告についての説明です。 まず、ここに掲げられている3項目については、クラス規則に左右されることなく常時表示することが義務付けられたもの、一定の範囲で認められるものがあります。 最初は、RRS77と付則Gにより表示が義務付けられたクラス記章やJPNなど国名の略号です。 次に20.9.1(a)がセールメーカーのマークで、一定の範囲で認められています。 最後に20.9.1(b)が艇やマストなどの艤装品についてで、製造メーカーのマーク等は常時認められています。
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8. 常時許可される広告(セールボード等) セールボードには,大会主催者が確保する艇体の スペースはない。
ISAF広告規定 セールボード セールボードには,大会主催者が確保する艇体の スペースはない。 主催団体は,セール番号とウイッシュボーン(ブー ム)の間のセールの両面(0.4㎡),一定のフット・ メディアンより後方のセールの両面及び競技者が 着用するビブに広告の表示を許可又は要求する ことができる。 ISAF広告規定 個々の競技者は, 責任者の同意のもとに制限な しに衣類と個人用装備に,広告を表示してよい。 次に、セールボードについては、ディンギーのように艇体のハルに該当する部分がありませんから、セールボードの大会の大会広告は特別にセールに要求することができます。また、その面積は0.4平米です。 そして、セールボードであれディンギーであれ、競技者の衣類等には、責任者の同意が有れば制限なしに競技者の広告が表示できます。
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9. 大会広告 主催団体は、参加艇の各舷前部に,バウ・ナンバー を含め,次の範囲に大会主催団体により選定,要求し
ISAF広告規定 20.4.1.1 艇 主催団体は、参加艇の各舷前部に,バウ・ナンバー を含め,次の範囲に大会主催団体により選定,要求し た広告を使用する権利がある。 (a)8m未満の艇では,艇体の長さの25%又は1.2m 8mを超える艇では,艇体の長さの20% (b)メインセール・ブームの最前部の長さの20% (c)バックスティに取り付ける最大500㎜×750㎜の スポンサーの三角旗または旗 このような広告を要求する場合には,レース公示に その旨を記載しなければならない。 レース公示にその旨を記載することを要件として、主催団体は一定の範囲に大会広告を要求することが、広告規定 で認められています。 この場合には、バウナンバーを含めて次の3箇所に掲示することができます. (a) 8m未満の艇では,艇体の長さの25%又は1.2m(大きいほうが優先されます) 8mを超える艇では,艇体の長さの20% (b)メインセール・ブームの最前部の長さの20% (c)バックスティに取り付ける最大500㎜×750㎜のスポンサーの三角旗または旗 大会広告を採用することで、大会スポンサーに気兼ねすることなく資金援助を要請できると思います.
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10.主催者が装備を準備する場合の特別規定 ISAF広告規定 提供した艇など 装備が大会の「主催団体」により提供される場合、提供された装備すべてへの広告は、「主催団体」が利用できる。 広告を表示し、主催団体より大会で提供されたビブまたは同等のものは、個々の裁量で着用することができる。 次に大会広告い関する特殊なケースですが、競技者の広告(旧個人広告)スペースも主催者が利用できる場合があります。 マッチレースやチームレースなどのように、主催者が艇やセールなどの装備を提供する場合に限って認められるもので、本来は個人が選択した広告のためのスペースも、主催者が広告を掲示することを認めたものです。 このようなレース形式の場合、主催者は装備の準備のために経費を当てなければならないため、その経費の一部を賄えるようにしたものと思われますので、複数年で装備に係った経費を償却するように大会を企画するなど、やり方次第では非常に効果的です。 パンフレットなどに広告をお願いし広告料を頂くよりも、マスコミ等に上手く映像化をお願いし、大会広告料を要求しては如何でしょうか? 勝敗が判りやすく一般向けするマッチレースやチームレースでは、マスコミ等を通じて情報発信する場合は、特に効果的なものとなるでしょう。
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11. 制限されることは? ①オリンピック・クラスは制限できない ② ①以外はJSAFの承認が必要
ISAF広告規定 次のオリンピック・セーリング競技大会の装備として選定され た「ISAFクラス」は、制限なしに「広告」を許可すると規定して いたとみなすものとする。 ② ①以外はJSAFの承認が必要 ISAF広告規定 クラブの大会又は招待大会では,主催団体は,主催クラブの所 属する各国協会の承認を得て,競技者が選択した広告を制限 することができる。その大会が次のオリンピック競技会の装備 として選ばれているクラスを含む場合,規定20.6.3の制限は, ISAF執行委員会が予め承認した場合を除き、そのクラスには 適用しない。 最後に、どのような場合に制限されるのかを説明します。 ①にあるように、ISAFクラスのカテゴリー選択権はクラス協会にあり、その中でも470級などのオリンピック・クラスは、広告規定20.6の規定により広告については制限できないとなっています。 ②では、競技者が選択した広告を、その大会主催者が制限する場合の要件と手続きを定めていますが、国内大会で競技者が選択した広告を制限できるケースは、非常に希であるといっても過言ではないでしょう。 条文の中で「クラブの大会」とありますが、これはRRS88の規定に基づくクラブとしての主催の場合には、クラブメンバー以外からの参加を制限することが可能なため、広告に関して例外的にJSAFの承認があれば制限できるとしたようで、その大会のスポンサー広告(大会広告)を目立たせたい場合が想定されます。 しかしこれとても、後段において次期オリンピッククラスには原則的に適用しないとあるように、ISAFの広告に関する意向は広告を積極的に認め、マスメディアによる映像をとおして普及させようという姿勢が伺えます。 また、国内の全日本選手権では、基本的にクラス協会が主催する大会なのでクラブには該当せず、クラス規則で禁止されていない限り制限できないということになります。
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競技者の広告〔旧個人広告〕と 大会広告について
競技者の広告〔旧個人広告〕と 大会広告について 終わり (財)日本セーリング連盟 レース委員会 選手自身も、主催者も、今一度クラスルールともに広告規定の適切な運用について確認していただきたいものです。 基本的に、広告規定を適切に運用するということは、選手の活動を支援し、一方では主催者の活動も支援することが目的にあると考えます。 最後に、広告規定はRRS86の規定により、各国協会規定やレース公示、帆走指示書で変更できない規則ですから、くれぐれも注意してください。
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参考図(大会スポンサーの広告範囲)
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