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建築環境工学・建築設備工学入門 <給排水・衛生設備編> <給水設備> 給水設備の演習問題
[Last Update 2015/04/30] 建築環境工学・建築設備工学入門 <給排水・衛生設備編> <給水設備> 給水設備の演習問題 ※中規模事務所(高置水槽方式)の給水計算例を示します。 ※階数や規模を適宜変更して演習問題として活用してください。
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給水設備機器容量の求め方 サンプル建物の概要 P INDEX 建物用途:オフィス 延べ面積:5,000㎡ 各階面積:600㎡
階 数:地下1階、地上8階 建物高さ:32m 階 高:4.0m 給水方式:重力式 INDEX 高置水槽 揚水管(Qm) 給水管(Qp) 給水設備の各種機器の容量を決定するための基本的な考え方として、 ・受水槽に水を供給する引き込み管の関係は、主に時間平均予想給水量(Qh)を、 ・揚水ポンプは、時間最大予想給水量(Qm)を、 ・高置水槽は、小規模建物においては1日給水量(Qd)の1/10程度を、 大規模建物においては給水ポンプの20分程度の水量を目安とします。 但し、建物用途や運用形態により給水計画の考え方は大きく変化するため、 実施設計の段階では詳細計算を行いましょう。 揚水ポンプ 受水槽 P M 水道引込み管(Qh)
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予想給水量の算出 (1) 建物使用人員数[N]を想定する。 (2) 建物の水使用特性に類似する給水原単位から使用水量を算定する。
(1) 建物使用人員数[N]を想定する。 ■ 建物使用人員数(N) =単位面積当りの人員密度[人/㎡]×床面積[㎡] =0.2人/㎡×5,000㎡ = 1 000 [人] (2) 建物の水使用特性に類似する給水原単位から使用水量を算定する。 ■ 1日使用水量(Qd) =1人当たり使用量(Qn)×建物使用人員数(N) =120リットル/(人・d)×1 000人 = 120,000 [リットル/d] = 120 [m3/d] ■時間平均予想給水量(Qh) =1日使用水量(Qd)/建物使用時間(T) =120m3/(人・d)÷10hr = 12 [m3/hr] ■時間最大予想給水量(Qm) =時間最大予想給水量のピーク率(Km)×時間最大予想給水量(Qh) =2.0(-)×12(m3/hr) =24[m3/hr] ■ピーク時最大予想給水量(Qp) =ピーク時最大予想給水量のピーク率(Km)×時間最大予想給水量(Qh)÷60 =4.0(-)×12(m3/hr)÷60(min/hr) =800[リットル/min] ※赤文字は演習向けに数値を変更して利用してください。 ※青文字は計算対象建物の水使用特性を勘案し、適宜変更してください。 (1)建物人員数は、単位面積当たりの人員密度(例示)や席数、病床数などをもとに算定しますが、 予め人員数が確定している場合は、その数を用います。 (2)1日使用水量、時間平均予想給水量、時間最大予想給水量、ピーク時(瞬時)最大予想給水量をもとめて建物の水使用特性を把握します。 給水原単位、建物使用時間、ピーク率の選定は、建物の用途や利用特性に十分配慮して設定します。
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時刻別予想給水量の推移 オフィスビルを例として
時刻別予想給水量の推移 オフィスビルを例として C A B C ピーク時最大 B A このグラフは、 中小規模のオフィスビルを例とした時刻別給水量の予測です。 この予測によると、対象となった中小規模のモデルビルでは、 ①始業時間帯に1日のピークが発生しています。継続時間は少ない。 ②昼休み前後で時間最大給水量が発生しています。 ③ピーク最大は時間平均の3倍、時間最大は1.5倍程度の関係にあります。 近年ではフレックスタイムの導入によりピーク最大の発生時間帯が、昼休みや終業時刻に発生するケースもあります。 ピーク率は大規模ビルに比べて、中小規模が大きくなる傾向があります。 Qd :1日当たりの使用水量[ℓ/d] T :1日平均使用時間[h] Qh :時間平均予想給水量[ℓ/h] Km :時間最大給水量のピーク率 Qm :時間最大予想給水量[ℓ/h] Kp :ピーク時最大予想給水量のピーク率 Qp :ピーク最大予想給水量[ℓ/min]
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建物予想給水量の算定 用途別時刻変動 集合住宅 ホテル 病院 事務所 小学校 高等学校 店舗・飲食店 小規模小売店舗 劇場 日曜 土曜 日曜
建物予想給水量の算定 用途別時刻変動 集合住宅 ホテル 病院 土曜 日曜 平日 4 12 8 20 24 16 時刻 [時] 12.0 8.0 4.0 水使用量 [%] 4 12 8 20 24 16 時刻 [時] 12.0 8.0 4.0 水使用量 [%] 平日 4 12 8 20 24 16 時刻 [時] 12.0 8.0 4.0 水使用量 [%] 土曜 日曜 平日 事務所 小学校 高等学校 平日 4 12 8 20 24 16 時刻 [時] 12.0 8.0 4.0 水使用量 [%] 平日 4 12 8 20 24 16 時刻 [時] 12.0 8.0 4.0 水使用量 [%] 平日 4 12 8 20 24 16 時刻 [時] 12.0 8.0 4.0 水使用量 [%] このグラフは、建物用途ごとの給水の時刻変動を一覧したものです。 建物用途や平日・休日の違いにより時刻別変動の違いが理解できます。 このような給水特性を理解することで、最適な引き込み口径や水槽容量、ポンプ送水量が求められます。 ※このデータは別添ファイルに収納しています。 店舗・飲食店 小規模小売店舗 劇場 平日 4 12 8 20 24 16 時刻 [時] 12.0 8.0 4.0 水使用量 [%] 土曜 日曜 平日 4 12 8 20 24 16 時刻 [時] 12.0 8.0 4.0 水使用量 [%] 平日 日曜 4 12 8 20 24 16 時刻 [時] 12.0 8.0 4.0 水使用量 [%]
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引込み管サイズと受水槽容量の関係 給水引き込み管径サイズの算定 受水槽容量の算定 水道本管と吐水口の落差を考慮する。
継ぎ手や量水器等の局部抵抗を考慮する。 水道本管と吐水口の落差を考慮する。 150kPa≧h-20kPa+30kPa ⇓ h≦140kPaとなり、引込み配管長が極端に長い場合を除き、十分に余裕がある 流速により、配管径を決定する 給水本管の圧力は 一般的に150~400kPa程度 上水本管 量水器 定水位弁 h1 受水槽 M Vs :受水槽の有効容量[ℓ] Qd :1日当たりの使用水量[ℓ/d] 受水槽の容量は、揚水ポンプの揚水量および連続運転時間,上水引き込み管の給水能力及び連続給水時間の関係式で決定される。 実務上は、水道事業者の規定などから1日使用水量の1/2程度とすることが一般的である。 水道本管から受水槽までの引込み口径の算定方法を示したものです。 ・水道本管の水圧 ・引き込み管の口径、経路、器具 ・定水位弁との高低差 ・受水槽容量(二次側の使用水量特性を含む) が、相互に関係していることを理解してください。 引き込み関係は、引き込み元の水道本管の口径から制約を受けるので、給水本管の埋設状況と給水制限等に係る事前の協議が大切です。 また、これらは、受水槽の容量に強く関係します。 Hj :上水本管の水圧[kPa] H :配管などの圧力損失[kPa] H1 :上水本管と定水位弁の静水頭差に相当する水圧差[kPa] H2 :定水位弁の必要最低圧力[kPa]
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受水槽容量の算出 受水槽の容量は、配水管(インフラ)の状況に左右される ①水使用時間帯で渇水しないこと。
受水槽容量の算出 受水槽の容量は、配水管(インフラ)の状況に左右される ①水使用時間帯で渇水しないこと。 ②水の使用時間帯以外の時間帯に受水槽が満水に復元されていること。 これらの条件は、下式で表すことができる ①の条件 Vs≧Vd-Qs×T ②の条件 Qs×(24-T)≧Vs Vs : 受水槽の有効容量[m3] Vd : 1日の使用水量[m3/d] Qs : 配水管などの水源からの給水能力[m3/d] T : 1日の平均水使用時間[h/d] 水源が水道の場合では、配水管の圧力変動により給水能力が変化するので、 一般的に受水槽の有効容量は1日使用水量の半分程度とする。 Vs=Qd÷2 =120(m3/d)÷2 =60m3(有効) ※水道事業者の規定がある場合が多いので、その規定を確認する必要がある。 受水槽容量は、 ・揚水ポンプの揚水量及び連続運転時間 ・上水引き込み管の給水能力、連続給水時間の関係式 で決定されます。 上水引き込み管の給水能力が変動することや水道事業者の規定などから、 1日使用量の1/2程度が受水槽容量の目安となります。 受水槽の容量を過大にすると、 水槽内の水の残留塩素濃度が減少し、 一般細菌などが繁殖しやすくなるので好ましくありません。 また、近年、節水型衛生器具の普及により、 給水原単位も減少傾向にあることにも注意が必要です。
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高置水槽・揚水ポンプ容量の算定 (1) Qp Qpu・T2 Qpu (QpーQpu)・T1 Ve :高置水槽の有効容量[ℓ]
Qp Qpu 揚水ポンプの停止水位 揚水ポンプの起動水位 揚水管 給水管 (QpーQpu)・T1 Qpu・T2 Ve :高置水槽の有効容量[ℓ] QP :ピーク最大予想給水量[ℓ/min] Qpu :揚水ポンプの揚水量[ℓ/min] T1 :ピーク時最大予想給水量の 継続時間[min] T2 :揚水ポンプの最短運転時間[min] 高置水槽容量の算出式とその概略図を示します。 算定式右辺第一項(橙色)は、高置水槽二次側におけるピーク給水時に相当する水量を表しており、 第二項(青色)は、揚水ポンプの最短運転時間時における揚水量を示しています。 一般に高置水槽の有効容量は、建物の一日給水量の1/10程度とされますが、 上式を用いて、容量の妥当性をチェックすることもできます。
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高置水槽・揚水ポンプ容量の算定 (2) 高置水槽の容量(Ve)は、ピーク時最大予想給水量(Qp)と揚水量(Qpu)の関係により求められる。
高置水槽・揚水ポンプ容量の算定 (2) 高置水槽の容量(Ve)は、ピーク時最大予想給水量(Qp)と揚水量(Qpu)の関係により求められる。 Ve≧(Qp-Qpu)×T1+Qpu×T2 Ve : 高置水槽の有効容量[m3] Qp : ピーク時最大予想給水量[リットル/min] Qpu: 揚水ポンプの揚水量[リットル/min] T1 : ピーク時最大予想給水量の継続時間[min] T2 : 揚水ポンプの最短運転時間[min] T1を10min、T2を20min、Qpuを暫定的に400リットル/minとすると、 Ve≧(Qp-Qpu)×T1+Qpu×T2=(800-400)×10+400×20 =4 000 +8 000 =12 000[リットル] =12m3(有効) 揚水ポンプは時間最大予想給水量を満足しており、かつ算定された高置水槽容量は建物の1日水使用量の1/10となる。 このケースでは、計算演習向けに、 ピーク継続時間が始業時間帯で短く、 時間最大が午後に長く継続するという予想のもと、 T1を10min、T2を20min、Qpuを時間最大予想給水量で想定しています。 特別な条件が無い場合では、 T1を30min、T2を15min、 揚水ポンプは時間最大予想給水量程度とすることが比較的多い。 また、高置水槽の容量としては1日の水使用量の1/10程度とすることが多い。
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揚水ポンプ揚程の算出 揚水ポンプの揚程は、下式により求める。 H≧H1+H2+V2/2g H :揚水ポンプの全揚程 H1 :
H :揚水ポンプの全揚程 H1 : 揚水ポンプの吸水面から揚水管長部までの実高さ(実揚程) H2 : 揚水管路における直管、継ぎ手、弁類などによる摩擦損失水頭 V2/2g:吐水口の速度水頭 ※一般に揚水管の吐水口における速度水頭は僅かなので省略してもよい。 吐出し速度水頭(m) 吐出し側配管類の摩擦損失(m) 水槽内に押し流す圧力V2/2g(m) 全揚程 (m) 吐出し揚程 (m) 吐出し配管 吐出し実揚程 (m) 実揚程 (m) バルブ チャッキ ポンプの仕様を決定する要素として、揚水量(給水量、送水量)の他に、水を汲み上げる力(揚程)を求める必要がります。 ポンプの揚程は、 ・ポンプ給水面から揚水管頂部までの実高さ ・揚水管路における直管、継手、弁類などによる摩擦損失 ・吐水口での速度水頭 の総和によって求められます。 例図にあるようにポンプ吸水管が水源(水槽上水面)より上方にある場合は、 吸い上げるための水頭を加えます。吸い込み水頭が過剰になると、キャビテーションが発生するので注意が必要です。 バルブ 吸込み揚程(m) ポンプ 吸込み実揚程(m) 吸込み配管 フート弁 吸込み側 配管類の 摩擦損失(m)
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給水管サイズ決定(サンプル) (1) 給水系統図(暫定) 設計条件 建物用途:事務所ビル(貸オフィスビルを想定) 階数:地上8階
構造:SRC造 給水方式:高置水槽方式 オフィス部分の有効面積:364[㎡] 単位面積当たりの人員0.15[人/㎡] 1フロア当たりの人員:男性39人女性16人 _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________|
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給水管サイズ決定(サンプル) (2) 基準階便所 概略図 掃除流し(胴長) 大便器(洗浄弁」サイホン式) 大便器(洗浄弁サイホン式)
基準階便所 概略図 掃除流し(胴長) 大便器(洗浄弁」サイホン式) 大便器(洗浄弁サイホン式) 小便器(洗浄弁) 小便器(洗浄弁) 小便器(洗浄弁) _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________|
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給水使用水量の算出方法について [1]水使用時間率と器具給水単位による方法 [2]器具給水負荷単位による方法 [3]器具利用から予想する方法
・設計者による判断要素が多く、より実態に即した算定方法である。 ・設置器具個数に対する使用人数が少ない場合の低減が考慮されている。 ・手計算では算定方法が煩雑である。 [2]器具給水負荷単位による方法 ・算定方法が容易である。 ・器具給水負荷単位が10以下や3000以上のときは図が整備されていないため算定できない。 ・洗浄弁と洗浄タンクが混在する場合の算定方法が不備である。 ・過大負荷になるといわれている。 [3]器具利用から予想する方法 ・器具数の少ない場合や器具の利用方法に規則性がある場合に使用する。 ・以下の場合の適用に効果的である。 1)住宅や集合住宅の住戸内 2)学校 [4]実測値に基づいた方法 ・集合住宅にのみ適用できる。 給水量算定の方法は、4つに大別されます。 計算対象(建物用途や規模)に対して適切な算出方法を選定します。
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器具給水単位と水使用時間率による方法 (1)
給水管 管径の選定 任意利用形態 2か所以上もしくは2階以上に設置されている ④それぞれの器具の瞬時最大流量の1/2を加える。 連続流の場合はそのまま加算する。 はい いいえ ①器具数の補正 はい ②器具給水単位と 水使用時間率の算出 集中利用形態 ③瞬時最大流量 異種器具がある ①器具数の補正 任意利用形態において器具を分散して設置する場合、器具数の補正を行う。 左図より、利用人数から器具数の適正値を想定することができる。 今回の場合、フロア当たりの男性の利用人数が 39人であることから左図を用い算定すると、適正値は大便器:1.4(2個)、小便器:1.9(2個)となる。 しかし実際の器具数は、大便器2個、小便器3個であるため、小便器の器具数が過多であることが分かる。 _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________| 適正値: 小便器1.9 適正値: 大便器1.4 男性39人/フロア
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器具給水単位と水使用時間率による方法 (2)
給水管 管径の選定 任意利用形態 2か所以上もしくは2階以上に設置されている ④それぞれの器具の瞬時最大流量の1/2を加える。 連続流の場合はそのまま加算する。 はい いいえ ①器具数の補正 はい ②器具給水単位と 水使用時間率の算出 集中利用形態 ③瞬時最大流量 異種器具がある ②各器具の器具給水単位と水使用時間率(注1の算出 表をもとに各器具の器具給水単位と水使用時間率を算出する。 掃除流し 3:0.5 大便器 9:0.03 小便器 2:0.3 器具給水単位:水使用時間率 表● 器具給水単位と水使用時間率ηの標準値 _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________| 参考文献:給排水衛生設備計画設計の実務の知識 (注1:占有される時間に対する水を使用する時間の割合
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器具給水単位と水使用時間率による方法 (3)
給水管 管径の選定 任意利用形態 2か所以上もしくは2階以上に設置されている ④それぞれの器具の瞬時最大流量の1/2を加える。 連続流の場合はそのまま加算する。 はい いいえ ①器具数の補正 はい ②器具給水単位と 水使用時間率の算出 いいえ 集中利用形態 ③瞬時最大流量 異種器具がある ③瞬時最大流量の算出 小便器における瞬時最大流量の算出例 ②の結果をもとに 器具ごとの瞬時最大流量を算出する。左図は小便器の算出例である。 小便器(設置個数1)の場合瞬時最大流量は28L/min 小便器(設置個数2)の場合、瞬時最大流量は30L/min 小便器(設置個数3)の場合、瞬時最大流量は40L/min _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________| 器具給水単位:2 水使用時間率:0.3 瞬時最大流量40L/min 設置個数:3 設置個数:2 瞬時最大流量30L/min 設置個数:1 瞬時最大流量28L/min
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器具給水単位と水使用時間率による方法 (4)
給水管 管径の選定 任意利用形態 2か所以上もしくは2階以上に設置されている ④個々の器具の瞬時最大流量のうちの最大のものにほかの1/2を加えて求める。 連続流の場合はそのまま加算する。 はい いいえ ①器具数の補正 はい ②器具給水単位と 水使用時間率の算出 集中利用形態 ③瞬時最大流量 異種器具がある ④異種器具がある場合(フロアでの算出) _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________| 40L/min ③の結果をもとに フロア全体の瞬時最大流量を算出する。 順序として末端部分から算出を行い、 この時瞬時最大流量の小さい方の値を1/2として加える。 140+40×1/2=160L/min 140+40×1/2=160L/min 160+28×1/2=174L/min 160+30×1/2=175L/min 160+40×1/2=180L/min
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器具給水単位と水使用時間率による方法 (5)
④異種器具がある場合(建物全体での算出) 例 2階と3階をつなぐ管の瞬時最大流量を算出する場合 器具の数は掃除流し2個、大便器4個、小便器6個 となり、②③の手順で算出する。 8F- 7F-8F 6F-7F 表● 2F-3Fの算出結果 5F-6F 4F-5F _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________| この算出結果をもとに④の手順で計算を行う。 155+(55+75)×1/2=220L/min 3F-4F 表● 他階の算出結果 2F-3F 1F-2F 180L/min 2F-3F 220L/min 3F-4F 265L/min 4F-5F 310L/min 5F-6F 350L/min 6F-7F 390L/min 7F-8F 440L/min 8F- L/min 1F-2F
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器具給水負荷単位による方法 (1) フロア 瞬時最大流量の算出 建物全体 瞬時最大流量の算出 器具給水負荷単位の算出
器具給水負荷単位による方法 (1) フロア 瞬時最大流量の算出 建物全体 瞬時最大流量の算出 器具給水負荷単位の算出 表より各器具の器具給水負荷単位を求めることができる。 今回の場合事務所ビルで使用される器具であるため、すべて公衆用の値となる。 _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________|
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器具給水負荷単位による方法 (2) フロア 瞬時最大流量の算出 建物全体 瞬時最大流量の算出 器具給水負荷単位の算出
①で算出した器具給水負荷単位をもとに表(b)を用いて瞬時最大流量の算出を行う。 ただし、末端部分のように器具単体に接続される配管の瞬時最大流量は、対象器具の仕様に合わせることが望ましい。 4:20 _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________| 器具給水負荷単位39の場合の算出例 14:125 24:140 29:150 瞬時最大流量170L/min 34:160 39:170 器具給水負荷単位の累積:瞬時最大流量 器具給水負荷単位 39
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器具給水負荷単位による方法 (3) フロア 瞬時最大流量の算出 建物全体 瞬時最大流量の算出 器具給水負荷単位の算出
給水立て管の瞬時 最大流量の算出には 各階の器具給水負荷単位の累積の値を用いる。 以下は建物最上部における給水立て管の瞬時最大流量である。 312 8F- 7F-8F 273 表● 8F-瞬時最大流量の算出例 6F-7F 234 195 5F-6F 156 4F-5F _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________| 瞬時最大流量 480 117 3F-4F 器具給水負荷単位 312 表● 他階の算出結果 2F-3F 78 1F-2F 170L/min 2F-3F 240L/min 3F-4F 280L/min 4F-5F 310L/min 5F-6F 350L/min 6F-7F 380L/min 7F-8F 430L/min 8F- L/min 1F-2F 39 器具給水負荷単位
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各階給水系統図の作成 器具名称 同時使用水量 40L/min 給水負荷単位 給水負荷単位の累計 160L/min 使用水量 160L/min
[水使用時間率と器具 給水単位による方法] [器具給水負荷単位法] [水使用時間率と器具 給水単位による方法] 器具名称 同時使用水量 40L/min 給水負荷単位 給水負荷単位の累計 160L/min 使用水量 160L/min 掃除流し 4 20 掃除流し 4 20 174L/min 4×40 4×20 175L/min 大便器FV 10 105 大便器FV 10 105 180L/min 14×160 14×125 大便器FV 10 105 大便器FV 10 105 [器具給水負荷単位法] 24×160 24×140 _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________| 20L/min 小便器 5 30 小便器 5 30 125L/min 29×174 29×150 140L/min 小便器 5 30 小便器 5 30 150L/min 34×175 34×160 160L/min 170L/min 小便器 5 30 小便器 5 30 39×180 39×170
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流量線図の使い方 ⊿p=λ・ 𝑙 𝑑 ・ ρ𝑣2 2 Q ;流量 👉 ①・・・流量線図の縦軸 ⑤流速v ④管径d
給水管直管の流量公式は、ダルシー・ワイズバッハの式で示される。 ⊿p=λ・ 𝑙 𝑑 ・ ρ𝑣2 2 ⊿p;摩擦による圧力損失 λ ;管内摩擦係数 d ;管内径 ρ ;水の密度 v ;管内平均流速 管内摩擦係数λは、レイノルズ数Reと管壁の粗さを用いてムディー線図から求めることができるが、Reに対して非線形性を有する。しかし、建築の給排水設備分野における実用上の流れは、層流との遷移域から乱流域にあるため、実際にはより簡便なヘーゼン・ウィリアムスの実験式が使用されている。 Q=4.87・C・d2.63・i0.54×103 Q ;流量 👉 ①・・・流量線図の縦軸 C ;流量係数👉 ②・・・Cの値毎に線図化 i ;単位長当りの圧力損失 👉 ③・・・流量線図の横軸 管径d(👉④)は、流量線図中の右上がりの直線で、流量Qと管径dの関係から流速v(👉⑤)は図中の右下がりの直線で示されている。 ②流量係数 C=000 ①管内流量 [ ℓ /min] ⑤流速v ④管径d _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |_________________________| ③単位摩擦抵抗 [kPa/m]
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【関連資料】流量公式の理解 ダルシー・ワイズバッハの式 Q=(π/4)×(2g/λ)0.5×D2.5×I0.25×(60×103)
給水管の流量計算は、一般に管内摩擦損失を計算する ダルシー・ワイズバッハの式 Q=(π/4)×(2g/λ)0.5×D2.5×I0.25×(60×103) ヘーゼン・ウィリアムスの式 Q=( ×C×D2.63×I0.54)×(60×103) =1.671×C×D2.63×I0.54×104 H=10.666×C-1.85×D-0.487×Q1.85×L ウェストンの式 Q=πD2/4×V×60×103 h={ ( D)/V0.5} ×(L/D)×(V2/2g) などが活用されている。 給水管の流量計算は、一般に管内摩擦損失を計算するダルシー・ワイズバッハの式、ヘーゼン・ウィリアムスの式、ウェストンの式などが広く活用されています。 ダルシー・ワイズバッハの式は、ベルヌーイの定理における動圧に対して管路に生じる摩擦損失は比例するものとしています。 公式に含まれる摩擦損失係数はレイノルズ(Re)数と管路の粗さ(粗度)ε/Dからムーディー線図を用いて求めます。 この線図内ではレイノルズ数を指標として、流れが層流域、遷移域、乱流域における管種に応じた摩擦損失係数を求めることができます。 ヘーゼン・ウィリアムスの式は、ダルシー・ワイズバッハの式を原型とした実験式であり、給水管や冷温水管、消火設備配管などの計算では最も多く使用されている公式です。 ダルシー・ワーズバッハの式で、摩擦損失係数は流水温度等の影響が考慮されていますが、ヘーゼン・ウィリアムスの式では、管種ごとに求められた流量係数でこれを考慮しています。 ウェストンの式は、ヘーゼン・ウィリアムスの式と同様に、常温の水に適用される公式であるが、50mm以下の小口径管路で内面が平滑な配管によく適合し、戸建住宅の様な水道直結直圧式の設計に用いられます。 【記号】 Q:流量[ℓ/min] D:管径[m] V:流速[m/s] h:圧力損失水頭[m] λ:摩擦損失係数[-] L:管長[m] g:重力加速度 9.8[m/s2] C:流量係数[-]
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【関連資料】ムーディー線図 ダルシー・ワイズバッハの式は、ベルヌーイの定理における動圧に対して管路に生じる摩擦損失は比例するものとしている。
ムディー線図の使用例 ①Re 数を計算する。 ②Re 数に相当するところに線を引く。(横軸がレイノルズ数) ③相対粗度ε/d を計算する。(d は管の直径) ④相対粗度(右縦軸)に印をつける。 ⑤粗度の線(赤い線)にそって線を引く。 ⑥青い線(Re 数)と(粗度)の交点を求める。 ⑦交点を左に延長し,左縦軸の値を読み取る。 その結果、管摩擦抵抗λは、●である。 ダルシー・ワイズバッハの式は、ベルヌーイの定理における動圧に対して管路に生じる摩擦損失は比例するものとしている。 公式に含まれる摩擦損失係数はレイノルズ(Re)数と管路の粗さ(粗度)ε/Dからムーディー線図を用いて求める。 この線図内ではレイノルズ数を指標として、流れが層流域、遷移域、乱流域における管種に応じた摩擦損失係数を求めることができる。
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給水管サイズの求め方(例) 管 径 39×170 0.2×1.0 0.2 0.6 60A [解説(例)] ①管内流量170ℓ/minと、
③単位圧力損失0.6kPa/m 又は⑤流速1.5m/s の交点をとると、管径 50Aと60A間になり、管径60Aとすると流速は1.0m/s以内、単位圧力損失は 約0.2kPa/mとなる。 (配管には、一般配管用ステンレス鋼管を使用し、流速は1.5m/s以下、許容圧力損失0.6kPa/mとする) 器具名称 ②流量係数 C=140 給水負荷単位 使用水量 掃除流し 4 20 4×20 0.29×0.82 30A 流速:1.0m/s 管径:60A 大便器FV 10 105 14×125 0.48×1.4 50A 大便器FV 10 105 24×140 0.48×1.4 50A 170 小便器 5 30 29×150 0.18×0.96 60A _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |________________________ | ①管内流量 [ ℓ /min] 小便器 5 30 給水負荷単位×流量 34×160 0.18×0.96 60A 単位摩擦損失×流速 小便器 5 30 管 径 39×170 0.2×1.0 60A v<1.5m/s 0.2 0.6 ③単位摩擦抵抗 [kPa/m]
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給水管サイズの求め方(水使用時間率と器具給水単位による方法)
器具名称 [解説] 各箇所の管内水量から、流量線図を用いて、単位負荷抵抗・流速・口径を求める。 (配管には、一般配管用ステンレス鋼管を使用し、流速は1.5m/s以下、許容圧力損失0.6kPa/mとする) ②流量係数 C=140 給水負荷単位 使用水量 掃除流し 4 20 4×40 0.29×0.82 30A ① 大便器FV 10 105 14×160 0.5×1.45 50A ② 大便器FV 10 105 ⑥ 24×160 0.5×1.45 50A ④ ⑤ ③ ② ③ 小便器 5 30 29×174 0.21×1.05 60A ①管内流量 [ ℓ /min] _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |________________________ | ① ④ 小便器 5 30 34×175 0.21×1.05 60A ⑤ 小便器 5 30 給水負荷単位×流量 39×180 0.25×1.2 60A v<1.5m/s 単位摩擦損失×流速 ⑥ 管 径 0.6 ③単位摩擦抵抗 [kPa/m]
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給水管サイズの求め方(器具給水負荷単位法)
[解説] 各箇所の管内水量から、流量線図を用いて、単位負荷抵抗・流速・口径を求める。 (配管には、一般配管用ステンレス鋼管を使用し、流速は1.5m/s以下、許容圧力損失0.6kPa/mとする) 器具名称 ②流量係数 C=140 給水負荷単位 使用水量 掃除流し 4 20 4×20 0.29×0.82 30A ① 大便器FV 10 105 14×125 0.48×1.4 50A ② 大便器FV 10 105 24×140 0.4×1.25 50A ⑥ ⑤ ④ ③ ③ ② 小便器 5 30 29×150 0.45×1.3 60A ①管内流量 [ ℓ /min] _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |________________________ | ④ 小便器 5 30 ① 34×160 0.5×1.45 60A ⑤ 小便器 5 30 給水負荷単位×流量 39×170 0.2×1.0 60A v<1.5m/s 単位摩擦損失×流速 ⑥ 管 径 0.6 ③単位摩擦抵抗 [kPa/m]
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給水系統図の作成 管 径 各階平面の配管サイズ決定について
各階に配置される洗面所といった水まわりの平面計画が作成されている場合では、建築平面や構造躯体との取り合いに留意しながら給水管のルートを検討する。 それ以降の手順はメイン配管のサイズ決定方法と同様である。 給水メイン配管の検討と同様に、 各階に設置される衛生器具の種類から各々の給水負荷単位を設定し、 給水管の平面図に記載します。 建築プランが未決定の場合でも、 各衛生器具の数量が概ね決定している場合では、 それらをリスト化し、各階で必要な給水量を暫定的に決定しておくと良い。 給水単位×流量 単位摩擦損失×流速 管 径
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給水系統図の作成と管径決定 (1) 管 径 (ⅳ) 給水系統図の作成する。 60A 60A 60A 60A 60A 60A 60A 60A
(ⅳ) 給水系統図の作成する。 [水使用時間率と器具 給水単位による方法] [器具給水負荷単位法] 312×480 312×480 273×430 39×180 60A 0.25×1.2 273×430 39×170 60A 0.2×1.0 234×380 39×180 60A 0.25×1.2 234×380 39×170 60A 0.2×1.0 195×350 39×180 60A 0.25×1.2 195×350 39×170 60A 0.2×1.0 156×310 39×180 60A 0.25×1.2 156×310 39×170 60A 0.2×1.0 117×280 39×180 60A 0.25×1.2 117×280 39×170 60A 0.2×1.0 78×240 78×240 39×180 60A 0.25×1.2 39×170 60A 0.2×1.0 _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |________________________ | 39×190 39×170 39×180 60A 0.25×1.2 39×170 60A 0.2×1.0 39×180 60A 39×170 60A 0.25×1.2 0.2×1.0 給水単位×流量 単位摩擦損失×流速 管 径
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給水系統図の作成と管径決定 (2) 1 管 径 0.6 ①管内流量 [ ℓ /min] ③単位摩擦抵抗 [kPa/m]
(ⅳ) 決定した配管サイズにおける管内の 流速と単位摩擦損失を凡例の中段に 記載する。 ②流量係数 C=140 312×480 80A 0.24×1.4 ⑧ 273×430 80A 0.19×1.3 39×170 60A 0.2×1.0 ⑦ 234×380 75A 0.3×1.45 39×170 60A 0.2×1.0 ⑧ ⑦ ⑥ ⑤ ④ ⑥ ③ 1 195×350 75A 0.27×1.4 ② 39×170 60A 0.2×1.0 ① ⑤ 156×310 75A 0.22×1.3 39×170 60A 0.2×1.0 ④ 117×280 75A 0.18×1.1 39×170 60A 0.2×1.0 ①管内流量 [ ℓ /min] _________________________ |ここからは、給水計算のサンプル素材が順に続きますので | |適宜編集され、演習問題の解説としてご利用ください。 | |________________________ | ③ 78×240 75A 0.14×0.9 39×170 60A 0.2×1.0 ② 39×170 60A 1.0×2.0 39×170 60A 0.2×1.0 ① 39×170 60A 0.2×1.0 v<1.5m/s 給水単位×流量 単位摩擦損失×流速 管 径 0.6 ③単位摩擦抵抗 [kPa/m]
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発 行 公益社団法人 空気調和・衛生工学会 西川 豊宏
発 行 公益社団法人 空気調和・衛生工学会 (SHASE: The Society of Heating, Air Conditioning and Sanitary Engineers of Japan) 西川 豊宏
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