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神奈川大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻
無線センサネットワーク省電力化のための複数シンクを用いた負荷分散制御 能登正人 後藤 典 神奈川大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 27, May, 2011
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目次 研究背景・目的 既存方式と問題点 提案手法 シミュレーション実験 結果と考察 今後の課題 WINGS14
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はじめに ユビキタス情報化社会を進展させる重要なネットワーク技術として、無線センサネットワークに関心が集まっている。
無線センサネットワークの特徴 ⇒小型、数が膨大、低消費電力 センサーから得た多様な情報を収集 ⇒「人の行動」「屋外/屋内の環境」を的確に把握 WINGS14
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センサネットワーク 複数のセンサによって構成されるネットワーク センサとシンクにより構成
センサ:温度などを測定し、無線技術でシンクへ転送 シンク:センシングデータを集約 センサ同士が自律的に無線ネットワークを構築し、バケツリレー式に情報を転送させ、大規模な情報収集が可能 シンク センサ 電波到達範囲 WINGS14
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センサネットの課題 無線センサネットワークを実現するには、大量のセンサをうまく管理する必要がある。 耐故障性やスケーラビリティが重要
⇒低消費電力で動作することがキーとなる。 消費電力の低減により ネットワーク寿命の延長 設置の自由度 + 適応可能なアプリケーションの増加 WINGS14
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目的 無線センサネットワークにおける、ネットワーク寿命延長のための省電力化の実現
既存の負荷分散手法の改良により、ネットワーク寿命を延長させる方式の提案 シンクの配置数による影響を検討 WINGS14
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従来手法(複数シンク) 単一シンクを用いた手法では、特定のノードに負荷が集中してしまうことがある。
多数のノードが収集したデータがシンク付近に集められるため、シンク付近のノードの通信量が全体に比べて高くなってしまう。 これを回避するためには、 シンクを複数設置 することで負荷分散が可能となる。 WINGS14
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従来手法(ルーティング) 各センサノードが自身に最も近い(少ないホップ数で)シンクに通信をするようルーティングする。
→ NS(Nearest Sink)方式 WINGS14
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従来手法の課題 複数シンクの配置により、シンクノード付近の負荷分散が可能になったが、負荷集中が起きるのは、シンクノード付近のノードだけとは限らない。 センシング情報量の非均一性 トポロジーを考慮していなため、ノードの配置による消費電力の影響を考えていない ネットワーク全体の負荷を均一化させられるような手法が必要となっている。 WINGS14
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提案手法 ネットワーク全体で主に通信負荷の大きくなるノードは、シンク付近のノードとボトルネックリンクのようなノードの分布に偏りのあるリンクである。 このようなノードを負荷集中ノードと呼ぶ。 データの発生量やネットワークに偏りのあるトポロジーにおけるネットワーク寿命の最大化には、各シンク付近のノードと負荷集中ノードのデータ通信量を等しくなるように調節することが有効だと考えられる。 分散送信移行処理 分散評価値決定処理 WINGS14
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分散送信移行処理 移行のタイミング 各ノード毎に一定時間当たりに発生する全体のデータ量と、各シンクが受信するデータ量との比をとり、片方のシンクにデータが集中している状況を検知 ボトルネックノードのような負荷が集中しているノードを検出 自身が負荷集中ノードであるかを判定する 分散送信方式は各ノード毎にチェックをし、各ノードで発生しているデータ量および電力消費量が、全体の平均よりも上回っていれば、そのノードを分散送信方式に移行させる。 WINGS14
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分散評価値決定処理 分散評価値決定処理では、以下の4つを評価値決定のための重みづけ要素にする。
各シンクへのホップカウント数 自身の全近接ノード数と自身に最も近いシンクの方向にある近接ノード数 自身の電力消費速度 負荷集中ノードからのホップカウント数 これらを分散処理に用いることで、各シンクおよび負荷集中ノードのデータ量の均衡化を図り、ネットワーク寿命の延長を実現させる。 WINGS14
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シミュレーション実験 各パラメータ データ発生量は均一ではない ⇒特定の場所はデータ発生量を多くしている メッシュ型 ボトルネック型
⇒特定の場所はデータ発生量を多くしている メッシュ型 ボトルネック型 フィールドサイズ 150×150[m] 100×100[m] ノード数 190 60 ノードの間隔 10[m] 通信半径 15[m] シミュレーション時間 200[minute] 送信消費電力 12[mA] 受信消費電力 1.8[mA] データ発生量 32 ,256[byte] WINGS14
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評価方法 データ到達率 ネットワーク生存時間 シミュレーション試行回数は10回 =全ノードからシンクへのデータ到達率
:Data Receive 単位時間当りに各シンクが受け取ったデータ量の和 :Data Generate 単位時間当りに全ノードで発生したデータ量の和 ネットワーク生存時間 =全ノードからシンクへのデータ到達率 ⇒先行研究を参考に99%以上と定義 シミュレーション試行回数は10回 WINGS14
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データ到達率 (メッシュ型) 提案手法のネットワーク生存時間の延長が確認できる。
従来手法の場合、データ到達率の低い値を推移している期間がある。 シンク数が増えるとデータがより多くのシンクへ分散送信されるので、負荷分散の効果が高まると考えられる。 シンクを2つと4つ用いた時のデータ到達率 WINGS14
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データ到達率および消費電力特性 (ボトルネック型)
左図はデータ到達率のグラフであり、提案手法によるネットワーク生存時間の延長が確認できる。 右図は電力消費特性のグラフであり、ボトルネックリンクになっているノードの消費電力特性を表したものである。提案手法の方がノードの消費電力が少なく、効率の良い通信をしていることが分かる。 WINGS14
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データ到達率およびシンク数によるネットワーク寿命 (ボトルネック型)
左図はデータ到達率のグラフであり、シンクの数を増加によりネットワーク生存時間が延長されることを確認できる。 右図はシンク数毎のネットワーク生存時間のグラフである。シンク数の増加毎に、増加率は低下している。分散制御の効果がシンクの増加により、低下しているためだと考えられる。 WINGS14
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おわりに データの発生量およびネットワーク構成に、偏りが存在するネットワークにおいて、ネットワーク寿命を延長する分散送信方式を提案した。
メッシュ型およびボトルネック型において提案手法の性能を評価し、分散送信方式は、従来手法と比較してネットワーク寿命を延長することを確認した。 シンク数を増やすことにより分散送信方式の有効性が高まるが、分散制御の効率は低下することを確認した。 WINGS14
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今後の課題 大規模ネットワークを想定した環境での評価を行う。
特定の種類のみのデータを集める時の効率的な収集方法や、異なる種類のデータの判別方式などの研究を行う。 シンクの最適な配置数および配置場所について検討する。 WINGS14
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