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腹部超音波検査
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Q A 超音波て何ですか? ヒトの耳に聞こえる音の範囲は、
大体、20 Hz (ヘルツ)〜20,000 (20 kHz) Hzと言われています。 これより周波数が高く、ヒトが聞くことを目的としない音を、 超音波と呼びます。 腹部超音波検査では、主に3 MHzから20 MHzが用いられています。 1 MHz = 1,000 kHz 1 kHz = 1,000 Hz
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Q A 腹部超音波検査で何がわかりますか? 腹部超音波検査は画像検査の一種で、 以下の様なことがわかります。
腹部超音波検査は画像検査の一種で、 以下の様なことがわかります。 腹部と骨盤腔内臓器の、位置、大きさや形。 各臓器の病変の有無。 腹腔内血管の走行や血流。 腹腔内液体(腹水など)貯留の有無。 腹腔内リンパ節腫脹の有無。 消化管腫瘍の深達度診断。 などなど……..
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Q A どのような目的で行われますか? 腹部臓器のスクリーニング検査として。 健康診断などに使用されます。また、侵襲性やX線被爆が
ないことなどから、特に、女性や小児の一次検査として最適です。 病変の経過観察として。 生検や穿刺の際の補助として。
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画面(モニター) 操作パネル 深触子(プローブ) TOSHIBA APLIO 500
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腹部超音波検査の実際
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超音波検査で使用される、各種深触子 コンベックス:扇型。腹部超音波検査で使用される。広範囲を観察可能。
セクタ:扇型。接触面が小さく心臓超音波検査で使用される。 リニア:直線。対表に近い部分の解像度が高い。
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超音波検査の原理 深触子(プローブ) 超音波の発信及び受信装置。 音響的に性質の異なった組織や臓器の 境界面で反射が起こり、反射波を深触子で
受信する。 反射までの時間と音の大きさを処理し画像化する。 強い反射は高輝度(高エコー)で、弱い反射は低輝度(低エコー)で表される。
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カラードップラーの原理 救急車のサイレンは、近づく側で高く、遠ざかる側で低く聞こえる。 赤血球に対する反射波を調べ、
近づいてくる血流と遠ざかる血流を 色分けして表示しています。
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超音波検査の特性 生体内の各臓器で音響的性質が異なる。
例えば、音は水中を1,530 m/sで、空気中を340 m/sで伝播する。すなわち、腹部超音波検査で、実質臓器(肝臓など)の観察は容易であるが、空気を含む臓器(肺や消化管)の観察は困難である。 超音波は減衰する 拡散減衰:伝播するに従って超音波が拡がり弱くなる。 吸収減衰:組織に吸収されたり、散乱により弱くなる。 高周波数になる程、空間分解能は高くなるが、減衰しやすくなり到達距離は短くなる。
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音響陰影 (Acoustic shadow)
超音波が通過する過程に強い反射体や吸収体があると、超音波の通過が妨害されてその後方は無エコーあるいは低エコーになります。この現象を音響陰影(Acoustic shadow; AS)と呼びます。 腹部領域では、結石、骨や空気の後方に現れます。
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側方音響陰影 (Lateral shadow)
超音波は、音速の異なる領域に斜めに入射すると屈折し、超音波が到達しない領域ができることがある。 その代表が、腫瘤の外側後方に出現する側方陰影です。 側方音響陰影
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後方音響増強 超音波が、周囲組織よりも透過性の高い組織を透過すると、その後方エコーは増強する。これを、音響増強や後方エコーの増強と呼ぶ。
後方音響増強 超音波が、周囲組織よりも透過性の高い組織を透過すると、その後方エコーは増強する。これを、音響増強や後方エコーの増強と呼ぶ。 透過性の高い(超音波の減衰が起こりにくい)組織の、後方は、エコー輝度が高くなる。 音響増強
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アーチファクト (虚像) ①多重反射 深触子(プローブ) ① ② ③ ④ ① 反射体 ② ③ 多重反射 ④
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アーチファクト (虚像) ②鏡面現象 深触子(プローブ) 鏡 鏡面画像
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腹部超音波検査の実際 ①準備
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腹部超音波検査の実施 被検者(患者)の注意点 1.基本的に、空腹時に検査する。 胃内容物が検査の妨げとなることや、食後は胆嚢が収縮し、
胃内容物が検査の妨げとなることや、食後は胆嚢が収縮し、 胆嚢の情報が得られないことが理由です。 2.消化管内視鏡検査やバリウム造影検査を行う場合は、超音波検査を先に行う。 消化管ガスやバリウムが検査の妨げとなるため。
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腹部超音波検査の実施 検査者の心構え • 患者さんの確認(名前やID)。 • 絶食や消化管検査の有無。 • 検査目的
• 絶食や消化管検査の有無。 • 検査目的 • 既往歴(胆嚢摘出術の有無など) • 過去の検査歴(病変の経過観察) • 他の検査結果のチェック
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腹部超音波検査の基本操作 ①横操作 ②縦操作 ③右肋弓下操作 ④右肋間操作 ⑤左肋間操作 画像を取得 横操作:画像の右側が左手側
縦操作:画面の右側が足側
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腹部超音波検査の実際 ②肝臓のびまん性疾患
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脂肪肝 健常者 脂肪肝 脂肪肝のエコー所見 肝腎コントラスト陽性 エコー輝度の上昇 深部エコー減衰 肝内脈管の不明瞭化
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慢性肝炎 慢性肝炎のエコー所見 肝辺縁の鈍化 肝内エコーの粗雑化
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肝硬変 肝硬変のエコー所見 肝辺縁の鈍化 肝内エコーの粗雑化 肝表面の凹凸不整 右葉の萎縮と左葉の種大 脾腫 静脈瘤や側副血行路の出現
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腹部超音波検査の実際 ③肝臓の孤立性疾患
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肝嚢胞 肝嚢胞のエコー所見 辺縁整で境界明瞭な無エコー の孤立性病変として描出される。 後方エコーは、しばしば増強す る。
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肝血管腫(1) 肝血管腫のエコー所見 エコー輝度は低いものから 高いものまで、肝臓との境界も 明瞭なものや不明瞭なものなど 様々である。
腹部超音波では、血流シグナルは認めない。
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肝血管腫(2) 肝血管腫のエコー所見 高エコーの縁取りのある腫瘤像。体位変換や時間経過により
内部エコー輝度が変化する所見は、肝臓血管腫に特徴的である。 Disappearing sign wax and wane sign:時間経過による内部エコーの変化 chameleon sign:体位変換による内部エコーの変化
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肝細胞癌 肝細胞癌のエコー所見 一般に低エコー腫瘤として 描出される。 典型的なものは、 辺縁低エコー帯(halo)を
有し、内部はモザイク状である。 血流シグナルは陽性のものが多い。
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転移性肝癌 転移性肝癌のエコー所見 比較的厚い辺縁低エコー帯(halo)を有する腫瘤像(Bull’s eye sign)。
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腹部超音波検査の実際 ④胆嚢疾患
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胆石症 エコー所見 後方音響陰影(Acoustic shadow)を有する高エコー病変。 体位変換による移動を確認する。
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急性胆嚢炎 エコー所見 胆嚢の腫大を認める。 胆嚢壁は肥厚し、 三層構造を示す。 血流シグナルが 陽性となることが多い。
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胆嚢コレステロールポリープ エコー所見 胆嚢内腔への隆起性病変。 コレステロールポリープの 場合、高エコーで複数個 認める場合が多い。
桑の実様、あるいは金平糖様の形態を示すことが多い。
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胆嚢癌 エコー所見 胆嚢内腔への不整な隆起性病変。 壁肥厚型、隆起型、充満型 など様々な形態をとる。
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胆嚢腺筋腫症(Adenomyomatosis)
エコー所見 胆嚢壁の肥厚。 典型例では、comet signや、 Rokitansky Achoff sinus (RAS, RA洞)を認める。 肥厚部位により、 び漫型、分節型、 底部限局型に分類される。
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胆管癌 エコー所見 肝門部胆管内腔への不整な隆起性病変。 総胆管結石と鑑別が困難な場合がある。
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腹部超音波検査の実際 ⑤膵臓疾患
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膵癌 膵癌のエコー所見 充実性 膵管癌 辺縁不整な低エコー病変 神経内分泌腫瘍 境界明瞭な低エコー腫瘤 ドップラーシグナル(+) 嚢胞性
IPMN(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm)〜ぶどうの房 MCT (Mucinous Cystic Tumor) 〜みかんの房
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慢性膵炎 エコー所見 膵管の拡張、不整 実質の萎縮、粗雑 石灰化 膵石
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腹部超音波検査の実際 ⑥腎臓
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腎嚢胞 エコー所見 境界明瞭な無エコー病変。 しばしば後方エコーの増強を伴う。
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腎結石 エコー所見 後方音響陰影を伴う 高エコー病変。
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水腎症 エコー所見 腎盂および腎杯の拡張
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腎癌 エコー所見 腎皮質に発症する、低から高エコーまで、様々なエコーレベルの腫瘤。 (一般には低エコーのもが多い)
辺縁不整で境界は不明瞭なものが多い。 血流シグナルは陽性のものが多い。 表面がこぶの様に突出したものは、 hump sign (+)と表される。
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腎血管筋脂肪腫 エコー所見 腎皮質に発症する、境界明瞭な高エコー腫瘤。 出血を伴ったものは、エコーレベルが低下し、腎癌との鑑別に苦慮する。
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以上です。 実際に超音波検査室では本日お見せできなかった多くの疾患を診断しています。 興味のある方は、選択ポリクリや 臨床研修で検査部に実習に来て下さい。
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