アプリケーションのインストール ８. アプリケーションのインストール 水野嘉明

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1 アプリケーションのインストール ８. アプリケーションのインストール 水野嘉明
情報システム管理 ８. アプリケーションのインストール 水野嘉明 情報システム管理 1 1

2 本日の内容 １. ソースとパッケージの比較 ２. ソースによるインストール ３. パッケージ 2

3 １. ソースとパッケージの比較 UNIXで利用できるソフトウェアの配布方法には、ソース とパッケージ という２種類の形式がある
管理者は、それぞれの特徴を知りどちらを利用すべきかを判断しなければならない 3

4 １. ソースとパッケージの比較 ソースコードによる配布 自分でコンパイルしてインストールする パッケージ
コンパイル済みの実行形式ファイル（バイナリファイル）と関連ファイル類が、まとめて配布される 4

5 １. ソースとパッケージの比較 ソースによる配布のメリット ハードウェアや環境の違いに対応 カスタマイズが可能 最新の機能が利用できる
UNIXの種類やCPUアーキテクチャにより、バイナリは異なる カスタマイズが可能 最新の機能が利用できる オープンソースだから可能 5

6 １. ソースとパッケージの比較 ソースによる配布のデメリット 面倒な手順が必要 時間と手間がかかる
不具合に対処するには、ある程度の知識・経験が必要 6

7 １. ソースとパッケージの比較 パッケージの普及 UNIX／Linux の普及にしたがい、 実行ファイルが配布されてきた
実行ファイルだけでは、不便 インストールの履歴 相互の依存関係 などの情報が必要 パッケージ 7

8 １. ソースとパッケージの比較 インストール時の問題点 依存関係 インストール時期・バージョンにより、相互の依存関係に矛盾が出ることがある
「あるパッケージを動作させるには、別のパッケージが必要」 という関係 インストール時期・バージョンにより、相互の依存関係に矛盾が出ることがある 「パッケージAはBに依存、Cは古いバージョンのB' に依存」 など 8

9 １. ソースとパッケージの比較 お勧めは パッケージ ソースによりインストールするのは、 どうしても最新のソフトウェアが 必要な場合
どうしても最新のソフトウェアが 必要な場合 特殊なシステムにあわせてカスタマイズする必要がある場合 9

10 ２. ソースによるインストール 通常は、次のようなステップとなる １. ソースファイルの入手 ２. ファイルの展開 （tar）
３. ファイルの内容のチェック ４. configureの実行 ５. makeの実行 ６. make install の実行 例外もある 10

11 ２. ソースによるインストール １. ソースファイルの入手 ソースファイルは、様々な方法で配布されている FTPサイト／Webサイト
DVD/CD-ROM など それらのメディアから、自分のシステムにコピーする 11

12 ２. ソースによるインストール ２. ファイルの展開 （多くの場合） ソースは、tar というコマンドで1つにまとめられ、gzip または bzip2 というコマンドで圧縮されている これを適当なディレクトリに展開する 12

13 ２. ソースによるインストール ｔａｒ : tape archiver 複数のファイル、ディレクトリを、一つのファイルにまとめる
gzip ： GNU zip ファイルを圧縮する （複数ファイルを一つにまとめる機能はない） 13

14 ２. ソースによるインストール ｔａｒ コマンドによる展開 $ tar zxf foo.tar.gz
$ tar jxf foo.tar.bz2 tarはgzip等をサポートしている 14

15 ２. ソースによるインストール ３. ファイルの内容のチェック いろいろなファイルが含まれているので、内容をチェックする
特に、INSTALLやREADME というファイルには、コンパイルやインストール方法、注意点などが書かれている 15

16 ２. ソースによるインストール ソースのアーカイブに含まれる主なファイル AUTHORS ソフトウェア作成者に関する情報 COPYING
配布に関する情報 COPYRIGHT 著作権に関する情報 ChangeLog 変更履歴 INSTALL インストール方法に関する情報 LICENSE 使用ライセンスに関する情報 NEWS 変更点などに関する情報 README インストールや使用法に関する情報 16

17 ２. ソースによるインストール ４. configureの実行 各々のシステムに合わせて、ソースを変更する必要がある 手作業では大変
17

18 ２. ソースによるインストール configure スクリプトを実行すると システム毎の違い等を検出
必要なファイル（Makefileなど）を自動的に作成 カスタマイズの指定も可 18

19 ２. ソースによるインストール configure の例 $ ./configure $ ./configure --prefix=/usr
19

20 ２. ソースによるインストール ５. makeの実行 コンパイル作業は、make コマンドにより行う
多数のソースファイルをコンパイルし、ライブラリとリンクする $ make 20

21 ２. ソースによるインストール 作業内容は、Makefile というファイルに書かれている
Makefileは （多くの場合）configure により作成される 21

22 ２. ソースによるインストール Makefileの例 22

23 ２. ソースによるインストール ６. make install の実行 コンパイルされたファイルを、ファイルシステムにインストールする
root権限が必要 23

24 ３. パッケージ Unixのパッケージには、以下のようなものがある Debian系 ： deb RedHat系 ： rpm
BSD ： ports / Packages Solaris : pkg 24

25 ３. パッケージ パッケージの操作 パッケージ操作用のコマンドにて、インストール、アップデート、削除等を行う
パッケージの種類により、操作用コマンドは異なる 25

26 ３. パッケージ 基本的な操作コマンド パッケージ コマンド deb dpkg コマンド rpm rpm コマンド Packages
pkg_add / pkg_delete など pkg pkgadd / pkgrm など 26

27 ３. パッケージ 基本的なコマンドだけでは使いにくい 目的とするパッケージの検索 依存関係の検索 アップデート情報の検索
パッケージ管理コマンド rpm yum deb apt 27

28 ３. パッケージ 公開鍵方式による署名 パッケージには、PGP、GPG等の公開鍵方式による署名がされていることがある ＝ 正当性の証明のため
公開鍵を取り込むことにより、正当性が確認できる 28

29 ３.１ rpmコマンド パッケージのインストール $ rpm -i foo-1.0.0-1.i386.rpm 参考： パッケージ命名規則
ソフト名-バージョン.CPU種別.rpm 29

30 ３.１ rpmコマンド パッケージのアップデート $ rpm -U foo-1.0.0-1.i386.rpm
$ rpm -F foo i386.rpm 古いパッケージがインストールされていない場合、-Uならばインストールされる。 -Fならば、何もしない。 30

31 インストールされている 全パッケージを表示
３.１ rpmコマンド パッケージの削除（アンインストール） $ rpm -e foo パッケージの確認 $ rpm -q foo $ rpm -qa インストールされている 全パッケージを表示 31

32 ３.１ rpmコマンド パッケージ リストの表示例 32

33 ３.２ yumコマンド パッケージのリストを保持 システムにインストールされているパッケージのリスト
リポジトリ （パッケージをまとめて保管している場所）上の最新版のパッケージのリスト これらに基づきパッケージを管理 依存関係も自動的に解決 33

34 ３.２ yumコマンド パッケージのインストール $ yum install foo rpm と違い、パッケージの名前だけを指定すればよい
他のパッケージが必要な場合（依存関係がある場合）、そのパッケージも自動的にインストールされる 34

35 ３.２ yumコマンド アップデート $ yum update [foo]
現在インストールされているパッケージの新しいバージョンがリポジトリにあれば、アップデートする パッケージを指定しない場合は、全てのパッケージが対象 35

36 ３.２ yumコマンド パッケージの削除 $ yum remove foo パッケージの検索 $ yum search keyword
36

37 ３.２ yumコマンド パッケージの詳細情報表示 $ yum info foo リポジトリ上のパッケージ一覧 $ yum list 37

38 ３.２ yumコマンド 詳細情報表示例 38

39 ３.３ dpkg コマンド パッケージのインストール $ dpkg -i foo_1.0.0-1_i386.deb パッケージの削除
$ dpkg -r foo パッケージ情報の閲覧 $ dpkg -ｌ [foo] 39

40 ３.３ dpkg コマンド パッケージの詳細情報 $ dpkg -s foo パッケージのファイル一覧 $ dpkg -L foo 40

41 ３.４ apt コマンド rpmに対するyum と同様、dpkg（debパッケージ）に対して、aptコマンドがある rpm ⇔ yum
dpkg ⇔ apt 考え方は、yumとほぼ同じ 41

42 ３.４ apt コマンド パッケージの一覧表を更新 $ apt-get update 全パッケージを最新版に更新
$ apt-get upgrade パッケージのインストール $ apt-get install foo 42

43 ３.４ apt コマンド パッケージの削除 $ apt-get remove foo パッケージの検索
$ apt-cache search keyword パッケージの詳細情報の表示 $ apt-cache show foo 43

44 ３.５ BSDの場合 BSDのpackages/portsは、Linuxとは考え方がかなり違う コマンド sysinstall
pkg_add、pkg_delete などがある （ｒｐｍ、dpkgコマンドに相当） sysinstall メニュー方式 依存関係のあるパッケージを自動的に入れてはくれない 44

45 ３.５ BSDの場合 sysinstall の画面例 45

46 ３.５ BSDの場合 ports ソースコードの取得、コンパイル、インストールを行う 依存関係のあるパッケージも、インストールしてくれる
46

47 ３.５ BSDの場合 カテゴリ別にディレクトリがあり、その下に各アプリケーションのディレクトリがある
例） /usr/ports/japanese/less そのディレクトリにて、下記を行なう make configure make make install 47

48 ３.６ リポジトリ リポジトリ (repository) とは 「貯蔵庫」の意
一般には、設計情報やプログラムなどを保管しておくデータベースのこと ここでは、パッケージをまとめて保管しているWebサイト を指す 48

49 ３.６ リポジトリ リポジトリの追加 システムインストール時に、オフィシャルサイトが登録されている リポジトリを追加したいことがある
混雑したサイトを避ける オフィシャルにはないパッケージ 異なるバージョンのパッケージ 49

50 ３.６ リポジトリ リポジトリの追加 (apt) リポジトリのアドレスは /etc/apt/sources.list に記述されている
ここに、追加するリポジトリのアドレスを追記する 50

51 ３.６ リポジトリ リポジトリの追加 (yum) /etc/yum.repos.d/???.repo (??? は、ディストリビューション 毎に異なる） /etc/yum.repos.d/fedora.repo /etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo など yum.conf 51 51

52 ３.６ リポジトリ リポジトリを追加・変更した場合 リポジトリの公開鍵を取得しなければならないことがある
リポジトリのWebサイトに説明があるはず 52

53 ３.７ GUI ツール rpm、yum （dpkg、apt） などは、コマンドラインベースのコマンド （CUI)
53

54 ３.７ GUI ツール 例１ （KNOPPIX） 54

55 ３.７ GUI ツール 例２ （Fedora） 55

56 ３.８ その他 セキュリティ上のアップデートは、忘れずに行なわなければならない アップデートにより、不具合が発生することもある
テストしてからアップデート 56

57 ３.８ その他 KNOPPIXでは 書き換えのできないCD-ROMへのリンクが、多数張られている インストールに失敗しやすい 57

58 【課題６】 FTPサーバ vsftpd をインストールせよ
FTP (File Transfer Protocol) とは ファイルを転送するための通信プロトコル サーバで FTPサーバを動かすと、他のマシンからファイル転送を行うことができる 58

59 【課題６】 インストール方法 インストールは、root で行う
apt-get コマンドの前には LC_ALL=C をつける （日本語をうまく処理できない場合があるため、環境変数を一時的に変更する） 59

60 【課題６】 リポジトリ登録ファイル /etc/apt/sources.list を、Webサイトにある sources.list で置き換える （KNOPPIXが古いため、アップデートするものが多すぎてエラーとなるのを防ぐ） 60

61 【課題６】 プロキシを設定 /etc/apt/apt.conf に、次の行を追加する Acquire::http::Proxy
" 注1： 実際は、1行で書く 注2： 自宅等では、不要 61

62 【課題６】 パッケージ一覧を更新 次に、パッケージをインストール 注：いくつかエラーが出るが無視
注：「Install these packages without verification ? 」の問には 「y」 # LC_ALL=C apt-get update # LC_ALL=C apt-get install vsftpd 62

63 【課題６】 vsftpdの設定ファイルは、 /etc/vsftpd.conf ローカルユーザの書き込みを可に
local_enable=YES write_enable=YES コメントアウトしてある行を有効にする （先頭の # を取り除く） 63

64 【課題６】 書き換え後、忘れずreloadすること 設定できる項目は、他にも多数ある
anonymous (匿名) FTPは、不要ならば止めた方がよい 他にどのような設定項目があるかファイル中のコメントや manページを読んでおくとよい 64

65 【課題６】 デーモンの起動は、インストール時に自動的に設定される invoke-rc.d の必要はない （インストールにより、起動している）
デフォルトの設定を変更する場合はupdate-rc.d を 用いる （本課題では、そのままでよい） 65

66 【課題６】 Windowsから FTPによりログインせよ IPアドレスは、ifconfigにより調べる
Windowsの コマンドプロンプト （CMD.EXE）を起動し、FTPコマンドを実行する > ftp 66

67 【課題６】 自分名のユーザでログインした後、“ls -l”コマンドを実行せよ
以上の操作を行った画面をキャプチャし、Word 画面に貼り付け、report6.docxとせよ report6.docx を、manabaのレポート6として提出せよ キャプチャは Fn＋Alt＋PrintScreen 67 67

68 【課題６】 こんな画面になるはず 画面の色は異なると思う 68 68

69 次回の予定 DNSサーバ １. ドメイン名 ２. DNSサーバの役割と仕組み ３. DNSサーバの設定 69

70 お疲れ様でした