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腎臓の構造と位置
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糸球体の構造と機能 尿はまず糸球体で作られる。糸球体では1日800リッターの血漿を濾過して180リッターの濾液ができる。 近位尿細管へ
ボーマン嚢 近位尿細管へ 尿はまず糸球体で作られる。糸球体では1日800リッターの血漿を濾過して180リッターの濾液ができる。 そのうちの大部分は尿細管で再吸収される。 糸球体は複雑な血管叢で、ボーマン嚢に入り込んでいる。 糸球体の血管極には傍糸球体装置がある。特殊化した細胞の集合体である傍糸球体装置は、腎臓ホルモンの一つであるレニンを産生する。 レニンは、血液量の減少、ナトリウム濃度の減少、腎臓の虚血などで産生される。 レニン産生細胞(傍糸球体装置)
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糸球体疾患の特徴 疾患名 臨床症状 臨床経過 原発/続発 形態所見 IC沈着 好発年齢
連鎖球菌感染後糸球体腎炎 腎炎 急性 原発 管内増殖 上皮下 小児 急速進行性糸球体腎炎 腎炎 急性 原発 半月体形成 基底膜 成人 巣状糸球体腎炎 腎炎 急性 続発 巣状増殖 巣状 成人 微小変化群 ネフローゼ 慢性 原発 ほぼ正常 なし 小児 巣状糸球体硬化症 ネフローゼ 慢性 原発 巣状硬化 巣状 小児 膜性腎症 ネフローゼ 慢性 原発 膜性 上皮下 成人 膜性増殖性糸球体腎炎 腎炎+ネフローゼ 慢性 原発 メサンギウム 内皮下 青年 IgA腎症 腎炎 慢性 原発 メサンギウム なし 成人 遺伝性腎炎 腎炎 慢性 原発 メサンギウム M基質 小児 糖尿病性腎症 ネフローゼ 慢性 続発 結節性病変 なし 成人 腎アミロイドーシス ネフローゼ 慢性 続発 アミロイド沈着 なし 成人 ループス腎炎 腎炎+ネフローゼ 慢性 続発 メサンギウム 多様 成人
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急性糸球体腎炎 糸球体はびまん性に腫大し、内皮細胞やメサンギウム細胞が増殖して、白血球が浸潤している。毛細血管は狭窄しており、赤血球は認められない。 急性糸球体腎炎では、血液中からタンパク質が失われるため、顔面・眼窩周囲の腫張、腕・手・足・脚の浮腫、全身水腫がみられ、同時に尿中に血液、関節痛、筋肉痛、頭痛、嗜眠性の動作、けいれん発作、嗜眠状態、錯乱、高血圧などの多彩な症状が出現。
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ループス腎炎 様々な程度に糸球体の細胞増殖とフィブリノイド変性が見られる。病変の分布が一部の糸球体にとどまる場合とびまんせいに冒される場合がある。いずれの場合でも、係蹄毛細管壁にフィブリノイド物質が沈着して肥厚したワイアーループ病変と呼ばれる所見がある。
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糖尿病性腎症 腎臓の中にある糸球体は、血液中の老廃物を尿中に排泄するろ過器の働きをしている。
糖尿病で高血糖状態が続くと、糸球体を構成している細かい血管が動脈硬化を起こして固くなり、糸球体の組織の目が粗くなって、ろ過機能が低下する。 するとたんぱく質が糸球体の網の目を通り抜けてたんぱく尿が出たり、尿をつくる働きが低下して老廃物が排泄されなくなり体内にたまる糖尿病腎症になる。
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糖尿病性腎症の病期分類と治療
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レニン・アンギオテンシン系
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アルドステロンの働き アルドステロンは、集合管のPC cell(principal cell:主細胞)の尿細管腔側に存在するNa+チャネル(ENaC)やNa+/H+交換輸送体、基底膜側に存在するNa+/K+-ATPaseを活性化させ、Na+再吸収を促進させ、また、K+チャネルを活性化させて、 K+排泄を促進させる。
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急性尿細管壊死 急性尿細管壊死(ATN)は腎臓の虚血(大量出血、火傷、外傷によるショックなどで循環血液量が不足して起こる。組織への酸素の欠乏)または腎臓に対して毒性のある物質(腎毒性物質)にさらされることによって起こる。腎臓の内部組織、特に尿細管の組織は損傷または破壊される。 水銀中毒で急性尿細管壊死をおこした患者の尿中にみられた大型の近位尿細管由来と思われる尿細管上皮細胞。細胞変性がきわめて強い。ステルンハイマー染色、400倍。
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水腎症 水腎症では、尿の流れが妨げられ、尿細管や腎盂という尿が集まる部分に逆流するために、腎臓が拡張する。
閉塞のために圧力が上昇すると、やがて腎臓に損傷が生じ、最終的には腎機能が失われる。
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多発性腎のう胞 多発性嚢胞腎の人の約3分の1で、肝臓にも嚢胞がみられるが、肝機能には影響しない。約10%の人に脳の動脈瘤(どうみゃくりゅう)がある。 常染色体優性遺伝(成人期に発症)中年以降に腎不全となる。 常染色体劣性遺伝(新生児期に発症)新生児の重症例では生後まもなく死亡する。
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腎不全・尿毒症の症状・検査所見 ①高窒素血症: 窒素代謝物の貯留による ②アシドーシス: 水素イオンの排出障害による
①高窒素血症: 窒素代謝物の貯留による ②アシドーシス: 水素イオンの排出障害による ③高カリウム血症: カリウムイオンの排出障害による ④体液量コント ロールの異常: 初期の特徴の1つは尿を濃縮できないこと。後期には尿を希釈する能力も 失われる。ナトリウムと水分が貯留する結果、うっ血性心不全を起こす。 ⑤低カルシウム血症: 活性化ビタミンDの合成ができなくなり、骨軟化症を伴う。 ⑥骨粗鬆症: 続発性副甲状腺機能亢進症による。 ⑦貧血: エリスロポエチンの産生低下による。 ⑧高血圧: レニン産生の過多による。 ⑨皮膚の色素沈着 ⑩易感染性 ⑪易疲労感 ⑫食欲不振 ⑬嘔吐など消化器症状 ⑭呼吸器の異常 ⑮循環器の異常 ⑯神経系の異常
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腎細胞癌(グラヴィッツ腫瘍) 尿細管上皮由来の腫瘍である。腎の悪性腫瘍の80%を占め、50-70歳の男性に好発する。
腫瘍細胞はグリコーゲンや脂肪に富んでいるため、細胞質が明るいのが特徴。 間質は結合組織が見られず、血管のみ。 しばしば腎静脈に浸潤し、血行性に肺や肝、骨に転移しやすい。
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腎芽腫 小型の未分化な腫瘍細胞が、尿細管様の構造を呈したり、ロゼット状を呈したり、未熟な横紋筋や軟骨などを認めることもある。
肺、肝、骨などに転移しやすい。
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