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インドネシアの中古車市場 平成24年11月24日 PT.JBAindonesia 塩山和宏

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1 インドネシアの中古車市場 平成24年11月24日 PT.JBAindonesia 塩山和宏
平成24年11月24日  PT.JBAindonesia 塩山和宏 

2 目次 1.中古車の価格形成について 2.中古車流通の実態について ※本日の資料は1円=100ルピアとさせていただきます
※インドネシアには、中古車流通に関する統計資料が存在しないことをご理解下さい

3 1.中古車の価格形成について

4 小売価格とリセールバリューの特徴 ≦ = 現在 供給 需要 高値安定 まだ少ない ・古い車(安い車)の供給が圧倒的に少ない
・90年代の乗用車自体がそもそも少ない ・90年代の中古車は50万円以下、しかしステータス性は低く故障も心配 ・中古車の供給が需要に追いついていない ・中古車として供給される車も現行型がほとんど ・まともな中古車は軒並み100万円以上になってしまう まだ少ない

5 TOYOTA AVANZA 2009 インドネシアの最量販車種 2004年デビュー タイプ1.3G 新車価格151万円 (2011年当時)
インドネシアの最量販車種  2004年デビュー タイプ1.3G 新車価格151万円 (2011年当時)  Merk Model RESULT PRICE TOYOTA AVANZA G 123,000,000 124,500,000 123,500,000 126,500,000 113,000,000 122,500,000 113,500,000 販売価格130万円前後 新車比86% オークション価格 124万円前後 新車比82% 販売店粗利6万円程度(以下)

6 TOYOTA AVANZA 2005 販売価格110万円前後 新車比73% オークション価格104万円前後 新車比69%
AVANZA G 102,000,000 106,500,000 103,000,000 99,000,000 107,500,000 100,000,000 販売価格110万円前後  新車比73% オークション価格104万円前後  新車比69% 販売店粗利 6万円(以下)程度 2009年式比 販売価格20万円差15%値落ち オークション価格同

7 DAIHATSU XENIA 2009 タイプ XI 新車価格142万円 販売価格115万円前後 新車比81%
Merk Model PRICE DAIHATSU XENIA Xi 107,500,000 107,000,000 81,000,000 販売価格115万円前後 新車比81% オークション価格 107万円前後 新車比75% 販売店粗利8万円程度(以下) 基本的に兄弟車であるが差がある

8 HONDA CR-V 2009 Merk Model PRICE HONDA CRV 2.0 255,500,000 262,000,000
280,000,000 260,000,000

9 その他 これらの半商用車やハッチバック MPVも同じ位のリセールバリューである

10 TOYOTA CAMRY 2008 カムリ2.4V 2008年 新車価格498万円 販売価格300万円前後 新車比60%
メーカー 車種 年式 スタート価格 落札価格 TOYOTA CAMRY 2,4 G 2008 205,000,000 207,500,000 216,500,000 220,000,000 225,000,000 CAMRY 2,4 V 210,000,000 2007 232,500,000 UNSOLD 270,000,000 240,000,000 230,000,000 229,000,000 231,000,000 300,000,000 261,000,000 226,000,000 272,000,000 223,500,000 258,000,000 215,000,000 販売価格300万円前後 新車比60% オークション価格210万円前後  同42% 販売店粗利 90万円 日本でもこんな利益はあり得ない! 

11 カムリの価格差はなぜ? そもそもインドネシアにてセダンタイプが弱い(シェア4%)アコード、カローラ等も同様
憧れではあるが、コストと使い勝手の問題 維持費(税金)も高い 中古車で買おうとする層は更に薄い 在庫リスクが高い(調達金利は10%超) クラウンやレクサスは更に大きな差

12 特徴的な価格形成要因 現状の中古車市場は、需給バランスからも売手市場 現在の新車はモデル末期が多い 今年から来年で、その多くがモデルチェンジ
企業の原価償却は5~8年が中心 ジャカルタでは、走行するほとんどの車が現行型

13 今後の相場変動予測 モデルチェンジ等により代替え需要がある⇒少しづつではあるが供給量が増える
グリーンカ―の発売でアヴァンザ等コンパクトMPV価格が下落⇒セニアの3年落ちは現在の110万円から7-80万円程度に MPV下落に引きずられ、他も下落⇒平均20%程度 2014年~2020年の次世代新型投入まで、好景気に支えられ、ゆるやかな落ち 次世代新型投入を受け、低年式車( 年)は低年式なりの相場に下落 2020年以降は一定水準で安定⇒中古車バリエーションが増え、新中間層の需要も発生

14 相場変動イメージ 6~8年後? 現在 大衆車アヴァンザの 中古車価格 ローコストグリーンカーの登場 次世代モデルの発売
この辺りで新中間層が買えるようになる 所得 6~8年後? 現在

15 2.中古車流通の実態について

16 流通の源泉について まだまだ商品中古車の絶対数が少ない 徐々に代替えによる発生量も増すが、ローン不払いによる回収車両比率も高い
2012年の新車販売は100万台超の予定であるが、2004年~2008年の平均は半分以下 企業の原価償却期間(8年)も影響 モデルチェンジ周期の問題

17 オークション流通の基本形 check! check! check! check! 一般ユーザー SELLER AUCTION BUYER
     一般ユーザー SELLER AUCTION BUYER      一般ユーザー    販売金融事業者  ライセンス保有事業者  中古車販売業者 引揚げ 出品 落札 販売 落札(少数) check! check! check! 二輪・四輪ともに、購入時ローン利用率は80%を超える。 支払不能案件は現物を引揚げる。 四輪では 販売店の出品が増加中 規制緩和により、民間がオークション運営できるようになった。運営方法を細かく規定した法律がある。 ローンキックバックは 販売店にとって大きな 収入源となっている。 check! 引揚げ車両(REPO車)は、「迅速に適正価格で売却」する必要がある。 販金業にとって、オークション出品は大変有効な売却手段。 日本では古物商届出業者のみが参加する会員制だが、インドネシアでは日本の不動産競売のように一般消費者も参加できるように法律で規定されている。

18

19 昔の日本とよく似た状況 中古車情報専門誌が無い 買取専門業態が無い オークションが未発達 消費者保護制度が未発達
   昭和末期~平成初期(20~30年前)    の日本とよく似た状況と言える

20 日本のおさらい 昔 今 「情報」 が中古車選びを変えた 車種を決めている人 中古車店、街を回って探す 知ってる店に探してもらう
日本のおさらい   「情報」 が中古車選びを変えた 車種を決めている人 中古車店、街を回って探す 知ってる店に探してもらう 形と予算から選ぶ人 大規模店に行き在庫から選ぶ 予算重視で選ぶ人 いろいろ回って探す 膨大な 情報 情報収集 と絞り込み 価格の妥当性 販売店の規模、信用、位置 保証内容や整備内容 限られた 情報 固体まで絞り込んだうえで はじめて現物を見に行く

21 日本のおさらい 今 昔 中古車屋も変った 安心(保証○ヶ月、整備○○項目) 品揃え(常時在庫○○○台) 専門店(○○○専門)
 中古車屋も変った  安心(保証○ヶ月、整備○○項目) 品揃え(常時在庫○○○台) 専門店(○○○専門) 安売り(総額○○万円以下) 買取中心 いずれかに分類される店が多くなっています しかし20-30年前は、どうだったでしょう?? まっとうに 差別化しないと 客は来ない ある物を並べているだけでも客が来た 来た客を逃さなければ、適当に売れた 客が来なくても、ブローカーが売ってくれた

22 インドネシア中古車店の現状 薄利多売 or ホームラン狙い 1店あたり在庫台数15-30台 月間販売台数5-20台
資本力があれば大型化より複数店舗化 番頭+スタッフ2-3人の構成 外部に販売ブローカー、仕入れブローカー 商売の仕方も、考え方も、昔の日本とよく似ている

23 仕入れルート ※ブローカーも業者と考えれば、業者間仕入れが70%程度を占めることになる。 ネットワークの大きさが、中古車販売店の最大の武器。
※仕入れをオークションに頼る業者は新参者と言える。 ※JBAI聞き取り調査結果

24 中古車専門誌が無い では、どのような売られ方なのか 情報の非対称を生んでいる 比較物(の情報)が少なく、消費者は、その金額の妥当性を測れない
ブローカーの介在が流通を潤滑にしている では、どのような売られ方なのか

25 新聞の売買コーナー 情報内容としては メーカー、車名、タイプ、年式、色(HITAM黒等)、価格、電話番号
価格掲載率50%程度、距離掲載率は15%程度、店舗名掲載率15%程度 見る為には、まず電話をしなければならない

26 個人売買サイト 日本のヤフーオークションのような役割
個人売買サイト  日本のヤフーオークションのような役割 個人売買サイトのはずが、 隣の車にはプライスボードも

27 DP(頭金)規制で最低20%であるが16%である
情報量は新聞と殆ど変らない ここでも見る為には、まず電話をする必要がある 無料サイトである為、実際に車がある確立は50%程度 ⇒日本でも、昔はこのような「おとり広告」が常套手段だった

28 中古車選びの実状は? 中古車店密集地域を歩いて探す →なかなか見つからない →大型店舗無 新聞等の情報を元に探す →店舗の情報等無く心配
  →なかなか見つからない   →大型店舗無 新聞等の情報を元に探す   →店舗の情報等無く心配   →地域すら判らない 知人を伝い、ブローカー、中古車店を通じ探す  →日本では大型店に客が多かった 昔の日本も同じようなものだった。全国どこにでも中古車店密集地域があった。 しかし、今の日本では、中古車情報サイトなどで情報収集し、絞り込んでから販売店に行くのが一般的となったため、中古車店の密集や大型店の優位性は失われつつある。

29 問題点 価格は非表示、または値引き前提表示であてにならない →中古車店は客を見て販売価格を決める
  →中古車店は客を見て販売価格を決める ローンでの毎月の支払い金額は出ているが金利表示は無い   →イスラム国で金利の教育を受けてない   →中古車店は仕切り金利があり、実行金利     との差の部分がローンバックになる           詳しくなければ、ボッタクリに会ってしまう

30 ブローカーの役割とその実態 ブローカー介在型流通の典型例 都会から地方への流通 情報 金 カムリを欲しい地方の小金持ち 近所の中古車販売店
 ブローカーの役割とその実態 ブローカー介在型流通の典型例 都会から地方への流通 情報 カムリを欲しい地方の小金持ち 来店するも 希望車なし 300万円 近所の中古車販売店 条件を伝え探せと指示 270万円 地元のお抱えブローカー 信頼できる仲間に連絡 250万円 都会のブローカー 在庫車を見つけて交渉 230万円 在庫を持つ中古車販売店 200万円 在庫仕入 店頭表示価格300万円 カムリ 1990年頃までの日本の高級中古車市場と全く同じ構造。 店頭価格が表示されていないケースも多い。その方がブローカーにとっても販売店にとっても何かと都合が良い場合があるからだ。

31 ブローカー介在型流通の典型例 新下(新車販売時の下取車)の場合 情報 カムリ 旧型から新型への代替検討客 新車ディーラー営業マン
今の車が高値で売れたら乗り換える 旧型から新型への代替検討客 180万円 新車ディーラー営業マン 条件を伝え買手を探せと指示 190万円 仲の良いブローカー 複数の中古車屋と条件交渉 200万円 一番高値をつけた中古車販売店 店頭表示価格300万円 これも、1990年頃までの日本と全く同じ構造。 中古車販売店に「仕入れはどうしてるの?」とたずねると、「ウチにはブローカーが7人もいる」などと返ってくる。つまり、ブローカーネットワークの大きさと質=一番の強み、と言える。 逆に、「オークションはネットワークが脆弱な新参者が行くところ」というイメージもある。 新車ディーラーは中古車に興味も無く、営業マンの「溶かし」は容認されている。

32 日本の変化 買取店ができたこと、ディーラーが中古車に目を向けた事により下取りが変化 下取に出さず、ユーザーが高い店を探す30%
下取車入庫したディーラーは自社又はオークション売却 これによりセールスマンが儲からなくなった 中古車店はオークション仕入れが多くなった ユーザーは適正価格で売却できるようになった

33 オークションが未発達 日本に比べ手数料が高い 日本のように定期開催していない ブローカーからの買取、ブローカーへの販売が多い
中古車ディーラーがオークションにて積極的に売買する習慣が根付いていない

34 消費者保護制度の違い 保証期間無し 事故車等の瑕疵申告無し 走行距離巻き戻しの当たり前 価格表示無し(客層によって変わる)

35 消費者の意識の違い 前項の消費者保護が無い為に起きる 走行距離、事故歴等信じていない 販売店保証も無い為、自分の目利きが必要
目利きが出来ない場合は、信用出来る(と思いこんでいる)ディーラー、ブローカーに相談するしか手段が無い 現在、需要が高い為、このような取り組みを行う必要が無いと考えられている。差別化や工夫は売れなくなってから考える

36 自己防衛の考え方 中古車を保証無しで、自分の目利き、確認を信じて購入は偽物流通の多さと、他人を信じられない考え方
レストラン等の伝票は品目が合っているかチェック 飲み屋でのボトルは開ける前にチェック 偽札判別機の設置率が高い 両替所で折れ目のある札は両替してくれない 偽物はミネラルウォーター(中身は水道水)まで存在

37 日本で改革された時期は近かった 中古車情報 買取店 オークション 消費者 創業 77 名古屋中古車情報 中古車店 82 名古屋会場開始
77 名古屋中古車情報 中古車店 82 名古屋会場開始 1991年 メーター戻し ニコイチが問題化 1992年 Goo名古屋 Goo関西 1994年 ガリバー1号店 USS東京会場 1995年 Goo関東 TVオークション 1996年 Gooネット開始 FC展開 TV-CM開始 2001年 上場 1998年上場 1999年上場 1999年 走行管理システム開始

38 我々の役割 日本を含む先進国が道路、鉄道等インフラ整備を途上国に対し行うのと同じく、自動車でも日本のシェア、ブランド、優位性を守る為にも中古車マーケットのインフラ整備は、今後の自動車マーケット形成の上で必要不可欠である。 今であれば、我々の思うようにマーケットを誘導することは可能であると思われる。 私は関係するメーカー様、事業者様と共に、このマーケット形成を行っていきたいと思う。


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