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Published byはるまさ ささおか Modified 約 7 年前
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福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座 安村誠司(yasumura@fmu.ac.jp)
にかほ市健康まつり 市民健康講座 「高齢者における健康づくり ~ロコモティブシンドロームって何?~」 日時:2013(平成25)年11月4日(月)13:30~15:30 場所:にかほ市総合福祉交流センター「スマイル」 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座
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講演概要 1.健康日本21(第二次)について 2.健康の3要素としての運動 3.高齢者における運動の意義・考え方 4.介護予防事業における「運動器の機能向上」 5.ロコモティブシンドロームって何? 6. まとめ
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国民の健康の増進の総合的な推進を図るための 基本的な方針 〈平成24年7月10日厚生労働大臣告示〉
基本的な方針 〈平成24年7月10日厚生労働大臣告示〉 この方針は、21世紀の我が国において少子高齢化や疾病構造の変化が進む中で、生活習慣及び社会環境の改善を通じて、子どもから高齢者まで全ての国民が共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、ライフステージ(乳幼児期、青壮年期、高齢期等の人の生涯における各段階をいう。)に応じて、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し、その結果、社会保障制度が持続可能なものとなるよう、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な事項を示し、平成25年度から平成34年度までの「二十一世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」を推進する。
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平均寿命(平成22年度)
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1.健康寿命の延伸と健康格差の縮小 平均寿命と健康寿命の差
資料:平均寿命(平成22年)は、厚生労働省「平成22年完全生命表」、健康寿命(平成22年)は、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」
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都道府県別 日常生活に制限のない期間(健康寿命、平成22年)
(資料:厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」)
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女 脳血管疾患の都道府県別の年齢調整死亡率の年次推移 男
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(平成22年 国民健康・栄養調査結果の概要、厚生労働省)
全国平均は、男性11.8g, 女性10.1g
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要介護及び要支援者数の推移 p76 図1 要介護及び要支援者数の推移 資料:厚生労働省「介護保険事業報告」
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高齢者の肥満度別の死亡率 やせ 普通 太りぎみ 43.3% 42.5% 26.8% % 50 40 30 20 10
やせ 普通 太りぎみ (東京都老人総合研究所長期プロジェクト「中年からの老化予防総合的長期追跡研究」)
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肥満の判定と肥満症の診断基準 (日本肥満学会、1999年)
●肥満の定義 脂肪組織が過剰に蓄積した状態。 BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) BMI 判定 WHO基準 < ≦ ~ <25 25≦ ~ <30 30≦ ~ <35 35≦ ~ <40 45≦ ~ 低体重 普通体重 肥満1度 肥満2度 肥満3度 肥満4度 Underweight normal range Preobese obese class I obese class II obese class III Department of Public Health, Fukushima Medical University School of Medicine
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高齢者の健康の目標設定の考え方 高齢者の健康 健康寿命の延伸・健康格差の縮小 生活の質の向上 社会環境の質の向上 ○高齢者の要介護状態の予防
または先送り ○高齢者の社会参加と社会貢献の増進 ○身体、心理、社会的機能の維持・増進 ○認知症、ロコモティブシンドローム、うつ、閉じこもり、低栄養など老年症候群の予防 社会参加の機会の増加と公平性の確保、健康のための支援(保健・医療・福祉等サービス)へのアクセスの改善と公平性の確保、地域の絆に依拠した健康づくりの場の構築 P75 高齢者の健康の目標設定の考え方 ○良好な食・栄養 ○身体活動・体力の増進 ○社会参加・社会的紐帯を重視 <個人の行動変容> <良好な社会環境の実現>
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社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標 〈具体的な目標〉
目標項目 こころの健康 ① 自殺者の減少(人口10万人当たり) ② 気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合の減少 ③ メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合の増加 ④ 小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医師の割合の増加 次世代の健康 健康な生活習慣(栄養・食生活、運動)を有する子どもの割合の増加 ア 朝・昼・夕の三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの割合の増加 イ 運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合の増加 ② 適正体重の子どもの増加 ア 全出生数中の低出生体重児の割合の減少 イ 肥満傾向にある子どもの割合の減少 高齢者の健康 ① 介護保険サービス利用者の増加の抑制 ② 認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率の向上 ③ ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を認知している国民の割合の増加 ④ 低栄養傾向(BMI20以下)の高齢者の割合の増加の抑制 ⑤ 足腰に痛みのある高齢者の割合の減少(千人当たり) ⑥ 高齢者の社会参加の促進(就業又は何らかの地域活動をしている高齢者の割合の増加)
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社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標
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健康の3要素 1.栄養 → 食欲 生理的に体の中に 2.休養 → 睡眠 組み込まれている。 3.運動 → ? …… 運動しなくても生きていける。 文明・文化の発展過程の中で、身体を動かす必要性が どんどん少なくなってきている。例)自動車 運動を意識的に生活の中に組み込む必要がある。 (黒須 充、第2回健康ふくしま21推進県民大会. 改変)
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高齢者における歩行と死亡率 総死亡率 がん 脳卒中・心臓病 1日あたりの歩行距離(km)
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(平成22年 国民健康・栄養調査結果の概要、厚生労働省)
全国平均は、男性7,225歩, 女性6,287歩
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65歳以上の死亡原因と要介護の原因 死亡原因 要介護の原因 (人口動態統計及び国民生活基礎調査(2001年)
から65歳以上高齢者について作成)
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要介護者の2年間の状態変化 一度、要支援・要介護になったら、戻れない坂道? 要支援・要介護1の高齢者の状態の改善が不十分!
改善 維持 重度化 死亡 その他 一度、要支援・要介護になったら、戻れない坂道? 要支援・要介護1の高齢者の状態の改善が不十分! 軽度者に対するサービスが有効ではない!!
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「高齢期における運動の効果」 ・これまでは不可逆的なものと考えらえられてきた ・高齢者における運動の効果(Fiatarone, 1994)
・高齢による衰弱、転倒など明確な疾病ではないものの、加齢に伴う生活機能の低下(老年症候群) ・高齢者における運動の効果(Fiatarone, 1994) ・米国のナーシングホームに居住するほどの虚弱な高齢者であっても、運動器の機能向上がもたらされ、生活機能が改善する ・85歳以上の高齢者であっても、介入効果を期待できる ・今後の展望 ・老年症候群の多くは、身体や精神の活動低下が背景にあるため、積極的な働きかけによって改善することが期待できる ・運動器の機能低下の改善や予防が可能であることを裏付ける報告は、1990年以降、国内外で数多くなされている。 (大渕修一.「運動器の機能向上」マニュアル.厚生労働省ホームページ)
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運動を行う際の留意点 運動前 運動中 運動後 ・運動前に状態のチェックを行う ・事前の注意事項を参加者に周知する
・自覚症状や他覚所見に基づく安全の確認を行う (顔面蒼白・冷や汗・吐き気・嘔吐・脈拍、不整脈など) 運動後 運動終了後に状態を確認し、必要に応じて処置をとる (運動終了後すぐに解散することなく、しばらく状態を観察する) (大渕修一.「運動器の機能向上」マニュアル.厚生労働省ホームページ)
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ロコトレ(ロコモーショントレーニング)
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開眼“片足立ち”訓練 虚弱高齢者への運動訓練 ・片足立ちは両足立ちに比して 2.75倍の負荷がかかる
・片足立ちは両足立ちに比して 2.75倍の負荷がかかる ・1分間片足立ち訓練=約53分間歩行に相当 厚生労働省2006.8.29記事. 阪本桂三、整形外科学会
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まとめ 1. 運動の指針 日常生活の中で、自宅でも気軽に実践可能な項目を中心とする。 1) 一般的な考慮事項
1. 運動の指針 日常生活の中で、自宅でも気軽に実践可能な項目を中心とする。 1) 一般的な考慮事項 (1) 個人の体力・健康水準に適した運動を選択する。 (2) 安全で、効果の認められる項目を選択する。 (3) 短時間に大きな力を発揮するような無酸素性運動や敏捷性を必要とする運動は、高齢者に好ましくない。 (4) 短時間に大きな効果を期待するよりも、長い目で見たときの少しずつの改善でも有効である。 (5) 運動の習慣化や生活化につながるように、毎日続けるのが大事である。 (6) 運動を楽しむことが重要である。楽しむことにより心が刺激され、若返る。心の若返りは、からだに活力を与える。 (7) 体力・健康水準の改善に伴って運動量を調整する。 (8) 日々のからだの調子によって、運動量を調整する。 (9) 運動する時には、鍛えられる部位を意識することが大事である。 (10)運動による疲労が蓄積されないように、十分な休養と栄養摂取が必要である (東京都老人総合研究所疫学部門)
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