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第8章 国際収支と国際投資ポジション 対外経済関係の鳥瞰図
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8.1 国際収支統計と国際投資ポジション表 国際収支と国際投資ポジションは, 対外経済関係を統計的な鳥瞰図として把握する試み
8.1 国際収支統計と国際投資ポジション表 国際収支と国際投資ポジションは, 対外経済関係を統計的な鳥瞰図として把握する試み a 国際収支統計の概念と項目 国際収支統計:ある特定期間にわたる居住者と非居住者との間の 経済的取引を集約した統計 経常収支 貿易収支 サービス収支 所得収支 経常移転収支 資本収支 投資収支 その他資本収支 外貨準備増減 誤差脱漏 2
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経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏=0
b 国際収支統計の基本構造 経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏=0 ・・・・・・① 表8-2国際収支表の記入例 表8-1 日本の国際収支(2007年) 3
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b 国際収支統計の基本構造(続き) ① 国際収支表記入の原則:「複式記録方式で記入する」 →単なる記載テクニックではなく、現実の取引関係を反映 ② 経常収支と対外債権・債務の関係 ・ 経常収支黒字の国→対外純債権増加 (対外債権-対外債務>0) ・ 経常収支赤字の国→対外純債務増加 (対外債権-対外債務<0) ・ 経常収支が対外債権(対外債務)を変動させる要因となる 4
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国際投資ポジション表(対外資産負債残高) ⇒対外資産および債務の残高(ストック)を記録
c 国際投資ポジション 国際収支統計 ⇒財や資金のフローを記録 国際投資ポジション表(対外資産負債残高) ⇒対外資産および債務の残高(ストック)を記録 表8-3 日本の対外資産負債残高(2008年末) (出所)財務省「平成20年末本邦対外資産負債残高 増減要因(試算)」より作成. 5
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① 国際投資ポジションの計上方法 ② 残高の増減要因 ③ 日本の国際投資ポジション ④ アメリカの国際投資ポジション
c 国際投資ポジション(続き) ① 国際投資ポジションの計上方法 ・ 自国資本の投資残高→資産項目 ・ 外国資本の投資残高→負債項目 ② 残高の増減要因 ・ 国際取引による部分(国際収支統計に計上された金額) ・ ストックの評価調整による部分(為替相場変動による換算額の変化分と,それ以外の部分) ③ 日本の国際投資ポジション ・ 日本は経常収支黒字によって対外純資産が世界最大 ④ アメリカの国際投資ポジション ・ アメリカは経常収支赤字によって,対外純債務が世界最大 ・ アメリカは純債務国であるにもかかわらず,投資収益収支が黒字 ・ アメリカの巨大な国際投資ポジション→グローバリゼーションの一端 6
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8.2 国際収支と国内経済 Y+M=C+I+G+X X-M=Y-(C+I+G) 財・サービス収支=GDP-内需(アブソープション)
8.2 国際収支と国内経済 Y:GDP C:民間消費支出 I:民間投資支出 G:政府支出 M:財・サービスの輸入 X:財・サービスの輸出 Y+M=C+I+G+X X-M=Y-(C+I+G) ・・・・・・② 外需 財・サービス収支 内需, アブソープション 財・サービス収支=GDP-内需(アブソープション) 7
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S=Y-T-C X-M=(S-I)+(T-G) 財・サービス収支=民間純貯蓄-財政収支
民間可処分所得 X-M=(S-I)+(T-G) ・・・・・・③ 財・サービス収支=民間純貯蓄-財政収支 貯蓄・投資バランスは,財・サービス収支ないし経常収支と対応関係にある 8
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8.3 国際不均衡問題 赤字国 黒字国 貯蓄不足国 過剰消費国 過剰貯蓄国 消費不足国 経済収支の不均衡 アメリカの巨額の赤字
8.3 国際不均衡問題 赤字国 黒字国 貯蓄不足国 過剰消費国 過剰貯蓄国 消費不足国 経済収支の不均衡 表8-4 経常収支の主要な赤字国と黒字国 アメリカの巨額の赤字 アメリカドルが基軸通貨であることから発生するアメリカの特権→どこまで負債決済できるのか 実体経済に関わる側面(黒字国の経済成長に貢献) (出所)IMF, World Economic Outlook Databaseより作成. 9
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附録 図8-1 国際取引とその決済 10
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図8-2 GDP比で見た日本の貯蓄・投資バランス(1996-2007年)
図8-2 GDP比で見た日本の貯蓄・投資バランス( 年) 11
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