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インプラントとは? ASYL
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失われた歯を再現するインプラント インプラント(implant)は、”植える”という意味を持つ言葉 で、そこから医療用語として”移植する”、また”移植する物”を 指して使われている。歯科でいうインプラントとは、人工歯 根を顎の骨に挿入する治療のことである。 失われた歯を再現する方法としては、ブリッジや義歯のよ うに歯根の存在しないものもありうるが、ものを噛んだり話 したりすることに対してより自然で快適な選択肢として、イ ンプラントが高い評価を得ている。
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近代インプラントの誕生 インプラントは、鋭利なドリルによって顎の骨に穴を開け、チ タン製の歯根を埋め込んで義歯の支えとする外科手術である。 ドリルで穴を開けた部分にインプラントを埋め込むと、骨と インプラントの間にはミクロン単位の隙間が生じるが、そこに 骨を再生させる細胞が入り込んでインプラント表面と骨が密に 接触するようになる。 下顎で約3ヶ月、上顎で約6ヶ月の期間を経て機械的に結合 するとされているが、 最近では古典的な無意味な期間とも言わ れている。
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古代から存在したインプラント インプラントは新しい歯科治療とのイメージが強いが、 実 は紀元前の昔から歯科治療としてのインプラントが試みられ ていたことが古代遺跡から発見されている。 現在、人類の歴史上最も古いとされるインプラントは、ト ルコで発見された石製のインプラントで、なんと紀元前550年 頃のものだとされる。ただし、このインプラントは、実際に 歯の代わりとして機能出来ていたかは疑問で、 儀式などの為 だけに使われていた可能性が高い。
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近代インプラントの歴史 インプラント治療の発達
近代になって、ステンレスやコバルトクロム、金、サファイヤな どを利用したインプラントが試みられたが、これらの予後は悲惨な ものであったと言われる。チタンとは異なり、骨結合が発生しない ことが最大の原因と考えられる。 医療技術も全ての要素において現 在よりはるかに遅れていたので、失敗した後の治療も困難だったの だろう。 1952年にスウェーデンの医師ブローネマルクによるオッセオ インテグレーション(骨結合)の発見から インプラントが実用的な 治療技術として確立していく。 素材としてチタンが導入されるよう になり、インプラントは極めて良好な成果をもたらすようになった のである。 生体に不活性であるチタンは、これまでの素材と異なり 骨と直接結合する性質を持っている。 1980年代になると日本でも歯科インプラントに対する取り組 みが始まったが、 当初は人工サファイアを使ったインプラントが行 われるなどトラブルも多かったようである。
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ブレードインプラント
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骨膜下インプラント
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インプラント治療の発達 世界的な流れとしては、1988年のトロント会議で、世界中の 著名なインプラントジスト(インプラントをする医師)が集まっ てコンセンサスレポートを打ち出している。 「5年85%、10年80%以上の生存」を成功の基準として 認め、 世界的にチタン製のインプラントが開発・利用されるよう になり、安全かつ予知性の高いインプラントの時代が到来した。 ※コンセンサスというのは、EBM(Evidence:根拠 Based:基づい た Medicine:医療)に基づいた報告であり、 一部の歯科医の経験 のみの報告は除外されたものである。 現在、インプラントの形状や表面の改良による性能の向上、骨 質・骨量の不足を補う骨造成・骨移植の進歩、 歯科技工物の品質 向上などによって、さらにインプラントの質は向上し、15年生 存率90%以上ともいわれるまでになっている。
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インプラントのメリット 違和感が無い インプラントは、天然歯と殆んど変わらない感覚を再現することが可能 である。
違和感が無い インプラントは、天然歯と殆んど変わらない感覚を再現することが可能 である。 耐久性 入れ歯は5年、ブリッジは7年といわれるのに対し、インプラントは1 5年も持ちこたえるといわれる。 状態が良ければさらに長持ちする。4 0年以上経っているものも存在する。 良く噛める 義歯では満足に噛めないことがあるが、インプラントは強い力が加わっ ても安定している。 固いせんべいでも歯にくっつきやすい餅でも何でも 食べられる。 味覚が落ちない 義歯では、噛む力が弱くなったり、粘膜の一部が覆われたりすることで 味覚が低下することがある。インプラントでは味覚の低下する要素は見 当たらない。 話しやすい 入れ歯が合っていないと発音に支障をきたすことがあるが、インプラン トではそのようなことが起こることはない。
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インプラントのデメリット インプラントは外科手術であり、歯科においての外科手術の中では 高度な技術や経験が要求されることは確かである。 それらに関してはリスク要因を医師・患者が把握していれば回避で きることが殆どで(不適応ということもある)、治療そのもののデ メリットではない。 もちろん、外科手術である以上、100%の安全と成功は保障され ない。 患者にとっては、国民健康保険が適用されていない為、費用が高 価であるという点が現実的にはデメリットであるが、 生存年数など を考えると義歯やブリッジに比べてどちらが経済的負担が大きくな るかは場合によるだろう。 生存年数を伸ばすためには、メンテナンスが大切になる。
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ブリッジとの比較 ●インプラントとブリッジ
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ブリッジとの比較 ●インプラントとブリッジ ブリッジの場合:前後の歯を削って3つの歯がつながった技工物をつける。 前後の歯に負担がかかり、インプラントに比べ快適さ、耐久性などにも劣る。 ●インプラントとブリッジ 同じ場合にインプラントなら前後の歯を削る必要がなく、負担も少なくてすむ。 勿論、見た目も気にならない。(ネジは実際には骨の中にあって見えない)
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義歯との比較 ●インプラントと義歯 義歯の場合:見るからに不快感がある。見た目だけでなく、味覚が下が る、良く噛めない、衛生管理が大変といった問題が発生する。
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義歯との比較 ●インプラントと義歯 同じ場合にインプラントであれば、しっかり固定され、自然で長持ちする。 こういった違いがインプラントが人気の理由である
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インプラント治療の実際 インプラント治療には、1回法、2回法の2種類がある。 これらの治療では、インプラントを挿入後にインプラントと 骨が結合するまでに非過重治癒期間を設定する必要があると されている。 下顎で3ヶ月、上顎で6ヶ月の治癒期間を設定 するのが一般的である。 非過重治癒期間というのは、結合が強固になるまでインプラ ントへの負荷がかからないようにする期間であり、 患者は義 歯をつけるか、もしくは補綴物無しで生活することになる。 現在では、非過重治癒期間を必ずしも3ヶ月、6ヶ月という 長期間取る必要がないことも分かってきており、その期間内 の不快さを軽減する為にも、早期負荷・即時負荷インプラン トという治療期間や来院回数を減らす試みも進んでいる。
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インプラント治療の実際 1回法 1回法は、インプラントを顎骨に挿入後、口腔内に露出させ る方法である。 メリットは、手術回数を1回で済ますことが出来る点である。 歯肉を切開し、顎骨にドリルで穴を開ける インプラントを挿入 インプラントが露出 数ヵ月 後人工歯を装着
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インプラント治療の実際 2回法(待時負荷) 2回法はインプラントを粘膜下におき、オッセオインテグ レーション(骨結合)が成立するまでの間口腔内と隔離して おく方法である。 2回歯肉を切開する必要があるので2回法 という。 2回法が提唱された理由は、骨とインプラントが結合するま での非過重期間に出来るだけ負荷を少なくし、 感染リスクを 最小限にするためとされる。 ただし、1回法による感染リスクや成功率の低下は殆んどな いとも言われており、 2回法が明らかに優れているというわ けでもないようである。
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インプラント治療の実際 2回法 ドリルで穴開け インプラントを挿入歯肉内に隠れる 数ヵ月後歯肉を開く 人工歯を装着
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カウンセリング 治療計画の作成 担当歯科医師打ち合わせ ラジオグラフィックガイド製作 CT撮影 ノーベルガイドシュミレーション サージカルガイド製作 即時荷重用プロビジョナル製作 オペ 即時荷重用プロビジョナルセット セカンドプロビジョナル製作 セカンドプロビジョナルセット ファイナル印象採得 模型製作 フェイスボウトランスファー 咬合器装着
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担当歯科医師打ち合わせ プロセラアバットメント製作 プロセラコーピング製作 メタルフレーム製作 メタルフレーム試適 レジンにて形態回復 レジンにて形態、咬合の調整 ポーセレンの盛り付け ビスケットベイク試適 つや出し研磨、完成 口腔内セット メンテナンス
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早期負荷・即時負荷インプラント インプラント治療では、顎骨とインプラントが結合するまで の間、インプラントに負荷がかからないようにする期間が必 要とされてきた(下顎3ヶ月、上顎6ヶ月)。 その期間というものはインプラント開発初期の悪条件下(短 いインプラント、未完成な術式)で設定されたもので、 長め に設定されていると考えられる。 実際には、骨量や骨質によっては早めにインプラントを挿入 することが可能であるとの指摘がある。
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早期負荷・即時負荷インプラント 早期負荷インプラントはインプラント挿入後8~10週間以 内に仮歯を入れることである。
即時負荷インプラントは、48時間以内に仮歯を入れるもの である。 患者にとっては、インプラント挿入後の非過重期間の不快さ、 不便さから開放されるとともに、 通院回数や痛み、腫れなど の負担を軽減できるというメリットがある。
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早期負荷・即時負荷インプラント ●即時負荷インプラントの必要条件 即時負荷インプラントでの必要条件には以下のようなものが指 摘されている。 1、即時負荷インプラントは下顎無歯顎に対して行うことが勧 められる。 2、インプラント挿入時の強固な初期固定が認められる。 3、挿入後も失敗を未然に防ぐ為に共振周波数分析などで定期 的に 固定度のチェックを行う。 4、上部構造の精度の高い適合が重要。 5、患者に対するリスクの説明と患者の理解。
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