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物流現場において重さの判断に及ぼす色彩の影響に関する研究

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Presentation on theme: "物流現場において重さの判断に及ぼす色彩の影響に関する研究"— Presentation transcript:

1 物流現場において重さの判断に及ぼす色彩の影響に関する研究
  流通情報工学課程     伯水 永志 指導教官 鶴田三郎 教授         黒川久幸助教授 流通情報工学課程の伯水 永志です。よろしくお願いします。 これから研究の発表をはじめたいと思います。タイトルは「物流現場においての重さの判断に及ぼす色彩の影響に関する研究」です。

2 物流現場における色彩の利用事例 危険物・高圧ガス標識 出荷先別ラベル
 色彩の知覚による効果は、我々の身近な職場や生活空間において利用されています。例えば物流現場においても、危険表示に用いることで作業者の安全性を高めるといった目的や、荷物のラベルを届出先ごとに色分けすることで作業者の認識力を高め作業をより能率性を上げるといった目的等で色彩が人間に与える知覚効果が活用されています。 危険物・高圧ガス標識 出典、 出荷先別ラベル

3 軽重感 色の見かけの重さの判断に影響 明度と色相が関係 暗い 重い: :軽い ・明度において ・色相において 明るい
また色彩の知覚効果の中には、軽重感と呼ばれるものが存在し、主に、色の見かけの重さの判断に対する影響を与えます。 一般的には、明度が明るい色は軽く感じられ、明度が暗い色は重く感じられます。  また既往研究においては、色相の違いによる見かけの重さは、黒、紫、青、赤、橙、黄、白の順で重く見えることが示されています。 重い: :軽い

4 研究目的 1.色彩の「軽重感」の効果が実際の重さの判断に、どのように影響するか検証する。
2.その影響が物流現場において、どのような活用方法があるかを検討する。  過去の研究から荷物の重さと積み卸し作業の荷役時間の関係において、重さが増すほど、作業時間が増えていくということがわかっています。このことは重さが物流現場の作業に対して影響があるといえます。 これらのことから、本研究では、色彩の知覚効果における軽重感に注目し、 その影響が実際の重さの判断に、どのような影響を与えるのかを実験を行い検証します。  次に、その結果から、物流現場にその影響がどのように活用できるのかを検討します。

5 実験概要 目的:軽重感による重さが実際の重さにどのように影響を与えるのかを検証する。 物流現場において
重さの判断が作業に与える「影響」と、「活用方法」 実験①作業ミスへの影響  実験②作業負荷への影響 「重さの差を感じる感覚」  「重さを実際に感じる感覚」  ここでは、本研究にて行った実験の概要を説明します。  実験の大きな目的は、色彩による「軽重感」による効果が、実際の重さの判断にどのように影響を与えているのか検証することです。  この目的を背景に、物流現場において重さの判断が作業に与える影響と、その影響の活用方法を考慮に入れ、実験方法は二つに分けて考えました。  一つ目は、作業ミスへの影響を考えてみました。作業者は視覚を含めたすべての感覚を用いて作業を行っています。従って、色彩の持つ効果により、感覚精度の向上が図れれば、作業ミスの防止等への効果が期待されます。そこで、色彩を用いた、二つの物体の重さを比較する「重さの差を感じる感覚」に関する実験を行うことにしました。    二つ目は、作業負荷への影響を考えてみました。物流作業において、物体の重さが作業時間に影響することがわかっています。そこで、色彩の持つ見かけの重さが、実際の物体を持った際の重さ感覚に影響を与え、作業時間に影響を及ぼすことが考えられます。そこで、色彩を用いた「重さを実際に感じる感覚」に影響を与えるか実験を行うことにしました。 陳列項目の列挙と分類について45秒 実験 実験

6 「重さの差を感じる感覚」の実験 目的:色彩が二つの物体の重さを比較する「重さの差を感じる感覚」に与える影響を検証する。
方法:同じ色彩を施した二つのダンボールケースに異なる錘を入れ、その重さの差の存在を正確に判断できるかどうかを記録する。 用具:ダンボールケースの色彩・・・黒、白の二種類     錘・・・基準の重さ:12.0kg 比較の重さ:10.0kg、10.5kg、11.0kg、11.5kg、12.0kg、                    12.5kg、13.0kg、13.5kg、14.0kg 計9種類  実験は「重さの差を感じる感覚」の実験から行いました。この実験は色彩が二つの物体の重さを比較する「重さの差を感じる感覚」にどのような影響をあたえるのかを検証する目的で行いました。 実験方法は、同じを施したダンボールケースに異なる錘を入れ、その重さの差を正確に判断できるかどうか実験を行いました。 色彩については既往研究において、見かけの重さの判断において最も重く見える黒色と、最も軽く見える白色を用いました。 錘については、基準の重さを12kgとし、比較の重さとして、10.0kg~14.0kgの範囲において、水準の違いを見るために0.5kgの違いで、9種類準備しました。

7 実験風景 基準の重さのダンボールケース 被験者 比較の重さのダンボールケース
この写真は実際の実験風景を写したものです。このとき被験者には、基準の重さの入ったダンボールケースと比較の重さの入ったダンボールケースをそれぞれ持ってもらい、どちらの方が重いか回答してもらいました。 比較の重さのダンボールケース

8 白と黒の比較の重さと持ったときの不正解率
 このグラフは白と黒それぞれの各ダンボールケースの比較の重さごとに、重さの違いを正確に答えることができなかった回答を集計したものです。  このグラフをから言えることとしては、色彩別に全体の不正解率のばらつきを見た場合、ばらつきが大きい方の色彩は、重さの差を正確に判断しにくい効果をもつ色彩であるといえ、反対にばらつきが小さい方の色彩は、重さの差を正確に判断しやすい効果をもつ色彩であるといえます。  このグラフを見ると黒のほうが白よりも、ばらつきが大きいように見受けられます。そのため、白と黒に、実際にばらつきの差が存在するのかどうかを確かめるため、検定を行うことにしました。 比較の重さ[kg]

9 二標本を使った分散の検定 黒 白 平均 12.0 11.4 分散 0.84 0.46 観測数 66 54 自由度 65 53 統計量T
1.804 P(F<=f) 両側 0.014 F境界値 1.690  ばらつきの違いが存在するかどうかを検定するために、さきほどのグラフを正規分布と捉えて、F検定を用いることにし、有意水準0.05の両側検定を行うことにしました。  ここでは、本実験において得られた、実験結果を元に、F検定において用いる数値を計算した結果を表として載せてあります。 ここで見るべき点としては、色彩ごとの全体の不正解率のばらつきは、ここで言う「分散」にあたります。その値を見ると、黒のほうが、白よりも大きくなっています。つまり、黒のほうが、ばらつきが大きいこと数値として見て取れます。

10 白と黒のおいてばらつき(分散)の差が存在
F検定の検定結果 統計量T(65、53)>F境界値(65、53、0.025) または 統計量T(65、53)<F境界値(65、53、0.975) ばらつき(分散)の差が存在 本実験において →1.804>1.690 白と黒のおいてばらつき(分散)の差が存在   ここでは実際に行ったF検定の検定方法および、その結果を載せてあります。 先ほども述べたとおり、有意水準0.05の両側検定を行うことにしたため、自由度(65、53)に対して、有意水準0.025の場合と、有意水準0.975の場合におけるそれぞれの統計量Tと、F境界値を求め、それぞれにおいて比較しなければなりません。 比較においては、有意水準0.025においてF境界値を統計量が超えたとき、もしくは有意水準0.975においてF境界値を統計量が下回ったとき、ばらつきの違いが存在するといえます。 ここで実際に本実験で得た値を用いて検定を行い、比較してみると有意水準0.025においてF境界値を統計量が超えるという結果が得られました。 このことから、白と黒において、ばらつきの差が存在することがいえました。

11 実験結果と考察 黒>白 白と黒において、ばらつきの差が存在 明確に黒の方が白よりも、ばらつきが大きい 重さの差の判断のしにくさおいて
「重さの差を感じる感覚」に対する色彩効果として存在  検定の結果から白と黒においては、重さの判断の回答にばらつきの違いが存在することがいえました。  またこのことから、ばらつきが黒の方が白よりも大きいことが明確にいえます。  その結果、重さの差の判断において、黒は白よりも、重さの差を正確に判断しにくい効果をもつ色彩であるといえ、反対に、白は黒よりも、重さの差を正確に判断しやすい効果をもつ色彩であるといえます。  これらのことをまとめると、「重さの差を感じる感覚」に対する色彩効果は確かに存在することがいえます。

12 「重さを実際に感じる感覚」の実験 色彩の持つ見かけの重さの影響 「重さを実際に感じる感覚」 重
 色彩の持つ見かけの重さの影響 「重さを実際に感じる感覚」 この実験では、色彩が持つ見かけの重さの影響が直接「重さを実際に感じる感覚」に影響するのかどうかを検証するために実験を行いました。 このことは、荷物に、見かけの重さとして重いと感じられる色彩を施すと、施す前と比べ、実際に持ったとき重く感じるのではないかということを確かめるためです。

13 見かけの重さと実際の重さにおける持ったときの不正解率
見かけの重さ:黒>クラフト>白 重さ:12kg>11kg 一致(例:黒12kg×白11kg) 不一致(例:黒11kg×白12kg) 実験方法は、異なる色彩を施したダンボールケースに異なる錘を入れ、その重さの差を正確に判断できるかどうか実験を行いました。 色彩については既往研究において、見かけの重さの判断において最も重く見える黒色と、最も軽く見える白色、ダンボールケースによく用いられる色としてクラフトの計三色を用いました。 また色彩の見た目の重さは既往研究に基づいた見た目の重さの実験を本研究中に行い、その結果として、黒、クラフト、白の順で重くなっていることがわかっています。 用いる錘の重さは12kgと11kgの二種類としました。 この下グラフは見かけの重さにおいて、見かけの重さが重い色彩(例:黒)に対して重い錘である12kgを施した場合「一致」とし、見かけの重さが軽い色彩(例:白)に対して重い錘である12kgを施した場合「不一致」として、それぞれの回答を集計したものです。  色彩が持つ見かけの重さの影響が直接「重さを実際に感じる感覚」に影響していた場合、「一致」においては重さがはっきりとわかるようになり、不正解率は減少し、「不一致」においては重さがわかりにくくなるため不正解率は増加することによって、二つの不正解率には、大きな差が見てとれるはずですが、このグラフにおいて、それらは見て取れません。

14 実験結果と考察 「見かけの重さ」と「実際の重さ」の回答の違い 「見かけの重さ」の「実際の重さ」への影響 影響はほとんどない
このような結果から、色彩が持つ「見かけの重さ」の「実際の重さ」への影響は、ほとんどないと考えられます。

15 結論 軽重感が実際の重さの判断に与える影響とは? 「重さの差を感じる感覚」に対する色彩効果として存在 物流現場における活用法 防止
色彩効果なし 色彩効果あり  このような2つの実験結果から、本研究においては、軽重感が実際の重さの判断に与える影響とは、持ち上げたときの「重さの差を感じる感覚」に対する色彩効果として存在することが検証できました。  このような影響から考えられる物流現場への活用としては、物流現場において重さの差を明確に判断できるような色彩を荷物に施すことで、作業者は重量知覚の向上が図れます。 このことにより作業ミスの軽減が考えられます。例えば作業者が正確な重さを荷物を持つ前に知ることによって、的確な力で荷物に力を加えることに、荷物の取り落とすことによる、破損を防ぐなどの効果が考えられます。 以上をもって本研究の発表を終えます。ありがとうございました。 防止 作業ミスの軽減のイメージ

16 白と黒の不正解の内訳

17 色彩の知覚 色彩の知覚 「色覚の感覚属性間効果」 「色の心理的特性」 ここでは、色彩が知覚について説明します。
   「色覚の感覚属性間効果」       「色の心理的特性」 色覚の感覚属性間効果の内訳 効果 一般的な利用事例 寒暖感 色の見かけの温度に対する効果 季節ごとの店頭ディスプレイ夏は涼しく、冬は温かく 軽重感(硬軟感) 色の見かけの重さ(硬さ)に対する効果 パッケージングを重く見せることによって高級感を出す。 進出・後退性 色の見かけの距離に対する効果 インテリアに用いることにより部屋を広く見せる。 膨張・後退性 色の見かけの大きさに対する効果 化粧品の色に用いられる。 色の心理的特性の内訳 性質 一般的な利用事例 視認性 遠くからでも図形や文字が見分けやすくなる色の性質 看板や標識 明視性(可読性) 形や文字等の読みやすさに与える色の性質 広告やパッケージング 識別性 色分けする事で色に意味を持たせ整理し、混乱を避けるために利用する色の性質 地下鉄の路線図 誘目性 注意を促すため、物の位置をわかりやすくするため人に注目させるために利用する色の性質 非常用ボタン 連想性(象徴性) 具体的事物や象徴的な精神状態を連想させる色の性質 着色料 ここでは、色彩が知覚について説明します。  色彩の知覚とは、人間が色から色の情報とともに受けとっている知覚に関する数多くの情報のことです。 色彩の知覚による影響は、 赤を見ると温かく感じるような寒暖感、黒をみると重く感じるような軽重感などの「色覚の感覚属性間効果」と、 赤や黄が目に付きやすいなと感じる視認性、色分けすることで見やすくなるような識別性などの「色の心理的特性」に分けられます。 この表はそれぞれの影響が持つ、影響の内訳と、その影響が具体的にどのような性質及び効果を持ち、それらが具体的にどのように、私たちの身の回りも用いられているのかを示した表です。

18 ダンボールケースのサイズの重量 60サイズ:縦横高さの3辺計 60cm・2kg以内=15% 80サイズ: 80cm・5kg以内=15%
60サイズ:縦横高さの3辺計 60cm・2kg以内=15% 80サイズ:             80cm・5kg以内=15% 100サイズ:           100cm・10kg以内=25% 120サイズ:           120cm・15kg以内=30% 140サイズ:           140cm・20kg以内=20% 160サイズ:           160cm・25kg以内= 0% (ただし,米・ブドウなど,季節特有の産物用ダンボールは除く) ヤマト運輸調べ

19 見かけの重さの実験結果 クラフト


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