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400MHz帯WPR/RASSによる 梅雨前線帯の降水過程と温度場の観測
佐藤晋介(NICT)、古本淳一(京大生存研)、永井清二、川村誠治、花土弘、中川勝広、村山泰啓(NICT)、津田敏隆(京大生存研) 気象学会2009年度秋季大会@アクロス福岡 2009年11月25日
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はじめに ・ 沖縄本島北部のNICT大宜味において400MHz帯WPR/RASSによる 仮温度プロファイルの通年観測(日中7~20JST)を実施中(2008/2~) ・ 晴天時(非降水時)の大気境界層の発達過程や熱力学的構造の研究 には、連続観測の威力を発揮(佐藤ほか:2008秋C101、2009春C205) ・ 降雨時のWPR/RASS解析は夏季の孤立積雲の解析事例(三上ほか:2008秋B160) 晴天時の夏季対流境界層の発達(2008年6月20日) 400MHz帯WPRは乱流(風)と降雨の同時観測が可能であるが、降雨時のWPR/RASS 観測の有効性は十分に示されていない 本研究では、梅雨期の層状性降雨の事例解析を行い、降水過程や降水時の温度場について調べることを目的とする HEIGHT (km) 冬季高気圧下における逆転層の強度変化(2009年2月10日) HEIGHT (km)
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400WPR/RASS観測シーケンス [1] spano s, 4-bit PC, 75-range bin (7.5 km) ⇒ 高分解能の風速 (r =100 m) [2] spano s, 8-bit PC, 120-range bin (18 km) ⇒ 高感度の風速 (~18 km) [3] rasss s, single pulse, 70-range bin (7 km) ⇒ 仮温度 (r =100m) ・ 各ビームの観測平均時間は約16秒 ⇒ 16秒毎に観測データが得られる訳ではない ・ 5ビーム(天頂・北・南・東・西)で約81秒 ・ [1][2][3]合わせて 平均243.7秒 = 4分04秒 真上 2.62 sec (160s x pulse: coherent integ.) 東 南 真上 西 北 北 南 東 西 ~81 sec 通常収録される L1データ (ドップラースペクトル) ※ 80秒は雨観測には長すぎると思われる。 秒毎のデータ収集も可能だが、その後の自動処理が困難。
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400MHz帯 WPRでは乱流と降雨が同時に観測可能
RASS観測と降雨時の問題 RASS (Radio Acoustic Sounding System) RASS SPANO13 RASSエコー 乱流 エコー 降雨 エコー 400MHz帯 WPRでは乱流と降雨が同時に観測可能 高度3.5kmまでのRASS解析が可能 観測される5方向のドップラー速度 Vz = Cs + w (真上) Vn = Cs + v*sinθ + w*cosθ ---(北向き) Vs = Cs - v*sinθ + w*cosθ ---(南向き) Ve = Cs + u*sinθ + w*cosθ ---(東向き) Vw = Cs - u*sinθ + w*cosθ ---(西向き ビーム) Cs = *√Tv θ=10.547° (Cs:音速、Tv:仮温度、u,v,w:風速3成分) ★音波面(RASSエコー)は風速に流されるので 乱流エコーが分離できないと解析が困難 (1 m/sの違いが約1.7 Kの誤差になる) 乱流エコーと降雨エコーが分離できない RASSエコー(Peak)が検出できない
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解析事例 2009年6月15日、16~20JST ★ ★ ★ 16JST 17JST ★ ★ ★ 18JST 19JST 20JST
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地上気象観測 Rain fall rate (mm/hr)
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DSD measured with Disdrometer
降雨スペクトルの時間変化 DSD measured with Disdrometer MRR-2 (Micro Rain Radar: 24.2 GHz) 18:26:00JST 18:27:00JST 18:28:00JST 18:29:00JST 18:30:00JST 18:31:00JST 8 7 6 5.5 5 8.5 7.5 m/s 18:32:00JST 18:33:00JST 18:34:00JST 18:35:00JST 18:36:00JST 18:37:00JST
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COBRA(EL=1.4)+WPR/RASS 1919JST 1931JST 1943JST 1955JST 降雨 エコー 乱流エコー
RASSエコー 乱流エコー 降雨 エコー
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時間・高度断面 ← TIME (JST) HEIGHT(km) Vertical Vel (w) Tv dB m/s C 仮温度:
降水エコー: 顕著な融解層(B.B)の下に強いエコー 上昇流: 降雨時は降雨が弱い場所、高度1.5~2 kmより上空 仮温度: ・下層は高温・多湿 (cold poolはなし) ・降雨域では高度1 kmに高温 ・ 19:30以降、高度2.5 km に加熱域
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風速と仮温度の時間変化 LLJ ← TIME (JST) Wind Speed (u+v) Vertical Vel (w) Tv
28 min averaged Tv Profiles m/s m/s HEIGHT(km) Wind Speed (u+v) LLJ Vertical Vel (w) HEIGHT(km) Tv Temperature (C) ← TIME (JST)
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まとめ 400MHz帯WPR/RASS観測データを用いて、梅雨前線にともなう層状性降雨の生成過程と温度構造について調べた。
● 400WPR(+MRR)による降水プロファイルの連続観測によると、 15分以上続く一雨の中で、3~5分毎に雨の塊りが落下し、それぞれの降り始めには大粒径の降雨粒子が卓越し、時間とともに 粒径が小さくなる。 ⇒ 降雨観測にはWPR観測モードの再考が必要 ● 層状性降雨域では、0.5~1 m/s程度の上昇流が高度1~1.5 km より上層に見られ、降雨が弱い領域で顕著であった。 ⇒ 高度1~1.5 kmに存在するLLJとの関係は? ● RASSで観測した仮温度プロファイルによると、降雨にともない高度1 km付近に加熱域が見られ、下層から強い上昇流が観測された時には高度2.5~3 kmに4 K程度の加熱が観測された。 ⇒ 下層の加熱は下降流による断熱加熱、上層は潜熱放出と考えられる
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BACKUP
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降雨スペクトルの時間変化 (その1)
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降雨スペクトルの時間変化 (その2)
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WPR Doppler spectra (spano13)
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RASS Doppler spectra (rasss13)
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COBRA (PPI EL=1.4) 1837JST 1843JST 1849JST 1855JST 1901JST 1907JST
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COBRA (PPI EL=1.4) 1918JST 1930JST 1942JST 1954JST
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時間・高度断面 (zenith) 乱流エコー: ・高度2.5~2 kmにピーク 降水エコー: ・若干、上空ほど東に傾く
dB 乱流エコー: ・高度2.5~2 kmにピーク 降水エコー: ・若干、上空ほど東に傾く ・顕著な融解層(B.B)の下に 強いエコー 上昇流: ・高度1.5~2 kmより上空 ・降雨が弱い場所で顕著 ・19:51の下層に2 m/s近い 上昇流 仮温度: ・下層は高温・多湿 (cold poolはなし) ・強い降雨域の1.5 km以下 の下層で高温 (高度1 km付近に逆転層) ・ 19:30以降、高度2.5~3 km に加熱域(逆転層) m/s HEIGHT (km) C ←TIME (JST)
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地上気象の時間変化(6月15日)
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