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植物系統分類学・第12回 木本植物の特徴と分類
植物系統分類学・第12回 木本植物の特徴と分類 2014年12月22日 尾形 善之
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これから3回の構成 第12回(今回):木本植物の特徴と分類 第13回:分子系統学の基礎と実践 第14回:比較ゲノミクスの基礎と実践
樹木の識別方法 樹木の分類 第13回:分子系統学の基礎と実践 遺伝子・DNAによる分類 公共データバンクの活用 第14回:比較ゲノミクスの基礎と実践 ゲノム情報の取得 比較ゲノミクスとは
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樹木はどれでしょうか? 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Wikipedia
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木本植物とは…… 一般的には「樹木」のことです。 一般的な定義(やや曖昧……) 岩波生物学辞典 樹木学(築地書館) Wikipedia
茎および根において肥大成長により多量の木部を形成し、その細胞壁の多くが木化して強固になっている植物。草本と対する。 樹木学(築地書館) 多年生の木質の幹で自らを支えることのできる植物。 Wikipedia 硬い幹をもち、幾本もの枝があり、地面に根を張り、生長する。幹は木質化し、次第に太く成長する。枝の先には葉と芽を付け、花を咲かせ、主に種子をもって繁殖する。
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樹木とは ここでの定義 茎および根において、肥大成長により多量の木質を形成する植物。木本。 「太る植物」
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肥大成長とは ウィキペディア ここでは 高等植物の、太くなる方向への成長
幹の維管束形成層がリング状に繋がり、水平方向の内側に木部、外側に師部を形成して、幹の円周を増やしていく成長 Wikipedia
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シロイヌナズナの組織の例 発芽後2か月 ほぼ開花して枯れる時期 根の組織 図の説明 二次木部組織が形成されている
nv: nonvascular sp: secondary phloam sx: secondary xylem pc: phloam-cambium x: xylem Zhaoら Plant Physiol 2005
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葉による識別 (草本植物と同様) 常緑性:常緑樹、落葉樹 葉序(葉のつき方):互生、対生、輪生 葉の形:楕円形、円形、針形、卵形など
葉による識別 (草本植物と同様) 常緑性:常緑樹、落葉樹 葉序(葉のつき方):互生、対生、輪生 葉の形:楕円形、円形、針形、卵形など 葉縁:全縁、波形、鋸歯など 葉脈:羽状脈、網状脈、掌状脈、三行脈など 複葉性:単葉、羽状複葉、掌状複葉など
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Wikipedia
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その他の外観による識別 花 果実(種子) 樹形(幹、茎) 樹皮 花序、花弁、色 液果、乾果(マメ、団栗)、球果(マツ) 高木、低木、つる性
色、コルク組織 Wikipedia
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針葉樹材の識別、広葉樹材の識別(海青社)
樹木組織による識別 IAWAリストに基づく 針葉樹 年輪構造 樹脂細胞の分布 広葉樹 道管の大きさと分布 柔組織の分布 放射組織の形状 Wikipedia 針葉樹材の識別、広葉樹材の識別(海青社)
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チェックポイント・I 樹木とは? 肥大成長とは? 外観による識別は? 木部組織による識別は?
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分類体系の話 ここでは…… 「植物分類表」初版第三刷(アボック社)を参照 大きくは、「The Plant-Book」第三版を参照
被子植物は、「APG体系(APG II)」を参照 本音を言えば、上の階層はあまり興味ない…… 実際にはNCBIのTaxonomyを利用しています 次回詳しく!
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大きな分類 真葉植物門 ソテツ綱 イチョウ綱 マツ綱 モクレン綱 ソテツ目ソテツ科ソテツ属 イチョウ目イチョウ科イチョウ属 マツ目(針葉樹)
いわゆる被子植物(広葉樹) 大阪府 Wikipedia
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大きな分類
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針葉樹(マツ目) マツ科 ナンヨウスギ科 ナンヨウスギ属 マキ科 コウヤマキ科 コウヤマキ属 イチイ科 ヒノキ科 ナギ属、マキ属(イヌマキ)
ナンヨウスギ科 ナンヨウスギ属 マキ科 ナギ属、マキ属(イヌマキ) コウヤマキ科 コウヤマキ属 イチイ科 イチイ属、カヤ属 ヒノキ科 熱帯の針葉樹 幅の広い葉 高野槙 将棋盤 弓 Wikipedia
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マツ科 モミ属 モミ、トドマツ、オオシラビソ ヒマラヤスギ属 カラマツ属 トウヒ属 エゾマツ、トウヒ、ドイツトウヒ
モミ属 モミ、トドマツ、オオシラビソ ヒマラヤスギ属 カラマツ属 トウヒ属 エゾマツ、トウヒ、ドイツトウヒ マツ属 アカマツ、クロマツ、ゴヨウマツ、ハイマツ トガサワラ属 ツガ属 ツガ、コメツガ クリスマス! クリスマス!? 落葉針葉樹 五葉松 Natural hybrid 秋篠宮 Wikipedia
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ヒノキ科 ヒノキ属 ヒノキ、サワラ スギ属 イトスギ属 ネズミサシ属 ビャクシン アケボノスギ属 メタセコイア イチイモドキ属 セコイア
ヒノキ属 ヒノキ、サワラ スギ属 イトスギ属 ネズミサシ属 ビャクシン アケボノスギ属 メタセコイア イチイモドキ属 セコイア ラクウショウ属 ネズコ属 アスナロ属 Y X 屋久杉 庭木 生きている化石 Wikipedia
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広葉樹(モクレン綱)・1 バラ目 モクレン目 ブナ目 クスノキ目 アオイ目 ユキノシタ目 ムクロジ目 ブドウ目 ツツジ目 フトモモ目
リンドウ目 シソ目 モチノキ目 セリ目 モクレン目 クスノキ目 ユキノシタ目 ブドウ目 フトモモ目 キントラノオ目 カタバミ目 マメ目
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広葉樹・2 モクレン目 クスノキ目 モクレン科 クスノキ科 tulip tree ユリノキ属 モクレン属 モクレン、ホオノキ
モクレン属 モクレン、ホオノキ クスノキ目 クスノキ科 ニッケイ属 クスノキ ゲッケイジュ属 クロモジ属 タブノキ属 tulip tree 朴葉味噌 マグノリア 神社仏閣 オリンピック 高級爪楊枝 倒卵形 Wikipedia
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広葉樹・3 ユキノシタ目 ブドウ目 カツラ科カツラ属 マンサク科 ブドウ科 環境に敏感
トサミズキ属、イスノキ属、マンサク属、フウ属(モミジバフウ) ブドウ目 ブドウ科 ツタ属、ブドウ属 環境に敏感 楓、でもカエデ属ではない 甲子園球場 つる性 Wikipedia
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広葉樹・4 フトモモ目 キントラノオ目 ミソハギ科 フトモモ科 ヤナギ科 トウダイグサ科 サルスベリ属、ザクロ属、(ミソハギ属)
ユーカリノキ属 キントラノオ目 ヤナギ科 ヤマナラシ属、ヤナギ属 トウダイグサ科 タイワンアブラギリ属、ナンキンハゼ属、パラゴムノキ属 金子みすゞ Wikipedia ユーカリオイル 堺市 ポプラ ヤトロファ 生協の街路樹 天然ゴム
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みそはぎ 金子みすゞ ながれの岸のみそはぎは、 誰も知らない花でした。 ながれの水ははるばると、 とおくの海へゆきました。 大きな、大きな、大海で、 小さな、小さな、一しずく、 誰も、知らないみそはぎを、 いつもおもって居りました。 それは、さみしいみそはぎの、 花からこぼれた露でした。
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広葉樹・5 カタバミ目 ホルトノキ科 ホルトノキ属 巨樹 Wikipedia
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広葉樹・6 マメ目マメ科(「豆」を作る、丸い葉が特徴) アカシア属 Acacia mangium (偽葉) ネムノキ属
ツルサイカチ属 マルバシタン(紫檀、唐木三大銘木) シタン属 インドシタン(紫檀、唐木三大銘木) ハリエンジュ属 ニセアカシア センナ属 タガヤサン(鉄刀木、唐木三大銘木) フジ属 つる性 Wikipedia
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広葉樹・7 バラ目 バラ科(花と果実が特徴) グミ科 グミ属 ニレ科 ニレ属、ケヤキ属 アサ科 ムクノキ属、エノキ属
モモ属、アンズ属(ウメ)、カナメモチ属、サクラ属、ビワ属、リンゴ属、スモモ属、ナシ属、ナナカマド属、バラ属 グミ科 グミ属 ニレ科 ニレ属、ケヤキ属 アサ科 ムクノキ属、エノキ属 クワ科 イチジク属、クワ属 Wikipedia
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広葉樹・8 ブナ目 アオイ目 ブナ科 クリ属、シイ属、ブナ属、コナラ属(カシ類) カバノキ科 ハンノキ属、カバノキ属(シラカンバ) クルミ科
ブナ科 クリ属、シイ属、ブナ属、コナラ属(カシ類) カバノキ科 ハンノキ属、カバノキ属(シラカンバ) クルミ科 アオイ目 アオイ科 ドリアン属、ワタ属、シナノキ属(ボダイジュ) 白神山地(世界遺産) Wikipedia
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広葉樹・9 ムクロジ目 ムクロジ科 カエデ属(モミジ)、トチノキ属 ウルシ科 カシューナット属、マンゴー属、ツタウルシ属
ムクロジ科 カエデ属(モミジ)、トチノキ属 ウルシ科 カシューナット属、マンゴー属、ツタウルシ属 センダン科 センダン属 ミカン科 ミカン属(柑橘系)、サンショウ属 Wikipedia
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広葉樹・10 ツツジ目 ツバキ科 ツバキ属 サカキ科 サカキ属、ヒサカキ属 カキノキ科 カキノキ属 エゴノキ科 エゴノキ属
ツバキ科 ツバキ属 サカキ科 サカキ属、ヒサカキ属 カキノキ科 カキノキ属 エゴノキ科 エゴノキ属 ツツジ科 ツツジ属 Wikipedia
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広葉樹・11 リンドウ目 シソ目 モチノキ目 セリ目 アカネ科 コーヒーノキ属(コーヒー)
アカネ科 コーヒーノキ属(コーヒー) シソ目 モクセイ科 トネリコ属(バット)、オリーブ属、モクセイ属 シソ科 ムラサキシキブ属(葉の手ざわり) モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属 セリ目 ウコギ科 タラノキ属、ウコギ属(天ぷら) Wikipedia
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樹木はどれでしょうか? X
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チェックポイント・II 針葉樹3種の特徴を書きなさい。 広葉樹3種の特徴を書きなさい。
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本日の課題 木本植物の分類について、以下の課題に答えなさい。 樹木(木本植物)とタケ類・ヤシ類との違いについて答えなさい。
樹形、葉の形、木部組織において違いが見られない場合でも、外観的特徴から分類が可能となる例について書きなさい。 木本植物の特徴や分類について印象を書いてください。
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