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Published byゆき うづき Modified 約 7 年前
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12: コマンドライン引数 C プログラミング入門 基幹7 (水5) Linux にログインし、以下の講義ページ を開いておくこと
teachers/w483692/CPR1/
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まとめ:ポインタを使った処理 内容 説明 呼び出し元の変数を書き換える 第 9 回 文字列を渡す・配列を渡す 第 10 回 ファイルポインタ 複数の値を返す 第 11 回 大きな領域を確保する
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今回の内容 コマンドライン引数の取り扱い 文字列から数値への変換 シェルから引数 (オプション) を受け取る
技術的には二重ポインタ (double pointer) である ポインタへのポインタ 秋期の「Cプログラミング」で使うが、この講義ではあまり踏み込まない 文字列から数値への変換 コマンドライン引数は単なる文字列なので、数値として扱うには変換が必要
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復習:アドレスとポインタ メモリ上の位置を表す値 型を持つ 変数 a のアドレスは &a ポインタ変数に格納できる
アドレス値のことをポインタとも呼ぶことがある int a { int a = 100; int *p = &a; printf("%d", *p); 100 int *p 矢印が指す位置のアドレスを持っている
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デリファレンス演算子 * で、アドレスが指す位置の内容を読み書きできる 添え字演算子 [] で、ポインタの指す位置をずらして読み書きできる
復習:アドレス演算と読み書き デリファレンス演算子 * で、アドレスが指す位置の内容を読み書きできる 添え字演算子 [] で、ポインタの指す位置をずらして読み書きできる ポインタ p に対して *(p+n) と p[n] は同じ -23 85 p[0] == *p == 23 p[1] == *(p+1) == 85 p メモリ上のデータをどんな値とみなすかは、ポインタの型で決まる 矢印が指す位置のアドレスを持っている
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配列変数名は、式中で配列の先頭へのポインタとなる
復習:配列とポインタ 配列変数名は、式中で配列の先頭へのポインタとなる 配列変数を a とすると a そのものがアドレス &a[0] (0 番要素のアドレス) と同じ &a と書いてもよい それぞれ型が異なる場合があるが詳細は省略する。ポインタに関する専門書を参照 int a[4] 365 a[0] == *a == p[0] == *p == 365 p p = &a という代入をした場合
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文字列=「メモリ上の文字 (char 型の値) が並んでいる領域」の先頭へのポインタ
復習:文字列 文字列=「メモリ上の文字 (char 型の値) が並んでいる領域」の先頭へのポインタ なぜ char 型なのかは歴史的な事情による 日本語を含む場合でも、基本的には char でよい 文字列リテラルを書くと、その文字列がシステム領域に用意され、その先頭ポインタを表す 文字列の終端は null 文字 ('\0') である 配列を文字列リテラルで初期化すると、自動的に付加される s { const char *s = "Hello world!\n"; 'H' 'e' 'l' 'd' '!' '\n' '\0'
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コマンドライン引数 シェルでコマンド名の後ろに書く文字列 ホワイトスペースで分割される (トークン化) コマンドは受け取った引数を処理する
tokenize gcc src.c -o src -Wall -Wextra この場合、 5 個の引数を gcc というプログラムに渡している ./src hello world C 言語で書いた自作のプログラムに引数を渡した場合、どのように処理すればいいのか?
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main 関数として以下のプロトタイプを使う
コマンドライン引数の受け取り方 main 関数として以下のプロトタイプを使う int main(int argc, char** argv); cf. 今までのは int main(void); 引数名は何でもよいが慣用的に argc, argv または ac, av が使われる それぞれ、 argument count と argument vector (引数の列) という意味 第2引数の書き方として、 char **argv char *argv[] のどちらでも、文法上は同じである。後者の書き方をする人もいるので覚えておく
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argv の内容 文字列へのポインタの配列 最後に null ポインタで終わる
./prog hello world 100 と実行した場合 char **argv argv[4] == NULL main 関数の自動変数の領域 システムのメモリ領域 argv[0][0] argv[0] '.' '/' 'p' 'g' 'r' 'o' '\0' argv[1] 'h' 'e' 'l' '\0' 'o' たとえば argv[1] が "hello" という文字列だと思えばよい 'w' 'o' 'r' '\0' 'l' 'd' '1' '0' '\0'
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null ポインタの入っている要素の番号を表す
argc の意味 null ポインタの入っている要素の番号を表す n 個の引数を指定すると argc == n+1 ./prog hello world 100 と実行した場合 この例の場合 argc == 4 つまり、指定した引数の個数 + 1 char **argv argv[argc] == NULL main 関数の自動変数の領域 システムのメモリ領域 argv[0][0] argv[0] '.' '/' 'p' 'g' 'r' 'o' '\0' argv[1] 'h' 'e' 'l' '\0' 'o' 'w' 'o' 'r' '\0' 'l' 'd' '1' '0' '\0'
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例題:引数をすべて表示する argv[i] を i = 1, ..., argc-1 まで表示 プログラム名が arg の場合
int main(int argc, char **argv) { int i; printf("%d arguments:\n", argc-1); for(i = 0; i < argc; ++i) printf("[%d] == \"%s\"\n", i, argv[i]); } return 0; ./arg hello 123 2 arguments [0] == "./arg" [1] == "hello" [2] == "123" argc までループさせない なぜなら、 argv[argc] == NULL なので表示できない
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例題:引数をすべて表示する (別の書き方)
argv はポインタ変数であり、直接移動させることもできる プログラム名が arg の場合 int main(int argc, char **argv) { printf("%d arguments:\n", argc-1); for( ; *argv != NULL; ++argv) printf("\"%s\"\n", *argv); } return 0; ./arg hello 123 2 arguments "./arg" "hello" "123" *argv は argv[0] と同じであり、 argv 自体を動かしていくと、 *argv が表す文字列が変わっていく NULL が現れるまで動かすので、 argc は必要ない 初期化条件は空 ポインタを動かすだけでは何番目かがわからない。必要なら変数を用意してカウントする
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とりあえず、 argv[i] が、 i 番目の引数、と考えるだけで OK
難しいと思う人は… とりあえず、 argv[i] が、 i 番目の引数、と考えるだけで OK ただし、 i は 1 からカウント 最低限 p. 12 のプログラムが使えればよい
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引数はシステム領域に作られるので、 (const はついていないが) 書き換えてはいけない
コマンドライン引数の注意 引数はあくまでも文字列である たとえば、 100 と書いても、 "100" という文字列でしかない 数値として扱うには標準ライブラリ関数で変換する (次のスライドで説明) 引数が空文字列になる場合もある たとえば、 ./prog "" abc と書いて実行すると、 argv[1] は空文字列、 argv[2] は "abc" 引数はシステム領域に作られるので、 (const はついていないが) 書き換えてはいけない
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"100" という3文字 (+終端null) の文字列を int 型の 100 に変換したい
文字列→数値の変換 "100" という3文字 (+終端null) の文字列を int 型の 100 に変換したい そうしないと、ループとか計算で使えない 代表的な2つの方法を紹介 sscanf ato*, strto* 一族
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sscanf() は、文字列を解析して変数に値を書きこむ
プログラム名が arg の場合 int main(int argc, char **argv) { int i; printf("%d arguments:\n", argc-1); for(i = 1; i < argc; ++i) int v = -1; sscanf(argv[i], "%d", &v); printf("[%d] == \"%s\" (%d)\n", i, argv[i], v); } return 0; ./arg hello 123 abc 3.14 4 arguments [1] == "hello" (-1) [2] == "123" (123) [3] == "abc" (-1) [4] == "3.14" (3) 整数として変換する 整数として変換できない文字列だった場合は何もしない 整数として変換できるところまで使われる 変換対象の文字列
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sscanf() は、文字列を解析して変数に値を書きこむ
プログラム名が arg の場合 int main(int argc, char **argv) { int i; printf("%d arguments:\n", argc-1); for(i = 1; i < argc; ++i) double v = -1; sscanf(argv[i], "%lf", &v); printf("[%d] == \"%s\" (%f)\n", i, argv[i], v); } return 0; ./arg hello 123 abc 3.14 4 arguments [1] == "hello" ( ) [2] == "123" ( ) [3] == "abc" ( ) [4] == "3.14" ( ) double として変換する 小数の値として解釈されている l (エル) は不要
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文字列を数値に変換する関数として<stdlib.h> に以下の 2 種類がある
文字列を数値に変換する (2) 変換関数 文字列を数値に変換する関数として<stdlib.h> に以下の 2 種類がある atox() は簡単に使えるが、変換に失敗したかどうかを判断できない float ではない 関数名 変換する型 備考 atoi int 範囲外の値だった場合の戻り値は未定義。 変換に失敗した場合は 0 を返す。 (関数名は ASCII to x という意味 ASCII は文字コードのこと) atol long int atof double strtol 変換に変換に失敗した場合は 0 を返す。 失敗した位置をポインタとして得られる。 strtol, strtoul は基数 (何進法表記か) を指定する。 (関数名は string to x という意味) strtoul unsigned long int strtod
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文字列を数値に変換する (2) 変換関数 なるべく右の strtox() を使うべき { // 整数に変換する例 { int x;
char *s = "2014.2"; x = atoi(s); printf("\"%s\" == %d\n", s, x); { int x; char *s = "2014.2"; char *p; x = strtol(s, &p, 10); printf("\"%s\" == %d", s, x); // 変換が完全に失敗した場合 if(str == p) { ... 10進数を指定 p は変換に失敗した最初の位置である。 もし、文字列の先頭と同じなら、1文字も解釈できなかったことになる 変換の失敗位置が必要なければ、 NULL を渡してもよい #include <stdlib.h> int atoi(const char *str); long strtol(const char *str, char **str_end, int base ); atoi, strtol のプロトタイプ
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