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高エ研ライナックの高周波窓の現状 高エネルギー加速器研究機構 加速器第三研究系 道園真一郎
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クライストロンユニット クライストロンの出力部にクライストロン高周波窓
WG rf window Klystron rf window クライストロンの出力部にクライストロン高周波窓 SLEDとクライストロンの間に導波管高周波窓(クライストロン交換の際に加速管を真空に保つ)
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高周波窓の仕様比較 SLACと同様の構成だが、SLACでは出力を二分岐して高周波窓通過させているため、最大通過電力は2倍の差がある。
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導波管高周波窓の運転統計 導波管平均運転時間は2.5万時間程度。 クライストロンのMTBFは3万時間程度を予定。
導波管高周波窓については、5万時間程度の寿命を期待。 それでも、今後、年間8-10個程度の高周波窓を交換。(7500h/y) 導波管高周波窓にリークがあると、クライストロン交換が運転中は、不可能となる(加速管を真空パージしてしまうため) 用心のため、導波管高周波窓は早めの交換を行いたいと考えている。
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破損窓 放射線が大量発生(‘97.4)。リークはなかったがクラックあり。 表面の汚れ。(炭素が付着したもの)
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ルミネセンス レゾナントリングでのマルチパクタおよび表面放電時のルミネセンス。 マルチパクタ:0.5-10MW(コーティングあり)
マルチパクタ時の発光 表面放電 レゾナントリングでのマルチパクタおよび表面放電時のルミネセンス。 マルチパクタ:0.5-10MW(コーティングあり) 表面放電:40-250MWで発生
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マルチパクタによる局所的溶融 Sbandピルボックス型窓では0.5-10MW程度の通過電力でマルチパクタが発生する。
長時間のマルチパクタの後には局所的な溶融が見られる。
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表面放電 表面放電は、TiNコーティング等に蓄積された電荷の解放 表面放電が生じた後には、リヒテンベルグ状の放電痕が見られる。
放電後のアルミナ表面の顕微鏡写真 表面放電は、TiNコーティング等に蓄積された電荷の解放 表面放電が生じた後には、リヒテンベルグ状の放電痕が見られる。
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運転中の監視 破壊との関連 VSWRのfaultが多いものは窓のリーク可能性大(反射による電界上昇)
高周波窓の温度上昇大きいものもリークの可能性あり 放射線発生が大きいものは壊れている可能性大 対策 頻繁なVSWRによる反射が生じた場合の運転値の変更(出力の低減)(毎週) 定期的な高周波窓の温度測定(スリーブの熱伝対)(年二回) 定期的な放射線測定(年二回) 履歴の監視
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温度上昇 導波管高周波窓の高周波運転中の温度上昇と運転時間との関係。
幾つかの窓では、運転時間とともに温度上昇が増加→一部溶融し、損失が増加している。
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高周波窓の評価 材料の選定 顕微鏡観察 誘電損失測定 密度測定 カソードルミネセンス測定(F中心がないか)
レゾナントリングを使った大電力試験 コーティングの最適化 二次電子放出測定(SEM) 高周波損失測定(空洞共振器法) 電界を低下させる構造(TWC型窓) レゾナントリングによる大電力試験
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セラミック表面 材料の評価基準 1. 粒径が小さい(緻密)こと (粒径が小さく、空孔の少ないものが材料として優秀。)
1. 粒径が小さい(緻密)こと (粒径が小さく、空孔の少ないものが材料として優秀。) 2. 誘電損失が小さいこと (純度が高く、空孔が少ないものがよい。) 単結晶のアルミナ(サファイア)は、空孔が多く、材料として不適。 UHA99(左下)は粒径が小さく、優秀であったが、メタライズが難。 HA997を採用
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レゾナントリング
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溶融面でのカソードルミネセンス F+ F 溶融表面ではF中心のピークが現れる。 e- 2e- F+-center F-center
Conduction-band 1p 3p 1s 2B 2A 1B 1A 200nm 410nm 230nm 260nm 330nm F+-center及びF-centerの電子エネルギー準位 F+ F 溶融表面ではF中心のピークが現れる。
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レゾナントリングでのルミネセンス F+ Cr+++ ] b r a [ y i s e t n I
マルチパクタ時の発光 300 700 Wave Length [nm] レゾナントリングでのマルチパクタ時のルミネセンス。 >200MWの通過試験を行い、F中心の有無等を評価する。
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コーティングの最適化 マルチパクタを抑える程度に厚い(>0.5nm)
厚い膜で見られる高周波通過によるTiNの剥れ マルチパクタを抑える程度に厚い(>0.5nm) 厚いコーティングの場合、高周波損失が大きい。(コーティングの鱗状のはがれも見られる。)(<3nm)
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二次電子放出測定 Triger Faraday cup current パルスビーム法による二次電子放出係数の測定
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誘電損失測定 空洞共振器法を用いた測定(TE011およびTE111モード)
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TWC型高周波窓 TWC(Travelling wave in ceramic)型窓は、セラミック内が進行波となる為、通常のピルボックス型窓よりセラミック表面の電界が低い。(約半分) . 5 1 2 E R F T W C - t y p e w i n d o / l
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まとめ KEKLinacの高周波窓は通過最大電力が50MWとSLACの2倍 交換までの平均寿命は5万時間を期待(年間8-10個の交換)
高周波窓の破損は、マルチパクタによる表面溶融と表面放電による破壊 マルチパクタ→弱い部分の局所溶融→F中心生成→過熱→貫通孔 表面放電→表面溶融→F中心生成→過熱→貫通孔 運転中に、VSWRのFault回数や温度上昇、放射線測定を行っている。 高周波窓の性能向上のために 材料の選定(緻密でtanδ小さいもの) TiNコーティングの最適化(マルチパクタを抑え、高周波損失を最小) を行ってきた。 さらにこれ以上の大電力通過では、 3. セラミック内で電界を下げるために高周波窓の構造最適化 (TWC型窓) が不可欠となる。
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表面放電
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誘電損失 誘電損失と温度上昇は、直接的には関係しない。
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