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アスベスト対策に関する 大気汚染防止法の規定について
資料1 アスベスト対策に関する 大気汚染防止法の規定について 平成28年6月17日 環境省 水・大気環境局 大気環境課
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出典:THE ASBESTOS/せきめん読本(1996年日本石綿協会)
石綿の有害性 ○石綿を吸入することによって生じる疾患としては、中皮腫、肺がん等が知られている。 ○肺がん「これまでの研究から石綿ばく露量と肺がんの発症率との間には、累積ばく露量が増えれば発症リスクが上がるという直線的な量-反応関係があることが判明している(「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する考え方」報告書)」 ○中皮腫「低度の石綿ばく露の場合でも起こることがある。(ヘルシンキ・クライテリア (1997))」 クロシドライト アモサイト クリソタイル 出典:THE ASBESTOS/せきめん読本(1996年日本石綿協会)
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大気汚染防止法で規制する石綿含有建材 主な石綿含有建材 特定建築材料 今後の検討課題 <建設労働災害防止協会資料より> レベルの分類
レベル1 レベル2 レベル3 建材の種類 石綿含有吹付け材 石綿含有保温材、 石綿含有耐火被覆材、 石綿含有断熱材 その他の石綿含有建材 (成形板等) 発じん性 著しく高い 高い 比較的低い 使用箇所の例 ①耐火建築物、準耐火建築物のはり、柱等の耐火被覆用の吹付け材 ②ビルの機械室、ボイラ室等の天井壁等の吸音、結露防止用の吹付け材 ①ボイラ本体、配管等の保温材として張り付け ②建築物の柱、はり、壁等に耐火被覆材として張り付け ③屋根用折板裏断熱材、煙突用断熱材 ①建築物の天井、壁等に石綿含有成形板、床にビニル床タイル等を張り付け ②屋根材として石綿スレート <建設労働災害防止協会資料より>
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石綿含有建材の使用部位例 レベル1 (吹付け材) S造の梁・柱・EVS・PSの耐火被覆 カーテンウォールの結露防止
石綿含有建材の使用部位例 レベル1 (吹付け材) S造の梁・柱・EVS・PSの耐火被覆 カーテンウォールの結露防止 浴室・階段室・金庫室・書庫・集合住宅居室等の天井 機械室の壁・天井、スラブ下・ 折版屋根の断熱、階段裏・庇裏
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石綿含有建材の使用部位例 レベル2 (保温材・耐火被覆材・断熱材) 耐火被覆材(ケイカル板2種等) 保温材(配管エルボ部・等)
石綿含有建材の使用部位例 レベル2 (保温材・耐火被覆材・断熱材) 耐火被覆材(ケイカル板2種等) 保温材(配管エルボ部・等) 煙突断熱材(カポスタック等) 屋根用折版断熱材(フェルトン等)
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石綿含有建材の使用部位例 レベル3 (成形版等) ビニル床タイル(Pタイル) スレート スレート(フレキ) ・岩綿吸音板 ・ケイカル板1種
石綿含有建材の使用部位例 レベル3 (成形版等) ビニル床タイル(Pタイル) スレート スレート(フレキ) ・岩綿吸音板 ・ケイカル板1種 ・押出成形セメント板 ・石綿セメント円筒 ・住宅屋根用化粧スレート ・サイディング材 等
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建築物における石綿の使用 石綿消費量の約9割は建材製品
吹付け石綿が使用された可能性のある民間建築物(S31~H18までに建設された鉄骨造・鉄筋コンクリート造等の建築物)は約280万棟 <国土交通省 社会資本整備審議会建築分科会アスベスト対策部会資料より> S30頃~ 吹付け石綿の使用開始 S50 労働安全衛生法に基づく特定化学物質等障害予防規則(特化則)の改正により、含有量5%超の石綿吹付け作業を原則禁止 H7 特化則の改正により、含有量1%超の石綿吹付け作業を原則禁止 H18 労働安全衛生法施行令の改正により含有量0.1%超の石綿含有物の製造・使用を全面禁止(一部猶予措置あり) H24 労働安全衛生法施行令の改正により猶予措置撤廃
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民間建築物の年度別解体棟数(推計) 平成40年 約10万棟 平成25年 約5万5千棟
<国土交通省 社会資本整備審議会建築分科会アスベスト対策部会資料>
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事前調査(特定建築材料※の使用有無の調査)
大気汚染防止法の規制の概要 (建築物解体・改造・補修時の飛散防止) 発注 受注者又は自主施工者の義務 事前調査(特定建築材料※の使用有無の調査) Z ※特定建築材料:レベル1・2の石綿含有建材 石綿なし 石綿あり 事前調査結果の 発注者への説明 事前調査結果・届出内容の 発注者への説明 受注者の義務 受注者の義務 特定粉じん排出等作業※※の 都道府県・政令市への届出 発注者の義務 ※※特定粉じん排出等作業:特定建築材料が使用されている建築物・工作物の解体・改造・補修作業 事前調査結果の掲示 受注者又は自主施工者の義務 事前調査結果の掲示 受注者又は自主施工者の義務 解体等工事 解体等工事 作業内容の掲示 ほか作業基準の遵守 施工者(元請)の義務
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本契約または精算変更契約(特定工事の適正費用計上)
発注者の義務 発注~工事の手順例 特定粉じん排出等作業の届出(法第18条の15) 発注者 元請業者 仮工事請負契約 (または特定工事費用別途) 作業開始の14日前までに、都道府県(又は大気汚染防止法の政令市)に届出 罰則あり 情報提供 事前調査 Z 都道府県等へ届出 発注者へ説明 事前調査への協力(法第18条の17第2項) Z 調査に要する費用の適正な負担 設計図書等の情報提供 など 詳細見積 本契約または精算変更契約(特定工事の適正費用計上) 発注者の配慮(法第18条の20) 事前調査結果掲示 Z 施工方法、工期、工事費その他請負契約に関して、作業基準遵守の妨げとなる条件を付さないよう配慮 着工 特定粉じん排出等作業実施
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事前調査(1)(事前調査の実施) 解体等工事に係る調査(法第18条の17)
解体等工事の受注者又は自主施工者は、当該工事が特定工事に該当するか否かの調査を行わなければならない 【調査対象】 建築物・工作物を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事(当該建設工事が特定工事に該当しないことが明らかなものを除く。) 平成18年9月1日以後に設置工事に着手した建築物等のみを解体(改造、補修)する建設工事 平成18年9月1日以後に改造・補修した部分のみを改造・補修する建設工事 【調査方法】 特定建築材料の使用の有無を調査 設計図書による調査 目視による確認(現地調査) 建材の分析による調査 特定建築材料が適切に把握されずに工事が開始される問題があったことから、事前調査を義務付け(H25改正)
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事前調査(2)(事前調査結果の説明) 請負業者(受注者)の調査結果等の説明(法第18条の17)
① 解体等工事の受注者は、当該工事が特定工事に該当するか否かについて調査し、その結果を書面を交付して発注者に説明 【書面記載事項】 調査を終了した年月日 調査の方法 調査の結果 ② 調査の結果、特定工事に該当する場合は、届出に必要な事項を書面を交付して発注者に説明 【説明の時期】 解体等工事の開始の日までに説明(当該解体等工事が特定工事に該当し、かつ、特定粉じん排出等作業を当該特定工事の開始の日から14日以内に開始する場合は、当該特定粉じん排出等作業の開始の日の14日前まで) 専門的知識を有する建設業者に発注者への調査結果の説明を義務付け、発注者が届出等の義務を確実に果たせるよう支援(H25改正)
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事前調査(3)(注意点) 事例発生の原因 アスベスト含有建材が事前調査で適切に把握されずに工事が開始された事例
アスベスト対策に関する行政評価・監視結果報告書(総務省行政評価室、平成28年5月)より 事例発生の原因 設計図書の確認を十分に行わなかった。(設計図書には記載があったにもかかわらず、目視のみで「なし」と判断) 天井裏など、外側からの目視のみでは確認できない箇所を十分に調査し なかった。 実際にはアスベスト含有建材が使われていたが、発注者が過去に全て除 去したものと誤認。受注者に除去済みと伝えたこと等により、受注者が 改めて十分な調査を行うことなく工事を開始した。 事前調査でアスベスト含有建材の使用が判明したが、工事関係者間で共 有されなかった。 アスベストを含有する可能性が高い吹付け材等が使用されていたが、目 視等による確認を行ったのみで、分析調査を十分に行わなかった。 内装工事等、主要な構造に係らない改修工事は法の規制対象ではないと 思い込み、事前調査を行わなかった。 レベル1、2の建材をレベル3と誤認。
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事前調査(4)(調査結果の掲示) 調査結果の掲示(法第18条の17)
事前調査を実施した者(解体等工事の受注者又は自主施工者)は、解体等工事を施工するときは、調査結果等を掲示しなければならない 【掲示の方法】 掲示は、掲示板を設けることにより行う 【掲示場所】 公衆に見やすいように掲示 【掲示内容】 調査の結果 調査を行った者の氏名又は名称、住所、法人の代表者の氏名 調査を終了した年月日 調査の方法 特定工事に該当する場合は、特定建築材料の種類 周辺住民とのリスクコミュニケーションの増進のため、事前調査結果の情報開示を義務付け(H25改正)
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特定粉じん排出等作業の届出 特定粉じん排出等作業の届出(法第18条の15)
作業開始の14日前までに、都道府県(又は大気汚染防止法の政令市)に届出 【届出内容】 氏名または名称及び住所(法人にあっては代表者氏名) 特定工事の場所 特定粉じん排出等作業の種類 特定粉じん排出等作業の実施の期間 特定建築材料の種類、使用箇所、使用面積 特定粉じん排出等作業の方法 (添付書類) 建築物等の配置図 建築物等の概要、配置図及び付近の状況 特定工事の工程の概要 施工者の現場責任者の氏名及び連絡場所 下請負人が特定粉じん排出等作業を実施する場合、当該下請負人の現場責任者の氏名及び連絡場所 契約上優位な立場にある発注者に届出義務(H25改正)
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作業基準の遵守 作業基準の遵守義務(法第18条の18) 特定工事の施工者は、作業基準を遵守しなければならない 作業の手順例 作業基準
Z 事前調査 作業内容の掲示 【掲示事項】 届出年月日 届出先 届出者の氏名又は名称及び住所(法人にあっては代表者氏名) 施工者の氏名又は名称及び住所(法人にあっては代表者氏名) 作業実施期間 作業の方法 現場責任者の氏名及び連絡場所 発注者へ説明 作業場の隔離・前室設置 集じん・排気装置の設置 都道府県等へ届出 集じん・排気装置の正常稼働確認 作業場及び前室内の負圧の確認 事前調査結果掲示 (確認結果の記録) 特定建築材料の湿潤化 特定建築材料の除去 除去部分に飛散抑制剤散布 隔離シートの撤去
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<セキュリティゾーン及び除去設備の配置概念図>
作業エリア内(負圧) 床プラスチックシート養生 0.15mm 以上(2 重) 負圧除じん装置 壁プラスチックシート養生 0.08mm 以上(1 重) (薬液噴霧) (汚染空気吸込) 各種 掲示板 吸引ダクト セキュリティゾーン 真空掃除機 HEPA フィルター付 入口 更衣ロッカー エアシャワーユニット [更衣室] [洗身室] [前室] コンプレッサー エアレスポンプ 廃棄物仮置場 粉じん飛散抑制剤 粉じん飛散防止剤 (外観) <セキュリティゾーン及び除去設備の配置概念図>
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報告徴収と立入検査 報告徴収(法第18条の15) (実施者)環境大臣、都道府県知事又は政令で定める市の長
【報告徴収内容】 解体等工事に係る建築物等の状況 特定粉じん排出等作業の状況 その他必要な事項 (対象者)解体等工事の発注者又は受注者、自主施工者、特定工事の施工者 立入検査(法第18条の15) (実施者)環境大臣、都道府県知事又は政令で定める市の長 【検査対象】 解体等工事に係る建築物等その他の物件 (立入対象)解体等工事に係る建築物等、解体等工事の現場
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今後の課題 ○ 改正大防法の適切な施行に努めるとともに運用状況を調査し、その結果を踏まえて、石綿飛散防止対策を徹底していく。
○ 改正大防法の適切な施行に努めるとともに運用状況を調査し、その結果を踏まえて、石綿飛散防止対策を徹底していく。 ○ 石綿が比較的飛散しにくいため規制対象から除外されている建材(石綿成形板等、いわゆるレベル3建材)を使用した建築物の解体等に当たっての飛散防止対策、周辺住民とのリスクコミュニケーションのあり方等について検討を進める。
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今後の課題 特定建築材料以外のアスベスト含有建材(レベル3建材)に係る飛散防止対策 レベル3建材からの石綿の飛散実態の把握の取組(H27~)
特定建築材料に比べ相対的にアスベストの飛散性は低いが、除去作業時の破砕や切断などで、アスベストが飛散するおそれ レベル3建材 「建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル2014.6」 (環境省水・大気環境局大気環境課) 石綿含有成形板は、湿潤化の上、手作業によりできるだけ原形のまま取り外す。 破損した石綿含有成形板は、丈夫なビニール袋に入れること等により、飛散を防止する。 やむを得ず切断等を行う場合は、散水やHEPAフィルター付き局所集じん装置を使用する。 石綿を飛散させるおそれがある場合は、解体施工部分の外周部分を養生シート等で隙間な く囲う。 石綿飛散防止の更なる強化について(中間答申) (中央環境審議会、平成25年2月) レベル3建材からの石綿の飛散実態の把握の取組(H27~) 「調査事例の収集等により実態を明らかにし、 検証した上で必要な措置を検討する必要がある」 アスベスト対策に関する行政評価・監視結果報告書 (総務省行政評価室、平成28年5月) 「取扱いの実態を把握し、結果を踏まえて、大防法におけるあり方も含めて検討し、所要の措置を講ずること」 今後、措置を検討
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今後の課題 周辺住民とのリスクコミュニケーション 「周辺住民とのリスクコミュニケーションのあり方」の検討(H27~)
周辺住民への情報開示 情報開示、リスクコミュニケーションの必要あり 現在の大気汚染防止法の規定 事前調査結果の掲示(法第18条の17) 特定粉じん排出等作業の内容の掲示(法第18条の18(作業基準)) 石綿飛散防止の更なる強化について(中間答申) (中央環境審議会、平成25年2月) 「周辺住民とのリスクコミュニケーションのあり方」の検討(H27~) 「住民等への説明会等の実施といった更なる自主的な情報開示の取組についても、実行可能性を含めて検討する必要がある」 今後、ガイドラインの作成等を予定
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環境省ホームページ 石綿関係 <参考> ・石綿(アスベスト)問題への取組
環境省ホームページ 石綿関係 ・石綿(アスベスト)問題への取組 < ・東日本大震災への対応>アスベスト対策 <
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