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侵略的(外来)植物への対処 小林達明
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話題 定義 防除の戦略 自然地域の侵略的植物 水草 木本植物 つる植物 草本植物
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定義 侵略的外来種:自然植生や、人為と自然の力が平衡している半自然植生に定着した外来種で、生物多様性を変化させ、脅かすもの
生態系に係る被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがある外来生物として、①在来生物の捕食、②生息地若しくは生育地又は餌動植物等に係る在来生物との競合による在来生物の駆逐、③植生の破壊や変質等を介した生態系基盤の損壊、④交雑による遺伝的かく乱等により、在来生物の種の存続又は我が国の生態系に関し、重大な被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがある外来生物(特定外来生物法)
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法の上でのカテゴリー 特定外来生物 未判定外来生物 要注意外来生物
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防除control 果実・種子や栄養繁殖体を取り除いて、拡散を抑えること 根絶eradication その場から、植物を完全に取り除くこと
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Two Assessment Approaches
Species Based Site Based
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古い方法 侵略的植物を見つけたら殺す 新しい方法 予防し、侵略に強い植物群落を作る 攪乱を避ける、植物の競争力を利用する、植物の侵入の異なる段階で適切な方法で対処する
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Weed Increase Over Time and Control Potential
Local control and management only Eradication feasible Eradication unlikely, intense effort required Eradication simple Public awareness typically begins Acres Infested Control Costs Introduction Detection Plant absent Scattered locations Numerous locations At or near biological potential Time
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A = Alhagi H = Hydrilla P = Peganum From: Rejmanek,M. and M. Pitcairn
(2002)
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ブラッドリーメソッド 被害の少ない場所から始めて、甚大な場所へ進む 攪乱を最小限に-土を攪乱したら、覆うこと
問題植物の除去速度は、在来植物の生育をうまく促せる程度にする。刈りすぎに注意。
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目標を決め、計画を立てる 被害が軽微な状態 拡散の予防が最優先 根絶が可能 被害が大きい状態 被害を抑えるのに必要な防除のレベルを決める
拡散を抑えるため、種子生産を止める
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植物の生活環に応じて 一年草 被覆植物やマルチを利用 二年草 多年生 根を知る
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予防する 攪乱を避ける・・・明るくしすぎない 地面の露出を避ける 富栄養化を避ける 侵略的植物を持ち込まない
植栽やチップ散布、客土への散布体の混入に注意する
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人手による防除 幼植物、小植物の手取り 根をできるだけ取り除く 攪乱をできるだけ避け、植栽やマルチングなどその後のフォローをきちんとする
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草刈り機械による防除 植物の成長を抑え、種子生産を止め、根を衰退させる。 刈り取りの後、萌芽する・・・萌芽しない種では非常に有効
手取りとうまく組み合わせると効果が大きい
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化学的防除 薬剤の注意書きに従って適切に用いること 必要な植物に適切に点散布 他の方法と組み合わせる 環境や健康に問題のない薬剤を使用する
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耕種的防除 環境を問題植物を抑えるように変える 被覆あるいは土壌の高温化 ウッドチップ、マット、シート、不織布・・・土壌が湿っていると効果的
ウッドチップ、マット、シート、不織布・・・土壌が湿っていると効果的 野焼き 競合効果 繁殖力の弱い草本の利用 成長の早い自生の木本植物の利用 草食家畜の利用 家畜のコントロールが必要 種子には効果無し
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防除地のその後も注意 除去した植物の廃棄方法も配慮 種子やその他の散布体の危険がある場合は、焼却処分するか土中深く埋める
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表 生物の侵略性と環境の被侵略性の関係による陸上植物の生物的侵略可能性
表 生物の侵略性と環境の被侵略性の関係による陸上植物の生物的侵略可能性 環境の被侵略性 生物の侵略性 A河原・湿地など、群落閉鎖しておらず生態的ニッチが空いている空間 B群落閉鎖しているが、草地・二次林など在来種の競争力が弱い空間 C原生林など侵略に対して抵抗性の強い空間 短い世代時間・小さい種子重・高い幼植物成長速度(草本) 大 中 小 小さい種子重・短い幼植物期間・高い成長速度・短いなり年間隔(木本) 鳥による種子散布 つる性(特に這性のもの)で伏条繁殖 根萌芽(ルートサッカー)による繁殖 強い耐冠水性 大(湿地) 強い耐乾性 大(砂質・れき質河原) 強い耐陰性 強い他感作用(アレロパシー)
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水草 輸入が年々増加しており、わが国の生態系への侵略性も高いと考えられることから、とくに重点的に検討
ナガエツルノゲイトウ(Alternanthera philoxeroides)、ブラジルチドメグサ(Hydrocotyle ranunculoides)、ミズヒマワリ(Gymnocoronis spilanthoides)の3種を特定外来生物に指定 ナガエツルノゲイトウ ブラジルチドメグサ
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第二次選定種候補ー水草 アゾラ・クリスタータ(Azolla cristata)、オオフサモ(Myriophyllum aquaticum)、ボタンウキクサ(Pistia stratiotes)の三種がリストアップされた。アゾラはアイガモ農法に使われているが、在来種のアカウキクサとオオアカウキクサは絶滅危惧種で、これらを含む水生植物との競合や駆逐のおそれがある。不稔性の雑種系統があり、そちらへの転換を進める。オオフサモは水質浄化などの目的でビオトープなどへ意図的導入が進んでいる。ボタンウキクサは浮遊性の水草で、観賞用の導入が進んでいる。 ボタンウキクサ
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第二次選定種候補ー園芸植物 オオキンケイギク(Coreopsis lanceolata)、オオハンゴンソウ(Rudbeckia laciniata)の二種がリストアップされた。オオキンケイギクはワイルドフラワー緑化に用いられ、河原等に逸出して問題になっている。オオハンゴンソウは園芸種として古くから用いられているが、日光・戦場ヶ原などの寒冷地湿原を中心に逸出して問題になっている。 オオキンケイギク
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第二次選定種候補ー雑草 アレチウリ(Sicyos angulatus)、オオカワヂシャ(Veronica angallis-aquatica)、ナルトサワギク(Senecio madagascariensis)三種がリストアップされた。アレチウリはすでに蔓延している植物だが、河川における防除事業を支援する意味もある。オオカワヂシャも河原で拡大しているが、在来種カワヂシャと雑種を形成する。ナルトサワギクは侵入間もないが、西日本中心に分布が急拡大している。家畜に中毒症状が出る。 ナルトサワギク
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第二次選定種候補ー未導入種 スパルティナ・アングリカ(Spartina anglica)は、北米産種S. alternifoliaがイギリスに入って、イギリスの在来種S. maritimaと交雑し、不稔性雑種S. x townsendiiを形成したが、それが倍数進化して、強害雑草である本種が生まれたと言われている。それが北米に戻って、自生の塩湿地に拡大し、今ではニュージーランド・中国にも入って侵略的に振る舞っている。干潟の自然再生などに使われかねないので、未導入だが、先行指定する。
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