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第12回 12/10 企業統治 今後のスケジュール 2015年秋学期 経営学3 『組織マネジメント入門』の第4章5節

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1 第12回 12/10 企業統治 今後のスケジュール 2015年秋学期 経営学3 『組織マネジメント入門』の第4章5節
2015年秋学期 経営学3 第12回 12/10 企業統治 『組織マネジメント入門』の第4章5節 今後のスケジュール  第13回 12/17 まとめ 【期末テスト9:30開始】  第14回 01/07 休講  第15回 01/15 セブンイレブンの事例

2 例えば、人権問題、労働慣行、環境付加、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参画やコミュニティの発展など。
社会的責任と企業(組織)統治 ステークホルダー 株主/従業員/地域社会 誰のために企業が活動するのか? あるいは 誰が企業の所有者(主権者)か? 企業統治:ステークホルダーの利益を尊重する組織(仕組み)を設計   ↓↓ (指示・命令・監督) マネジメント:効果的・効率的に遂行 企業 活動 多様な社会的責任を遂行 多様なステークホルダーに影響 例えば、人権問題、労働慣行、環境付加、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参画やコミュニティの発展など。 組織統治とは、組織がその目的を追求する上で、決定を下し、実施するときに従うシステムのことである。

3 4-5-1 長期利益の獲得(p.108) 長期利益の獲得 会社は 営利 を目的とする法人である。 会社は長期的に存続すること( ゴーイング・コンサーン )が前 提となる。短期的な利益より、長期的に安定して利益を獲得し続け ることが重要課題となる。 その主な収入源は 顧客  (=外部)への売上である。 その顧客に財やサービスを提供するために、会社は 社内外 の  資源 を最大限活用しなければならない。  営業 利益とは売上高(収入)から売上原価と販売費・一般管理 費を控除したものであり、会社の営業活動の成果を示している。さら に、営業利益に営業外損益を加減したものが 経常 利益となる。

4 長期利益の獲得のための仕組み 会社は、人、モノ、金、情報などの 経営資源 を有効に活用する ことによって、収益性や安定性を高めることができる。 保有している経営資源を有効に活用するには、社内の  仕組み  が重要な働きをする。所有と経営が分離されている株式会社では、 株主総会から 委託 された 取締役 が業務を監督・執行して いる。 そして、株主総会から 委託 された 監査役 が、取締役の行 動および会社の活動が法令や定款を遵守しているかを監視する仕 組みとなっている。

5 4-5-2 社会的責任の遂行(p.109) 企業(組織)統治の定義 ※組織は企業を包括するより広い概念
「企業(組織)統治とは、組織が自らの決定および活動の与える影響に 責任をもち、 社会的責任 を適切に果たせるように組織全体を統 合・管理していくことである。」 「社会的責任という文脈で考えたときの組織統治は、組織が行動すると きにしたがうべき中核主題であると同時に、他の中核主題との関連で 社会的に責任ある行動をとるための組織の 能力 を高める 手段 でも あるという特殊な性格をもっている」 企業 企業は社会(多様なステークホルダー) に責任があり、それを遂行するための 決定や行動を企業が採用できるような 組織構造を整える必要がある。 責任 社会 (ステークホルダー)

6 補足①(企業の)社会的責任の定義 (ISO 26000による)
“The responsibility of an organization for the impacts of its decisions and activities on society and the environment (through transparent and ethical behavior that contributes to sustainable development, including health and the welfare of society); takes into account the expectations of stakeholders; is in compliance with applicable law and consistent with international norms of behavior; and is in compliance with applicable law and consistent with international norms of behavior; and is integrated throughout the organization and practiced in its relationships.” (健康と社会の反映を含めた持続的な発展に貢献する透明かつ倫理的な行 動を通じて、)組織の決定及び活動が社会及び環境に及ぼす影響へ の組織の責任は、 ステークホルダーの期待( 利害 )に配慮し、 関連 法令 の遵守および国際行動規範を尊重し、 組織全体で統合され、その組織の中で実践されるものである。 ※社会の発展に寄与する責任感を有し、それに沿って組織的に行動するこ とは、多様な企業の利害関係者にとって有益となる。

7 ●多様なステークホルダーへの責任 政府 投資家(株主) 債権者 (企業) 従業員 取引先 消費者 地球環境 地域住民
企業が多様なステークホルダーに対して、 ①国内外の法律や行動規範を遵守し、倫理的に行動すること、 ②ステークホルダーの利害や人権を尊重すること、 ③企業活動の透明性を確保し、 説明責任 を果たすこと、 が求められている。

8 補足② 不祥事を起こした東芝の株主通信 当社の 不適切会計 により、多大なご迷惑、ご心配をお掛けしておりますこと を、心から深くお詫び申し上げます。本株主通信におきましては、新しいコーポレー ト・ガバナンスの体制と、過年度決算の修正を中心にご報告させていただきます。 第三者委員会からの指摘によれば、問題の直接的な原因は、 経営トップ らの 関与や 当期利益至上主義 、目標必達のプレッシャーなどにあるとされている ものの、こうした行為を阻止できなかった間接的な原因として、当社の 内部統制 システムが不十分であった点があげられています。 経営トップ の関与により内 部統制が無効化されたことについて猛省したいと思います。 数多くの厳しいご意見やご叱責を厳粛に受け止め、新体制のもと、引き続きコー ポレート・ ガバナンス 改革に取り組んでまいります。同時に、こうした仕組みが 適切に機能するよう、経営トップの 意識改革 も含め 企業風土 改革に取り 組んでまいります。 当社が信頼される企業として再生できるよう、全力を尽くしてま いる所存です。何卒ご支援を賜りたくお願い申し上げます。 2015年11月 代表執行役社長 室町 正志

9 東芝のコーポレート・ガバナンス改革(株主通信の中身)
1.取締役会の機能強化 ・従来の 取締役 を16名から11名に減員 ・ 社外 取締役の比率を過半数に増加 ・取締役会を「執行に対する 監視・監督 」と「会社の 基本戦略 の決定」に集中 ・社外取締役のみのミーティング設立(情報交換) 2.監査委員会の機能強化(社外取締役のみ) ①監査委員会の指示に基づき、監査委員会室が 調査権 を行使できるようにし、監査委員会室長に担当 執行役 を配置し体制強化を図る。 内部通報 先に監査委員会も加え、監査委員会に 内部通報 可能な仕組みとしました。 ② 内部監査 部を創設し、会計監査、適法性監査、妥当性監査および内部統制監査に集中する。部員を各 カンパニー に数名常駐させ、カンパニーに対する監査機能を強化し、会計監査人とカンパニー間のやり取りも把握します。

10 3.指名委員会の強化、指名手続の透明性確保
・ 社外 取締役のみで構成 ・代表執行役社長は議決権を有しない オブザーバー として参加 ・代表執行役および執行役の明確な 選定基準 を策定 ・上級管理職による代表執行役社長 評価 制度(信任投票制度)を導入 4.その他の主な再発防止策 (1) 企業風土改革 ・ 当期利益至上 主義から脱却(実力に即した合理的な業績管理へ) ・ 短期 的な見込みの検討を中心に実施してきた 社長月例 を廃止 ・ 経営トップの意識改革 研修 (従業員には会計コンプライアンス教育)を 実施 (2) 内部統制強化策(独立性を担保) 従来、 社内カンパニー社長 からの指揮命令を受けていたが、財務統括 責任者をコーポレートの 最高財務責任者 の傘下に位置づけ

11 人員減、社外取締役増 ※電力システム社、ヘルスケア社、パーソナル&クライントソリューション社などの社内カンパニーがある。 ※それぞれの社内カンパニーに社長(代表執行役社長=経営幹部:≠役員) )を配置

12 以下補足③ 企業の社会的責任論 フェーズ1:利潤最大化マネジメント
以下補足③ 企業の社会的責任論 フェーズ1:利潤最大化マネジメント 個々人が自らの利益を追求していれば、市場の機能(見えざる 手)によって、公共の利益をも実現する( アダム・スミス )。 競争的市場の規制下で、企業が利潤最大化を目指して行動を 行うことによって、公共の利益も最大化する。 この段階では、 消費者は自らの 危険負担 で商品を市場から購入するの で、経営者は消費者に対して、販売とそれに付随するサービ ス以外に特別な行動を採る必要が無かった。  労働 は、市場で取引される商品と同等に考えられていた。 ※経営者は、他のステークホルダーを考慮せずに、 利潤最大化 を 図れば良かった。

13 フェーズ2:多様なステークホルダーへの配慮の始まり
所有権(株主)の 分散 によって、雇用経営者が経営の主流 になった。それによって、株主の企業の物的財産に対する支配 力が失われ、株主が単なる報酬の受取人になった。その際に、 経営者の 説明責任 (accountability)が重要となった。 これによって、企業に貢献あるいは影響を及ぼす消費者、従業 員、供給業者、政府などのステークホルダーを認識し、彼らへの 配慮を行うようになった。 ※経営者は所有者の利益と他のステークホルダーの利害をバラ ンスさせることが重要となった。 その他の ステークホルダー 株主

14 フェーズ3:社会の利益(生活の質)重視 物質的な豊かさの次に、 精神的 な豊かさ(日常生活の満足 感や充足感)が重要な時代になった。
物質的な豊かさの次に、 精神的 な豊かさ(日常生活の満足 感や充足感)が重要な時代になった。 企業の 雇用 経営者も、社会の利害に配慮した意思決定を 行うことが当然になった。 経営者の説明責任は、株主だけでなく、多様なステークホル ダーに向けてなされるようになった。 個人主義よりも 集団的参加 が組織の成功要因にとして注 目されるようになった。 現代企業の社会的課題 社会的制度としての企業と経済的実態としての企業の 2面性  の両立が課題となっている。企業の経営者は、単なるヒューマニズ ムの観点からでなく、企業の長期的維持・発展のために、両面を 調和 させたマネジメントを可能にする企業統治の仕組みを整備 しなければならない。

15 以下補足④ グーグルやアップル 「使命感」が違い生み出す(日経産業新聞2014年11月18日)
以下補足④ グーグルやアップル 「使命感」が違い生み出す(日経産業新聞2014年11月18日) 検索サービスから地図の提供、スマートフォン(スマホ)用の基本ソ フト(OS)、自動運転車など多種多様な事業を手がける米グーグル だが、この会社をひとつにまとめているのは創業以来の ミッション ステートメント、つまり同社の「使命」を唱った文章だ。 「 世界中 の情報を整理し、 世界中 の人々がアクセスできて 使えるようにすること」というのが、それだ。一見バラバラに見える各 種事業を進めるか否かも、このミッションステートメントが基準になる。 ■アップルのCM「Think different.」 米アップルにはこうした宣言文はないが、故スティーブ・ジョブズ氏 が同社に戻った後、1997年に作られた「Think different.」というCMの 詩は、これにかなり近い。枠にとらわれず情熱を持って 挑戦 を続 けたクレイジーな人々が、世界を変え「人間を前進させた」とうたう同 CMだが、実はこれにはテレビで流れたものとは別の長いバージョン があり、そちらでは「我々はこうした人々のための 道具 をつくる」 とアップルの使命を掲げている。

16 グーグルやアップル 「使命感」が違い生み出す(続き)
グーグルやアップル 「使命感」が違い生み出す(続き) 多くの 企業は次は何をつくるか、どうやってそれまでの製品や 競合との違いを打ち出すか、を出発点に考える。違いを生み出す 会社はそうではない。会社の核をなす 価値 、つまり「なぜ、 我々の会社はこの世にあるのか?」から考え始めるというのだ。 アップルであれば「我々は世界の人々を 前進 させる」と考え、ど うやったらその 価値 に寄り添いながら 良い 製品ができるか を考える。 ■ 目的、人、プロジェクト、プロセス の順に大事 最近、米国ではこうした考え方が改めて注目を集め、起業家向け の雑誌などでも再び取り上げられている。今、少しずつ生まれ変わ ろうとしているグーグルで、かなり重要な役割を担うグーグル・クリ エーティブ・ラボのエグゼクティブ・クリエイティブディレクターを務め るロバート・ワンは「4つのP」、つまり目的、人、プロジェクト、プロセ スが、この順番で大事だと語っている。

17 グーグルやアップル 「使命感」が違い生み出す(続き)
グーグルやアップル 「使命感」が違い生み出す(続き) 使命などの形で、しっかりと目標を提示すれば、そこに 共鳴 する「人」が自然と集まってきて、その後もうまく続く。同じようなこと は、80年代のジョブズ氏も言っている。使命や目的を掲げることは、 そうした人々をその場に引き留めさせる上でも重要な要素だ。 アップルやグーグルの周辺には、自分なりの 使命 を持った人 が大勢集まっている。彼らがこうした企業に踏みとどまるのは、こ れらの企業が個々人の「使命」で動くことの重要さを理解し、容認し てくれているからであり、会社の規模の大きさゆえに、その「使命」 をより大きな規模で果たせるという 計算 があるからだ。 実際、グーグルの日本のオフィスでは、今でも大勢の人々が東日 本大震災で被災した地域の支援活動に力を注いでいる。いわゆる 企業の 社会的責任 の一環としてやるのではなく、社員が自分 が やりたい から現地に足しげく通い、解決すべき 課題 を発 見し、場合によってはその解決策を 開発 したり、事業化したりし ている。まさに「 なぜ? 」からスタートする開発なのだ。

18 補足⑤東京証券取引所が設定する企業行動規範項目
内容 1. 法令 の遵守 ①法令遵守の徹底 ②業界慣行・商慣習等の検証 2. 人権 の尊重 ①人権へ配慮と人権侵害の排除 3. 環境 への対応 ①省エネ・地球温暖化対策の実践 ②環境汚染の防止 ③自然環境・生物多様性への配慮 4. 従業員 の就業環境整備 ①職場環境改善への取り組み ②従業員等の士気向上 5.顧客・消費者からの 信頼 獲得 ①安全性の最優先 ②正確な情報提供 ③顧客情報の適正管理 ※10項目も挙げられているのは多角的な視点からチェックするため

19 企業行動規範対応チェックシートの項(後半)
項目 内容 6.取引先との 相互発展 ①取引基準の確立 ②取引先情報の適正管理 7. 地域 との共存 ①地域の課題解決への貢献 ②地域文化等への理解 8. 出資 者・資金提供者の理解と支持 ①財務・税務会計の適正性 ②企業統治の徹底 9. 政治・行政 との健全な関係 ①公務員との透明性の高い関係 ②政治家との透明性の高い関係 10. 反社会的勢力 への対処 反社会的勢力への対処

20 企業行動規範対応チェックシート(それぞれの□に〇△×を自己評価)
経営者の姿勢 管理面の対応 実施状況 1.法令の遵守 □法令遵守の徹底を企業の経営の基本としている。 □自社に適用される法令の動向を注視し、 点検・確認 するとともに、社内体制の整備や 研修 等を通じ社内に浸透させる仕組みができている。 □法令違反が生じていないか 定期的 に チェック している。 □業界慣行・商習慣・社内慣行よりも、法令を遵守することを企業経営の基本としている。 □業界慣行・商習慣・社内慣行が法令に違反していないかを検証し、従業員に 伝達 する仕組みができている。 □業界慣行・商習慣・社内慣行が不適切と判断された場合、法令に則った行動を 指示 し、事後の実施状況をチェック している。

21 企業行動規範対応チェックシート(それぞれの□に〇△×を自己評価)
経営者の姿勢 管理面の対応 実施状況 4.従業員の就業環境整備 □従業員の健康維持と働きやすい職場環境をづくりを常に心がけ ている。 □・関連する法令・制度等の動向が把握できている。 ・従業員の 要望 を把握する機会、場を設けている。 ・雇用形態の多様化に対応した ルール を確立している。 ・労働安全衛生に配慮している。 □・関連する法令・制度等および従業員の要望をもとに社内制度等の改善に取り組んでいる。  ・労働安全衛生の状況について 定期的 に確認している。 □従業員が自己の能力を十分発揮 できる働きやすい職場環境づくりを常に心がけている。 □・経営 理念 ・経営 方針 を従業員に浸透する仕組ができている。  ・従業員の業績等に基づき、公平・公正な 評価 ・ 処遇 を行う体制となっている。 □・従業員との定期的な意見交換を通じ、従業員の士気を確認している。  ・教育訓練や技術・ノウハウの伝承等に工夫をこらしている

22 企業行動規範対応チェックシート(それぞれの□に〇△×を自己評価)
経営者の姿勢 管理面の対応 実施状況 8.出資者・資金提供者の理解と支持 □財務・税務会計の 適正性 ・信頼性の確保を基本としている。 □企業会計の原則に沿って会計処理を行っている。 □正確性・信頼性を確保したうえで、財務情報を主とする事業実績や事業計画などについて適時・適切に説明している。 □ 株主総会 ・取締役会 等は、法令の定める手続きに則って行っている。 □権限規程等により、経営者および各階層の管理者の権限を 明確 にしている。 □・株主総会・取締役会等の 議事録 を作成・保管している。  ・ 稟議書 等により、権限に基づく決定がなされていることを明らかにしている。

23 補足⑥伊藤忠、「社会的責任」ゲームで学ぶ (2014年9月30日日本経済新聞)
補足⑥伊藤忠、「社会的責任」ゲームで学ぶ (2014年9月30日日本経済新聞)  伊藤忠商事はグループ企業の広報担当者を対象に、企業の社 会的責任(CSR)をテーマとした勉強会を都内の本社で開いた。約 50社計80人の広報担当者らを7、8人のグループに分け、会社や 従業員、株主などの 立場 に設定。人権や労働、環境、腐敗防 止をテーマにした具体的な事例への対応策を発表し評価し合う ゲームを活用した。企業の社会的責任の助言大手、KPMGあずさ サステナビリティがゲームの進行を担当した。今後、広報機能の向 上を狙い勉強会を定期開催する。 人権や労働 環境 腐敗防止 会社 従業員 株主


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