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Published byしなつ たけはな Modified 約 7 年前
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機関リポジトリの概要 JAIRO Cloud 講習会 平成26年6月16日 国立情報学研究所 三隅 健一(北海道大学附属図書館) misumi@lib.hokudai.ac.jp
自己紹介。 この講義の目的。 現在の学術コミュニケーションを取り巻く環境、 そこから生まれてきたオープンアクセス活動、 そして機関リポジトリそのものについて、概要を理解すること。
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機関リポジトリとは Institutional Repository (=IR)
研究機関で生産された電子的な知的生産物を捕捉し、保存し、原則的に無償で発信するためのインターネット上の保存書庫 (国立大学図書館協議会(2003)「電子図書館の新たな潮流」 ) 最初は、機関リポジトリの定義について。 国立大学図書館協議会(2003)「電子図書館の新たな潮流」より。
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機関リポジトリとは 大学がその構成員に提供する、大学やその構成員により作成されたデジタル資料を管理し発信するための一連のサービス
Clifford A. Lynch ( Lynch (2003) “Institutional Repositories:Essential Infrastructure for Scholarship in the Digital Age.” ARL, 226.) 機関リポジトリについて、Lynchの定義を紹介する。 (引用文を読み上げる) ・活動の主体は大学である。 ・構成員(研究者や学生)のためのサービスである。 という2点が大事な観点になっている。 次のスライド以降、IR構築の背景について ①学術雑誌価格の高騰 (シリアルズクライシス) ②オープンアクセス について見ていく。 リンチの日本語訳は次のURLから入手できる。
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学術雑誌価格の高騰 市場の寡占化と価格高騰 機関や読者の購読中止の増加 売り上げ部数減少のため更に値上げ 購読中止の増加………という悪循環
市場の寡占化と価格高騰 機関や読者の購読中止の増加 売り上げ部数減少のため更に値上げ 購読中止の増加………という悪循環 シリアルズクライシスの説明 (読み上げ) 図書館が雑誌の購読を維持できなくて、学術コミュニケーション不全に陥ってしまう。
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Library Journal Periodical Survey
学術雑誌価格の高騰 1誌あたりの平均価格 学術雑誌の価格高騰 年間の値上げ率は平均して9~10%程度。 1,000ドルの雑誌が、1年9%の価格上昇を10年間続けた場合、2,300ドル以上(倍以上)になってしまう。 Library Journal Periodical Survey
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オープンアクセスの定義 学術論文を、経済的・法的・技術的障壁なく、インターネットを介して誰もが自由に利用できること。
(Budapest Open Access Initiative (BOAI) (参考) ブダペスト・オープンアクセス・イニシアティヴから10年:デフォルト値を「オープン」に(日本語訳)2012.9 雑誌価格高騰に対するカウンターとして、オープンアクセスという考えが起こってきた。 ブダペスト・オープンアクセス・イニシャチブ(BOAI)(ブダペスト宣言とも)より、 オープンアクセスの定義を紹介する。 (読み上げ) 誰でも読めること、さらには再利用できることなどが定義されている。 なお、(参考)までに、BOAIより10年後にBOAI 10という提言が出ている。これは日本語を読むことができる。
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オープンアクセスの実現方法 オープンアクセスジャーナル (Gold OA) 予約購読型以外のビジネスモデルの雑誌
著者負担モデル、予約購読型とのハイブリッド、公的資金など 品質・掲載論文数は様々 オープンアクセスメガジャーナルの台頭 (PLoS ONE) 予約購読型の多くは、著者負担によるオープンアクセス化が選択可能(ハイブリッド OA) (Elsevier Open Access Options, Springer Open Choice など) OAの実現方法には、 (1) Gold (2) Green の二通りがある。 (読み上げ) // 質問用のメモ // ○ 著者支払モデル:APC // ○
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オープンアクセスの実現方法 セルフアーカイビング (Green OA)
著者が自身の著作をOAリポジトリに保存すること (Suber (2012) “Open Access”) 著者のウェブサイト 機関リポジトリ プレプリントサーバ (arXiv.org) 政府主導分野別アーカイブ (PubMed Central) (読み上げ) 機関リポジトリはGreen OAの一手段である。
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機関リポジトリのコンテンツ 学術雑誌掲載論文 紀要等による学内発表物掲載論文 学位論文 国際会議等での口頭発表資料 教材
(大まかに読み上げ) // 教材は、近年 Open Educational Resource として注目されている。
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出典:尾城孝一「ネットワーク環境下における大学図書館機能の再構築」
機関リポジトリの概要 ここまでのまとめ 出典:尾城孝一「ネットワーク環境下における大学図書館機能の再構築」
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機関リポジトリのメリット (研究者にとって) 研究成果の可視性の向上 新たな情報発信のルート獲得 機関による一元管理と長期的な保存
Googleなどの検索対象に 新たな情報発信のルート獲得 機関による一元管理と長期的な保存 「機関」であることの意味 機関リポジトリのメリット 研究者にとって。 (大体読み上げ) このほか、機関リポジトリに登録された論文は、引用される頻度が高くなるという報告もあるが、それには反対意見もある。 引用率が高くなるとすれば、研究者にとって大きなインセンティブになるのだけれど。 // 引用率向上について // 1) 同一ジャーナルに掲載されたOA論文と非OA論文ではOA論文の方が2.5~5.8倍多く引用されたという報告がある。Steven Harnad. Comparing the Impact of Open Access(OA) vs. Non-OA Articles in the Same Journals. D-Lib Magazine, v.10, no.6, 2004 // 日本語訳は次のURLから入手できる。
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機関リポジトリのメリット (大学にとって) 大学の研究成果を社会に還元
「大学からの情報発信力の強化や、大学の社会に対する説明責任の履行の観点からも機関リポジトリは有効な手段である。」 (「学術情報基盤の今後の在り方について(報告)」文部科学省 平成18年 ) 大学で生み出された知的生産物の長期保存 機関リポジトリのメリット 大学にとって 社会・地域貢献や機関のブランド力の向上。
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機関リポジトリのメリット (学生にとって) 教員の著作が簡単に読めるようになった。授業の選択、予習復習に便利 (受験関係者にとって)
大学の教育研究活動の一端が見える。英語であれば海外のアクセスも
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機関リポジトリのメリット (一般の人にとって) 専門的論文が簡単に読めるようになった
アメリカの高校生がOA論文を利用して、 すい臓がんの検査方法を発明 “Open Access Empowers 16-year-old Jack Andraka to Create Breakthrough Cancer Diagnostic”. Right to Research Coalition (accessed ).
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機関リポジトリ現状 全世界で2,659機関、日本は世界4位 ( 現在、OpenDOARによる 日本では426機関 ( 現在、機関リポジトリ統計による ) 2005年の千葉大学が最初
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日本の機関リポジトリ JAIRO Cloudは既に構築済み 184機関、参加申請 200機関を超えている。
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2014年4月30日現在、日本の機関リポジトリには132万件超のコンテンツが収録されている。
コンテンツの内、約半数を占めるのが紀要で、次に多いのが学術雑誌論文。
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既存の図書館業務とIR業務 既存 IR 固定(最終型) 不安定(途中) 出版社・代理店・書店 研究者 購入 依頼・交渉・説得 入手・貸出
入手・発信 大学構成員 構成員+社会全体 IRで必要になる業務について、既存の業務との比較。 不安定で大変だけど、これから頑張っていきましょう。
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こういう文章も。 「教員と交渉したり、大学への働きかけを行ったりするなど、様々な工夫を凝らして能動的に資料を入手しなければならない」
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デジタルリポジトリ連合(DRF) 155機関(2014年4月現在)が参加している日本の機関リポジトリ構築機関の広域コミュニティ組織
メーリングリストや月刊DRF、DRFwikiでの情報共有 図書館総合展でのワークショップ リポジトリ運営で困ったことがあればDRF
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