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Published byさいぞう すえがら Modified 約 7 年前
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LHCの現状と最近の成果 建設中のLHC加速器 ( 21 Jun 2006 ) 2011年4月21日 筑波大セミナー 近藤敬比古(KEK)
LHCの現状と最近の成果 2011年4月21日 筑波大セミナー 近藤敬比古(KEK) 建設中のLHC加速器 ( 21 Jun 2006 ) 2011/4/21
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LHCの完成と運転 2008.9.10 450GeVビームの周回に成功 2008.9.19 のヘリウム漏れ事故
世界最高エネルギー達成 2011/4/21
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LHC 加速器と実験装置 energy (pp) 7+7=14 TeV 7 TeV (50 %)
C M S ALICE 設計値 達成値(%) energy (pp) =14 TeV 7 TeV (50 %) luminosity cm-2s ×1032 (4 %) protons/bunch 1.15× ×1011 (100%) bunch number (12 %) ATLAS LHCb 2011/4/21
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ATLASでの7 TeV pp衝突 の積分Luminosity, 2011.4.20現在 (stable beam delivered)
積分ルミノシティ Linear scale Log scale ATLASでの7 TeV pp衝突 の積分Luminosity, 現在 (stable beam delivered) 2011/4/21
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2006年時の運転計画との比較 3000 fb-1 2030 12年の遅れ 実績(7TeV) 2011/4/21
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なぜ14TeVに出来ないか? 超伝導電磁石の クエンチ
全dipole magnetは地上でテストされ、0-2回ほどのtraining quenchで11850A=8.33Tesla(7 TeV相当)を越えた。 地下設置後は、trainingで得た上昇分の一部が失われてquench点が低くなるものがある。あるセクターでは29台以上ある。 1セクターでは1回のtraining quenchに半日かかる。 の加速器修理時にtraining quenchを行ってエネルギーを上げる予定。 2011/4/21
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アトラス実験装置 2010年の運転実績 : 数字は稼働% 2 4 6 8 n/collision
n/collision バンチ衝突あたりのLuminosityが上昇し、数個のイベントが同時に起こる。 ー>pile-up対策が重要 2010年の運転実績 : 数字は稼働% 2011/4/21
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LHC実験の物理成果 各実験グループの物理成果(論文・プロットなど)はWeb上で公開されている: ATLAS:
CMS: LHCb ALICE: 2011/4/21
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Search for Supersymmetry Using …….PRL106,131802(2011)
本文 著者名 2011/4/21
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アトラス実験メンバーの年齢分布 ATLAS 女性 男性 2011/4/21
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標準理論の検証:Inclusive single jet
ATLAS CMS 広いpTとrapidity領域にわたってpQCD計算との一致が非常によい。 Cross section にして10桁も違うのに !! 2011/4/21
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標準理論の検証: di-jet distribution
ATLAS CMS Excited quarks (q*): M > 2.15 TeV Quantum Black Holes: M > 3.67 TeV Axigluons: M > 2.10 TeV 2011/4/21
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標準理論の検証: Invariant mass of e+e- and m+m-
ATLAS m(e+e-) CMS m(e+e-) m(m+m-) m(m+m-) ーー>エネルギー測定のよい検証になる。 2011/4/21
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標準理論の検証: Z → e+e-, m+m- ATLAS CMS Z → e+e- Z →m+m- 2011/4/21
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標準理論の検証: W, Z production cross section
ATLAS CMS W,Zの生成断面積やその比は理論と1%レベルで一致する。 NNLOによる pQCD計算 とPDF分布が正しいことを示している。 2011/4/21
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標準理論の検証: top対の生成 ATLAS CMS しかしtop massはまだ精度が悪い:
ATLAS ± 4.0 ± 4.9 GeV CMS ± 4.6 ± 4.6 GeV Tevatron ± 0.3 ± 0.9 GeV 2011/4/21
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SM Higgs →W W*→lν lν (l = e, μ)
ATLAS CMS ATLAS-CONF Phys. Lett. B 699 (2011) 25-47 Higgsの 分布 Exclusion limits as function of MH has been presented in a mass range of 120 – 200 GeV. At 160 GeV a SM-like Higgs boson with a production rate of 1.2 times the SM value is excluded at 95% Confidence level using PCL. BDT: boosted decision tree 赤線(=1イベント)でわかるようにまだ積算ルミノシティが少な過ぎる。 ATLAS < 1.2 × mH=160 GeV (95%CL) CMS < 2.1 ×σ.BRSM @ mH=160 GeV (95%CL) Tevatron < 0.7 ×σ.BRSM @ mH=165 GeV (95%CL) 2011/4/21
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SM Higgs →γγ ATLAS CMS No report yet observed 83 events
ATLAS-CONF No report yet observed 83 events background estimated 68.6±11.0±3.4 2011/4/21
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SM Higgsの排除または発見の予想 ATLAS CMS ATLAS CMS
CMS NOTE 2010/008 ATLAS-PUB ATLAS CMS 7 TeV, 1 fb-1 95%CL除外領域 ~ 480 135 ~ 480 GeV 7 TeV, 5 fb %CL除外領域 115 ~ > ~ 600 GeV 7 TeV, 5 fb-1 5σ発見領域 ~ ~ 230 GeV 2011/4/21
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階 層 性 問 題 次の新しい物理がプランクスケール(1019 GeV) までないとき、ヒッグス粒子の質量 mH は大きな量子補正を受けて(スカラー粒子なので) mH = GeV dmH = 1,000,000,000,000,000,000 GeV これは非常に不自然である(階層性問題)。 問題解決策 その① : 超対称性粒子の導入 ヒッグスの2次発散の項を超対称性(SUSY)粒子で正確にキャンセルすることができる。 問題解決策 その② : 大きな余剰次元の導入 新しい物理が1~10 TeVに存在する。 H mH に対する量子補正の式 H SUSY粒子によるmHに対する量子補正 2011/4/21
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階層性問題解決その②:大きな余剰次元モデル
階層性問題解決への新しいアプローチ 1016 電弱スケール Planckスケール 4+2余剰次元の重力 標準モデルの3つの力 力の強さ ニュートンの重力 F ~ 1/r2 重力は大きな次元のバルクにも広がるが、標準モデルの粒子は4次元ブレーンに閉じ込められている。 エネルギースケール
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階層性問題解決その①:超対称性粒子(SUSY)
フェルミオン(半整数スピン)とボゾン(整数 スピン)の交換の対称性 SUSY粒子はまだ見つかってない 。 超対称 性はソフトに破れていること。 R パリティ保存則 - (SUSY粒子) , + (SM粒子) LSP (Lightest Supersymmetric Particle) は中 性で安定し物質と相互作用しない→暗黒物 質のよい候補である。 LHC実験ではLSP が測定器から抜け、大き な横エネルギーEtの消失が起こる。 暗黒物質の候補 LSP p 測定器 SUSY 粒子生成崩壊例 2011/4/21
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超対称性粒子(SUSY) 超対称性粒子が期待される 理由 ① 3つの力が 大統一できる。 ② ヒッグス粒子の質量の 不安定性(微調整問題)
理由 ① 3つの力が 大統一できる。 ② ヒッグス粒子の質量の 不安定性(微調整問題) の解決になる。 ③ 暗黒物質の有力候補。 大統一理論 力の強さはエネルギーと共に変化する。 1 TeV付近に超対称性粒子が存在すると、 3つの力が1点に交わり大統一が可能 2011/4/21
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CMSSMモデル(mSUGURA) m0 スカラーの共通質量@MU m1/2 フェルミオンの共通質量@MU
CMSSM: Constrained Minimum Super-symmetric Standard Model 5パラメーターでSUSYモデルを記述できる: m0 スカラーの共通質量@MU m1/2 フェルミオンの共通質量@MU A0 Higgs-sfermion-sfermion coupling tan b MEMでの真空期待値比 <vu>/<vd> m ±1(Higgsino mass の符号) ・GUT scaleでの質量は量子補正を受けてQ とともに変わる。それらは26個の繰り込み群発展方程式(RGE)で計算できる。 ・EWの自発的な破れが自然に発生する。 M3 M1 M2 MU=2×1016 GeVのときの SUSY粒子のmass の変化[1] [1] G. L. Kane, C. Kolda, L. Roszkowski, and J. D. Wells, et al., Phys. Rev. D49(1994)4908 2011/4/21
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暗黒物質 Dark Matter Relic density of cold dark matter
銀河の回転速度 重力レンズ効果を用いた暗黒物質観測の3次元マップ 銀河クラスターの運動 Relic density of cold dark matter Ωcdmh2 = ± 銀河クラスター同士の衝突で暗黒物質(青)が分離された様子 3°K宇宙背景輻射 2011/4/21
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膨張する宇宙の熱力学 :冷たい暗黒物質の密度計算 Co-annihilation Region
宇宙は冷えていく途中で neutralino Xの消滅生成の熱平衡が凍結されて残存する密度は、Xと反Xが消滅する断面積 σX に反比例し計算できる。 CMSSMモデルを使って観測値 を満たす領域を m1/2-m0 平面で描くと4種類のグループに分けられる。 Ωcdmh2 = ± Bulk Region Focus Point . Funnel-like Region Co-annihilation Region 低いm0, m1/2 LSPがhiggsinoになる。 tanbが高いところでmAが小さくs-channel annihilationが効く。 stauとneutralinoがほぼ縮退してσが大きくなる。 [1] J. Ellis et al., Nucl.Phys.B 238(1984)453. K. Olive Lecture on DM, arXiv:astro-ph/ v2. 2011/4/21
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CMSSMモデルでの暗黒物質の存在領域 暗黒物質が 存在する領域
J. Ellis et al., Phys. Lett. B565(2003)176 による 2011/4/21
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SUSY粒子の探索 ATLAS CMS (1) 1 lepton + jets+ missingPt (1) jets+ missingPt
CMS-PAS-SUS PRL 106, (2011) (2) inclusive for squarks and gluinos (4) 1 lepton + jets + missingPt (5) 1 lepton + photon + missingPt (6) multilepton signatures (7) same-sign di-lepton + jets + missingEt (8) b-tagged dijet + multi-jet + missingEt (9) 2 photons + missingEt (10) jets and missingEt (2) lepton pairs and large missing-Pt (3) identical flavour lepton pairs +missing-Pt (4) heavy particle decaying into e+m (5) missing-Pt and b-jets (6) sultilepton with jets and missingEt (7) stable hadronising squarks and gluinos (8) jets and missingPt 2011/4/21
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SUSY粒子の探索:CMSSM平面での制限
ATLAS CMS jets+ missingPt +0/1 leptn jets+ missingPt 他 ・Tevatronのlimits(>400GeV)を大きく超えている。 ・暗黒物質の可能な領域のうち bulk region がほぼ排除された! 2011/4/21
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SUSY粒子の探索:squark, gluinoの質量の下限
ATLAS CMS jets+ missingPt +0 leptn jets+ missingPt 結果: gluino, squak mass > 700 GeV 2011/4/21
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重イオン衝突 : ジェット・クエンチング現象を発見
ATLAS PRL105, (2010) ・正面衝突に近い事象を選ぶ。 ・反対方向に放出されるジェットのエネルギーが著しく小さくなる事象が多数観測された。 ・陽子・陽子衝突では見られない。 ・ 衝突でできた高温高密度の状態を通過するときにジェットのエネルギーが強く吸収される現象。 2011/4/21
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ま と め ・ LHC加速器は2010年から順調に動き出した。しかしエネルギーは 設計値の半分、輝度は4%である。 ・ 実験装置とデータ解析も順調にスタートした。 ・ 約35 pb-1のpp物理結果がATLAS,CMSから多く出された。標準理 論との一致が非常によい。 ・ 超対称性粒子は700 GeV程度まで存在しない。CMSSMでの暗黒 物質の存在領域の一部分が排除された。 ・ Pb+Pbの重イオン衝突でジェットクエンチング現象が発見された。 ・ 2011,2012のLHC運転で数fb-1まで到達すれば、かなり広い質量範 囲でヒッグス粒子の発見(または排除)が出来そうだ。 2011/4/21
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