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松本浩典 (名古屋大学現象解析研究センター)

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1 松本浩典 (名古屋大学現象解析研究センター)
宇宙に潜む暗黒加速器 松本浩典 (名古屋大学現象解析研究センター)

2 目次 宇宙線 暗黒加速器とは? TeVガンマ線未同定天体 暗黒加速器のX線観測 すざく衛星 すざく観測結果数例 まとめ

3 宇宙線: 宇宙を飛び交う高エネルギー粒子 最大の謎:どこで生まれる? 宇宙線フラックス(流束) 日本人最速 由規投手 (ヤクルト)
(161km/hr) 宇宙線フラックス(流束) 人類最強加速器 LHC ©WikiPedia 粒子一粒のエネルギー (eV; 1eV=1.6e-19J)

4 宇宙線起源 超新星残骸が起源の一つ 宇宙線電子成分
あすか衛星で高エネルギー電子のシンクロトロンX線発見 (Koyama et al. 1995) いまホットな分野: 宇宙線陽子起源の観測的証拠を見つける。

5 宇宙線源を光を使って探そう 光は磁場があっても直進。 宇宙空間磁場 宇宙線 高エネルギーの光(X・ガンマ線)を使おう。

6 TeV(=1012eV)ガンマ線で見た天の川銀河面
Chaves et al arXiv: v1 TeV ガンマ線 = 1粒で~1TeV(=1e12eV=1.6erg)の光子 (cf. 可視光線 ~数eV)

7 天の川銀河TeVガンマ線天体 正体不明が一番多い! WR星(大質量星) (~3天体) 激変星(白色矮星) (~1天体)
X線連星系(~6天体) 超新星残骸 (~13天体) パルサー風星雲 (~32天体) 未同定天体 (~33天体) ( 正体不明が一番多い!

8 暗黒加速器=TeVガンマ線未同定天体 TeVガンマ線 = 高エネルギー粒子の存在
天の川銀河には、天然の加速器が一杯! LHC Spring-8 TeVガンマ線未同定天体 … ガンマ線以外は暗い 暗黒加速器(dark particle accelerator)

9 宇宙は「暗黒」が大流行 ©国立天文台 ©KEK 暗黒物質分布(紫色で表示) 流行にのってみました!?

10 暗黒加速器の謎 いったい何者? TeVガンマ線を出している粒子は? 陽子起源説 電子起源説
陽子が星間雲と衝突: p + pπ0粒子TeVガンマ線 電子起源説 電子が周辺の光を蹴っ飛ばす(逆コンプトン散乱)

11 TeVガンマ線を出すのは陽子?電子? 陽子起源説 電子起源説 磁場 加速陽子 加速電子 π0 π0 TeVガンマ線 TeVガンマ線 星間雲
低エネルギー光子 加速陽子 加速電子 π0 π0 TeVガンマ線 TeVガンマ線 シンクロトロンX線 星間雲

12 暗黒加速器の正体解明に向けて 高エネルギー粒子が出すX線を観測しよう! 検出限界感度 ©高橋忠幸 X線観測は抜群に感度が良い!… X線望遠鏡

13 + すざく衛星 日本で5番目のX線天文衛星 2005年7月10日打ち上げ Hard X-ray Detector (HXD)
X-ray Telescope (XRT) X-ray Imaging Spectrometer (XIS) +

14 すざく衛星の特徴: 高感度 名古屋大学+NASA/GSFC 驚異の反射鏡枚数(~1400枚) 低バックグラウンドな衛星軌道
集光能力を重視 低バックグラウンドな衛星軌道 広がった暗いX線天体の研究に最適。 暗黒加速器の研究に理想的 ほかの特徴 高エネルギー分解能CCD ワイドレンジ (0.3—600keV; 3桁!)

15 最もTeVガンマ線で明るい暗黒加速器 HESSJ TeVガンマ線イメージ ~100光年 四角:すざく観測場所

16 すざくX線イメージ (2-10keV band) ガンマ線ピークにX線天体 ガンマ線の谷にX線天体 X線天体無し

17 ガンマ線に付随したX線天体 大変暗い! F(X) = 5e-13 erg/s/cm^2
F(TeV) = 1.8e-11 erg/s/cm^2 F(TeV)/F(X) = 34 F:フラックス(流束)

18 TeVガンマ線の起源は? 陽子起源説 電子起源説 磁場 加速陽子 加速電子 π0 π0 TeVガンマ線 TeVガンマ線 星間雲
低エネルギー光子 加速陽子 加速電子 π0 π0 TeVガンマ線 TeVガンマ線 シンクロトロンX線 星間雲

19 F(TeV)/F(x)=34: 陽子起源説を支持
電子起源説 TeVガンマ線: 陽子 X線: 二次電子などのシンクロトロン放射 F(TeV)/F(X): 状況による TeVガンマ線: 電子 + 光子 X線: 電子 + 磁場 F(TeV)/F(X)     ~U(光子)/U(B) < 1 U:エネルギー密度 U(光子(3K放射))~0.3 eV/cc U(B) ~ 0.6 eV/cc *(B/5uG)^2 暗黒加速器HESSJ1614は、宇宙線陽子の故郷候補

20 X線天体のスペクトル 非熱的なべき型スペクトル C(E) ∝ E^-1.7 吸収柱密度 NH = 1.2e22 cm^-2
(検出器の応答込) C(E) ∝ E^-1.7 吸収柱密度 NH = 1.2e22 cm^-2

21 吸収柱密度: NH=1.2e22cm^-2 光電吸収 × × 星間物質量 NH~1.2e22cm^-2 ~銀河中心までの物質量
HESSJ1614までの距離 D~8.5kpc (=25000光年)

22 X線スペクトルのべき: 電子の分布 HESSJ1614: E^-1.7 超新星残骸: E^-2.5
Log Count HESSJ1614 E^-1.7 超新星残骸 E^-2.5 Log E 通常の超新星残骸より高いエネルギーまで電子を加速

23 ガンマ線の谷間の天体 すざくX線 TeVガンマ線

24 谷間天体のスペクトル 非熱的なX線スペクトル C(E)∝E^-3.2 NH=1.1e22 cm^-2
F(2-10keV)=5.2e-13 erg/cm^2/s

25 吸収 NH=1.1e22 cm^-2 谷間天体: NH=1.1e22 cm^-2 HESSJ1614: NH=1.2e22 cm^-2
物理的に関連する可能性大。

26 スペクトル : E^-3.2 異様にべきが大きい (3.2) 他の天体からの非熱的放射の例:
超新星残骸: ~2.5 パルサー風星雲: ~2 活動銀河核: ~2 Anomalous X-ray pulsarと呼ばれる特殊なパルサーは、~3のべきを持つ。 谷間天体は、Anomalous X-ray pulsarか?

27 パルサー (中性子星) 代表例: かに星雲 高速回転中性子星 超新星爆発で誕生 パルサー風星雲
中性子星(=強力な磁石)の回転エネルギーで、電磁場を通して、粒子加速。 X線イメージ 動画

28 Anomalous X-ray Pulsar
パルサーの一種: ~10例 自転周期が長い (P=2~12s) 比較: かに星雲 (P=33ms) 自転周期変化率が大 (dP/dt=5e-13~1e-10 s s^-1) 比較: かに星雲 (dP/dt = 4.21e-13 s s^-1) X線で明るい。 仮定: 磁気双極子放射で、自転周期が長くなる。 異様に磁場の強い中性子星 (B~1e14 -1e15 G)か? (比較: かに星雲 B~3e12 G) HESSJ1614の谷間X線天体もAXPか?

29 HESSJ1614に似た系: 超新星残骸CTB37B 電波観測で、超新星残骸とわかっている。 TeVガンマ線が出ている。
等高線: 電波 電波観測で、超新星残骸とわかっている。 TeVガンマ線が出ている。 SNR CTB37B

30 CTB37Bのすざく観測 Nakamura et al. 2009, Sato et al. 2010 AXP スペクトル ∝ E^-3.2
P=3.8s べきの小さな非熱的X線 スペクトル ∝ E^-1.5 (高効率電子加速) F(TeV)/F(X-ray) ~ 0.6 すざくX線イメージ 緑: TeVガンマ線 青: 電波 HESSJ1614とそっくり。 ただし、F(TeV)/F(X)を除く。 Cf. HESSJ1614 F(TeV)/F(X) = 34

31 個人的予想 ある特別な超新星爆発は、異常に磁場の強い中性子星を生む。 その超新星残骸は、高効率の電子加速。
星間雲とぶつかって、TeVガンマ線放射し、暗黒加速器となる。 宇宙線もAXPも暗黒加速器で一挙に説明?

32 明るい暗黒加速器もう1例:HESSJ1616-508 すざく観測場所 HESSJ1616 45ks
HESS TeV image (excess map) (l, b)=( , ) すざく観測場所 45ks Provided by S. Funk (MPI) HESSJ1616

33 HESSJ1616: パルサー風星雲? XMM-Newton衛星によるX線イメージ TeVガンマ線位置 パルサー 超新星残骸
Landi et al. 2007 XMM-Newton衛星によるX線イメージ TeVガンマ線位置 パルサー 超新星残骸 すざくの高感度ならパルサー風星雲が見える?

34 HESSJ1614本体:すざくX線イメージ 松本他 2007 X線対応天体無し (ぼうっと見えるのは銀河面X線放射)
TeV image 松本他 2007 X線対応天体無し (ぼうっと見えるのは銀河面X線放射) F(X) < 3e-13 erg/s/cm^2 F(TeV)/F(X) > 55 … TeVガンマ線の陽子起源示唆

35 パルサー風星雲なし すざくX線 TeVガンマ線 パルサー + HESSJ1616とパルサーは関係なさそう。 HESSJ1616の正体は不明。

36 TeVで暗い暗黒加速器:HESSJ1741-302 暗黒加速器で、TeV fluxが最も小さい部類 B 付近のパルサーと関連?
A 暗黒加速器で、TeV fluxが最も小さい部類 F(1-10TeV) = 2e-12 erg/s/cm^2 (HESSJ1614 F(TeV)~2e-11) 付近のパルサーと関連? すざくで二か所観測 b=0.0° l=358.5° (Omar et al. 2008, 2009)

37 観測領域A パルサーのX線放射なし X線新天体は白色矮星連星系 B A すざくX線 HESSJ1741と関係なし
l=358.5° B A 観測領域A すざくX線 パルサーのX線放射なし HESSJ1741と関係なし X線新天体は白色矮星連星系 吸収量小。Foreground X線新天体

38 領域B: X線対応天体発見 すざくX線 TeVガンマ線 HESSJ1741のX線対応天体発見

39 X線対応天体のスペクトル 非熱的なスペクトル 吸収NH=4( )e22 cm^-2 スペクトル∝E^-1.1 ( )

40 HESSJ1741:X線スペクトル 吸収が大きい NH=4.0(1.9~7.4)x1022cm-2
銀河中心付近の天体 (D~10kpc) F(1-10TeV)/F(2-10keV) ~ 6 TeVガンマ線の陽子起源示唆 小さなべき C(E) ∝ E^-1.1 (0.6~1.8) HESSJ1614, CTB37Bらに共通 効率の良い電子加速 残念ながら、HESSJ1741の正体自身は不明。

41 ASTRO-H衛星 2014年打ち上げ予定。 高エネルギーX線撮像分光 精密X線分光 広視野 軟ガンマ線 (E<600keV)
硬X線望遠鏡(HXT) + 半導体検出器(HXI) 精密X線分光 カロリメーター 広視野 CCD 軟ガンマ線 (E<600keV)

42 高エネルギーX線望遠鏡 名古屋大学、奈良女子大学、愛媛大学、ISAS他

43 電子加速はどこまで? すざく衛星 ASTRO-H HXT+HXI Log Count ? Log E 0.3keV 10keV 80keV
電子がどこまで加速されているかわかる。

44 まとめと今後 暗黒加速器=TeVガンマ線未同定天体 F(TeV) > F(X) … TeVガンマ線は陽子起源示唆
一部はAnomalous X-ray Pulsarを生む特殊な超新星の残骸か。 一部は依然として正体不明 F(TeV) > F(X) … TeVガンマ線は陽子起源示唆 X線スペクトルのべきが小…高効率の電子加速 今後の課題 他の暗黒加速器の系統的調査 陽子が衝突している星間雲の発見(電波観測) X線~ガンマ線のスペクトルの、より定量的な説明


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