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神戸大大学院集中講義 銀河天文学:講義1 銀河を構成する星、星間物質(ガス、ダスト) 1. 太陽系から銀河系へ空間スケール 2
神戸大大学院集中講義 銀河天文学:講義1 銀河を構成する星、星間物質(ガス、ダスト) 1. 太陽系から銀河系へ空間スケール 2. 銀河を支配する時間スケール 3. 銀河を構成する要素 2010/09/13
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空間スケールについて
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太陽系近傍のダストの分布の様子 : Hipparcos 衛星の観測による年周視差で太陽からの距離のわかっている星(up to 200pc)について 赤化量を求めてそれぞれの方向についてダストの柱密度を推定する。ガス・ダスト比を用いてガスの柱密度へと焼きなおす。 Frisch et al. 2007, Space Sci Rev, 130, 355
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太陽系近傍の中性ガス(T<1000K)の分布の様子 : Local bubble
Hipparcos の観測による年周視差で太陽からの距離のわかっている星について NaI D-line (5890A) の吸収線の深さから中性ガスの柱密度を測定。太陽の周りのそれぞれの方向について中性ガスの分布を出す。 Sfeir et al. 1999, A&A, 346, 785
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太陽系近傍の中性ガス(T<1000K)の分布の様子 : Local bubble
銀河面上の方向 銀河面に垂直の方向 Lallement et al. 2003, A&A, 411, 447 似たような仕事: Paresce 1984, AJ, 89, 1022 Vergely et al. 2001, A&A, 366, 1016
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太陽系近傍の高温度ガスの分布の様子 : North Polar Spur
ROSAT 衛星のソフトX線の全天マッピング観測によって得られた高温ガス(密度0.004個/cm3 温度10^6-7K と推定される)のマップ。 Snowden et al. 1995, ApJ, 454, 643 Snowden et al. 1997, ApJ, 485, 125
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太陽系近傍の高温度ガスの分布の様子 : Local Bubble
keV のソフトX線の全天マッピング観測によって得られた高温ガスマップ。高温ガスは一様な温度を持って分布している、強度は視線方向の深さによって決まる、と仮定して求めた。 Snowden et al. 1990, ApJ, 354, 211
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太陽系近傍の高温度ガスの分布の様子 : North Polar Spur
kT=0.3keV (T= 3e+6 K) のプラズマのスペクトルモデルでよく記述される。 Miller et al. 2008, PASJ, 60, S95
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太陽系近傍の高温度ガスの分布の様子 : North Polar Spur 電波連続波観測から得られたシンクロトロン放射の分布
Haslam et al. 1982, A&AS, 47, Reich et al. 2001, A&A, 376,
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太陽系近傍の高温度ガスの分布の様子 : Local Bubble – North Polar Spur
隣のバブルにぶつかる境界が見えている? (銀河中心付近からのアウトフローを見ているという説もあり。)
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太陽系近傍のHI ガスシェルの分布の様子 :
Huthoff & Kaper 2002, A&A, 383, 999 ただし元のデータは Heiles 1979, 1984
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広い視野の CO 分子輝線探査で明らかになった太陽系近傍の分子雲の分布。
太陽系近傍の分子ガスの分布の様子 : 広い視野の CO 分子輝線探査で明らかになった太陽系近傍の分子雲の分布。 Dane et al. 1987, ApJ, 322, 706
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太陽系近傍の星、星形成領域、などなどまとめ
緑:分子雲 水色:個々の星 オレンジ:星団 赤:超新星残骸
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太陽系近傍の星、星形成領域、などなどまとめ
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HI ガスの分布から見た銀河系の構造 Oort et al. 1958, MNRAS, 118, 379
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HI ガスシェルの分布から見た銀河系の構造
McClure-Griffiths et al. 2002, ApJ, 578, 176
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HII 領域の分布から見た銀河系の構造 星形成領域(HII領域, 分子雲)の分布、銀河回転を仮定して距離を推定している。星の明るさで距離を確認。方向と合わせて銀河系内での位置を推定した結果。 銀河系平面からずれている様子。= “ warp “ Russeil 2003, A&A, 397, 133 初期の仕事: Georgelin&Georgelin 1976, A&A, 49, 57 似たような仕事: Paladini et al. 2004, MNRAS, 347, 237 励起パラメータが大きい(=たくさんの若い星を持つ)領域を大きい印でプロットしてある。
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HI ガスの分布から見た銀河系の構造
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分子ガス(CO)の分布から見た銀河系の構造
Dane et al. 1987, ApJ, 322, 706
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外から見た銀河で想像する:アンドロメダ銀河のガスの構造
Nieten et al. 2006, A&A, 453, 459
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外から見た銀河で想像する:M33 の中の HII 領域、星形成領域、HI ガス
Ha+GALEX Thilker et al (ApJ, 619, L67) 右:HI(blue) + Ha(red) + optical (yellow) 左:HIガスの速度場
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時間スケールについて
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星の進化のタイムスケール 1: 原始星から主系列星へ。
星の進化のタイムスケール 1: 原始星から主系列星へ。 左)進化トラックと時間スケール ~ Kelvin-Helmholtz timescale 右)実際に観測されている原始星の分布 Palla & Stahler (1993) ApJ, 418, 414
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星の進化のタイムスケール 2: 主系列星以降 Iben QJRAS (1985, 26, 1)
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Schmidt 則 : 銀河のガス密度と星形成率密度の間の(経験)則
もともとは Schmidt (1959, ApJ, 129, 243) で銀河の中での単位体積あたりの星形成率は星間ガスの密度の n 乗に比例すると「仮定した」ことからはじまる。太陽系近傍の z 方向の若い星、ガス分布は n~2 を示唆していた。 観測的にはディスク銀河においてガス表面密度 (Msolar/pc2) と星形成率の表面密度 (Msolar/year/pc2) の間の関係が調べられた (新しくは Kennicutt 1998, ApJ, 498, 541 (n~1.4), Gao&Solomon 2004, Komugi et al. 2005, PASJ, 57, 733) Kennicutt 1998 (ApJ, 498, 541)
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Schmidt 則 : 銀河のガス密度と星形成率密度の間の(経験)則
Komugi et al. 2005, PASJ, 57, 733
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Schmidt 則 : 個別の銀河の中での分布の様子 : M51 の場合
Schuster et al. 2007, A&A, 461, 143
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Schmidt 則 : 個別の銀河の中での分布の様子 M33 の場合
Molecular Total M33 の場合: Heyer et al (ApJ, 602, 723) 12CO(1-0), Optical, HI21cm, IRAS60um, [0.0035, n=3.3] (M31 の場合:Tenjes&Haud 1991 (A&A, 251, 11) [0.1, n= ])
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銀河全体での星形成史 : 模式的に書いてみると
銀河全体での星形成史 : 模式的に書いてみると Kennicutt 1998 ARAA 36, 189
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銀河を構成する要素
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さまざまな波長で見た銀河 銀河の中にある星の分布 ~目で見えている銀河の「形」 銀河の中で星を盛んに作っている領域の分布
銀河の中にある星の分布 ~目で見えている銀河の「形」 銀河の中で星を盛んに作っている領域の分布 銀河の中のガスの分布 ~星を生み出す材料
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銀河系内のガスの概観 Myers et al. 1978, ApJ, 225, 380
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熱的安定性 : 星間ガス(電離していない場合)の冷却曲線
熱的安定性 : 星間ガス(電離していない場合)の冷却曲線 Dargarno&McCray 1972 (ARAA, 10, 375) Spitzer 1978 (“Physical Processes in the Interstellar Medium “)
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熱的安定性 : HII 領域(電離している場合)の冷却曲線
5007,4959 3726,3729 6548,6583 88356,32550 2471 Spitzer 1978 (“Physical Processes in the Interstellar Medium “)
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熱的安定性 : 冷却率と加熱率のつりあう点=平衡状態として存在できる
熱的安定性 : 冷却率と加熱率のつりあう点=平衡状態として存在できる 加熱率を10倍した場合 銀河系ディスク面での典型的圧力 銀河系ディスク面での典型的磁気圧 低温の 中性水素ガス 温度が <100K になると CII の冷却が効かなくなりそれ以上冷却できない。 高温の 中性水素ガス 密度が高くなると冷却が効いて不安定になる。 密度が薄いところではCII, OI の輝線の冷却は効かず Lya の冷却が効き始める 10^4 K まで加熱される。 Cox et al. 2005, ARAA, 43, 337
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ダストによる減光 : 紫外線から可視域 ダストによる紫外線から可視域にかけての減光曲線。紫外線では 2175A のフィーチャーが特徴的。 このフィーチャーの起源については graphite が有力ではあるが異論もあり。 Draine&Lee 1984, ApJ, 285, 89
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ダストによる減光 : 全体でみた場合、吸収と散乱の効果の比較
ダストによる減光 : 全体でみた場合、吸収と散乱の効果の比較 特に紫外線波長域と長波長側で吸収が顕著になる。 10um 付近で silicate の吸収が顕著になる。 AK/AV=0.15, A(10um)/AV=0.01、可視波長域で 1mag の減光に対して、近赤外線では 0.15mag、中間赤外線では 0.01mag の減光しかない。 Draine 2003, ARAA, 41, 241
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環境によるダストの性質の違い : 銀河毎の違い
環境によるダストの性質の違い : 銀河毎の違い Galliano et al. 2005, A&A, 434, 867
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ダストによる減光 : 赤外線波長域での吸収バンド
ダストによる減光 : 赤外線波長域での吸収バンド 銀河系中心方向にある天体を観測して見られるダストによる赤外線での吸収フィーチャー、3.0um に H2O の吸収、9.7um、18um に Silicate (Si-O stretch, bending) の吸収が見られる。 Chiar et al. 2000, ApJ, 537, 749 Gibb et al. 2004, ApJS, 151, 35
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