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第二世代再解析データ比較 2012年7月17日 高玉孝平 一部のスライドにはノート欄に備考を記載している.
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概要
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提供データの基本情報 名称 期間 時間間隔* 水平解像度 鉛直層数** ERA-Interim 197901-現在 6 hr 1.5***
1,37 NASA/MERRA 1 hr 1/2(lat)×2/3(lon) 1 3 hr 1.25 42 hr 72 NCEP/CFSR 1hr 0.5 1~7 6hr 37 1/3 JRA-55 (2013年公開予定) 現在 不明 空間解像度や時間間隔は提供時のものであり,計算時のものとは異なる. モデルの計算時の解像度は各詳細を参照 * 全てのデータセットは月毎データも提供しているが記載していない ** 1層は2次元データを意味し,複数層はP面・モデル面等で最大の層数 *** 有償でT255(モデルの計算解像度)のデータも公開している
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ERA-Interim 期間 モデル(大気モデル+波浪モデル): ECMWF IFS Cy31r2, 提供解像度 利用方法 公式サイト
1979年1月から現在 モデル(大気モデル+波浪モデル): ECMWF IFS Cy31r2, 大気: T255L60,約79 km,鉛直層上端は0.1hPa 波浪:水平解像度110 km 表面:ERA-40 と ECMWF Operational Analysis のデータを使用 データ同化: 4D-var, 12時間毎 提供解像度 水平:1.5度 鉛直:37 等圧面,15 等温位面,1等渦位面, 2次元物理量 時間:月毎,6時間 利用方法 Dee et al., 2011, The ERA-Interim reanalysis: configuration and performance of the data assimilation system. QJRMS. 137: , DOI: /qj.828 を引用 公式サイト データ配布元
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NASA/MERRA MODERN ERA RETROSPECTIVE-ANALYSIS FOR RESEARCH AND APPLICATIONS
期間 1979年1月から現在 モデル(大気モデル) 大気: 緯度2/3,経度 1/2度,鉛直層はσ-p ハイブリッドの72層で上端は0.01hPa 陸面:GEOS-5 Catchment hydrology land surface model 海面:Reynolds et al. (2002)による一週間平均,1度格子 データ同化: IAU (4D-Varよりも力学的な整合性は劣るが,計算量ははるかに少ない) 提供解像度 水平:0.5度,1.25度 鉛直:72 σ-p面 , 42 等圧面,2次元物理量 時間:月毎,6時間,3時間,1時間(2次元物理量のみ) 利用方法 “please acknowledge the Global Modeling and Assimilation Office (GMAO) and the GES DISC for the dissemination of MERRA.”とのこと. 下記文献を引用する形式に変更?(2012年7月17日追記) 公式サイト 参考文献 Rienecker, Michele M., and Coauthors, 2011: MERRA: NASA’s Modern-Era Retrospective Analysis for Research and Applications. J. Climate, 24, 3624– データ配布元 本スライドの初稿は2011年に作成しており,当時はMERRAの参考文献にアクセスできなかったため一部の記述に不十分な点がある. IAUに関する記述は
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NCEP/CFSR NCEP Climate Forecast System Reanalysis
期間:197901~現在 モデル(大気海洋結合モデル) 大気: GFS, T382L64, 水平約38 km,鉛直層はσ-p ハイブリッドで上端は 0.266hPa 海洋: MOM4, 赤道付近で0.25度,それ以外は0.5度,40層,最深層は4737 m 陸面: Noah データ同化 大気: GSI, T382L64, 6時間毎 海洋: GODAS with MOM4, 6時間毎 陸面: GLADS, 24時間毎 その他の特筆されている事項 CO2,エアロゾル,トレースガス,太陽放射の変動を考慮 提供解像度 水平:0.3度(表面のみ),0.5度 鉛直:37 等圧面,16 等温位面, 2次元物理量,他 時間:月毎,6時間,1時間(鉛直層数は1~7に間引きされており,変数もごく一部) 利用方法 Saha, Suranjana, and Coauthors, 2010: The NCEP Climate Forecast System Reanalysis. Bull. Amer. Meteor. Soc., 91, 1015–1057. doi: /2010BAMS を引用 公式サイト データ配布 略称についてのメモ CFS - Climate Forecast System: NECP の 全球カップリングモデルによる気候予報システム CFS Reforecast : CFS で過去の期間について再予報したもの CFSR - CFS Reanalysis: 本項で扱っている再解析データ.同化されるデータに未来の情報が含まれることが CFS Reforecast との違いか. CFSRR – CFS Reanalysis and Reforecast :CFS の初期値として CFSR を用いて再予報したもの GSIは3D-VAR の一種だが,同化用データの時間変化傾向も利用している
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JRA-55 2013年公開予定 期間 モデル (大気モデル) その他特筆されている事項 提供解像度 利用方法 公式サイト 参考文献
? モデル (大気モデル) 大気:TL319L60 データ同化:4D-Var その他特筆されている事項 5種類の温室効果ガス濃度トレンドを考慮(JRA-25ではCO2のみ一定値) 提供解像度 不明 利用方法 公式サイト なし 参考文献 データ配布元
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同化に用いられているデータ 第二世代再解析では衛星観測による大気中の温度や水蒸気データについて,観測のプロダクトを直接同化するのではなく,
衛星が実際に観測している radiance (~輝度温度)の形で取り込み,間接的に同化することが多いようだ. Saha et al (CFSRの紹介用論文)によると Another notable difference between R1 and/or R2 and the CFSR is that the CFSR GSI uses satellite radiances rather than derived temperature or moisture profiles. This allows the GSI greater freedom to generate adjustments to the temperature, moisture, and ozone fields to best match the observed radiances. とのこと.ここでR1,R2はNCEP Reanalysis 1,2, GSI は CFSR で用いられているデータ同化システムのこと. 同化に用いられているデータ
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ERA-Interim 伝統的な観測 地上観測: Ps, 2-m T, 2-m RH. 1989-
船舶・海上ブイ観測: Ps, 10-m u/v. 1989- ラジオゾンデ: T, u/v, q. 1989- 気球観測: u/v. 1989- 投下式ゾンデ: T, u/v, q. 1989- ウインドプロファイラ: u/v 北アメリカ: 1994- EU,日本: 2002- 飛行機: T, u/v. 1989- 飛行機運航用の気象情報システム METAR: Ps Dee et al. APR/2011 ( 2011年8月8日に再解析データの公開期間が1979年からに延長されたが,1979-1989の間についての詳細なドキュメントは存在しない 表面気圧のボーガス観測(上の文献中では Pseudo-surface pressure)はERA40では使われていたが,Interimでは使用されず
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ERA-Interim 衛星による radiance 観測
可視・赤外( TOVS and ATOVS ): 1989- 静止衛星による赤外放射: 2001- 晴天時のみ マイクロ波: 1989- 晴天時には radianceとして同化 曇天・雨天時には可降水量に変換して同化 AIRS の各種データ:
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ERA-Interim その他の衛星観測 海上風速 対流圏上層の風 :
ERS-1,ERS-2: 1992- QuikSCAT: 2000/ 対流圏上層の風 : 静止衛星画像解析(GOES, GMS): 1989- MODISの解析: 2007/02- 気温と湿度のプロファイル(GPS radio occultation) CHAMP: 2001/06- COSMIC: 2006/12- オゾンのプロファイル: 1989- 波高: 1991/08- 雪: 2003- ERA-40には QuikSCAT は同化されていなかった オゾンは,radiance として間接的に同化されているが, SBUV によって retrieve されたプロファイル・総量も直接的にも同化されている
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NASA/MERRA 伝統的な観測 地上観測: 1970- 船舶・海上ブイ観測: 1977- ラジオゾンデ: 1970-
気球観測: 1970- 投下式ゾンデ: 1970- ウインドプロファイラ: 1992/05- 飛行機運航用の気象情報システム ASDAR and MDCRS: 表面気圧のボーガス観測: 1978- 論文として参照できるものは2011年現在存在しないため,以下の PDF を参照した. 具体的にどのような変数が同化に用いられているのかは不明
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NASA/MERRA 衛星による radiance 観測
可視・赤外( TOVS and ATOVS ): 1978/10/30- 静止衛星による赤外放射: 2001/01- マイクロ波: 1987/07-
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NASA/MERRA その他の衛星観測 降水量 海上風速 対流圏上層の風速 オゾンのプロファイル: 1978/10-
SSM/I: 1987/07- TMI: 1997/12- 海上風速 QuikSCAT: 1999/07- ERS-1: 1991/ /05 ERS-2: 1996/ /01 SSM/I V6: 1987/07- 対流圏上層の風速 静止衛星画像解析(GOES, GMS, METEOSAT): 1977- MODISの解析: 2002- オゾンのプロファイル: 1978/10-
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NCEP/CFSR 伝統的な観測 地上観測: 1948- 海上観測: 1948- ラジオゾンデ: 1948- 気球観測: 1948-
飛行機: 1962- 飛行機運航用の気象情報システム ACARS: 1992- METAR: 1997- 海面圧力のボーガス観測データ: 期間不明 AMMA (アフリカモンスーンの学際的分析プロジェクト)による観測: 2006 Saha et al ( 具体的にどのような変数が同化に用いられているのかは不明 地上観測や海上観測の詳細(ウィンドプロファイラやブイが含まれるかどうか)は不明
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NCEP/CFSR 衛星による radiance 観測
可視・赤外( TOVS and ATOVS ): 1978- 静止衛星による赤外放射: 1997- マイクロ波: 期間不明 Aqua による各種データ: 2004- GOES による各種データ: 1994- MetOp-A による各種データ: 2009/01- 静止衛星=GOES MetOP-A はEUの極軌道衛星シリーズ
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NCEP/CFSR その他の衛星観測 海上風速 対流圏上層の風速 気温と湿度のプロファイル( GPS radio occultation )
ERS-1/AMI, ERS-2/AMI: QuikSCAT: WindSat: 2008/09- SSM/I: 1993- 対流圏上層の風速 静止衛星画像解析(GOES, METEOSAT, GMS): 1979- MODISの解析: 2004- 気温と湿度のプロファイル( GPS radio occultation ) CHAMP: 2001/06- COSMIC: 2006/12- オゾンのプロファイル: 1997-
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診断に有用な変数
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表には最も高い解像度を記載している. MERRA が提供する3次元の高解像度データ( 2/3°×1/2°)は,基本的な変数についてのみ瞬間値(GCMに与えられる初期値)として与えられている.その他の3次元変数については低解像度(1.25°)のもののみが提供されている. 凡例= 時間,水平解像度,鉛直層数 時間の単位: hr=hour, mo=month 鉛直層数の単位:P=等圧面,H=ハイブリッドシグマ,L=特定の高度(表面,2-m など)
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基本的な変数 ERA-Interim* NASA/MERRA NCEP/CFSR* 東西風速 6 hr, 1.5°, 37P
6 hr, 2/3°×1/2°, 72H** 6 hr, 0.5°, 37P 南北風速 鉛直風速 3 hr, 1.25°, 42P* ジオポテンシャル高度 表面/海面校正気圧 温度 比湿 * GCM によって計算された平均値. ** GCMの初期値として使われる瞬間値.
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Takatama et al. [2011]の診断に必要なパラメータ
ERA-Interim* NASA/MERRA* NCEP/CFSR* 表面(付近)の気温 6 hr, 1.5°, 1L 1 hr, 2/3°×1/2°, 1L 6 hr, 0.3°, 1L 表面風応力 水平移流による加速 × 鉛直移流による加速 鉛直拡散による加速 1 mo, 1.0°, 37P 水平拡散による加速 対流による加速 ×** 重力波抵抗による加速 3 hr, 1.25°, 42P *全てGCMによって計算された平均値.以下のスライドでは省略. **次スライドの乱流による加速に含まれるかもしれないが,詳細は不明.
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その他の加速 ERA-Interim NASA/MERRA NCEP/CFSR データ同化 (from analysis) ×
3 hr, 1.25°, 42P 力学過程* (from dynamics) 乱流過程* (from turbulence) 湿潤過程 (from moist physics) * 詳細は示されていないが,おそらく力学過程はグリッドスケールの加速を,乱流過程はサブグリッドスケールの加速を意味している.
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加熱(1) ERA-Interim NASA/MERRA NCEP/CFSR 潜熱表面フラックス 6 hr, 1.5°, 1L
顕熱表面フラックス 浅い対流による × 1 mo, 1.0°, 37L 深い対流による 大規模凝結 鉛直拡散 3 hr, 1.25°, 42P (2つの合計) 水平拡散 短波放射 長波放射 U’T’ 1 mo, 0.5°, 37L V’T’ W’T’
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加熱(2) ERA-Interim NASA/MERRA NCEP/CFSR データ同化 (from analysis) ×
3 hr, 1.25°, 42P 力学過程 (from dynamics) 物理過程 (from physics) 乱流過程 (from turbulence) 湿潤過程 (from moist physics)
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降水 ERA-Interim NASA/MERRA NCEP/CFSR 合計 6 hr, 1.5°, 1L
対流性降水 大規模降水 かなとこ雲からの降水 ×
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