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北海道大学・環境科学院 藤原正智 http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~fuji/
気象学入門 13.地球温暖化の科学 北海道大学・環境科学院 藤原正智 地球温暖化(気温上昇?、温室効果ガス増加?、人間が原因?、将来予測、IPCC) 講義資料:
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1/27(金) 1/28(土) 1/29(日) 1/30(月) 札幌: 最高気温 +4.7℃ 最低気温 -5.3℃ 雨後一時雪 雪 札幌:
-2.2℃ 最低気温 -5.7℃ 雪 曇一時雪後晴 天気概況 (昼:06時~18時) (夜:18時~翌日06時) 1/29(日) 1/30(月) 札幌: 最高気温 -0.4℃ 最低気温 -6.8℃ 曇時々晴 曇後雪
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先週の話題(1) 「ひまわり9号」による初画像について 報道発表日 平成29年1月24日(火) (気象庁)
1. 平成28年11月2日(水)に打ち上げられた静止気象衛星「ひまわり9号」は、静止軌道上で機能確認試験を行っておりますが、本日午前11時40分、画像の取得に成功しましたので、お知らせします。 2. 今後、地上システムとの総合試験等を経て、平成29年3月の待機運用開始を予定しています。 (参考) 初画像は、以下の気象庁ホームページからご覧になれます。 (ひまわり8号と9号では、カラー(RGB)観測を行っている。) 「緑色をより人間の見た目に近くする画像作成技術及び大気分子により太陽光が散乱される影響を除去する技術(米国海洋大気庁とコロラド州立大学が開発)を用いて作成しています。」 Miller et al., A Sight for Sore Eyes: The Return of True Color to Geostationary Satellites, BAMS, 2016 (DOI: 平成29年1月24日 午前11時40分 (日本時間)
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先週の話題(2) 稚内で流氷初日 網走より早いは史上初 2017年1月25日(水) 15時23分
稚内で流氷初日 網走より早いは史上初 2017年1月25日(水) 15時23分 稚内地方気象台は1月25日12時、「流氷初日」を発表しました。 平年より19日早く、昨年より38日早い観測です。 網走より早いのは、1946年の統計開始以来初めてのことです。 (つづき) 写真は、稚内地方気象台より提供していただきました。 「流氷初日」とは、視界外の海域から漂流してきた流氷が、視界内の海面で初めて見られた日のことです。 稚内の「流氷終日(流氷が見られた最後の日)」の平年値は3月12日で、昨年は3月4日でした。(流氷接岸初日は算出していません。)
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先週の話題(2) MODIS (on Aqua)/RGB 20170125 11:54(JST)
(Surface wind & pressure from JMA) MODIS (Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer) is an optical sensor aboard NASA’s “Terra” and “Aqua” satellites.
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先週の話題(2) MODIS (on Aqua)/RGB 20170126 12:36(JST)
MODIS (Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer) is an optical sensor aboard NASA’s “Terra” and “Aqua” satellites.
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(復習)地球大気・地表系のエネルギー収支
・短波放射エネルギーのうち: 3割:雲・大気・地表面により宇宙へ反射(“散乱”) 2割:大気(微量)成分( O3、H2O、雲、塵・ダスト・エアロゾル)により吸収(大気を加熱) 5割:地表面に到達し地表面を加熱する ・大気微量成分( H2O、CO2、O3、CH4、N2O、フロンなど)や雲やエアロゾル: 赤外線を吸収・射出する性質(温室効果=赤外線閉じ込め効果)を持つ 大気からの下向き長波放射も地表面を加熱(短波放射の2倍の加熱量!) 地表温は大気がない場合よりも昇温している(-20℃ +15℃) (新地学図表、浜島書店)
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(復習)地球の気候を決める 基本定数および物理・化学過程
太陽定数(太陽表面温度、地球・太陽間距離(地球公転軌道)) 地球公転速度、地球自転軸と公転面の傾き(“地球軌道要素”) 地球半径・質量、自転速度 重力とコリオリ力(転向力) 大気総量、大気組成(温室効果気体、エアロゾル、雲) 気温気圧分布(大気安定度)、水蒸気量(潜熱)、粘性(乱流) 地表面状態(海陸、植生、雪氷等の分布 放射的、熱的、力学的特性) 大気海洋相互作用、大気陸面(生物圏含む)相互作用、 大気雪氷相互作用、海氷海洋相互作用 海洋深層循環(熱塩循環) 火山噴火、隕石衝突…
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気温上昇? 1915以前はトレンドなし 20世紀初頭は、 太陽変動・火山・自然変動 1940~1970はWWII後の 産業活動活発化
1970半ば以降、温室効果 ガス増加の効果 2000年代、“hiatus” (ハイエイタス、 停滞)(海洋の熱吸収が活発化した ためか) 1880~2012年において、 世界平均地上気温は0.85 ℃上昇 [90%信頼区間で0.65~1.06 ℃] (すでに始まっている. . . 今後どうなるのか. . . ) [IPCC Fifth Assessment Report (AR5), Climate Change 2013, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]
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海洋上部貯熱量と海面水位 Figure SPM.3: 様々なデータセットに基づく全球気候変化の指標
(c) 全球平均海洋上部(0-700m)の貯熱量の変化( で合わせてある。1970年平均に対する偏差) (d) 全球平均海面水位の変化(1993で合わせてある。 平均に対する偏差) 全球平均の海面水位の上昇を もたらす主たる要素: (1) 海水の熱膨張 (2) 氷床や氷河等の融解や 湖沼等の人為的・自然変動 (海氷の融解は寄与しない) [IPCC Fifth Assessment Report (AR5), Climate Change 2013, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]
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日本では? [気象庁・気候変動監視レポート2011]
国内17地点(都市化の影響少、長期データあり)の年平均気温 (基準値は の平均値)<網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、長野、水戸、(飯田)、銚子、境、浜田、彦根、多度津、(宮崎)、名瀬、石垣島> 冬日(日最低気温が0℃未満)の年間日数(15地点平均) 17地点:網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、長野、水戸、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬、石垣島。 ただし、、宮崎は2000 年5 月に、飯田は2002 年5 月に庁舎を移転。「15地点」についてはこれら2点を外してある。 猛暑日(日最高気温が35℃以上)の年間日数(15地点平均) 熱帯夜(日最低気温が25℃以上)の年間日数(15地点平均)
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温室効果ガスの変化? 人間活動による温室効果ガスの増加 ★18世紀後半の産業革命以降、急増 CO2:産業革命以降3割増大
化石燃料燃焼+セメント生産による排出 +土地利用変化(森林破壊等) CH4:産業革命以降2.5倍増大 湿地等・人間活動(農業・畜産、天然ガス、 ごみ埋立) N2O:産業革命以降2割弱増大 土壌微生物(特に熱帯)、海洋、燃焼、肥料 人間活動による温室効果ガスの増加 CO2増分は確かに人為起源なのか? ・炭素同位体比13C/12C(化石燃料燃焼や森林破壊 によるCO2は、大気CO2より同位体比小さい。) 確かに継続的に低下(測定は1980年以降) ・大気O2(植物の呼吸・光合成でCO2と逆の変動。 燃焼時に消費されて減少。) 確かに継続的に減少(測定は1990年以降) (大気CO2増より大きいO2減海がCO2を吸収) [IPCC AR4, Chapter 2.3.1; IPCC AR5, Chapter 6.1.3, Figure 6.3] 南極・グリンランドの氷床コア等の分析+最近数10年の直接測定 [IPCC AR4 (2007) Synthesis Report]
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温室効果ガスの 変化?(O3) 成層圏オゾンは高度により異なるが中高緯度で減少 放射強制力は(ごく小さい)負
(対流圏への太陽放射量増大<赤外放射量減少) 対流圏オゾンは増大正の放射強制力 [IPCC Fifth Assessment Report (AR5), Climate Change 2013, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]
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放射強制力のまとめ エアロゾル粒子について 気候に対するエアロゾル粒子の“直接効果”:
放射強制力のまとめ エアロゾル粒子について 気候に対するエアロゾル粒子の“直接効果”: 太陽放射および地球放射の散乱/吸収 正味では負の放射強制力と見積もられているが不確さが大きく、さらなる研究が必要。 気候に対するエアロゾル粒子の“間接効果”: 雲の凝結核となるため、雲を通した効果がある。雲粒の大きさと数におよぼす影響、および、雲の寿命におよぼす影響 負と見積もられているがさらに不確かさが大きい。 (なお、AR5では“直接”、“間接”という用語は使わないこととなった。エアロゾル・放射相互作用、エアロゾル・雲相互作用の2種それぞれにおいて、さらに、放射強制力と調整、に分類) [IPCC Fifth Assessment Report (AR5), Climate Change 2013, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]
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人間による“気候改変”? 1/5 ☆ 地球が“温暖化”しているのは事実である(全球平均で100年で+0.8℃程度)
☆ 地球が“温暖化”しているのは事実である(全球平均で100年で+0.8℃程度) ☆ 温室効果気体(CO2、CH4、N2O、対流圏O3、有機ハロゲン化合物など)が、 産業革命以降、主として人間活動によって増加しているのも事実である ★ では、この温室効果気体の増加が、地球温暖化の“原因”であると 本当に言える? ★ 反論1: 地球温暖化は、気候システムの持つ内的変動の範囲内なのではないか? ★ 反論2: 地球温暖化は、自然起源の外的変化要因(太陽活動の変動、火山噴火) によるものではないか? ☆ 地球の“気候システム”の変動をになう物理的・化学的過程はたくさんあり、 複雑に絡み合っている “因果関係”をたしかめるには、“実験”をするしか方法はない
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人間による“気候改変”? 2/5 ★ どのようにして“実験”をするのか? “気候モデル”を用いた“数値実験”
★ どのようにして“実験”をするのか? “気候モデル”を用いた“数値実験” ★ 地球温暖化問題に用いられる“気候モデル”とは? GCM(General Circulation Model, Global Climate Model)に、温室効果 ガスやエアロゾル粒子や雲に伴う詳しい放射過程を導入。最近では海洋、陸面 (土壌や植物の温度・水分、積雪の量・温度)の物理過程も予報し大気と結合。 気候変動に関わる外的要因(太陽活動、火山噴火、温室効果ガス変化など) を外的条件として与えて計算。 ★ 天気予報(forecast)と気候再現・気候予測(predictionではなくprojection) 天気予報: ある日ある時ある場所の天気(晴れ・くもり・雨など)を ぴったり当てようとする(初期条件が非常に大事) 気候再現・気候予測: 過去/将来のある時期の“天気の傾向”(=“気候”) を扱う(境界条件・外的条件が非常に大事) ★ 地球温暖化の原因の特定、および、将来の気候予測 世界の40程度の“気候モデル”を用いた“数値実験”によっている。 外的条件(自然起源、人間活動起源)を変えることで、原因を特定する。 異なるモデルは異なる結果を示すが、おおよそ同様な傾向を示している。
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人間による“気候改変”? 3/5 ★反論1:地球温暖化は、気候システムの持つ内的変動の範囲内なのではないか?
気候モデルに、自然起源・人為起源の外的な変化要因(太陽活動変化、火山噴火、 温室効果物質変化など)を与えないで、1000年間計算する。 (“Control Simulation Experiment”と呼ぶ。) 年々、10年程度の“変動”は示すが、20世紀の100年間に見られたような 大きな“変化傾向”は示さない つまり、20世紀の温暖化は (気候モデルが正しければ) 内的変動の範囲「外」である ・ハドレー:英国ハドレーセンターの気候モデル ・GFDL:米国地球流体力学研究所の 気候モデル ・ハンブルグ:ドイツ・マックスプランク研究所の [近藤洋輝、地球温暖化予測が分かる本、成山堂書店; 近藤洋輝、地球温暖化予測の最前線、成山堂書店]
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人間による“気候改変”? 4/5 ★反論2:地球温暖化は、自然起源の外的変化要因(太陽、火山)によるものではないか?
気候モデルを用いて次の2種類の気候再現実験を行う (1)自然起源の放射強制力(太陽活動変動、火山噴火など)だけを考慮する (2)自然起源と人間活動起源(温室効果気体・エアロゾルの増大)の両方を考慮する [IPCC, Climate Change 2013, Cambridge] 自然起源だけでは特に20世紀後半の昇温が再現できない 人間活動起源も考慮すると、観測を大変よく再現 (同時に、気候モデルが過去の気候変化をよく再現する能力があることも示せた)
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人間による“気候改変”? 5/5 ★結論 以上の、最新の気候モデルを用いた注意深い数値実験により、
以上の、最新の気候モデルを用いた注意深い数値実験により、 20世紀の温暖化は、人間活動起源の温室効果気体の増加の効果が、 自然起源の効果(や人間活動起源エアロゾル増加の効果)を上回った結果である ことが、示された。 さらに、最新の気候モデルが20世紀の気候変化を再現できること、従って、 将来の気候変化を推定(projection)する能力があることも、示された。 [IPCC, Climate Change 2013, Cambridge]
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将来予測(projection) AR3 (2001), AR4 (2007) の方法 “SRES”社会経済シナリオ
[江守正多、地球温暖化の予測は「正しい」か?不確かな未来に科学が挑む、 化学同人] [近藤、地球温暖化予測が分かる本] 将来“予測”をするためには、将来の社会経済の状態を予測(“projection”)し、つまり、 人口、経済活動(GDP)、エネルギー需要、技術発展の速さ、農地などの土地利用等々を予測し、 その上で、温室効果ガスやエアロゾルの排出量の変化を予測して、気候モデルに与える必要がある。 上図のように2つの軸を考え、合計6つの異なる“社会経済シナリオ”を設定。 IPCC, Special Report on Emissions Scenarios (SRES), 2000 による。 (“A1”がさらに3つ、化石燃料依存、新エネルギー主、中間、に分けられている。) なお、太陽活動は一定、火山噴火は一切起こらないと仮定していることに注意。
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将来予測(projection) AR5では“RCP”シナリオを採用(Representative Concentration Pathway (RCP) scenarios)。 (SRESシナリオでは、モデルにより炭素循環や化学スキームが異なるため、長寿命温室効果ガスやエアロゾルの 濃度が(同じ排出シナリオであるにも関わらず)異なってしまい、放射強制力も異なってしまう、という問題があった。 また、政策主導的な排出削減対策が考慮されていないという課題もあった。) RCP8.5: 高位参照シナリオ (非常に大きな温室効果ガス排出、 CO2は2100年に936 ppmv) RCP6, RCP4.5, RCP2.6: 高位・中位・低位安定化シナリオ (CO2 at 2100: 670, 538, 421 ppmv) : RF=2.29 W m-2 安定化=“stabilization”の訳 See also Box SPM.1: Representative Concentration Pathways (RCPs), AR5, p.29 また、ipcc_ar5_wg1.pdf:RCPシナリオを用いた今回の報告書では、放射強制力の経路を複数用意し、それぞれの将来の気候を予測するとともに、その放射強制力経路を実現する多様な社会経済シナリオを策定できるので、緩和策の効果やその結果現れる気候変化による影響を反映させることができる。これにより、例えば「気温上昇を○℃に抑えるためには」と言った目標主導型の社会経済シナリオを複数作成して検討することが可能となる。 ( 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書 第1作業部会報告書(自然科学的根拠)の公表について、報道発表資料 平成25年9月27日 文部科学省 経済産業省 気象庁 環境省) RCPシナリオでは、放射強制力でラベル付けしているが、実際には、濃度や排出量の値をモデルに与えているため、実際の放射強制力の値はモデルにより多少異なる。 各シナリオにおけるCO2、CH4、N2O、CFCの濃度値の変化は、AR5, Chapter 1, Box 1.1 (p )を参照。
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将来予測(projection) ・ 1986~2005年を基準とした、2081~2100年における世界平均地上気温の変化は、RCP2.6シナリオでは0.3~1.7℃、RCP4.5シナリオでは1.1~2.6℃、RCP6.0シナリオでは1.4~3.1℃、RCP8.5シナリオでは2.6~4.8℃5の範囲に入る可能性が高い(66%~100%)。 海面水位について: 1986~2005年を基準とした、2081~2100年の期間の世界平均海面水位の上昇は、RCP2.6シナリオでは0.26~0.55m、RCP4.5シナリオでは0.32~0.63m、RCP6.0シナリオでは0.33~0.63m、RCP8.5シナリオでは0.45~0.82mの範囲に入る可能性が高い(中程度の確信度)。 [IPCC Fifth Assessment Report (AR5), Climate Change 2013, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]
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将来予測(IPCC AR5, 2013) 1986~2005年を基準とした、2016~2035年の世界平均地上気温の変化は、 0.3~0.7℃の間である可能性が高い(確信度が中程度)。 1986~2005年を基準とした、2081~2100年における世界平均地上気温の変化は、RCP2.6シナリオでは0.3~1.7℃、RCP4.5シナリオでは1.1~2.6℃、RCP6.0シナリオでは1.4~3.1℃、RCP8.5シナリオでは2.6~4.8℃の範囲に入る可能性が高い。 1986~2005年を基準とした、2081~2100年の期間の世界平均海面水位の上昇は、RCP2.6シナリオでは0.26~0.55m、RCP4.5シナリオでは0.32~0.63m、RCP6.0シナリオでは0.33~0.63m、RCP8.5シナリオでは0.45~0.82mの範囲に入る可能性が高い(中程度の確信度)。 世界平均地上気温の上昇に伴って、ほとんどの陸上で極端な高温の頻度が増加することはほぼ確実である。中緯度の大陸のほとんどと湿潤な熱帯域において、今世紀末までに極端な降水がより強く、頻繁となる可能性が非常に高い。 二酸化炭素の累積排出量と世界平均地上気温の上昇量は、ほぼ比例関係にある。(新見解) 気候変動は陸地と海洋の炭素吸収を一部相殺してしまうことの確信度は高い。この結果、排出された二酸化炭素は、大気中により多く残ることになる。 海洋へのさらなる炭素蓄積の結果、海洋酸性化が進行するであろう。 [気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書 第1作業部会報告書(自然科学的根拠)の公表について、報道発表資料 平成25年9月27日 文部科学省 経済産業省 気象庁 環境省] 可能性が高い:66%~100% 確信度の尺度の高い方から、「非常に高い」、「高い」、「中程度の」、「低い」、「非常に低い」の5段階の表現を用いる。
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IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change) (気候変動に関する政府間パネル)
1988年、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)のもとに設立 第1作業部会: 気候変化の科学的根拠、全球・地域別の気候変化予測 第2作業部会: 生態系、社会経済等への影響、適応性や脆弱性の評価 第3作業部会: 気候変化緩和策(対応戦略)に関する科学技術、環境、 社会経済それぞれの面からの評価; 排出シナリオなど 第1次評価報告書(1990): 「人間活動による温室効果気体による気候変化の可能性を警告」 第2次評価報告書(1995): 「観測によると、人間活動の影響が全球の気候に現れている」 第3次評価報告書(2001): 「地球温暖化の原因は人間活動である可能性が高い」 第4次評価報告書(2007): (アル・ゴア元米国副大統領とIPCCが2007年ノーベル平和賞) 「温暖化は疑う余地がない。その原因は人間活動である(とほぼ断定)」 「20世紀末に比べて21世紀末には平均気温1.8~4.0℃上昇、 海面水位18~59cm上昇。 また、台風が強まり、積雪面積や海氷は縮小」 第5次評価報告書(2013/2014) (シナリオの違いを考慮すると予測結果はAR4と整合的。海面水位等、その他の予測についても同様)
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気象学入門 13.地球温暖化の科学 気温上昇? 温室効果ガスの変化? 人間による“気候改変”? 将来予測 IPCCとは レポート課題
提出期限・提出場所: 2月6日(月)最終講義時まで。直接手渡しすること。 テーマ: 気象学入門の講義に関連するものを各自自由に選ぶ(迷う場合は事前に相談のこと) 講義資料websiteを参照のこと: 用紙・ページ数: A4紙1枚を両面使用する(表裏2ページ)。 (前回以前等の講義資料に詳細情報あり) 講義資料(PowerPoint/PDF)
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https://en.wikipedia.org/wiki/Isotopic_signature#Carbon_isotopes
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将来予測(IPCC AR4, 2007) 全球地表気温の上昇(100年後): 2.4~6.4℃(A1F1)、 1.7~4.4℃(A1B)、1.1~2.9℃(B1)(確率66%) 海洋の熱塩循環が弱まる(グリーンランドと南極の周りでの沈み込みが弱まる) 北半球高緯度地域の冬で、雪や氷が減り、気温上昇が大きくなる 降水量は地球全体では増加(水蒸気量増加するため)。中高緯度で特に増加。熱帯太平洋はおおむね増加、ただし、熱帯の陸域ではモデルにより違いが大きい。亜熱帯では減少(ハドレー循環の強化、傾圧帯がより高緯度へシフト)。 “異常気象”(定義は、“30年に一度の現象”): 異常に暑い夏が増え、異常に寒い冬が減る 大雨・豪雨が増える(平均的には降水量が減るような地域でも) 異常な乾燥、旱魃が増える地域が出てくる 日本では: オホーツク海付近が高圧傾向となり、熱帯太平洋はエルニーニョ的となり、長梅雨・冷夏になることが多くなる(とはいえ、平均すれば昇温) 台風(ハリケーンやサイクロンも含めて)の発生数は減るが(熱帯では大気上層がより温まり安定化するため)、強いものの数は増える(水蒸気量増加するため) 海面上昇は、むこう100年で18~59 cm(過去100年で17 cm)(ただし、南極氷床の理解不十分) [江守正多、地球温暖化の予測は「正しい」か?不確かな未来に科学が挑む、化学同人]
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[IPCC Fifth Assessment Report (AR5), Climate Change 2013, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]
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