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がん化の原因は何か? 遺伝子異常を何がもたらしているのか?.

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1 がん化の原因は何か? 遺伝子異常を何がもたらしているのか?

2 なんらかの外的要因、例えば放射線などの環境要因や生活習慣などが悪さをしているとは想像できる。
タバコを吸い続けてもがんにならない人もいる。 がんになる人が多い家系もある。 遺伝的要因もがん化には関係するのか?

3 表7.がんのなりやすさと遺伝 がん種 家族性(親が罹患) コントロール 例数 発症率 リスク(%) 例数 発症率 リスク(%)
食道癌 胃癌 大腸癌 肝癌 膵癌 肺癌 乳癌 卵巣癌 前立腺癌 甲状腺癌 非ホジキンリンパ腫 ホジキン病 多発性骨髄腫 白血病 がん種 家族性(親が罹患) コントロール                例数 発症率 リスク(%) 例数 発症率 リスク(%)  Int. J. Cancer: 108, 109–114 (2004)より改変

4 スウェーデンの結果からは、感染が原因のがんなどを除くと(肝がんや胃がん)、親ががんの子供は同じがんに罹患する確率が高くなる。
がんになり易さは遺伝する。 遺伝要因と環境要因お関係はどう考えるべきか?

5 図44.遺伝要因と環境要因の組み合わせによる発がん
相対危険度 要因曝露

6 遺伝要因単独でがん化を進めることはない。遺伝的要因がある場合には、より環境要因への曝露を避けるべき。

7 遺伝要因以外の遺伝子変異を起こす原因は?
1.DNAの複製そのもの 2.物理的要因(放射線、紫外線など) 3.化学的要因(たばこなど) 4.感染症

8 DNAの複製そのもの 機械であれなんであれ、ミスを犯さないものはない。

9 図45.DNAポリメラーゼのミス DNA DNA複製
C G A T センス鎖 アンチセンス鎖 DNA DNA複製 DNAポリメラーゼ DNAの複製は、細胞が分裂する前に必ず行なわれるが、10億回に1回は間違えるとされている。ヒトの細胞には30億塩基対があるため、1回の分裂で3個のDNA変異が入る計算となる。

10 がん細胞の誕生は、そうまれなものではなく、毎日のように誕生していると考えられている。
ただ、臨床がんとして認められるようながんはそのうちの1万分の1〜100万分の1といった頻度でしかない。

11 物理的要因(放射線や紫外線など)

12 図46.放射線の影響−DNA損傷のメカニズム
-GAT-CTA-GCC-GCC-AGA-TCC-CCG-TCG-ATG-A -GAT-GTA-GCC-GCC-AGA-TCC-CCG-TCG-ATG-A 正常蛋白質 異常蛋白質 正常な遺伝子 異常な遺伝子 一塩基の変異 一塩基変異による異常蛋白の産生 放射線は原子にエネルギーを与えて励起や電離を生じさせ、結果としてDNAに傷を付ける。

13 放射線は、原子力発電所の事故で注目されたが、我々はそれ以外に日常的に放射線を浴びている。
ラドン温泉、飛行機搭乗中の宇宙線、など

14 表8. 食品中の自然放射線量 各種食品 放射性物質の量(単位:ベクレル/kg) わかめ 10-150 ほうれん草 90-220
表8. 食品中の自然放射線量 各種食品 放射性物質の量(単位:ベクレル/kg) わかめ ほうれん草 玄米 牛乳 ウイスキー ビール 長崎大学原爆後障害医療研究施設 放射線Q&Aより引用 参照:Natural Radioactivity pressed by Idaho State University

15 年間に浴びる放射線量はどのくらい?

16 自然放射線量 2.4 1988年国連科学委員会報告から作成

17 年間2mSv放射線を浴びているとすると、放射線の影響は蓄積するため、50年間で100mSv浴びる計算になる。
この年齢を過ぎた頃からがんが増えてくると言うのも、示唆的なことと思われる。

18 危険な放射線量とは?

19 表9.原爆被ばく者の固形がんリスク 被ばく線量(Sv) 固形がんリスク増加(%) 0.005-0.1 1.8 0.1-0.2 7.6
> 放射線被ばくがない場合の固形がん発症予測より何%多く認められたかを示した。                    放射線影響研究所:原爆被害者の固形がんリスクより作成                    Radiat Res Jul;168(1):1-64.

20 低線量の放射線であっても危険と考えられるが、有為差をもってがんが増加するのが、100mSvである。

21 環境要因が発がんに関係することが分かったのは、イギリスの煙突掃除夫であった。
陰嚢がんが多いことが問題となり、煙突の中にたまったすすの中に石炭の燃えかすがあり、これが発がんに関与していると考えられた。 その後もたくさんの物質が、職業がんの発見によって見つかった。

22 表10.発がんに関与する化学物質 発がん物質 標的部位 職業 アスベスト 肺、胸膜 建設作業員、解体業従事者
発がん物質 標的部位 職業 アスベスト 肺、胸膜 建設作業員、解体業従事者 ヒ素化合物 皮膚、肺、肝 冶金作業者、農薬散布従事者 タール(ベンツピレン) 肺、皮膚、陰嚢 道路舗装従事者、煙突掃除人 ベンゼン 骨髄 靴製造業者、石油精製業者 アニリン(ナフチルアミン) 膀胱 染料工業従事者 塩化ビニル 肝、肺、脳 ポリマー樹脂製造業者 クロム 肺、鼻腔 クロム鉱山労働者、クロムメッキ工業 ニッケル 肺、鼻腔 ニッケル鉱山労働者 カドミウム 前立腺、肺 カドミウム作業者 ベンチジン 膀胱 染料工業従事者

23 タールやベンゼンなどがタバコの煙からも検出されており、喫煙はがん化の最大のリスク因子である。

24 表11.米国における喫煙のがんリスク 相対リスク(男) 相対リスク(女) 口腔・咽頭 27.5 5.6 食道 7.6 10.3
相対リスク(男) 相対リスク(女) 口腔・咽頭 食道 膵臓 喉頭 子宮頸部 腎臓 膀胱 アメリカ公衆衛生総監報告(1989)より作成 非喫煙者を1として、喫煙者のがん発症リスクをもとめた。喫煙者とは毎日1本以上のタバコを吸っており、自分で喫煙者と申告したものを指す。相対リスクが2ということはがん発症が2倍になることを意味する。以下の図でも同様。

25 喫煙はほぼすべてのがんのリスク要因 喫煙者ががんになるのは自業自得! 問題は受動喫煙。

26 喫煙とがん−その1 非喫煙者の女性 1日3時間以上受動喫煙を受けている人では、受動喫煙を受けていない人に比べて子宮頚がんの発症リスクが3倍以上に増加する。

27 喫煙とがん−その2 乳がんは受動喫煙による影響が大きいため、非喫煙者を対照とすると間違った結果が得られる。非喫煙者で受動喫煙なしをコントロールにすると、受動喫煙のみで喫煙と同じくらいのリスクとなる。

28 喫煙の影響を調べるためには、非喫煙者はコントロールにならない。
非喫煙者で且つ受動喫煙なしをコントロールにする必要がある。 喫煙と同じくらい受動喫煙はがん化を促進する。

29 喫煙とがん−その3 アルコールと喫煙どっちが悪い? 両方悪い!しかし非ウイルス性肝がんでは、喫煙の影響が大きい。

30 喫煙とがん−その4

31 喫煙はがん転移を促進する。

32 喫煙率が低下しているのに、肺がんは減らない?
喫煙率は1966年のピーク83.7%から、2011年の33.7%まで、減る一方です。  そして、肺がん死亡数は1958年の2,919人から、2010年の50,395人と増える一方です。

33 喫煙率の低下に伴って肺がんは減少している!

34 喫煙、特に受動喫煙も含めて、は最大のリスク要因である。

35 感染の影響は?

36 表12.感染症による発がん 感染源 がんの部位 年間罹患数 割合(%) ヘリコバクター・ピロリ菌 胃 490,000 5.4
ヒトパピローマウイルス 子宮頚部・他 550,000 6.1 肝炎ウイルス(B型、C型) 肝臓 390,000 4.3 EBウイルス リンパ腫 鼻咽頭 99,000 1.1 ヒトヘルペスウイルス8型 カポジー肉腫 54,000 0.6 ビルハルツ住血吸虫 膀胱 9,000 0.1 ヒトT細胞性白血病リンパ腫ウイルス 白血病 2,700 肝吸虫 胆管 800 感染関連がん総数 1,600,000 17.7 がん総数(1995) 9,000,000 100 Stewart BW and Kleihues, eds. World cancer report, pp57, IARC Press, Lyon,2003

37 図48.がん化のメカニズム 遺伝要因なし 遺伝要因あり がん細胞 遺伝子変異を引き起こす要因 放射線 による DNA損傷 化学物質 による
ウイルスによるがん抑制遺伝子の不活化 ウイルスによるがん遺伝子の活性化 DNAポリメラーゼのミス

38 がんの形成に必須の血管新生 がん細胞が増殖して大きさが2mmを超えるようになると、血管から遠くはなれる細胞が出現する。正常の組織では、2mm以上はなれないように毛細血管網が形成されている。 したがって2mm以上離れると酸素や栄養の供給が不足するようになる。そのため、これ以上がん組織が大きくなるためには、血管ががん組織内に入る必要がある。

39 図49.がん組織の腫瘍血管 造影剤を動脈内に注入してレントゲン写真をとると,左のように腫瘍全体に造影剤が染まって見える。これらが腫瘍血管と呼ばれている。  これだけ血管があるのだから,十分量の酸素と栄養が供給されていると考えられるが、血流が遅いから染色されると考えると、時間あたりの動脈血供給量は少ない。

40 図50.正常組織とがん組織の酸素濃度 Adamらの文献(Head Neck, 21:149, 1998)より引用 Normal tissue
正常皮下組織 Tumor tissue 癌組織 Adam MF, et al. Tissue oxygen distribution in head and neck cancer patients. Head Neck, 1999, より改変

41 図51.血管新生のメカニズム (A) 低酸素環境下でのVEGF産生 (B) 血管新生因子と阻害因子のバランス HIF-1 VEGFタンパク
血管新生阻害因子 低酸素になると低酸素誘導転写因子(HIF-1)が核内に移動し、VEGF遺伝子の転写亢進、タンパク産生が亢進する。 低酸素下で血管新生因子(VEGFタンパク)が産生されると、血管新生因子が阻害因子を凌駕するようになって、血管新生へ向かう。

42 1.がん組織が大きくなると低酸素になるため、HIF-1が活
  性化する。 2.HIF-1によって数多くの血管新生因子タンパクが作られ   る。 3.血管新生が起こるが、秩序だっていないために欠陥の   ある血管ができる。 4.そのため、血管がたくさんできるが、いつまでたっても酸   素不足の状態が続く。 5.HIF-1の下流には、がん細胞の運動を高める因子もあり、   転移が促進される。

43 がん細胞では、かなりの細胞にてテロメラーゼが活性化しており、増殖ストップはしにくくなっている。しかし、腫瘍内分化も起こり、分化に伴って遺伝子のサイレンシングもおこり、老化する細胞が出てくる。一方すべての細胞が分化して老化してはがん組織が大きくなれないため、正常組織と同様に幹細胞が存在する可能性がある。

44 図52.幹細胞、前駆細胞とがん化 分化の方向性 脱分化 ニッチで静的 増殖分画 分化方向の決定 分化 がん化の可能性の大小 前期 前駆細胞
自己複製 前期 前駆細胞 後期 前駆細胞 分化した細胞 長期維持 幹細胞 短期維持 幹細胞 脱分化

45 がん化には、ある程度の分裂能をもった幹細胞や幼弱な前駆細胞レベルの細胞ががん化すると考えられる。このレベルの細胞では、不均等分裂が起こり、片方は分化するが、もう片方は未熟なままで残る。がん細胞においても幹細胞の存在が示唆されている。

46 がん幹細胞の存在が示唆するもの がん幹細胞はどちら下というと細胞周期に入っていない。したがって抗がん剤が効かない。再発や転移は、幹細胞の性と行ってもいい。 したがってがん幹細胞の特徴を明らかにすることが必要。


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